中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

うつ病の重症度

2016年12月28日 | 情報

うつ病は、その人によって重症度が異なることは、認識していましたが、
理由や原因は、我々門外漢にはよく理解できない現象でした。
この度、研究によりその理由が解明されました。

うつ病の重症度、血液中に特徴あった
朝日 2016年12月17日

うつ病患者の血液に含まれる代謝物質の中に、重症度に関連するものがあることを、九州大や大阪大などのチームが見つけた。
採血でうつ病の重症度などを客観的に評価する方法の開発に役立つ可能性がある。
米科学誌プロスワン(電子版)で17日発表した。
チームは、九大病院や阪大病院、国立精神・神経医療研究センターなどを受診した
うつ病患者や抑うつ(気分の落ち込み)の症状がみられる患者計90人を対象に、
問診で抑うつの重症度を評価するとともに、高度な分析機器で血液中の100種類以上の代謝物質を網羅的に計測した。
その結果、20種類は量の変化が重症度と関連しており、
うち3―ヒドロキシ酪酸など5種類は特に強い関連があることが分かった。
意欲低下や罪悪感などの症状ごとに関連する代謝物質が異なることも分かった。
うつ病の重症度の評価は本人の主観的な訴えに基づく方法が一般的で、より客観的な評価法が求められている。
九大の加藤隆弘・特任准教授(精神医学)は
「重いうつ状態の患者さんは隠れたところにも多くいる。
健康な人との比較試験なども行い、将来的に採血で診断できるような方法を開発したい」と話した。

「死にたい気持ち」が血液検査でわかる? うつ病の重症度を血液成分中の代謝物で解析
オーヴォ(株式会社共同通信社が運営) 12/19(月)

気分が落ち込み、意欲がなくなる。罪悪感を持ち、そして自殺へ。うつ病には、さまざまな症状がある。
そんなうつ病の重症度に関連する血中代謝物を、九州大大学院医学研究院、大阪大大学院連合小児発達学研究科、
国立精神・神経医療センター神経研究所などの研究グループが発見した。
罪悪感や自殺念慮など、それぞれの症状に関連する代謝物が異なることも分かった。
自殺の危険性も高いうつ病は、その重症度評価もとても大切だが、診断は、本人の主観的な訴えや態度に基づいていて、
評価が難しく、より客観的な評価法の開発が求められていた。
今回の研究では、抑うつ症状のあるうつ病や躁うつ病患者から採血し、
微量の血液成分から数多くの代謝物を同時計測できるメタボローム解析を行った。
その結果、うつ病の重症度に関連する血中代謝物を発見、自殺念慮の有無や、強さを予測するアルゴリズムも開発したという。
研究者は、「うつ病治療には早期発見・早期介入が重要で、今回の成果を手がかりとし、
採血による簡便な客観的評価法が開発されることで、
精神科以外の医療機関や健診などで抑うつ状態のスクリーニングが可能となる」と話している。

大阪大学 研究リリース速報 16.12.17

うつ病は、抑うつ気分(気分の落ち込み)、意欲低下(喜びや意欲の喪失)に加えて、
罪悪感、自殺念慮(死にたい気持ち)など様々な症状を呈し、自殺に至る危険が高い精神疾患で、重症度の評価は不可欠です。
従来、本人の主観的な訴えに基づいた専門家による面接等での重症度評価が一般的でした。
今回、日本医療研究開発機構 (AMED) ・障害者対策総合研究開発事業の支援により、
九州大学大学院医学研究院の神庭重信教授(精神医学分野)、加藤隆弘特任准教授(先端融合医療レドックスナビ研究拠点)、
康東天教授(臨床検査医学)、瀬戸山大樹助教(同上)、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授、
国立精神・神経医療研究センター神経研究所の功刀浩部長(疾病研究第三部)、
服部功太郎室長(疾病研究第三部・NCNPバイオバンク)らを中心とする共同研究グループは、
抑うつ症状を呈する患者(うつ病や躁うつ病患者)から採血し、
微量の血液成分から数多くの代謝物を同時計測できるメタボローム解析を行い、
うつ病の重症度に関連する血中代謝物(3-ヒドロキシ酪酸、ベタインなど)を発見し、
さらに罪悪感、自殺念慮などそれぞれの症状毎に関連する代謝物が異なることを発見しました。
自殺念慮の有無や強さを予測するアルゴリズムも開発しました。
本研究成果は、うつ病の客観的評価法開発および臨床検査応用に大きく貢献するだけでなく、
うつ病の病態解明や、見出した代謝物をターゲットとした食品・薬品開発促進への波及も期待されます。
本研究成果は、平成28年12月16日(金)午後2時(米国東部時間)に、
オープンアクセスの国際科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20161217_1

大阪大学大学院・医学系研究科・精神医学教室
http://www.sp-web.sakura.ne.jp/lab/index.html

 

 

 


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