熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ヒロシマ2005・・・ニコン・土田ヒロミ写真展

2006年07月27日 | 展覧会・展示会
   今、銀座のニコンサロンで、ニッコールクラブ会長の土田ヒロミ写真展が開かれている。
   広島の被爆者の1976年と2005年の写真をモノクロで対比させて、その回りに2005年の60年目のヒロシマ記念日前後の式典にまつわるカラー写真をアレンジした中々見ごたえのある写真展である。
   被爆者の写真には、被爆当時の実情やその時の思い等が書かれていて、2005年の現在の写真には今の心境が添え書きされている。
   取材拒否で、風景や静物だけの写真にコメントだけ添えられているのもあり、亡くなっている人もいる。

   この口絵の写真の早志百合子さんは、被爆時小学3年生だったが、乳がんを患いながらも体操が生甲斐で今も元気で踊り続けていると言う。

   私は、マツダに勤めていたと言う国広敏幸さん(6歳の時路上で被爆)のコメントに、頷いた。
   「・・・それでも、戦争の苦労を愚痴を言っても始まりませんが、原爆を落としたアメリカより、戦争を止められなかった日本の軍隊の方が憎いです(談)。」
   
   天皇陛下が、A級戦犯が合祀されたので靖国に参拝していない。それが私の心だ。と仰ったのが分かったにもかかわらず、まだ、顔を引きつらせて、心の問題だと言って我を張る偉い(?)人がいる国にも、実に爽やかな心境の人がおられると思って読んでいた。
   私自身、正直なところ、あの時に生きていたら身を賭して戦争に反対出来た自信はないが、今なら、どんなことがあっても戦争反対を貫けると思っている。

   靖国問題は、はっきりしている。
   私は、いくら東京裁判が戦勝国の一方的な裁判であっても、あれだけの戦争を主導して、多くの同胞のみならず世界の人々を死に追いやり、人類に途轍もない苦難と歴史に汚点を残した当時の為政者に戦争責任がない筈がないと思っている。
   A級戦犯が総て悪いのかどうかは分からないが、人類の幸せと平和の為に罪を犯した人々を祭っている神社を参拝するすることが、平和を願い国政を預かる為政者のすべきことかどうか、そして心の問題かどうか。
   
   土田ヒロミの告発とも言うべきヒロシマの写真をじっと眺めながら、複雑な気持ちで梅雨の午後を過ごした。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アジアNo.1の航空会社へ... | トップ | 政府の「放送・通信改革」コ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

展覧会・展示会」カテゴリの最新記事