このタイトルも口絵写真も、ニューズウィークの電子版からの借用である。
今、イタリア・ピエモンテ州のバローロ村とその周辺で生産されているDOCG規格の赤ワイン・バローロ (Barolo) は、イタリアの高級ワインだが、ピエモンテ州のワイン生産者達が、1970年代以降、品質競争で優位にあるフランス、アメリカに対抗して、近代的醸造技術の導入により高品質ワインの製造に乗り出して作り上げたブランドであり、そんなに昔の話ではない。
高給なフランス・ワインと比べれば、比較的安いので、私など、ヨーロッパにいた時には、バルバレスコやキャンティ・クラシコとともに、賞味していたのだが、私が、言いたいのは、表題と同様に、イタリア農業は、品質改良や新製品を作り出すなど、生産品を、高級化して付加価値をつけて、国際競争に打って出ていると言うことであり、これが、正に、日本農業の目指すべき道だと言うことである。
これは、流石に、スロー・フードの国で、ミラノファッションなどファッション関連産業で、世界に冠たる高給ブランドを生み出しているイタリア人気質、創造性と芸術性を遺憾なく発揮するイタリア人の匠の技・職人技の発露と相通じる特質が生み出したものであり、このグローバルベースでの差別化こそ、イタリア産業の宝であろう。
この記事は、次のように述べている。
昔から農業国として知られるイタリアは今や、ヨーロッパ随一の高級食材の生産地でもある。ワインやチーズ、野菜、海産物など各地域の特産品の品質を高める工夫を重ねることで差別化に成功し、国際的な価格競争に負けないブランド価値を維持している。産地や製法についての細かい規定を満たした製品だけに付与されるDOP(保護指定原産地呼称)など、EU(欧州連合)の「お墨付き」を得た製品も数多くある。
品質向上の取り組みの中でも特に力を入れてきたのが、化学肥料などを使わない有機農業への転換だ。今ではイタリア国内の耕作地のうち約8%の110万ヘクタールで有機農業が行われており、有機農家の数は欧州最多の4万8000以上。恵まれた気候と肥沃な土壌を武器に、生き残りを懸けた農家の努力は日々続いている。
TPP(環太平洋経済連携協定)への参加が決まった日本にとっても、農業の競争力強化は死活問題。その点、イタリアが進めてきた高級路線へのシフトは1つのヒントになるかもしれない。と言うのである。
さて、日本の農業を如何に将来発展させて行くのか、TPP加入と絡んで、真剣に議論されている。
門外漢なので、誤解があるかも知れないが、新鮮かつ安全な野菜や果物など大都市圏が求める産物を生産している近郊農業は、それなりに生きる道はあるだろうが、消費地から離れた遠隔地の農業では、現在のグローバル競争を考えた場合には、特別な差別化商品ではない限り、絶対価格競争で太刀打ちできないであろうと思っている。
しからば、どうするのか。私は、品質改良して超高級な商品を生産するとか高度な加工を加えるなどして、商品の差別化によって、上位の無消費者市場を狙った農業に転換するのが必須だと思っている。
アメリカでは、エブリディ・ロープライスのウォールマートに対抗して、今や、ホールフーズマーケットを筆頭にして、 トレーダー・ジョー やサンフラワーマーケット などオーガニック系スーパーマーケットが、快進撃を続けている。
文化文明が、進めば進むほど、人々が、食の安心安全、テイストの高度化高級化を志向するのは当然であって、今後、公害等生活を脅かすような環境変化が加速して来るにつれて、益々、食品の高級市場が拡大して行くと考えられる。
本来、農業は大衆相手の商品であったのだろうが、農業技術や食品生産において、ダントツの技術とノウハウを持つ日本農業であるから、クールジャパンの先陣を切っているジャパニーズ・フードとのコラボレーションを勧め、高品質高テイストの最高級品を生み出してグローバル市場に打って出る、そのくらいのドラスティックなビジネス・モデルの転換を図るべきであろうと思う。
高度化したグローバル・ベースで展開する国際競争に打ち勝つためには、工業でも農業でも同じことで、日本の生きる道は、クリエイティブ志向のビジネス・モデルを果敢に展開して、より高付加価値の高度なものやサービスを創造してブルーオーシャンを開拓して行く以外にはないと思う。
アメリカのように、ITなど高度なソフト産業に対する起業力がなくても、日本人は、工業でも農業でも、人間生活を、そして、その心を豊かにするものづくりには、歴史と伝統に培われた卓越した技術と感性を持っているのであるから、イタリア農業以上に高度化できるのではないかと思っている。
今、イタリア・ピエモンテ州のバローロ村とその周辺で生産されているDOCG規格の赤ワイン・バローロ (Barolo) は、イタリアの高級ワインだが、ピエモンテ州のワイン生産者達が、1970年代以降、品質競争で優位にあるフランス、アメリカに対抗して、近代的醸造技術の導入により高品質ワインの製造に乗り出して作り上げたブランドであり、そんなに昔の話ではない。
高給なフランス・ワインと比べれば、比較的安いので、私など、ヨーロッパにいた時には、バルバレスコやキャンティ・クラシコとともに、賞味していたのだが、私が、言いたいのは、表題と同様に、イタリア農業は、品質改良や新製品を作り出すなど、生産品を、高級化して付加価値をつけて、国際競争に打って出ていると言うことであり、これが、正に、日本農業の目指すべき道だと言うことである。
これは、流石に、スロー・フードの国で、ミラノファッションなどファッション関連産業で、世界に冠たる高給ブランドを生み出しているイタリア人気質、創造性と芸術性を遺憾なく発揮するイタリア人の匠の技・職人技の発露と相通じる特質が生み出したものであり、このグローバルベースでの差別化こそ、イタリア産業の宝であろう。
この記事は、次のように述べている。
昔から農業国として知られるイタリアは今や、ヨーロッパ随一の高級食材の生産地でもある。ワインやチーズ、野菜、海産物など各地域の特産品の品質を高める工夫を重ねることで差別化に成功し、国際的な価格競争に負けないブランド価値を維持している。産地や製法についての細かい規定を満たした製品だけに付与されるDOP(保護指定原産地呼称)など、EU(欧州連合)の「お墨付き」を得た製品も数多くある。
品質向上の取り組みの中でも特に力を入れてきたのが、化学肥料などを使わない有機農業への転換だ。今ではイタリア国内の耕作地のうち約8%の110万ヘクタールで有機農業が行われており、有機農家の数は欧州最多の4万8000以上。恵まれた気候と肥沃な土壌を武器に、生き残りを懸けた農家の努力は日々続いている。
TPP(環太平洋経済連携協定)への参加が決まった日本にとっても、農業の競争力強化は死活問題。その点、イタリアが進めてきた高級路線へのシフトは1つのヒントになるかもしれない。と言うのである。
さて、日本の農業を如何に将来発展させて行くのか、TPP加入と絡んで、真剣に議論されている。
門外漢なので、誤解があるかも知れないが、新鮮かつ安全な野菜や果物など大都市圏が求める産物を生産している近郊農業は、それなりに生きる道はあるだろうが、消費地から離れた遠隔地の農業では、現在のグローバル競争を考えた場合には、特別な差別化商品ではない限り、絶対価格競争で太刀打ちできないであろうと思っている。
しからば、どうするのか。私は、品質改良して超高級な商品を生産するとか高度な加工を加えるなどして、商品の差別化によって、上位の無消費者市場を狙った農業に転換するのが必須だと思っている。
アメリカでは、エブリディ・ロープライスのウォールマートに対抗して、今や、ホールフーズマーケットを筆頭にして、 トレーダー・ジョー やサンフラワーマーケット などオーガニック系スーパーマーケットが、快進撃を続けている。
文化文明が、進めば進むほど、人々が、食の安心安全、テイストの高度化高級化を志向するのは当然であって、今後、公害等生活を脅かすような環境変化が加速して来るにつれて、益々、食品の高級市場が拡大して行くと考えられる。
本来、農業は大衆相手の商品であったのだろうが、農業技術や食品生産において、ダントツの技術とノウハウを持つ日本農業であるから、クールジャパンの先陣を切っているジャパニーズ・フードとのコラボレーションを勧め、高品質高テイストの最高級品を生み出してグローバル市場に打って出る、そのくらいのドラスティックなビジネス・モデルの転換を図るべきであろうと思う。
高度化したグローバル・ベースで展開する国際競争に打ち勝つためには、工業でも農業でも同じことで、日本の生きる道は、クリエイティブ志向のビジネス・モデルを果敢に展開して、より高付加価値の高度なものやサービスを創造してブルーオーシャンを開拓して行く以外にはないと思う。
アメリカのように、ITなど高度なソフト産業に対する起業力がなくても、日本人は、工業でも農業でも、人間生活を、そして、その心を豊かにするものづくりには、歴史と伝統に培われた卓越した技術と感性を持っているのであるから、イタリア農業以上に高度化できるのではないかと思っている。