中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

産業医の定期巡視

2018年11月19日 | 情報

法律改正で、産業医の定期巡視が、1月に1回から、条件付きで2月に1回でよいことになりました。

産業医の定期巡視及び権限の付与

安衛則第15条  産業医は、少なくとも毎月一回(産業医が、事業者から、毎月一回以上、
次に掲げる情報の提供を受けている場合であつて、事業者の同意を得ているときは、
少なくとも二月に一回)作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、
直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
一 第十一条第一項の規定により衛生管理者が行う巡視の結果
二 前号に掲げるもののほか、労働者の健康障害を防止し、又は労働者の健康を保持するために必要な情報であつて、
衛生委員会又は安全衛生委員会における調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの
2  事業者は、産業医に対し、前条第一項に規定する事項をなし得る権限を与えなければならない。

ところで、「作業場等」とは、何を意味するのか考えたことがありますか?

皆さんが就労している事務所、だけではありませんよ。働く場所は多様化しています。
例えば、在宅勤務(テレワーク)や、IT業界に多い客先常駐等であり、
営業や物流部門は、事務所に勤務するのは、稀な状況です。工場のような現業部門はどうでしょうか。

「作業場等」を、法令に問うと、
「作業場」とは、「事業場内において密接な関連の下に作業が行われている個々の現場をいい、
主として建物別等によって判定すべきものである」とされています。(昭23・4・5基発第535号)とあります。
それに「〇〇〇等」ですから、事業場の従業員が就労しているすべての場所と解するのが妥当でしょうか。

それでは、産業医の先生には、どのような依頼をしたらよいのでしょうか。
もし、上述の解釈が正しいとなれば、「在宅勤務(テレワーク)、客先常駐等」も、
産業医の定期巡視の対象になるでしょう。
「えっ、それは無理でしょう!」 はい、その通りです、現実的には難しい課題です。
従って、優先順位をつけるとか、2か月に1回が無理なら4か月に1回といった、現実的な方策を模索すべきでしょう。
以上を参考にしていただき、産業医の先生と十分に打ち合わせたうえで、定期巡視を実施しましょう。
因みに、労働局・労基署の確答は得ていませんが、複数の専門家の意見を要約すると、
小職の解釈は概ね正しいと考えています。

 


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