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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

佐倉城址本丸跡の八重桜

2008年04月23日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   久しぶりに佐倉城址公園に出かけた。
   若葉が萌えて、新緑が際立って美しい季節で、特に起伏があってバリエーションに富んだ木々の鬱蒼と茂った林間に、芝生や池や畑などのオープンな空間が広がっているので、その変化が醸しだす風情は気分転換にも格好で、散策するのに実に良い。
   城址公園、特に、本丸広場の桜を見るためには、一寸、時期がずれてしまって遅かった。

   しかし、芝生の広場に張り出した一番大きな普賢象とややピンクの勝ったカンザンの2本だけが、今を盛りに咲き乱れていて、新緑に染まった周りを圧していた。
   その下では、7~8人の初老の男たちが、ブルーのシートを敷いて経済談義を楽しんでいて、少し離れて、ピクニックスタイルで訪れた老夫婦が午後のお茶とお菓子で憩っていた。
   広く広がった本丸跡のグラウンドには、幼児たちと戯れる若いお母さんが午後のやわらかな光を浴びて駆けていた。
   この広場は、周りが新緑の茂った城跡の土塁で囲まれた盆地のようなになっているので、遠くの自動車の音が聞えてくるくらいで、実に静かな空間を作っていた。

   ところで、この城址公園には、まだ、何本か桜の木が綺麗な花を咲かせている。
   八重桜では、白い花のショウザン、一重桜では、スルガダイニオイである。
   それに、少し盛りを過ぎてはいるが、緑色がかかったウコンがたわわに花房を保っている。
   やはり、あっちこっちで綺麗な樹形を保っているのは、普賢象で、これは、八重の美しい花の真ん中から蘂が2本突き出していて、普賢菩薩を乗せている象の鼻に似ているので、このような名前が付けられたと言う。
   東寺などあっちこっちで、白象に乗った普賢菩薩像を見ているが、何故か、その度毎に、この桜を思い出す。

   城址を里の方に下って行くと、姥ヶ池に出る。
   今は、睡蓮の葉で埋め尽くされていて、その合間を亀や蛙が頭をのぞかせている。
   亀頭がやや赤みがかった縞模様のある黒い小型の亀が甲羅干しをしていたが、母親亀の背中に小さな小亀が乗っていて、こんな爬虫類でも、哺乳類のように親子の関係があるのを見て興味深かった。

   池畔の柵に間から手を伸ばしてデジカメを構えているいる人が居たので、何をしているのかと聞いたら、トンボを観察しているのだと言う。
   どんなトンボかと聞いて、指し示す方を見るのだがいっこうにトンボなど見えない。
   大分してようやく気付いたら、池面から突き出した小さな枯れ枝の先に、長さ3~4センチ太さ1ミリあるかないかの糸の様なやや青みがかったトンボが止まっている。
   名前を聞いたが、メモが取れなかったので忘れてしまったが、10年以上もトンボの観察をしていて、天気が良くて絶好のトンボ観察日和だったので会社を休んで、トンボ観察に勤しんでいるのだと言う。

   何故か、カワセミの話になったのだが、表ではなく背後の佐倉城址外周の堀には、まだ、沢山飛んでいると言う。カワセミは鳴き声をあげて飛ぶので良く分かると言うのだが、それはそうであろう、普通の人には、金輪際気付かないような小さなトンボを追っかけて根気良く自然観察を続けている人だから、他の大きな生き物など、見つけるのは造作もないのであろう。
   熱心な人がいるものだと感心しながら、暫く、自然観察の面白さを教授頂いていたが、この佐倉近辺には、印旛沼が近いし、沢山の林や森の緑地が広がっていて自然の恵みがふんだんに残っている。

   その後、「伝統の桜草」展示をしている「くらしの植物苑」に出かけて沢山のサクラソウを見た。随分、サクラソウにも多くの種類があるものである。
   江戸時代末期に桜草の雛壇飾りが流行った様で、苑の片隅に、33鉢の桜草が、お雛様のように5段に飾り付けられていた。  
   観光客がちらほら、城址公園内の国立歴史民族博物館に来る人は比較的多いが、この辺まで足を伸ばす人は少ない。 
   
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