goo blog サービス終了のお知らせ 

熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ボジョレ・ヌーヴォーの季節

2012年11月16日 | 生活随想・趣味
   昨日解禁された2012年の仏ワインの新酒「ボジョレ・ヌーヴォー Beaujolais Nouveau」は、天候不順で収穫量は激減したものの、最大市場の日本には優先配分され、輸入量は前年を上回る見通しだと言う。

   私がボジョレ・ヌーヴォーを意識したのは、やはり、ヨーロッパに行って、本格的にワインを飲み始めてからである。
   出張に出かけていた頃からなのか、向こうに在住してからなのかは、記憶が定かではないのだが、とにかく、もう何十年も前からのことである。
   しかし、オランダでもイギリスでも、あるいは、他のヨーロッパでも、ボジョレ・ヌーヴォーを賞味する習慣はあるのだが、日本ほど、大騒ぎするところはなかったような気がする。

   私自身も、当時は、特別に、11月の第三木曜日に、ボジョレ・ヌーヴォーを買って飲んだこともないし、レストランに行った時や、パブなどで偶に気づいた時に飲むと言った感じであった。
   ボジョレ・ヌーヴォーが、他のワインと比べて特別に美味しいと言うわけでもないし、それに、レストランでの食事に合うわけでもないし、それ程、関心もなかったと言うのが正直なところであった。
   むしろ、新酒と言うことであれば、ウィーンなどのホイリゲで白ワインを飲んでいた記憶の方が残っている。

   Google Earthで、Beaujolaisを検索すると、リヨンの少し北北東のフランスアルプスに近いところで、ボジョレ・ヌーヴォーは、本来は、その年のブドーの出来具合を調べるもののようだったが、美味しさを引き出すために、ブドウを潰さずにそのまま発酵させるマセラシオン・カルボニック醸造法を駆使して造られ、軽快で渋みがほとんど無くやさしい口当たりの良い赤ワインだと言うことらしい。

   ところで、特別にボジョレ・ヌーヴォーに関心があるわけでもなく、日常的に、適当に赤ワインを夕食時やレストランなどに行った時に、飲んでいるので、同じことだと思って、いつも、ネット・ショッピングで買っている店で、案内のメールが入ると、注文を入れて買っている。
   普通の赤ワインや白ワインについては、多少、長い経験があるので、銘柄やブランドなどには拘るのだが、ボジョレ・ヌーヴォーについては、新酒なので上等なものに固守することもないであろうし、良いのか悪いのか分からないが、まずまずだろうと思って、買ったのが、この口絵写真である。
   間違いなしに、毎年、11月の第三木曜日の朝に配達されてくる。
   何故この日なのかと言うことだが、先駆け禁止と質の維持が目的のようである。

   偶々、イオンに行ったら、ボジョレ・ヌーヴォーが通路にはみ出してまで、沢山並べられていた。
   インターネットでも、これまで、頻繁に広告が入っていたし、昨年などは、ペットボトルでも売られていた。
   フランスから海外市場に出るボジョレ・ヌーヴォーの半分近くが日本だと言うのだが、異常と言うか、初物好きの日本人の嗜好のなせる現象であろうか。
   私は、ヨーロッパに8年住んでいて、ヨーロッパ人の友人たちと随分会食をしていたが、一度も、ボジョレ・ヌーヴォーが話題になったこともないし、一緒に飲んだこともない。
   折角のレストランやパーティでの会食であるから、ボジョレ・ヌーヴォーなどの新酒を飲むなどは考えられないということであろう。

   昨夜、深夜・零時の解禁を待って、レストランに集まったワイン・ファンが、如何にも重要なセレモニーに参加したような面持ちで、ボジョレ・ヌーヴォーで祝杯を挙げていたのをテレビで放映していたのだが、ヨーロッパもそうだったのであろうか。
   随分以前に、ウォートン・スクールに留学していた時、学生たちのバス・ツアーに参加して、偶々、マイアミで、元旦を迎えて、丁度、大晦日にパーティが開かれて、零時の時報に合わせて、歓声を上げて抱き合うなど大いに盛り上がったのを覚えているが、やはり、どこでも、何かを祝うとか解禁日を喜んで騒ぐと言うのは同じだと言うことかも知れない。
   尤も、関心のない人にとっては、「アホとチャウカ」と言うことかも知れないけれど、とにかく、時に及んで、景気をつけると言うことは、世の中の活性化のためには良いことなのである。
   日本もそうだが、世界中のお祭り騒ぎの凄さと素晴らしさを見れば、それがよく分かる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする