熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

徳川美術館をはじめて訪れる

2017年05月29日 | 展覧会・展示会
   名古屋には何回も行っており、源氏物語絵巻などを見たくて、徳川美術館へは、足を運びながら、休館日であったり閉館時間であったりして、見学のチャンスがなかった。
   しかし、今回、やっと見る機会が出来て、多少時間に余裕もあったので、隣の庭園徳川園を散策することも出来た。
   それに、春季特別展「金と銀の国ジパング」の最終日でもあり、幸いであった。
   

   この特別展は、沢山の金銀の貨幣から、仏像や経典、金碧の障壁画、純金・純銀の器や装飾品、調度品、刀剣や甲冑等々、多岐にわたった金銀ゆかりの文化財が展示されていて、壮観であった。
   何と言っても、異彩を放っていたのは、3代将軍徳川家光の長女で、尾張藩主徳川光友の正室霊仙院千代姫所用の国宝や重要文化財に指定されている婚礼調度(初音の調度及び他の調度)の数々で、この美術館の所蔵ながら、一部は、これまで、他の展示で観てはいるが、これだけ、一挙に見る機会を得ると、その凄さに圧倒される。
   学生時代から、古社寺を巡っているが、当時の関心は、建物や庭園のほかは、仏像や障壁画など絵画が主体であったのだが、この頃は、今回の千代姫のような調度品をはじめ、金工、漆工、染織、陶磁などの工芸品、それに、刀剣・武具と言った凄い匠の技に感激しながら、鑑賞する機会が多くなった。
   特に、台北の故宮博物館で観た工芸品や彫刻の凄さには、正に、度胆を抜かれる思いであった。
   尤も、まだ、良く分からないことが多いのだが、あのような凄い工芸品をどうして作れるのかと思うだけで、感激してしまう。
   これも、幸いにも、欧米の目ぼしい博物館や美術館を巡り歩いて、随分素晴らしい工芸品を見続けてきたおかげの様な気がしている。
   
   常設展の名古屋城の二の丸御殿の数寄屋の広間や茶の湯や能舞台など、素晴らしい室内や関連装飾品などがディスプレィされていて、先日、名古屋城を見ているので、興味を持って面白く鑑賞させてもらった。
   第6展示室「王朝の華」は、源氏物語絵巻の部屋なのだが、残念ながら、国宝の複製が展示されていて、映像をビデオで流しているだけであった。
   二回くらい、この源氏物語絵巻の原本を、別の展示会で見ているのだが、やはり、複製と実物では、印象が全く違う。

   この日、清盛が厳島神社に奉納した国宝の平家納経は、妙法蓮華経如来壽量品第十六の原本が展示されていて、その素晴らしさに感動して、長い間眺めていた。
   インターネットで、そのコピーを借用すると次の通りだが、1巻の全体がディスプレィされていたので、絢爛豪華な装飾の美しさは出色で、清盛以下、重盛・頼盛・教盛など一族が筆書したと言うのであるから、その凄さにびっくりする。
   

   徳川園は、かなり広大な池泉回遊式の日本庭園で、今は、新緑の季節で緑一色だが、春の桜や秋の紅葉の頃には、美しいと思う。
   この池の錦鯉は、壮観で、広々とした池の雰囲気が、また、実に良い。
   池畔の観仙楼では、結婚式が催されていて、式を終えた3組くらいのカップルが、庭園のあっちこっちで写真を撮っていた。
   
   
   
   
   
(追記)口絵写真は、HPより借用。
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