中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

スタートアップ向け健保発足

2024年06月03日 | 情報
スタートアップ向け健保発足 国内初、保険料抑え8%台
2024年6月1日  日経

スタートアップで働く人を対象にした国内初の健康保険組合が1日に発足した。
約180社、1万人強が加入する。
月間給与(標準報酬月額)に対する保険料率は8.98%と中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)より1%程度低く、
保険料負担の軽減につながる。
福利厚生の充実はスタートアップへの人材流入や事業成長の追い風になりそうだ。

「VCスタートアップ健康保険組合」は厚生労働省からこのほど設立の認可を受けた。
現時点で153社のスタートアップと27社のベンチャーキャピタル(VC)が加入し、被保険者や被扶養者が合計1万人強となる。
申し込み待機中の企業も含めて3年以内に加入企業が約500社、加入者が3万人に達する見込みだ。
VCから出資を受けている企業が対象で、業績が赤字でも加入できる。
電動キックボードのシェアリングサービスを手掛けるLuup(ループ、東京・千代田)や、
核融合関連装置を開発する京都フュージョニアリング(同)などが加入した。

加入者の平均年齢は35.5歳と若年層が多い。
業務運用のデジタル化の効果もあり、保険料率は現時点で8.98%だ。
被保険者の平均年齢が約46歳の協会けんぽ(平均10%)と比べて低い。
保険料は企業と従業員が折半して支払う。
従業員38人(40歳未満ベース)、平均年収665万円の企業の場合で試算すると、従業員1人あたりの健康保険料は協会けんぽに比べて毎月6000円弱ほど安くなる。
企業の全従業員に対する支払い負担も年間約130万円軽減され、従業員の手取り額を年間約3万4000円増やすことが可能という。
スタートアップは独自の健康組合がなく、現状は協会けんぽに加入していることが多い。
ただ、協会けんぽは中高年の加入者が多く医療費がかさみがちで、保険料率も高めだ。
こうした負担を重荷と感じるスタートアップは多い。
独自の健保加入で保険料負担が軽減されれば、事業への投資や従業員の給与にも資金を振り向けやすくなる。
健保はスタートアップの実情に合ったサービスの提供も目指す。
若年層の従業員に多いとされるメンタルヘルスの不調の予防・ケアとして、
加入企業に対して就業規則の周知や休職者が復職できる体制づくりを支援する。
若年層のがんや生活習慣病を予防する健診メニューも充実させる。
スタートアップはこれまで大企業に比べて福利厚生が見劣りすることが人材獲得のマイナス要因になっていた。
働きやすさが向上すれば成長が加速し、日本の産業の新陳代謝や人材の流動化にもつながる。
スタートアップ健保の設立は一石を投じそうだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする