中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

睡眠が、大切

2014年03月20日 | 情報
精神科専門医の講演を、立て続けに聴講しました。
結果印象に残ったのは、共通するキーワードとして、「睡眠が大切」でした。

お一人の精神科専門医の先生は、症例を整理していくと、殆ど場合で、「眠れない」「不眠」といった症状がある、
ということでした。
「眠れない」「不眠」といった症状が、うつ病発症の原点です、ですからこの不眠問題を解決すれことができれば、
うつ病の発症をかなりの確率で抑制できるのでは、ということを、まとめとして理解しました。
因みに、アメリカ精神医学会が作成している精神疾患に関する診断基準、DSM-Ⅳの大うつ病についても、
「ほとんど毎日の不眠または睡眠過剰」が記載されていますので、当然のことなのですが。

もう一つの精神科医の団体の講演会からは、さらに一歩進んで、睡眠改善策の具体的提案がありました。
精神科医の専門的解説は、省略しますが、実際に従業員の睡眠改善に取り組んだ事例が紹介されました。
そのC社の担当者の説明です。
まず実際に、睡眠改善に取り組んだ従業員(N=83人)に行動目標を設定してもらい、その達成率を一覧にしての報告です。

目標          目標に設定した人  達成できた人  達成率
夕方以降の        24人       20人     83%
カフェイン接種の制限

睡眠儀式を        16人        9人     56%
見つける

寝る前に         15人       10人     67%
PCを使わない

気にしすぎない      13人       11人     85%

休日に          13人        7人     54%
朝寝坊しない

眠くなるまで       10人        5人     50%
床に入らない

夜は明るすぎない      8人        5人     63%
照明

その結果、(改善自覚別アテネ平均点変化で)睡眠の質がどのくらい変化したか、の回答です。
1回目の面談時  とても改善した・少し改善した 32%
2回目の面談時  改善した 8%・少し改善した 57%

改善したと感じる理由としては、
1位 寝つきが改善された。(6名)
2位 中途覚醒の回数が減った(5名)
3位 日中の眠気、だるさが軽減した(4名)
でした。

現時点での睡眠改善プログラム導入効果として、
・不眠者の発見→より良い睡眠の提供の可能性
・新しいアプローチ手段を提供→予備軍へのアプローチが容易になる
・保健指導の質向上→睡眠保健指導へ新たなツールと視点
があげられる、とのほうこくでした。

結果、今回の取組は、かなりの効果があったと判断できたので、今後は他の事業所にも取組を拡大していくとのことでした。
この取組が、うつ病発症の予防になるといいですね。
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