熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ヴェトナム椿ハイドゥン・キング

2007年03月25日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   ベトナム椿ハイドゥン・キングが、優雅な姿を現した。
   蕾をつけて数ヶ月だが、寒いために中々開花しなかった。
   室温5度以上、ベターなのは10度以上と言うのであるから、室内でもまだ寒いくらいだったが、玄関のタイル張りの空間においておいたが幸い枯れずに花を咲かせてくれた。
   日本椿のように花弁が落下するのではなく枝についたままで萎れるのだが、可なり花持ちが良い。
   昨年、温かくなったので急いで陽の明るい庭に出して育てたのだが、虫に新芽を食われて散散であり、その木は今年は花を付けなかった。

   花によっては、日本の気候に合わせて庭植えでも根付く場合があるが、やはり、なまくらな私には、植物の室内管理は難しい。
   アザレヤの場合は、元々日本の皐月だからと思って庭植えをしたらピンクのバラのような美しい花を何年か咲かせて喜ばせてくれたが、結局弱かったのか枯れてしまった。
   年末に手に入れたアザレヤを暖かい日に外に出して取り込むのを忘れたので枯れてしまったが、温室育ちの花ほど自然の寒さには弱い。
   イギリスには、キューガーデンもそうだが、大きなアザレヤの木の茂る一角があって、アザレヤ公園として鮮やかな花で妍を競いあって人々を魅了している。
   もうすぐ、そんな季節になるが、落ち着いた日本庭園に彩を添える皐月や久留米つつじなどの風情と違って、バラを愛するヨーロッパでは、同じサツキ・つつじ族でも扱いの違いが面白い。

   今年は気候が異常だったのか、もう既に殆どの椿が最盛期を終えて落下し始めている。
   一番遅い筈の黒椿ナイトライダーやブラックオパールも咲き始めている。
   ただ、気になるのは、そんなに寒くなかった筈だと思うのだが、何故か、今年は、椿の霜焼けと言うか寒さにやられて椿の葉っぱの緑色が退色して褐色や黄みを帯びてきていて痛々しい。
   勢いよくたけのこ芽の新芽を出し始めた気の早い椿もあるが、つや木と言われる椿だからやはり緑の艶々した葉が命である。

   小鳥達は、椿の蜜を目的に椿の木に群がるのだと思ったら、それだけではなく、花弁や蘂も食べている。
   美しく咲き始めたので翌日写真を撮ろうと思って見ると、無残に花弁が食いちぎられていることが多い。
   今年の崑崙黒の宝珠型の花弁も殆ど突かれて先っぽがなくなってしまっている。
   特に大きなヒヨドリが犯人で、花は落とすは植木鉢をひっくり返すはで、迷惑千万である。
   あの咲き乱れる染井吉野の蕾を食いちぎって落としているのも小鳥達だが、これは食べていると言うよりは戯れにとしか思えない。
   早く咲けば、寒さにやられ、それに、春一番の被害を受けることもあり、小鳥達にも荒らされて、戸外に咲く椿の花で、いたみや欠点のない美しい花を探すのは、結構難しいが、それでも、この季節になると、頻繁に椿の切花を洋式和式取り混ぜて小さな花瓶に挿すのを楽しみにしている。
   たとえ一日で花が落ちても、椿の一番美しい時に、色や形の違った椿を切花として楽しめるのは格別でもある。

   今、庭に咲き誇っている他の椿は、ピンク、赤、白の羽衣椿、アラジシ、花富貴、岩根絞、さつま紅など10種類ほどだが、秋に咲いた花も何故か時々忘れた頃に咲き始める。
   洋椿も何種類か咲いているが、総てカメリア・ジャポニカ、即ち、日本椿が欧米で品種改良されて里帰りした椿である。
   皆、バラのように豪華で華やかで、色も一寸毒々しく派手になっているが、これはやはり欧米人好みなのであろう。
   16世紀の半ば、信長や秀吉の時代に宣教師によって種が移植されて、それが、欧米や大洋州に移植されて品種改良されてきた。
   中国やアジア各地に移植されたのは8世紀頃でずっと古いが、日本のカメリアの世界親善旅行は、遥か以前から異彩を放っている。
コメント
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