中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

(おまけ)NHKの番組

2013年06月18日 | 情報
2013年06月17日(月)放送
うつ病 あなたに合った治療法「軽症なら薬はより慎重に」

野村 総一郎(のむら・そういちろう)
防衛医科大学校病院 病院長
専門:精神科、特にうつ病
経歴:1974年慶応義塾大学医学部卒業

うつ病の診断と治療
うつ病は、強い憂うつ感や眠れないといった症状が続く病気です。
代表的な症状は「抑うつ気分」と「興味や喜びの喪失」の2つで、さらに「食欲がない」「眠れない」
「イライラする」「疲れやすい」「自分を責める」「集中できない」「死にたいと思う」といった症状もあります。
これらのうち5種類以上あり、それが2週間以上続いて仕事や家事などに支障を来す場合にうつ病と診断されます。
 人によって症状や状態はかなり異なるため、
治療に当たっては「症状の重さ」「年齢」「もともとの性格」などを考慮する必要があります。
薬をのんで安静にするといった治療が、必ずしもうまくいくとは限りません。
大切なのは、患者さんごとのうつ病のタイプを見極め、それに合わせた治療が行われることです。
日本うつ病学会が2012年にまとめた治療ガイドラインでは、うつ病を「軽症」と「中等症・重症」の2つに分け、
それぞれの治療法について解説しています。

軽症のうつ病の治療方針
 うつ病の治療は、薬物療法と精神療法の2本柱で行われ、重症度によって大別されます。
近年、うつ病の患者数は増えていますが、
特に増えているのは軽症のうつ病(前述の9種類の症状のうち当てはまる症状が5~6種類の場合)といわれています。
軽症の場合、治療の基本はカウンセリング(精神療法の一つ)です。軽症の場合はカウンセリングが非常に有効で、
一方、薬物療法の効果が明確ではなく、必要以上に抗うつ薬が使用されると無用な副作用を招く恐れもあります。
そのため、軽症のうつ病に対する薬物療法は、特に慎重に行う必要があります。
ただし、「過去に抗うつ薬が効いた」「うつ病の期間が長い」「睡眠や食欲の障害が重い」「イライラが強い」
「過去に重症化したことがある」などの場合には、軽症でも薬物療法が行われます。
また最近は、軽症のうつ病の場合は適度な運動を行ったほうが改善が見込めるという研究結果も報告されており、
可能なときには適度な運動を行うことも勧められます。飲酒に頼らないことも重要です。
 軽症の場合よりも重い、中等症・重症の場合には、積極的に薬物療法が行われます。
薬物療法と並行して、カウンセリングや認知行動療法も行われます。

うつ病の精神療法
うつ病の精神療法として行われるカウンセリングは、主に支持的精神療法と心理教育に分類されます。
支持的精神療法は、医師が患者さんの話をよく聞き、患者さんのつらさや苦しみを理解して共感する治療法です。
心理教育は、うつ病やその治療法についてわかりやすく説明し、正しく知ってもらうことが目的です。
カウンセリングでは医師と患者さんのコミュニケーションが大切です。
気を遣う必要はありませんので、我慢せずに悩みを相談しましょう。 
認知行動療法も精神療法の一つです。誰にでもものの見方には癖があり、そのため現実をゆがめて捉えてしまい、
うつ病の発症に結びつくことがあります。認知行動療法は、そうしたゆがみをトレーニングで修正していく治療法です。

番組の予告
06月18日(火)
うつ病 あなたに合った治療法「高齢者も あきらめないで」
高齢者のうつ病は「年のせい」と見逃されがち。家に引きこもる、家事をしなくなるなどもサインなので注意を。
認知症との合併も多いため、精神科などでの受診が望ましい。
06月19日(水)
うつ病 あなたに合った治療法「"現代型"どう向き合う?」
うつ病には「きっかけがあれば一時的に気分が良くなる」などのケースがあり、医学用語ではないが、“現代型”と呼ばれる。
ストレス要因が大きく、抗うつ薬は効きにくい。
06月20日(木)
食で健康「見直そう!食物繊維のちから」
食物繊維”は野菜・海藻・果物などにも多く含まれ、便通改善・満腹感の持続、血糖値の急上昇を防ぐなど様々な働きがある。
初夏の食材たっぷりのイタリアンレシピを紹介。
相模女子大学 准教授 吉岡 有紀子(よしおか・ゆきこ)
イタリア料理店オーナーシェフ 片岡 護(かたおか・まもる)

詳しくは、NHK-EテレのHPをご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/
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改正障害者雇用促進法:成立 

2013年06月18日 | 情報
国会で障害者雇用促進法の改正案が成立しました。これにより、
身体障害者と知的障害者だけでなく、精神障害者も法定雇用率の算定対象に含めることになります。
精神障害者の就労促進が図られることになりました。

改正障害者雇用促進法:成立 精神障害者の就労促進
毎日新聞 2013年06月14日

企業に精神障害者の雇用を義務付けることを柱とした改正障害者雇用促進法は13日の衆院本会議で全会一致により可決、成立した。
受け入れ準備が必要な企業に配慮し、義務化は5年後の2018年4月からとした。
就労を希望する精神障害者の増加を受け、さらなる社会進出を促す狙い。
身体障害者に加えて知的障害者の雇用を義務付けた1998年以来の大幅な制度改正となる。
義務化の対象は、そううつ病や統合失調症などの精神疾患のある人で、精神障害者保健福祉手帳を持つ人。
企業や国・地方自治体などの公共機関は、一定割合以上の障害者を雇用するよう義務付けられている。
この割合を法定雇用率という。現在の身体障害者と知的障害者だけでなく、精神障害者も算定対象に含める。
法定雇用率の算定に関しては、5年間に限り精神障害者の分を含めることに伴う引き上げ分を
機械的な計算値より低くする激変緩和措置も盛り込んだ。
また改正障害者雇用促進法は事業主に対し障害者への差別を禁止したほか、障害の特性に応じた職場環境を整備する「配慮」も義務化した。
厚生労働省が想定している差別の具体例は、車いすの使用などを理由とした採用の拒否や、健常者より低い不当な賃金設定など。
研修を受けさせない、食堂の利用を認めないなども差別に該当するとみられ、違反すると同省による指導や勧告の対象となる。
配慮の対象としては、入社試験の問題文の振り仮名付与や点訳のほか、
車いすの利用者に合わせて机や作業台の高さを調整することなどを求める方向だ。労使の議論は秋にも本格化する見通し。

詳しくは、厚労省のパンフ、「障害者雇用促進法が改正されました」を参照してください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/koyo_poster.pdf#search='%E6%94%B9%E6%AD%A3%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E9%9B%87%E7%94%A8%E4%BF%83%E9%80%B2%E6%B3%95%3A%E6%88%90%E7%AB%8B'
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