熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

BLIZZARD OF 2010~大荒れ気候異変の欧米

2010年12月28日 | 地球温暖化・環境問題
   昨夜のABCニュースのトップは、「BLIZZARD OF 2010」と言うタイトルで、アメリカの東部大都市を襲い、雷を伴った強烈な雪吹雪がニューヨークなどの機能を麻痺させ、地下鉄のドアが凍り付いて開かず8時間もカンヅメ状態だったと報道していた。
   雨が殆ど降らない筈のカリフォルニアに大洪水をもたらした気候異変の延長のようだが、このアメリカ東部の異常寒波は、昨年に続いた自然の人類への強烈な挑戦と言うべきで、同じく、ヨーロッパでも大雪で空港が閉鎖されるなど交通マヒが極致に達していると言う。
   
   ずっと前のことになるが、私は、アメリカに2年、ヨーロッパに8年住んでいたけれど、特に異常と言うほどの経験をしたことがないので、この欧米の冬の厳寒、夏の猛暑の異常ぶりは、想像外である。
   一度だけ、ヨーロッパで大きなGALEを経験した。これは、キューガーデンの何百年も経た巨木が、何本もなぎ倒された程で大変な突風ではあったが、日本の大型台風と言った程度で、当日、アムステルダムからヒースロー経由で、日本への出張の途次に、JALへの乗継には遅れたが、後のBAで帰れたので大したことはなかった。
   それに、アムステルダムで、大雪と寒波を経験したが、一度だけで、リア王の世界のような陽のないヨーロッパの冬にはなじめなかったが、寒さ暑さは、むしろ、東京よりも快適で、自然が美しかったと記憶している。

   ここ異常気候現象は、これまで、何度も科学者たちが、地球温暖化によるものと予言を続けていたことで、驚くに値しないのかも知れないが、愈々、宇宙船地球号も、自分自身で、地球のエコシステムを制御できなくなったと言うことであろうか。
   この地球温暖化問題の危機的な状況にはついては、何度も触れて来たので、ここでは、多言を避けるが、問題は、世界の人々が、この異常気候現象を、病んだ地球の命の叫びであることを理解していないと言うことである。

   ハリケーン・カタリーナで、アメリカ人は、大変な自然の脅威と言うかしっぺ返し・挑戦を受けたにも拘わらず、何の教訓も学んでいないと言うことが、折角、オバマ大統領が宣言したグリーン・ニューディールへの戦いを、経済不況克服を理由に後戻りさせ、ないがしろにしようとする風潮からも良く分かる。
   結局、石油がぶ飲みのアメリカは、カタリーナ級の自然の挑戦が、何度も何度も直撃して、その脅威の凄まじさを経験して身に沁みない限り、目覚めないであろうと言うことであろう。

   もう一つの地球温暖化対策に消極的な公害大国中国だが、多くの中国人がラッシュして訪日するのは、殆ど買い物の様で、偽物や公害に汚染された中国製品を嫌って、間違いなく、本物の価値ある品物・商品を、日本で買えるからだと言うことである。
   私が学生の頃には、阪急電車で神崎川を越える時には悪臭が鼻を突き、尼崎の街に出ると、煤煙で洗濯物が真っ黒になっていたのだが、とにかく、明日を目指して突っ走っていた国民の殆ど誰も公害など意に介していなかった。
   外部不経済が、将来、如何に、社会的コストを増大させて、国民に過酷な負担を強いるかと言うことさえも、一部の経済学者だけの関心事で、公害はタダだと言う認識で垂れ流し状態であった。その典型は、水俣であろうか。
   ところで、私は、上海の凄まじい雑踏しか知らないが、例えば、黄河が断流し、国土の殆どの川水は汚染されていて飲料に適さなくなってしまっていると言うのだから、今の中国の公害ぶりは、当時の日本の比ではないのだろうと思う。
   自縄自縛、この国の民も、生活に一所懸命で、自分自身が窮地に立たなければ、エコシステムを破壊しながら、自分たちの生活圏をどんどん蚕食していることに気付かないのであろうと思う。

   私は、ガーデニングで、草花や花木を育てているが、残念ながら不注意や怠慢で、枯らせたり痛めてしまったりすることがあり、いつも、痛く反省している。
   植物は、犬や猫のように鳴き声を出して訴えないし、子供のように泣き叫ぶことが出来ないので、何も言えずにじっと耐えて自然環境に馴染もうと、必死になって生きている。
   世話をする人間が馬鹿だと、生物は生きて行けないのである。
   私は、地球も、この植物と一緒で、何も言わないので分からないのだが、最近の異常気象は尋常ではなく、声なき声を振り絞った地球の命の叫びのような気がしている。

    隣国が非常事態の戦時体制を敷いているにも拘わらず、太平天国を決め込んで、国家の命運を背負って立つ筈の政治家が、詰まらない政争に明け暮れている能天気な国の姿が、どこか、この悲劇に重なるのだが、結局、煮えガエル状態になって、悪化の一途を辿って行くのかも知れないと言う気がしている。

(追記)口絵写真は、NYTより借用。
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