熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

都響定期A・・・アンドリュー・リットンのチャイコフスキー交響曲第4番

2019年05月30日 | クラシック音楽・オペラ
   今回の都響定期公演は、次の通り。

指揮/アンドリュー・リットン
ピアノ/アンナ・ヴィニツカヤ
曲目
 バーバー:管弦楽のためのエッセイ第2番 op.17
 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 op.26
 チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 op.36
 (アンコール)チャイコフスキー:「四季」op.37b より3月 ひばりの歌(アンナ・ヴィニツカヤ)

  チャイコフスキーの交響曲は、今回の4番から6番の悲愴までが、大曲として良く演奏される。
  私は、ロンドンから帰る時に、カラヤンのチャイコフスキー:交響曲第4番 第5番 第6番 悲愴 のCDを買って帰ったのだが、その後、CDやDVDで、音楽を鑑賞することはなくなったので、今回会場で聴いていて、殆どメロディーをフォローできたのは、コンサート会場で結構聴いていたお陰だろうと思っている。

   この第4番は、丁度、メック夫人がパトロンになったので、経済的な余裕が出来て作曲に専念できるようになった時期の作品で、非常に意欲的でダイナミックなのであろう、
   冒頭の全曲の主想旋律となるホルンに始まる金管楽器が轟くファンファーレのモチーフから、ロンド主題が金管楽器中心に、さらに第2副主題が長調で力強く奏され、圧倒的な迫力で終結部に突き進む。
   メック夫人への手紙で、「苦悩から喜びの勝利へ」の作曲意図を伝えたと言う。
   ホルンやトランペットが放列を敷き激しく唱和する金管楽器の咆哮、大太鼓の大地を突く連打の迫力・・・白鳥の湖やくるみ割り人形などのような美しいメロディーとは、全く違った、別世界のチャイコフスキー節。
   アンドリュー・リットンのタクト裁きが冴え、都響が、素晴らしいサウンドで応える。
   私など、熱狂的な拍手喝采で湧いている会場を後目にして、いつも、直ぐに席を立って帰ってしまうので、余韻も何もあったものではないのだが、ロンドンに居た時には、車で、ビッグベンや電光に映えた奇麗な夜景を楽しみながらキューガーデンに帰っていたので、それなりの感慨はあった。

   プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、殆ど100年前の作曲。
   プロコフィエフは、日本にも滞在しており、私が子供の頃にも生きていたので、現代の作曲家。
   ピアノのアンナ・ヴィニツカヤが、ロシア人で、民族の血がそうさせるのか、感動的。
   ヴィニツカヤは、アンコールのひばりの歌では、中空を仰いで、しばし茫然、ピアノ協奏曲とは打って変わったような、美しいメロディを楽しませてくれた。
コメント
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