中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

農福連携(続編)

2021年04月16日 | 情報

小職は、精神疾患をり患し、回復途上にある方には、今後の就労の選択の一つとして、
農業に従事することも有力であることを紹介してきました。

また、企業の皆さん、特に特例子会社を傘下に持つ企業の皆さんには、以下の記事が参考になるでしょう。

 

精神障害者を積極雇用 「やりがい」育てる野菜工場

朝日 2021221

 

世界有数の抗精神病薬メーカー「大日本住友製薬」(大阪市)が、
精神障害者が働きやすい仕事づくりに取り組んでいる。
3年前の制度改正をきっかけに精神障害者を雇う機運が高まったものの、
職場になじめず短期間で辞めてしまう人は多い。
生きがいをもって長く働ければ、薬に頼りすぎない生活ができるかもしれない。
どんな仕事や働き方ならよいのか。考え抜いた先が、都心での農業だった。

JR新大阪駅から地下鉄で北に2駅。大阪メトロ江坂駅からほど近い場所に、
テニスコート2面分ほどの温室がある。大日本住友が研究開発拠点の一角につくった野菜工場だ。
障害者雇用を進めるために設けた特例子会社ココワークが2019年から運営している。

中に入ると、水耕栽培用の棚一面に鮮やかな緑が広がる。
精神障害がある6人が中心となり、フリルレタスやルッコラ、ホウレン草など13種類を育てている。
地元のスーパーやレストラン、高級ホテルに卸し、ネット通販でも売っている。

契約社員の女性(38)にとって、ここが人生初の職場だ。
16歳で双極性障害(そううつ病)を発症し、大学卒業後は自宅などで療養してきた。
就労移行支援事業所の紹介でココワークを知り、昨年1月から働き始めた。
最初は不安だらけだったが、毎朝の体調チェックや上司の「声かけ」のおかげで、
安定して働けるようになった。

女性は「仕事ってスポーツみたい。みんなで協力して工夫して、
効率があがった時はやっぱりうれしい。
農業はきついイメージもあったけど、水耕栽培なら体力に自信がなくても
参加しやすいことがわかりました」と笑顔で話す。

飲食店の勤務時代にうつ病を発症した男性(36)も、1年前から働いている。
いまは他の契約社員と同様に、昼休憩の1時間を含み、午前8時から午後3時まで働く。
「通勤も便利で働き過ぎないように配慮してくれている。体調面も大崩れすることなく働けています」

 

(参照)

農福連携とはなにか? 厚労省九州厚生局

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/caresystem/000122434.pdf

 

農福連携 農林中金

https://www.agriweb.jp/knowledge/1410.html


当ブログ21.1.19を再掲

・「社労士TOKYO」誌(東京都社労士会発行)2020.12より引用(一部を、小職が改変)

 

令和2年版「障害者白書」によると、何らかの障がいをもった人の数は全国で964万人以上、

日本の人口の約7.6%にあたります。障がい者の就労促進は早期に改善すべき課題ですが、

法定雇用率の引上げ等に伴い、雇用者数は着実に増加しています。

とりわけ農業分野では、農業従事者の高齢化、従事者数の減少による荒廃農地を

解消する施策として「農福連携」の施策が進んでいます。

障がい者にとっても、さまざまな工程のある農業は、一人一人の身体状況、

作業能力に応じた仕事設計ができ、また自然の中に身を置くことで精神面・身体面に

良い影響がみられるなど、親和性の高い分野と言えます。

 

因みに、平成元年におけるハローワークを通じた就職件数について、

産業別の実績をみると、精神障がい者は全体の2.8%を占めています。

このほかにも福祉施設との連携等により、農業分野での障がい者就労支援に

取り組む一般企業も近年増加しています。また、法定雇用率を満たすことや

社会貢献だけを目的とするのではなく、自社の従業員・家族向けに契約農家での

種まきや収穫など福利厚生、社員交流などに積極的に活用する試みも見られます。

 

・農福連携(農林水産省HPより)

農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、

自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。

農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、

担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保に

つながる可能性もあります。近年、全国各地において、様々な形での取組が行われており、

農福連携は確実に広がりを見せています。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/kourei.html

 

・令和2年版「障害者白書」

https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r02hakusho/zenbun/index-pdf.html

 

 

 

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