中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

データが示すメンタル不調急増

2024年06月18日 | 情報
労働者の8割、仕事の上で強い不安 データが示すメンタル不調急増
2024/6/3 日経

なぜ今、メンタルヘルスに問題を抱える社員が増えているのだろうか。
その背景をひも解くと、職場環境や業務の高度化・複雑化が社員の強いプレッシャーとなっている現実が浮かび上がる。
強いストレスは、時にダイハツ工業などに代表される企業不祥事へとつながりかねない。
人手不足の中、さらなる休職・退職者が増えれば死活問題だ。

「失敗なく1回でパスしないといけない日程設定により、相当なプレッシャーがあったと思う」
「縦割りで問題が起これば責任部署がつるし上げられる」「出来ないが言えない雰囲気がまだ残っている」
2023年、新車の安全性を確認する試験で多数の不正が発覚したダイハツ工業。
弁護士らによる第三者委員会が同年12月にまとめた調査報告書には、社員らの苦しみと嘆きの声があふれていた。
これまでの調査で、25の検査項目で174の不正が明るみに出たが、その多くが、確実に認証試験に合格し、
決められた開発日程を絶対に守ろうとするためのものだった。
例えば、側面衝突時の安全性を確認する試験では、ドア部品に本来の仕様にない加工をした。
前面衝突時の助手席の頭部の加速度を計測する試験では、
試験による提出データを事前に用意したものに差し替えるなど、多岐にわたる不正が実行されていた。
こうした実態、そして社員への聞き取り調査からは、開発日程をぎりぎりまで短くし、
より少ない人員でやり遂げることを求められる強いプレッシャーが浮かび上がる。
抵抗すれば責任を追及され、無力感にさいなまれる。そんなストレスを社員らは感じていた。

メンタルヘルス不調の予備軍
だが今、心理的重圧に従業員が苦しむ状況は、ダイハツだけの問題ではなくなっている。
日本企業全体で、仕事に関するストレスからメンタルヘルスに不調を抱える人が増えているのだ。
厚生労働省が23年に公表した「22年労働安全衛生調査」によると、
過去1年間にメンタルヘルス不調で連続1カ月以上休業した労働者がいた企業は、
大企業では、90.8%に上った。退職した労働者がいた企業の割合も75.4%と高い。

現在、7479万人の生産年齢人口は、2040年には5978万人まで減少する見込みだ。
今後急速に労働力不足が進む中、貴重な戦力の多くが、メンタルヘルスに不調をきたす予備軍となりかねない状況に置かれている。

同じ厚労省の調査では、「仕事の上で強い不安・ストレスを感じる事柄がある」とした人は82.2%に上った。
その最も大きな要因として浮上するのが仕事の「量」「質」、そして「失敗・責任の発生」だった。
22年から質問の仕方が変わり、結果が上振れしている面もあるが、この3つは常に上位に入っている。

「量」に関しては、多くの職場が人手不足に陥る中でも、決められた時間内で一定量以上の仕事やパフォーマンスは要求される。
過重労働と隣り合わせの状況だ。
「質」に関しても変化が見られる。
(以下、有料記事のため、未確認)
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