都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2022年1月に見たい展覧会【ミケル・バルセロ/ポンペイ/松岡コレクションの真髄】
1月も興味深い展覧会が目白押しです。見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会
・「アイヌプリ―北方に息づく先住民族の文化―」 國學院大學博物館(2021/11/18~2022/1/22)
・「開館20周年記念 フランソワ・ポンポン展」 群馬県立館林美術館(2021/11/23~2022/1/26)
・「ミヤケマイ×華雪 ことばのかたち かたちのことば」 神奈川県民ホールギャラリー(2021/12/20~2022/1/29)
・「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」 水戸芸術館(2021/11/13~2022/1/30)
・「矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法」 神奈川県立近代美術館 葉山(2021/11/27~2022/1/30)
・「ザ・フィンランドデザイン展 自然が宿るライフスタイル」Bunkamuraザ・ミュージアム(2021/12/7~2022/1/30)
・「開館40周年記念 白井晟一 入門 第2部/Back to 1981 建物公開」 渋谷区立松濤美術館(2022/1/4~1/30)
・「大林コレクション展 安藤忠雄 描く/都市と私のあいだ/Self-History」 WHAT(2021/9/25~2022/2/13)
・「絵画のゆくえ 2022」 SOMPO美術館(2022/1/14~2/13)
・「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生」 世田谷美術館(2021/11/20~2022/2/27)
・「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」 府中市美術館(2021/12/18~2022/2/27)
・「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか」 すみだ北斎美術館(2021/12/21~2022/2/27)
・「徳川一門 ―将軍家をささえたひとびと」 江戸東京博物館(2022/1/2~3/6)
・「ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵」 千葉市美術館(2022/1/12~3/6)
・「未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展」 パナソニック汐留美術館(2022/1/15~3/21)
・「ミケル・バルセロ」 東京オペラシティアートギャラリー(2022/1/13~3/25)
・「季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~」 大倉集古館(2022/1/18~3/27)
・「よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―」 サントリー美術館(2022/1/26~3/27)
・「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」 ポーラ美術館(2022/9/18~2022/3/30)
・「ポンペイ」 東京国立博物館(2022/1/14~4/3)
・「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」 東京都美術館(2022/1/22~4/3)
・「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」 東京都庭園美術館(2022/1/15~4/10)
・「はじまりから、いま。 1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡―古代美術、印象派、そして現代へ」アーティゾン美術館(2022/1/29~4/10)
・「再開記念展 松岡コレクションの真髄」 松岡美術館(2022/1/26~4/17)
・「21_21 DESIGN Future SIGHT」 21_21 DESIGN SIGHT(2022/12/21~2022/5/8)
ギャラリー
・「ささやきを聴く」秋山泉 展 日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー(2022/1/5~1/17)
・「冨安由真 個展 : The Doom」 アートフロントギャラリー(2021/12/17~2022/1/23)
・「Landscape やわらかな地平のその先に」 ポーラ ミュージアム アネックス(2021/12/10~2022/1/30)
・「ドヴァランス_デザインのコモンセンス」 GYRE GALLERY(2021/12/10~2022/2/13)
・「石川直樹―STREETS ARE MINE」 ギャラリー エー クワッド(2021/12/10~2022/2/17)
・「RED 堀清英 写真展」 シャネル・ネクサス・ホール(2022/1/19~2/20)
・「クリスチャン・マークレー Voices[声]」 ギャラリー小柳(2021/11/24~2022/2/26)
・「妹島和世+西沢立衛/SANAA展 環境と建築」 TOTOギャラリー・間(2021/10/22~2022/3/20)
・「転移のすがた」アーティスト・レジデンシー10周年記念展 銀座メゾンエルメス(2021/12/17~2022/4/3)
まずは現代美術です。スペインの美術家、ミケル・バルセロの個展が東京オペラシティアートギャラリーにて開かれます。

『ミケル・バルセロ』@東京オペラシティアートギャラリー(2022/1/13~3/25)
1957年に生まれたミケル・バルセロは、絵画を中心に彫刻、陶芸など幅広い作品を手がけ、近年はマジョルカ島の パルマ大聖堂の内部装飾や、ジュネーブの国連欧州本部人権理事会大会議場の天井画を制作するなど、建築プロジェクトにも参加してきました。
あけましておめでとうございます🎍東京オペラシティアートギャラリーの新年は1/13からのミケル・バルセロ展でスタートします。project Nは、いま大注目の水戸部七絵。今年もどうぞご期待ください!!https://t.co/P3AlavU3q1 pic.twitter.com/Z6comKLcPa
— 東京オペラシティ アートギャラリー (@TOC_ArtGallery) January 1, 2022
今回の展覧会はバルセロの仕事を日本で初めて紹介するもので、約90点の作品にて40年にも及ぶ芸術家の活動を追っていきます。なお本展は国立国際美術館、長崎県美術館、三重県立美術館にて開かれてきた巡回展で、東京オペラシティアートギャラリーが最後の開催地となります。
過去に何度か開かれてきたポンペイに関する展示の決定版となるかもしれません。特別展『ポンペイ』が東京国立博物館にて行われます。

『ポンペイ』@東京国立博物館(2022/1/14~4/3)
2022年は、1997年にポンペイ及び周辺の遺跡地域が世界遺産登録されてから25年となる節目の年です。
— 特別展「ポンペイ」 (@pompeii2022) January 4, 2022
///#ポンペイ展 のチケット販売は
明日(1/5)からです‼️
\\\
チケットの購入方法など詳しくは
▶️https://t.co/a86D28Bo0o
🌋特別展「ポンペイ」
🗓️2022.1.14~4.3
🗾東京国立博物館
開幕まで🔟日😆 pic.twitter.com/FloQqX6amn
これはポンペイ出土の膨大な遺物を収蔵するナポリ国立考古学博物館の協力のもと、壁画、彫像、工芸品や食器、調理具といった日用品など約150点の資料が公開されるもので、一部における当時の遺跡や生活空間も再現されます。平成館の余裕のある展示室を用いてのスケール感のある展覧会となりそうです。
ラストは改修工事や作品調査による休館を終え、2年8ヶ月ぶりに再開する松岡美術館の展覧会です。『再開記念展 松岡コレクションの真髄』が開かれます。

『再開記念展 松岡コレクションの真髄』@松岡美術館(2022/1/26~4/17)
1975年に開館した松岡美術館は、日本や東洋の陶磁器、またはフランス近代絵画やガンダーラの彫刻といったコレクションで知られ、2000年より現在の白金へと移っては作品を公開してきました。
あけましておめでとうございます🌅当館はいよいよ2022年1月26日(水)に再開いたします本年もよろしくお願い申し上げます🐅#松岡美術館 #只今休館中 https://t.co/EIjSioIoNc pic.twitter.com/tddpAdbegk
— 松岡美術館 (@matsu_bi) December 31, 2021
その松岡美術館の再開を期したのが「再開記念展 松岡コレクションの真髄」で、東洋陶磁、日本画、また古代ギリシャやローマの大理石彫刻などが公開されます。落ち着いた佇まいで知られる松岡美術館にて久しぶりに名品を愛でる機会となりそうです。
WEBメディア「イロハニアート」でも1月のおすすめ展覧会をご紹介しました。
お正月は美術館や博物館へ行こう!1月に見たいおすすめ展覧会5選(イロハニアート)
それでは今月もよろしくお願いします。
2021年 私が観た展覧会 ベスト10
2021年 私が観た展覧会 ベスト10
1.「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」 東京都現代美術館(3/20~6/20)

会場へ足を踏み入れた途端、かつて見たことのないような光景に驚かされるともに、痛みや苦しみを抱えては瞑想するような人物の彫刻に旋律さえ覚えるような展覧会でした。ひび割れた粘土のようなブロンズの彫刻は、あたかもポロポロと朽ち果てていく遺物のようで、時間のとまったような空間を行き来していると、いまだかつて見たことのない異次元の世界へと引き込まれていくような錯覚に囚われました。
2.「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 三菱一号館美術館(2/20~5/30)

イギリスの風景画家、コンスタブルの実に35年ぶりの回顧展でした。初期から晩年までの油彩や水彩によって丹念に辿りながら、同時代のターナーとの関係などについても触れていて、特に「ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号」の隣に「ウォータールー橋の開通式」が並ぶ光景は壮観でした。また妻に先立たれ、親友もなくした晩年のコンスタブルは、かつてを懐かしむように絵を描いていたともされていて、後年の生き様にも共感を呼ぶものがありました。
3.「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island ―あなたの眼はわたしの島」 水戸芸術館(9/14~10/17)

身体やジェンダー、それにエコロジーをテーマにしつつ、独自の音楽と空間を構築するピピロッティ・リストの30年にわたる活動を紹介する展覧会でした。「アパートメント・インスタレーション」と呼ばれる、色彩豊かな映像と劇場的ともいえる空間構成は、時間を忘れるほどに居心地よく感じられました。その一方で直接的な性といった際どい表現も散見されて、安らぎと刺激を同時に感じるような稀有な鑑賞体験を得ることができました。
4.「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」 愛知県美術館(10/8~11/21)

江戸中期に活躍し、奇想の絵師とも呼ばれる曾我蕭白の回顧展の決定版でした。特にハイライトを飾る「旧永島家襖絵」は44面のすべてが公開されていて、さまざまな技法を使い分けて描いた蕭白の高い画技を見ることができました。以前に千葉市美術館で開かれた「蕭白ショック!!」は蕭白の面白さが伝わるような内容でしたが、質量ともにさらに充実した今回の回顧展では絵師の凄みすら感じられました。
5.「没後30年記念 笠松紫浪―最後の新版画」 太田記念美術館(2/2~3/28)

今年いくつか開催された新版画に関する展示の中で、特に心を引かれたのが主に大正から昭和にかけて活動した笠松紫浪の回顧展でした。笠松も例えば巴水と同じく、日本各地の風景を描き続けましたが、どこか人の生活も滲み出ているようで、ドラマのワンシーンを切り取るような情緒的な味わいも感じられました。また戦後は東京タワーや横浜の大型貨物船など近代的な風景も描いているのも興味深く思えました。
6.「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」 東京藝術大学大学美術館(3/27~5/23)

明治から大正にかけて活動した日本画家、渡辺省亭の国内の美術館としては初めての回顧展でした。省亭は渡仏し、印象派の画家と交流したり、ロンドンで個展を開くなど、いち早く海外で評価されましたが、国内では画壇に属さなかったゆえか特に没後は知られてきませんでした。そうした中、現在の望みうる最上の作品にて省亭の魅力を紹介していて、特に色彩豊かでかつ繊細な表現による花鳥画に心を奪われました。
7.「加藤翼 縄張りと島」 東京オペラシティアートギャラリー(7/17~9/20)

複数の参加者との協働作業によるパフォーマンスで知られるアーティスト、加藤翼の美術館としての初個展でした。これまでに加藤が手がけた建物を引き倒したり、あるいは引き起こすパフォーマンスを映像とインスタレーションにて紹介していて、それこそ「セーノ!セーノ!」や「go!go!」といった掛け声とともにプロジェクトに参加しているようなライブ感を得ることができました。また構造物と映像とが一体となったような空間構成も面白かったかもしれません。
8.「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」 豊田市美術館(10/23~2022/1/23)

妖怪を起点に、軍人やスパイを登場させつつ、第二次世界大戦を挟んだ日本の文化や精神史を浮かび上がらせる異色の展覧会でした。ともかく妖怪の行進から「マレーの虎」へと連なる虎の物語は衝撃的で、おおよそ想像もつかない展開に驚きを覚えながらアニメーションに見入りました。アジアでの歴史や伝承をリサーチしつつ、映像やインスタレーションにて時空を超えた物語を紡ぎ出すホー・ツーニェンは、まさに鬼才といえるのではないでしょうか。
9.「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」 東京国立近代美術館(10/26~2022/2/13)

これまでにも民藝の作品を見る機会はありましたが、今回は民藝運動そのものを体系立って紹介した「民藝の総括」とでも呼べるような展覧会でした。陶磁器、染織、木工、籠、それに民画や出版物、写真などの約400点の資料が充実していたのはもちろんのこと、民藝と社会との関係や柳を中心とした民藝に携わった人々の活動をさまざまな観点から掘り起こしていて、「民藝とは何だったのか?」ということの一端を知ることができました。
10.「生誕260年記念企画 特別展『北斎づくし』」 東京ミッドタウン・ホール(7/22~9/17)

「北斎漫画」、「冨嶽三十六景」、そして「富嶽百景」の全点、及び全図を公開するという過去になかった異色の北斎展でした。また通常、見開きのみで展示される機会の多い「北斎漫画」についても883もの全てのページを閲覧できて、もはや1人の絵師が生み出したとは思えないほど膨大な北斎の創造力に感じいるものがありました。また建築家の田根剛の空間構成をはじめ、祖父江慎のグラフィックデザイン、橋本麻里の監修による音声ガイド、さらに充実したミュージアムショップなど、1つのパッケージとしての展覧会の完成度には目を見張るものがありました。
次点.「柚木沙弥郎 life・LIFE」 PLAY! MUSEUM(11/20〜2022/1/30)

ベスト10以外で特に印象に残った展覧会は以下の通りです。(順不同)
・「奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―」 山種美術館(11/13~2022/1/23)
・「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」―森村泰昌 ワタシガタリの神話」 アーティゾン美術館(10/2~2022/1/10)
・「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」 根津美術館(11/3~12/19)
・「戸谷成雄 森―湖:再生と記憶」 市原湖畔美術館(10/16~2022/1/16)
・「木組 分解してみました」 国立科学博物館(10/13~11/24)
・「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス かかずにはいられない! 人生絵日記」 世田谷美術館(9/4~11/7)
・「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」 SOMPO美術館(10/2~12/26)
・「福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧」 千葉市美術館(10/2~12/19)
・「山城知佳子 リフレーミング」 東京都写真美術館(8/17~10/10)
・「杉浦非水 時代をひらくデザイン」 たばこと塩の博物館(9/11~11/14)
・「写真芸術展 CHIBA FOTO」 千葉市内13会場(8/21~9/12)
・「イサム・ノグチ 発見の道」 東京都美術館(4/24~8/29)
・「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館(7/17~10/17)
・「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」 東京都美術館(7/22~10/9)
・「イラストレーター 安西水丸展」 世田谷文学館(4/24~9/20)
・「包む-日本の伝統パッケージ」 目黒区美術館(7/13~9/5)
・「開館60周年記念展 ざわつく日本美術」 サントリー美術館(7/14~8/29)
・「国宝 鳥獣戯画のすべて」 東京国立博物館(4/13~5/30)
・「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」 千葉市美術館(4/10~7/4)
・「膠を旅する——表現をつなぐ文化の源流」 武蔵野美術大学美術館(5/12〜6/20)
・「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」 練馬区立美術館(2/28~4/18)
・「佐藤可士和展」 国立新美術館(2/3~5/10)
・「あやしい絵展」 東京国立近代美術館(3/23~5/16)
・「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」 SOMPO美術館(3/23~6/6)
・「筆魂 線の引力・色の魔力ー又兵衛から北斎・国芳まで」 すみだ北斎美術館(2/9~4/4)
・「小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ」 三井記念美術館(2021/2/6~4/18)
・「写真家ドアノー/音楽/パリ」 Bunkamura ザ・ミュージアム(2/5~3/31)
・「千葉正也個展」 東京オペラシティ アートギャラリー(1/16~3/21)
・「冨安由真展|漂泊する幻影」 KAAT神奈川芸術劇場(1/14~1/31)
・「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」 角川武蔵野ミュージアム(11/6~2021/3/7)
・「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」 神奈川県立近代美術館 葉山(1/9~4/11)
今年も昨年と同様、コロナ禍に振り回される一年となりました。年の初めに一都三県へ飲食店の時短営業を中心とした緊急事態宣言が発出され、一度、3月末に解除されました。しかし4月に入り今度は休業要請の伴う緊急事態宣言が出されると、都内を中心とした美術館や博物館が臨時休館に追い込まれました。それにより国立新美術館の「佐藤可士和」展や府中市美術館の「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」、さらに三菱一号館美術館の「コンスタブル展」など、いくつもの展覧会が会期途中で打ち切りとなりました。また水戸芸術館の「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island ―あなたの眼はわたしの島」など、開幕が延期され、実質的に会期が短くなった展覧会もありました。
新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十報(2021年1月9日)、第十一報(3月25日)、第十二報(4月26日)、第十三報(5月13日)、第十四報(6月1日)
そして現在、国内においては一時期よりも感染状況は落ち着いていますが、諸外国に目を転じると新たな変異株によって急速な感染拡大が続くなど、いまだ収束が見通せない状況に置かれています。世界的なコロナ禍から約2年経ちました。
皆さまは今年一年、どのような美術との出会いがありましたでしょうか。このエントリをもちまして年内のブログの更新を終わります。今年も「はろるど」とお付き合い下さりどうもありがとうございました。それではどうぞ良いお年をお迎え下さい。
*過去の展覧会ベスト10
2020年、2019年、2018年、2017年、2016年、2015年、2014年、2013年、2012年、2011年、2010年、2009年、2008年、2007年、2006年、2005年、2004年(その2。2003年も含む。)
2021年12月に見たい展覧会【深堀隆介/池内晶子/ミヤケマイ×華雪】

今年も残すところあと1ヶ月を切り、来年の展覧会のスケジュールを特集した雑誌も目につくようになってきました。また専門家諸氏による1年の展覧会の振り返る企画も、年末に向けて新聞紙面に掲載されるかもしれません。
12月も興味深い展覧会が少なくありません。まずは気になる展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」 パナソニック汐留美術館(10/9~12/19)
・「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」 根津美術館(11/3~12/19)
・「上野アーティストプロジェクト2021 Everyday Life : わたしは生まれなおしている」 東京都美術館(11/17~2022/1/6)
・「開館60周年記念展/千四百年御聖忌記念特別展 聖徳太子 日出づる処の天子」 サントリー美術館(11/17~2022/1/10)
・「つくる・つながる・ポール・コックス展」 板橋区立美術館(11/20~2022/1/10)
・「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」 国立科学博物館(10/14~2022/1/12)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~2022/1/16)
・「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」 三菱一号館美術館(10/15~2022/1/16)
・「戸谷成雄 森―湖:再生と記憶」 市原湖畔美術館(10/16~2022/1/16)
・「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」 川崎市岡本太郎美術館(10/23~2022/1/16)
・「アイヌプリ―北方に息づく先住民族の文化―」 國學院大學博物館(11/18~2022/1/22)
・「開館20周年記念 フランソワ・ポンポン展」 群馬県立館林美術館(11/23~2022/1/26)
・「ミヤケマイ×華雪 ことばのかたち かたちのことば」 神奈川県民ホールギャラリー(12/20~2022/1/29)
・「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」 水戸芸術館(11/13~2022/1/30)
・「矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法」 神奈川県立近代美術館 葉山(11/27~2022/1/30)
・「ザ・フィンランドデザイン展 自然が宿るライフスタイル」Bunkamuraザ・ミュージアム(12/7~2022/1/30)
・「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」 上野の森美術館(12/2~2022/1/31)
・「大林コレクション展 安藤忠雄 描く/都市と私のあいだ/Self-History」 WHAT(9/25~2022/2/13)
・「Viva Video! 久保田成子展/クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]/ユージーン・スタジオ 新しい海」 東京都現代美術館(11/20~2022/2/23)
・「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生」 世田谷美術館(11/20~2022/2/27)
・「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」 府中市美術館(12/18~2022/2/27)
・「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか」 すみだ北斎美術館(12/21~2022/2/27)
・「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」 ポーラ美術館(9/18~2022/3/30)
・「21_21 DESIGN Future SIGHT」 21_21 DESIGN SIGHT(12/21~2022/5/8)
【ギャラリー】
・「名和晃平 TORNSCAPE」 SCAI THE BATHHOUSE(11/2~12/18)
・「大竹伸朗 : 残景」 Take Ninagawa(10/30~12/18)
・「第15回 shiseido art egg 中島伽耶子展」 資生堂ギャラリー(11/23~12/19)
・「塩田千春 Cold Fever - 冷めた熱」 KENJI TAKI GALLERY / Roppongi(11/13〜12/25)
・「篠原有司男 吾輩のパンチがオーロラに炸裂!」 ANOMALY(12/4~2022/1/15)
・「岡本瑛里展 素兎を南に追って」 ミヅマアートギャラリー(12/1~2022/1/15)
・「144人のクリエイターと豊橋の職人がつくる 百年前掛け」クリエイションギャラリーG8、ガーディアン・ガーデン(12/9~2022/1/22)
・「植田正治を変奏する」 東京工芸大学写大ギャラリー(11/29~2022/1/29)
・「Landscape やわらかな地平のその先に」 ポーラ ミュージアム アネックス(12/10~2022/1/30)
・「ドヴァランス_デザインのコモンセンス」 GYRE GALLERY(12/10~2022/2/13)
・「石川直樹―STREETS ARE MINE」 ギャラリー エー クワッド(12/10~2022/2/17)
・「クリスチャン・マークレー Voices[声]」 ギャラリー小柳(11/24~2022/2/26)
・「妹島和世+西沢立衛/SANAA展 環境と建築」 TOTOギャラリー・間(10/22~2022/3/20)
・「ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/10~3/12)
今月はいずれも現代美術に注目したいと思います。まずは金魚を描く画家の個展です。上野の森美術館にて「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」が開催されます。

「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」@上野の森美術館(12/2~2022/1/31)
1973年に愛知県に生まれた深堀は、器の中に樹脂を流し込み、絵具で金魚を立体的にでかつリアルに描く作品で知られ、これまでにも国内外にて広く注目を集めてきました。その深堀の意外にも東京の美術館としては初めての個展が「深堀隆介展 金魚鉢、地球鉢。」で、約300点もの金魚をモチーフとした作品が展示されます。
開幕に先立ち、深堀さんにライブペインティングを披露していただきました。照英さん、ヒコロヒーさんも言葉をなくすぐらい鮮やかな描きっぷりで、1時間弱で仕上げたとは思えない美しい作品が完成!この作品を含め、会場内で3カ所、写真撮影OKのエリアがございます!#深堀隆介展 #金魚鉢地球鉢 pic.twitter.com/lkHGt28hTk
— 深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢。』(東京) (@kingyobachitko) December 2, 2021
近年ではライブペインティングやインスタレーションにも力を入れている深堀だけに、また新たな制作の方向性を示すような展示となるかもしれません。
続いては絹糸を用いた作品で知られる池内晶子の展覧会です。府中市美術館にて「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」が開かれます。

「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」@府中市美術館(12/18~2022/2/27)
「動物の絵」展は無事終了し、次回の企画展「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」の準備が始まります。池内さんはこれからおよそ2週間かけて、展示室で作品をつくっていきます。図は初期の青い糸をつかった作品(部分)。出品作品です。 #池内晶子 #地のちからをあつめて pic.twitter.com/EpeP3WMfk8
— 府中市美術館 (@FuchuArtMuseum) December 1, 2021
1967年に生まれた池内晶子は、1980年代の終盤から糸を作品に取り込むようになり、絹糸をつないだかたちを空気を含んだ彫刻や絵画のように展開するインスタレーションなどを制作してきました。今回の美術館での初個展となる「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」では、展示室を大胆に用いて、ほぼ現場での制作による新作が公開されます。30年以上も糸とともに作品を作る池内の現段階での集大成とも呼べる展示となりそうです。
ラストは気鋭のアーティストのコラボレーション展です。神奈川県民ホールギャラリーにて「ミヤケマイ×華雪 ことばのかたち かたちのことば」が行われます。

「ミヤケマイ×華雪 ことばのかたち かたちのことば」@神奈川県民ホールギャラリー(12/20~2022/1/29)
ミヤケマイ×華雪【ことばのかたち かたちのことば】開催期間12/20~1/29https://t.co/bKsTlDzuP3まもなく、開催されます📜ホームページもアップされていますのでご覧ください🔮
— 神奈川県民ホールギャラリー (@kanaken_gallery) November 10, 2021
日本の伝統的な美意識や工芸的手法を現代へとつなぎ、書画などの作品を制作してきたミヤケマイは、展覧会だけでなく企業とのコラボや本の装丁などで幅広く活動してきました。そのミヤケマイとともに展示に取り組むのが書家の華雪で、港に面した県民ホールギャラリーの立地に鑑みて、舟や水を用いた大規模なインスタレーションなどが公開されます。これまでクロスすることのなかった2人の邂逅とともに、特徴的なスペースを有するギャラリーの空間をいかに用いるかにも注目を集めそうです。
なお12月のおすすめ展覧会をイロハニアートへも寄稿しました。そちらもお出かけの参考にしていただければ幸いです。
12月にスタートする展覧会は多くありませんが、それでも見ておきたいものは少なくありません。タイガー立石から佐藤雅晴など、12月に見たいおすすめ展覧会5選をご紹介します!#タイガー立石 #國學院大學博物館 #佐藤雅晴 #深堀隆介https://t.co/hmwnvYvg6x
— イロハニアート (@irohani_art) December 2, 2021
タイガー立石から佐藤雅晴、それに「金魚」を描く深堀隆介まで。12月に見たいおすすめ展覧会5選:イロハニアート
それでは今月もどうぞよろしくお願いいたします。
2021年11月に見たい展覧会【篁牛人/奥村土牛/フランソワ・ポンポン】

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されて約1ヶ月を経過しましたが、新型コロナウイルス感染症は一定の収束を見せていて、大規模イベントに関しても条件が緩和されようとしています。また美術展においても、延期されていた展覧会に再開の動きが見られるようになりました。
2020年に中止となった「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+」は、11月19日から12月26日にかけて開催されることになりました。また同じく中止された「ボストン美術館展 芸術×力」も再開となり、来年、2022年7月23日から10月2日にかけて行われることが決まりました。
11月も興味深い展覧会が続きます。今月に見たい展示をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「サウンド&アート展 ―見る音楽、聴く形」 アーツ千代田 3331(11/6~11/21)
・「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」 Bunkamuraザ・ミュージアム(9/18~11/23)
・「棟方志功と東北の民藝」 日本民藝館(10/1~11/23)
・「学者の愛したコレクション —ピーター・モースと楢﨑宗重—」 すみだ北斎美術館(10/12~12/5)
・「ゴッホ展—響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」 東京都美術館(9/18~12/12)
・「白井晟一 入門 第1部/白井晟一クロニクル」 渋谷区立松濤美術館(10/23~12/12)
・「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」 パナソニック汐留美術館(10/9~12/19)
・「和田誠展」 東京オペラシティ アートギャラリー(10/9~12/19)
・「河鍋暁斎 ―躍動する絵本」 太田記念美術館(10/29~12/19)
・「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」 根津美術館(11/3~12/19)
・「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術」 DIC川村記念美術館(10/9~2022/1/10)
・「篁牛人展~昭和水墨画壇の鬼才~」 大倉集古館(11/2~2022/1/10)
・「開館60周年記念展/千四百年御聖忌記念特別展 聖徳太子 日出づる処の天子」 サントリー美術館(11/17~2022/1/10)
・「つくる・つながる・ポール・コックス展」 板橋区立美術館(11/20~2022/1/10)
・「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」 国立科学博物館(10/14~2022/1/12)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~2022/1/16)
・「梅津庸一展 ポリネーター」 ワタリウム美術館(9/16~2022/1/16)
・「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」 三菱一号館美術館(10/15~2022/1/16)
・「戸谷成雄 森―湖:再生と記憶」 市原湖畔美術館(10/16~2022/1/16)
・「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」 川崎市岡本太郎美術館(10/23~2022/1/16)
・「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」 東京都写真美術館(11/6~2022/1/23)
・「松江泰治 マキエタCC」 東京都写真美術館(11/9~2022/1/23)
・「開館55周年記念特別展 奥村土牛」 山種美術館(11/13~2022/1/23)
・「開館20周年記念 フランソワ・ポンポン展」 群馬県立館林美術館(11/23~2022/1/26)
・「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」 水戸芸術館(11/13~2022/1/30)
・「大林コレクション展 安藤忠雄 描く/都市と私のあいだ/Self-History」 WHAT(9/25~2022/2/13)
・「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」 東京国立近代美術館(10/26~2022/2/13)
・「Viva Video! 久保田成子展/クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]/ユージーン・スタジオ 新しい海」 東京都現代美術館(11/20~2022/2/23)
・「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生」 世田谷美術館(11/20~2022/2/27)
・「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」 ポーラ美術館(9/18~2022/3/30)
【ギャラリー】
・「奈良原一高 写真展 宇宙への郷愁」 東京工芸大学写大ギャラリー(9/13~11/20)
・「ヒルミ・ジョハンディ Landscapes and Paradise: Poolscapes」 オオタファインアーツ(10/2~11/20)
・「シュシ・スライマン 赤道の伝承」 小山登美夫ギャラリー(10/22~11/20)
・「風間サチコ展 ディスリンピアン2021」 無人島プロダクション(10/30〜2021/11/20)
・「日本のアートディレクション展 2020-2021」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー、クリエイションギャラリーG8(11/1~11/30)
・「Life is beautiful : 衣・食植・住 “植物が命をまもる衣となり、命をつなぐ食となる”」 GYRE GALLERY(11/3~11/30)
・「名和晃平 TORNSCAPE」 SCAI THE BATHHOUSE(11/2〜12/18)
・「大竹伸朗 : 残景」 Take Ninagawa(10/30〜12/18)
・「第15回 shiseido art egg 中島 伽耶子 展」 資生堂ギャラリー(11/23~12/19)
・「ギルバート&ジョージ《CLASS WAR, MILITANT, GATEWAY》」 エスパス ルイ・ヴィトン東京(10/14~2022/3/6)
・「妹島和世+西沢立衛/SANAA展 環境と建築」 TOTOギャラリー・間(10/22~2022/3/20)
まずは日本美術です。いま、この絵師の名を知る人は少ないかもしれません。大倉集古館にて「篁牛人展~昭和水墨画壇の鬼才~」が開かれます。

「篁牛人展~昭和水墨画壇の鬼才~」@大倉集古館(11/2~2022/1/10)
1901年に生まれた篁牛人(たかむらぎゅうじん)は、水墨画を制作するも、画壇に属さず、また一時放浪生活を送るなど孤高を貫き、晩年は病に倒れると10年あまり作品を制作できずに世を去りました。
篁牛人展、展示作業が無事に終了しました!!11/2(火)の開幕に向けて、皆様をお迎えする準備を進めております。展示は前期(〜12/5)、後期(12/7〜)に分かれております。多くの作品が入れ替わりますので、是非前期のみの作品をお見逃しなく!!#篁牛人 #昭和 #水墨画 #大倉集古館 pic.twitter.com/V0419YuKK2
— 【公式】@大倉集古館「生誕120年記念 篁牛人展~昭和水墨画壇の鬼才~」 (@FusionKinesis1) October 29, 2021
その牛人の画業を紹介するのが今回の展覧会で、初期の図案家として活動した作品から、水墨画の大作などが一堂に公開されます。牛人の画風は、渇いた筆で麻紙へ擦り込むように墨を定着される「渇筆」の技法を特徴としていますが、その個性的ともいえる絵画表現はチラシの表紙の作品からして伝わるかもしれません。
続いては現代美術です。「ロトスコープ」(*)と呼ばれる技術によるアニメーション作品で知られ、2019年に45歳の若さで亡くなった佐藤雅晴の回顧展が、水戸芸術館にて開催されます。

「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」@水戸芸術館(11/13~2022/1/30)
それが「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」で、1999年に初めて制作した映像から亡くなる直前まで描き続けた「死神先生」のシリーズなど、映像26点と平面36点の作品が展示されます。
11月13日(土)から開幕する「佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在」展。展覧会に先駆けて、広場に看板が設置されました!ご来館の際は、こちらで記念写真はいかがでしょう📷https://t.co/ovcBaHcN52 pic.twitter.com/oaGPu1sPPO
— 水戸芸術館現代美術センター (@MITOGEI_Gallery) October 28, 2021
佐藤といえば生前の2016年に原美術館でも個展があり、実写とアニメ、言い換えれば現実と非現実が交錯する映像世界に引き込まれましたが、改めて作品をまとめて見る良い機会となりそうです。*ビデオカメラやスチルカメラで撮影した日常の風景をパソコン上でペンツールを用い、なぞるようにトレースしてアニメーション化する。(公式サイトより)
ラストは西洋美術です。かわいらしい動物の彫刻に誰もが心を惹かれるのではないでしょうか。群馬県立館林美術館にて「開館20周年記念 フランソワ・ポンポン展」が開催されます。

「開館20周年記念 フランソワ・ポンポン展」@群馬県立館林美術館(11/23~2022/1/26)
20世紀前半のフランスの彫刻家、フランソワ・ポンポンは、古代エジプト美術にならった単純化された形態の動物彫刻で人気を集め、生涯にわたって様々な動物の作品を作り続けました。そして国内では今年、京都市京セラ美術館を皮切りに、名古屋市美術館などポンポンの展覧会が巡回していて、11月23日より群馬県立館林美術館へとやって来ます。
11月23日(火・祝)~1月26日(水)に開催する展覧会「フランソワ・ポンポン展」の詳細情報を公式ホームページで公開しました。ページ内よりチラシデータもダウンロードできます。関連イベントの申込情報等はもうしばらくお待ちください。https://t.co/Ia1ewCOD1o pic.twitter.com/uryzNy7eMT
— 群馬県立館林美術館 (@gunmatatebi) October 8, 2021
同館は国内で唯一まとまったポンポンの作品と資料を所有していて、アトリエを一部に再構成した別館「彫刻家のアトリエ」も公開されています。そちらと合わせてポンポンの芸術を楽しみたいところです。
WEBメディア「イロハニ・アート」にも今月のおすすめの展覧会を寄稿しました。そちらもご覧いただければ嬉しいです。
11月に見たい展覧会おすすめ5選!
— イロハニアート (@irohani_art) November 1, 2021
この記事では、東京以外の地域にも目を向けておすすめの展覧会をピックアップして紹介しています。#根津美術館 #鈴木其一 #福田美術館 #木島櫻谷 #市原湖畔美術館 #戸谷成雄 #群馬県立館林美術館 #ポンポン展 #東京国立近代美術館https://t.co/RTxeYlF2y7
「おうこくさん」からポンポン、それに民藝まで。11月に見たい展覧会おすすめ5選(イロハニアート)
それでは今月もよろしくお願いいたします。*一番上の写真は10月末に五色沼(福島県)にて撮影しました。
2021年10月に見たい展覧会【浦上玉堂/石橋財団コレクション×森村泰昌/民藝の100年

「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」(SOMPO美術館)展示風景。撮影可能スペースにて。
東京と近郊の多くの美術館や博物館は、宣言下においても感染対策を踏まえて開館していましたが、今後は夜間開館を再開したり、休止していたイベントを行うことも予想されます。例えば森美術館は東京都におけるリバウンド防止措置に則って、10月1日から閉館時間が21時までに変更となりました。
10月は興味深い展覧会が目白押しです。今月に気になる展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island ―あなたの眼はわたしの島」 水戸芸術館(9/14~10/17)
・「能 Noh~秋色モード~」 大倉集古館(8/24~10/24)
・「没後160年記念 歌川国芳」 太田記念美術館(9/4~10/24)
・「開館60周年記念展 刀剣 もののふの心」 サントリー美術館(9/15~10/31)
・「あざみ野コンテンポラリー vol.12 對木裕里 ばらばらの速度」 横浜市民ギャラリーあざみ野(10/9~10/31)
・「美男におわす」 埼玉県立近代美術館(9/23~11/3)
・「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション ―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」 大田区立龍子記念館(9/4~11/7)
・「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス かかずにはいられない! 人生絵日記」 世田谷美術館(9/4~11/7)
・「速水御舟と吉田善彦―師弟による超絶技巧の競演―」 山種美術館(9/9~11/7)
・「特別展 浦上玉堂」 東京黎明アートルーム(10/13~11/13)
・「生誕110年 香月泰男展」 神奈川県立近代美術館 葉山(9/18~11/14)
・「伝教大師1200年大遠忌記念 最澄と天台宗のすべて」 東京国立博物館(10/12~11/21)
・「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」 Bunkamuraザ・ミュージアム(9/18~11/23)
・「棟方志功と東北の民藝」 日本民藝館(10/1~11/23)
・「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」 東京都庭園美術館(9/18~11/28)
・「小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌」 東京ステーションギャラリー(10/9~11/28)
・「縄文2021―東京に生きた縄文人―」 江戸東京博物館(10/9~12/5)
・「学者の愛したコレクション —ピーター・モースと楢﨑宗重—」 すみだ北斎美術館(10/12~12/5)
・「ゴッホ展—響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」 東京都美術館(9/18~12/12)
・「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」 パナソニック汐留美術館(10/9~12/19)
・「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」 SOMPO美術館(10/2~12/26)
・「福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧」 千葉市美術館(10/2~12/19)
・「和田誠展」 東京オペラシティ アートギャラリー(10/9~12/19)
・「白井晟一 入門 第1部/白井晟一クロニクル」 渋谷区立松濤美術館(10/23~12/12)
・「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」―森村泰昌 ワタシガタリの神話/石橋財団コレクション選 印象派―画家たちの友情物語」 アーティゾン美術館(10/2~2022/1/10)
・「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術」 DIC川村記念美術館(10/9~2022/1/10)
・「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」 国立科学博物館(10/14~2022/1/12)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~2022/1/16)
・「梅津庸一展 ポリネーター」 ワタリウム美術館(9/16~2022/1/16)
・「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」 三菱一号館美術館(10/15~2022/1/16)
・「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」 ポーラ美術館(9/18~2022/3/30)
【ギャラリー】
・「火の国 篠塚聖哉展」 日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー(9/29~10/11)
・「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」 シャネル・ネクサス・ホール(9/8~10/24)
・「石田恵嗣 : FLOW」 アートフロントギャラリー(10/8~10/24)
・「今津景 Mapping the Land/Body/Stories of its Past」 ANOMALY(10/2~11/7)
・「第15回 shiseido art egg 菅実花展」 資生堂ギャラリー(10/19~11/14)
・「奈良原一高 写真展 宇宙への郷愁」 東京工芸大学写大ギャラリー(9/13~11/20)
・「ギルバート&ジョージ《CLASS WAR, MILITANT, GATEWAY》」 エスパス ルイ・ヴィトン東京(10/14~2022/3/6)
・「妹島和世+西沢立衛/SANAA展 環境と建築」 TOTOギャラリー・間(10/22~2022/3/20)
まずは東中野にある小さな美術館に注目したいと思います。東京黎明アートルームにて「特別展 浦上玉堂」が行われます。

「特別展 浦上玉堂」@東京黎明アートルーム(10/13~11/13)
これは江戸時代後期の水墨画家である浦上玉堂の画業を辿るもので、初公開作品を含む約40点の書画が展示されます。なお昨年は玉堂の没後200年にあたりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って記念展が見送られ、今年改めて開催されることになりました。
東京黎明アートルームでは、10月13日より特別展「浦上玉堂 画法は知らず ただ天地(あめつち)の声を聴き 筆を揮う」を開催します✨主催 東京黎明アートルーム特別協力 浦上家史編纂委員会詳しくはこちらをご覧くださいhttps://t.co/GOFZi3Lufo現在開催中の展覧会は9月22日までです💡 pic.twitter.com/JkQvuWKcqj
— 東京黎明アートルーム (@torek_museum) September 1, 2021
また東京黎明アートルームでは本展初日に合わせ、地下1階にカフェ「SUZU COFFEE」がオープンします。そちらも楽しみにしたいところです。
続いては現代美術です。アーティゾン美術館にて「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」―森村泰昌 ワタシガタリの神話」が開かれます。

「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」―森村泰昌 ワタシガタリの神話」@アーティゾン美術館(10/2~2022/1/10)
🔶本日開幕🎊🔶#森村泰昌 M式「海の幸」石橋財団コレクション選 #印象派 ー画家たちの友情物語 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン#アーティゾン美術館 は日時指定予約制✨ご予約・詳細はこちらから👇https://t.co/GTTDPRsgdK pic.twitter.com/EDMTA0yWvt
— artizonmuseumjp (@artizonmuseumJP) October 2, 2021
今回のジャム・セッションに登場するのは、自画像的作品で知られる森村泰昌で、かねてより密かな想いを寄せていたという青木繁の「自画像」と「海の幸」に向き合い、青木への想いを語る新作などが展示されます。ジャム・セッションといえば、昨年の鴻池朋子も会場を大胆に用いた構成で注目を集めましたが、また森村も驚きや発見に満ちたような展示を行うかもしれません。
ラストは民藝ファン待望の展覧会です。東京国立近代美術館にて「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」が開催されます。

「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」@東京国立近代美術館(10/26〜2022/2/13)
ここでは民藝運動の変化と社会の関係を踏まえながら、1910年より1970年代への史的展開を辿るもので、柳の蒐集した陶磁器、木工、染織などから大津絵、さらには同時代の出版物や写真に映像など、実に400点を超える作品が公開されます。
【チケット販売は10月14日~】企画チケットから「ガイドブック(非売品)付きチケット」をご紹介!見どころや作品紹介、各分野でご活躍されている方々にとっての「民藝とは?」コメント、特設ショップ情報などを掲載し、全16ページで #民藝の100年 をご案内。数量限定です👀https://t.co/iYqBNNrTaH pic.twitter.com/PYy8kFhei5
— 【公式】柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」@東京国立近代美術館 (@mingei100_2021) September 30, 2021
晩年の柳は国立近代美術館の開館に際し、批判的な文章を綴ったそうですが、以来70年あまり経過した現在、当面は望めそうもない民藝の一大展覧会となりそうです。
縄文から印象派、「美男」まで!10月のおすすめ展覧会5選
https://irohani.art/event/5219/
WEBメディア「イロハニ・アート」にも今月のおすすめの展覧会を寄稿しました。そちらもご覧いただければ幸いです。
いよいよ芸術の秋到来!秋から冬へのシーズンに向けてさまざまな展覧会が開幕します。そこで東京都内と近郊の5つのおすすめ展覧会をピックアップしてみました。#SOMPO美術館 #印象派 #美男におわす #福田美蘭展 #東京に生きた縄文人 https://t.co/CYbFiSTwzO
— イロハニアート (@irohani_art) October 4, 2021
それでは今月もよろしくお願いいたします。
2021年9月に見たい展覧会【川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション/杉浦非水/美男におわす】

酒井抱一「四季花鳥図巻 巻下」(部分)*東京国立博物館本館8室にて10月3日まで公開中
新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、首都圏においても新たに横須賀美術館が8月末から臨時休館となりました。また茨城県では「ピピロッティ・リスト」展を控えた水戸芸術館も休館を余儀なくされています。現在のところ同展が開幕するのは9月14日の予定です。
先行きについては予断を許しませんが、当初のスケジュール通り開館するとして、9月に見たい展覧会をリストアップしました。
【展覧会】
・「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」 パナソニック汐留美術館(7/3~9/20)
・「大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―」 江戸東京博物館(7/10~9/20)
・「かこさとし展ーこどもはみらいにいきるひとー」 市川市文学ミュージアム(7/17~9/20)
・「川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―」 大田区立郷土博物館(7/17~9/20)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」 東京ステーションギャラリー(7/17~9/26)
・「THE北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」 すみだ北斎美術館(7/20~9/26)
・「コレクションViewpoint クリストとジャンヌ゠クロード―包む、覆う、積み上げる」 DIC川村記念美術館(7/3~10/03)
・「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」 印刷博物館(8/7~10/3)
・「KAAT EXHIBITION 2021 志村信裕展|游動」 KAAT神奈川芸術劇場(9/9~10/8)
・「山城知佳子 リフレーミング」 東京都写真美術館(8/17~10/10)
・「デミタスカップの愉しみ」 渋谷区立松濤美術館(8/24~10/10)
・「森に棲む服/forest closet ひびのこづえ展」 そごう美術館(9/10~10/10)
・「KAWS TOKYO FIRST」 森アーツセンターギャラリー(7/16~10/11)
・「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island ―あなたの眼はわたしの島」 水戸芸術館(9/14~10/17)
・「はじめての古美術鑑賞 人をえがく」 根津美術館(9/11~10/17)
・「能 Noh~秋色モード~」 大倉集古館(8/24~10/24)
・「没後160年記念 歌川国芳」 太田記念美術館(9/4~10/24)
・「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」 東京都写真美術館(8/24~10/31)
・「開館60周年記念展 刀剣 もののふの心」 サントリー美術館(9/15~10/31)
・「美男におわす」 埼玉県立近代美術館(9/23~11/3)
・「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション ―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」 大田区立龍子記念館(9/4~11/7)
・「速水御舟と吉田善彦―師弟による超絶技巧の競演―」 山種美術館(9/9~11/7)
・「杉浦非水 時代をひらくデザイン」 たばこと塩の博物館(9/11~11/14)
・「生誕110年 香月泰男展」 神奈川県立近代美術館 葉山(9/18~11/14)
・「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」 Bunkamuraザ・ミュージアム(9/18~11/23)
・「ピーター・シスの闇と夢」 練馬区立美術館(9/23~11/14)
・「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(7/2~11/28)
・「開館20周年記念 動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり」 府中市美術館(9/18~11/28)
・「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」 東京都庭園美術館(9/18~11/28)
・「バンクシーって誰?展」 寺田倉庫G1ビル(8/21~12/5)
・「ゴッホ展—響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」 東京都美術館(9/18~12/12)
【ギャラリー】
・「金氏徹平:S.F.(Smoke and Fog)」 アートフロントギャラリー(9/10~10/3)
・「奥西優子写真展:unblocked」 キヤノンギャラリー(9/1~10/5)
・「中村萌 our whereabouts ―私たちの行方―」 ポーラ ミュージアム アネックス(9/3~10/10)
・「小牟田悠介 新しい天体」 SCAI THE BATHHOUSE(9/7~10/9)
・「第15回 shiseido art egg 石原海展」 資生堂ギャラリー(9/14~10/10)
・「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」 GYRE GALLERY(8/20~10/17)
・「葛西薫展 NOSTALGIA」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(9/8~10/23)
・「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」 シャネル・ネクサス・ホール(9/8~10/24)
・「橋本晶子|I saw it, it was yours.」 ギャラリー小柳(9/11~10/30)
・「ル・パルクの色 遊びと企て ジュリオ・ル・パルク展」 銀座メゾンエルメス(8/13~11/30)
まずは同館初の現代アートとのコラボレーションです。大田区立龍子記念館にて「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション ―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」が開催されます。

「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」@大田区立龍子記念館(9/4~11/7)
【龍子記念館】9月4日から開催のコラボレーション企画展 「川端龍子vs.高橋龍太郎コレクション ―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」のプレスリリースを掲載しました。記念館に #現代アート が並ぶ初の試みです。ぜひご注目ください。https://t.co/RfzTXnKx50#美術館 #大田区 #日本画 #川端龍子 pic.twitter.com/EfeFcbxKRT
— (公財)大田区文化振興協会 (@ota_bunka) July 31, 2021
これは日本屈指の現代アートコレクターである高橋龍太郎のコレクションを大田区立龍子記念館にて公開するもので、会田誠、鴻池朋子、天明屋尚、山口晃などと川端龍子の作品が同時に展示されます。いわば「龍子VS現代美術」と言えるような対決展の構図になるのかもしれません。
デザインファンにも注目の展覧会となるのではないでしょうか。「杉浦非水 時代をひらくデザイン」がたばこと塩の博物館にて開かれます。

「東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通」 昭和2年(1927) 愛媛県美術館
「杉浦非水 時代をひらくデザイン」@たばこと塩の博物館(9/11~11/14)
\東京展のポスターができました!/本展は、9月11日(土)から11月14日(日)、東京都墨田区のたばこと塩の博物館で開催します。モダン東京のワクワク感が伝わってくるポスター😍東京展の開催も、ワクワクしながらお待ちいただければ嬉しいです✨#杉浦非水展 #たばこと塩の博物館 #たば塩 pic.twitter.com/2iz21pd4RJ
— 【展覧会】杉浦非水 時代をひらくデザイン (@hisui_koushiki) August 20, 2021
愛媛県に生まれた杉浦非水は東京美術学校にて日本画を学ぶも、アール・ヌーヴォーの様式に魅せられたことで図案家として活動し、三越呉服店をはじめとした数多くの企業ポスターやパッケージデザインを手掛けました。
その非水の業績を振り返るのが今回の展覧会で、故郷の愛媛県美術館のコレクションを中心に300点もの作品や資料が公開されます。先行して開催された島根県立石見美術館での展示も評判を得ただけに、期待している方も多いかもしれません。
ラストは美人画ならぬ美男に着目した異色の展覧会です。埼玉県立近代美術館にて「美男におわす」が開かれます。

「美男におわす」@埼玉県立近代美術館(9/23~11/3)
「美男におわす」埼玉県立近代美術館で、江戸〜現代の絵画やマンガなどに見る“美少年・美青年”のイメージ山本タカトや竹宮惠子、高畠華宵らが出品 - https://t.co/KqgQGrzAsQ pic.twitter.com/Se3hEb45dr
— Fashion Press (@fashionpressnet) August 14, 2021
これは日本の視覚文化において、美少年や美青年といった、人々が理想としてきた男性像を探るもので、浮世絵、日本画、彫刻のみならず、漫画や写真などの約190点の作品が公開されます。江戸から現代までを俯瞰しつつ、いわゆる美男を辿る意欲的な企画となりそうです。
まだまだ暑い日が続きますが、9月に入って、朝晩を中心に秋の気配を感じるようになってきました。今月、東京都内では数多くの新たな展覧会がスタート。おすすめの展覧会をご紹介します! #展覧会 #都内https://t.co/ERIAQaZBwq
— イロハニアート (@irohani_art) September 1, 2021
杉浦非水やゴッホ、日本美術と現代アートの異色のコラボまで!9月に見たい東京都内の展覧会おすすめ5選
一部重複しますが、新WEBメディア「イロハニアート」(上記リンク先)でもおすすめの展覧会をご紹介しました。あわせてご覧いただければ幸いです。
それでは今月もよろしくお願いします。
2021年8月に見たい展覧会【川瀬巴水/もしも東京/バンクシーって誰?】

一方で新型コロナウイルスの急激な感染拡大に伴い、東京都に発出された緊急事態宣言はさらに延長され、神奈川県や埼玉県、それに千葉県に出されていたまん延防止等重点措置も緊急事態宣言に切り替わりました。但し休業要請の範囲は以前と変わらないため、東京と近郊の美術館と博物館の多くは開館しています。
8月に見たい展覧会をリストアップしました。
【展覧会】
・「グローバル化時代の現代美術―“セタビ”のコレクションで楽しむ世界旅行」 世田谷美術館(7/3~8/22)
・「藝大コレクション展 2021 I期 雅楽特集を中心に」 東京藝術大学大学美術館(7/22~8/22)
・「花を愛で、月を望む 日本の自然と美」 根津美術館(7/22~8/22)
・「自然が彩る かたちとこころ」 三井記念美術館(7/10~8/22)
・「イサム・ノグチ 発見の道」 東京都美術館(4/24~8/29)
・「山種美術館所蔵 浮世絵・江戸絵画名品選」 山種美術館(7/3~8/29)
・「東京藝術大学スーパークローン文化財 謎解き『ゴッホと文化財』展」 そごう美術館(7/31~8/31)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」 東京都庭園美術館(6/26~9/5)
・「漫画 もしも東京」 東京都現代美術館(8/4~9/5)
・「マン・レイと女性たち」 Bunkamuraザ・ミュージアム(7/13~9/6)
・「生誕260年記念企画 特別展 『北斎づくし』」 東京ミッドタウン・ホール(7/22~9/17)
・「紀伊国屋三谷家コレクション 浮世絵をうる・つくる・みる」 日比谷図書文化館(7/17~9/19)
・「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」 パナソニック汐留美術館(7/3~9/20)
・「大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―」 江戸東京博物館(7/10~9/20)
・「平木コレクションによる 前川千帆展」 千葉市美術館(7/13~9/20)
・「千葉の新進作家 vol.2 100%ORANGE オレンジ・ジュース」 千葉県立美術館(7/13~9/20)
・「加藤翼 縄張りと島」 東京オペラシティアートギャラリー(7/17~9/20)
・「かこさとし展ーこどもはみらいにいきるひとー」 市川市文学ミュージアム(7/17~9/20)
・「川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―」 大田区立郷土博物館(7/17~9/20)
・「日本民藝館改修記念 名品展II―近代工芸の巨匠たち」 日本民藝館(7/6~9/23)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」 東京ステーションギャラリー(7/17~9/26)
・「THE北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」 すみだ北斎美術館(7/20~9/26)
・「KAWS TOKYO FIRST」 森アーツセンターギャラリー(7/16~10/11)
・「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?/MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」 東京都現代美術館(7/17~10/17)
・「能 Noh~秋色モード~」 大倉集古館(8/24~10/24)
・「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(7/2~11/28)
・「バンクシーって誰?展」 寺田倉庫G1ビル(8/21~12/5)
【ギャラリー】
・「玉山拓郎 Anything will slip off / If cut diagonally」 ANOMALY(7/17~ 8/14)
・「YOKOO LIFE 横尾忠則の生活」 ほぼ日曜日(7/17~8/22)
・「オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/20~8/28)
・「会田誠展 愛国が止まらない」 ミヅマアートギャラリー(7/7~8/28)
・「上村洋一 + エレナ・トゥタッチコワ Land and Beyond|大地の声をたどる」 ポーラ ミュージアム アネックス(7/21~8/29)
・「アンサンブル・スタジオ展 Architecture of The Earth」 TOTOギャラリー・間(6/24~9/12)
・「ル・パルクの色 遊びと企て ジュリオ・ル・パルク展」 銀座メゾンエルメス(8/13〜11/30)
まずは版画家ゆかりの地での回顧展です。大田区立郷土博物館にて「川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―」が行われています。

「川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―」@大田区立郷土博物館(7/17~9/20)
大正から昭和にかけて活動した新版画家の川瀬巴水は、画業の大半の大田区にて過ごしつつ、全国を旅しては風景版画を制作しました。その大田区の郷土博物館にて開かれるのが「川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―」で、初期から晩年にかけての作品、約400点が公開されます。
なお会期は前後期の2期制で、前期は「東京」(7月17日〜8月15日)、後期は「旅先」(8月19日〜9月20日)での作品を中心に展示されます。あわせて見ておきたいところです。
続いては入場無料(事前予約制)の漫画の展覧会です。東京都現代美術館にて「漫画 もしも東京」が開催されます。

「漫画 もしも東京」@東京都現代美術館(8/4~9/5)
【TOKYO VS MANGA】20人の漫画家は、どんな東京を描くのか。漫画「もしも東京」展の開催記念ムービー公開中。#もしも東京 pic.twitter.com/43DYbOrebx
— 漫画「もしも東京」展_公式アカウント (@moshimo_tokyo) August 3, 2021
これは萩尾望京都や松本大洋、浅野にいおや出水ぽすかといった20名の漫画家が、東京をテーマに作品を描き下ろしたもので、「読む東京、歩く漫画」をコンセプトに、地下2階講堂や中庭、水と石のプロムナードなどの多様な場所に展示されます。歩いて巡りながら漫画を鑑賞する新しい形の展覧会となりそうです。
ラストは現代美術です。寺田倉庫G1ビルにて「バンクシーって誰?展」が開かれます。

「バンクシーって誰?展」@寺田倉庫G1ビル(8/21~12/5)
イギリスを拠点に活動する匿名のアーティスト、バンクシーは、世界各地のストリートで作品を残すだけでなく、テーマパークなどの演出を手がけ、いわばアート界の異端児として世界的に知られてきました。
💐展覧会のみどころ💐世界中に分散する #バンクシー の #ストリート・アート🎨その代表作品を、テレビ局の #美術 チームがリアルサイズに再現‼️―それはまるで“映画のセットのような美術展”。全面撮影OK📷の #没入型展示 となります✨#バンクシーって誰?展 pic.twitter.com/MpbFK9VvWx
— バンクシーって誰?展 (@whoisbanksy_jp) June 7, 2021
そのバンクシーの作品を街並みを再現した展示空間にて紹介するのが「バンクシーって誰?展」で、あわせてプライベート・コレクターによるコレクションも公開されます。世界各地を巡回した「ジ・アート・オブ・バンクシー展」を日本オリジナルに再構成した展覧会となるそうです。
8月に入りいよいよ夏休みですね。休館前最後の展覧会から前代未聞の北斎展まで。8月に見たい東京都内のおすすめ展覧会5選#展覧会 #三井記念美術館 #葛飾北斎 #安西水丸 #川瀬巴水 #国立科学博物館https://t.co/Vv22ZkK4hf
— イロハニアート (@irohani_art) August 2, 2021
8月に始まる展覧会は多くありません。しばらくはまだ見られていない近場の展覧会を追っていきたいと思います。
それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
2021年7月に見たい展覧会【包む-日本の伝統パッケージ/前川千帆/イスラーム王朝とムスリムの世界】

一方で「茶の湯の美」の再開を一時検討していた出光美術館は、状況に鑑みて臨時休館を継続しました。よって「茶の湯の美」は中止となり、予定されていた「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」も開催が見合わせとなりました。以降のスケジュールについても、今後、大幅な見直しがなされるそうです。
この夏から秋に向けて、今月は数多くの展覧会が新たにスタートします。気になる展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「アイヌの装いとハレの日の着物―国立アイヌ民族博物館の開館によせて」 渋谷区立松濤美術館(6/26~8/9)
・「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」 板橋区立美術館(7/17~8/15)
・「グローバル化時代の現代美術―“セタビ”のコレクションで楽しむ世界旅行」 世田谷美術館(7/3~8/22)
・「藝大コレクション展 2021 I期 雅楽特集を中心に」 東京藝術大学大学美術館(7/22~8/22)
・「花を愛で、月を望む 日本の自然と美」 根津美術館(7/22~8/22)
・「自然が彩る かたちとこころ」 三井記念美術館(7/10~8/22)
・「山種美術館所蔵 浮世絵・江戸絵画名品選」 山種美術館(7/3~8/29)
・「ざわつく日本美術」 サントリー美術館(7/14~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」 東京都庭園美術館(6/26~9/5)
・「パビリオン・トウキョウ2021」 新国立競技場を中心とするエリア(7/1~9/5)
・「ボイス+パレルモ」 埼玉県立近代美術館(7/10~9/5)
・「包む-日本の伝統パッケージ」 目黒区美術館(7/13~9/5)
・「聖徳太子1400年遠忌記念 特別展 聖徳太子と法隆寺」 東京国立博物館・平成館(7/13~9/5)
・「マン・レイと女性たち」 Bunkamuraザ・ミュージアム(7/13~9/6)
・「巨大映像で迫る五大絵師 -北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界」 大手町三井ホール(7/16~9/9)
・「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」 SOMPO美術館(6/25~9/12)
・「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」 三菱一号館美術館(6/30~9/12)
・「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」 パナソニック汐留美術館(7/3~9/20)
・「特別展 植物」 国立科学博物館(7/10~9/20)
・「大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―」 江戸東京博物館(7/10~9/20)
・「平木コレクションによる 前川千帆展」 千葉市美術館(7/13~9/20)
・「加藤翼 縄張りと島」 東京オペラシティアートギャラリー(7/17~9/20)
・「かこさとし展ーこどもはみらいにいきるひとー」 市川市文学ミュージアム(7/17~9/20)
・「日本民藝館改修記念 名品展II―近代工芸の巨匠たち」 日本民藝館(7/6~9/23)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」 東京国立近代美術館(6/18~9/26)
・「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」 東京ステーションギャラリー(7/17~9/26)
・「THE北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」 すみだ北斎美術館(7/20~9/26)
・「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館(7/17~10/17)
・「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(7/2~11/28)
・「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」 東京国立博物館・東洋館(7/6~2022/2/20)
【ギャラリー】
・「伊藤彩展 Where is banana?」 三越コンテンポラリーギャラリー(7/7~7/19)
・「アウトサイダーアート展 Our Life is Our Art」 GYRE GALLERY(6/7~7/25)
・「still life 静物」 ギャラリー小柳(6/4~7/31)
・「目 ただの世界」 SCAI THE BATHHOUSE(7/6~8/7)
・「玉山拓郎 Anything will slip off / If cut diagonally」 ANOMALY(7/17~ 8/14)
・「YOKOO LIFE 横尾忠則の生活」 ほぼ日曜日(7/17~8/22)
・「オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/20~8/28)
・「会田誠展 愛国が止まらない」 ミヅマアートギャラリー(7/7~8/28)
・「上村洋一 + エレナ・トゥタッチコワ Land and Beyond|大地の声をたどる」 ポーラ ミュージアム アネックス(7/21~8/29)
まずは目黒区美術館です。「包む-日本の伝統パッケージ」展が行われます。

「包む-日本の伝統パッケージ」@目黒区美術館(7/13~9/5)
これは戦前からアートディレクターとして活躍した岡秀行氏がコレクションした、木や竹に藁など自然を素材する伝統的なパッケージを紹介するもので、菓子や酒類の容器を中心に400点もの資料が公開されます。
【展覧会予告】「包む-日本の伝統パッケージ」会期:7/13(火)~9/5(日)日本のデザイン黎明期に、わが国の伝統的なパッケージを収集し「TSUTSUMU(包む)」という言葉とともに大きな足跡を残したデザイナー、岡 秀行。当館所蔵の岡のコレクションをご紹介します。 pic.twitter.com/5TqzYy0Tmp
— 目黒区美術館 Meguro Museum of Art,Tokyo (@mmatinside) June 19, 2021
同館では2011年にも岡氏の「包む」コレクションが展示され、美しい佇まいに私も大いに感銘を受けましたが、再び評判を集める展覧会となるかもしれません。
実に44年ぶりの大規模な回顧展です。千葉市美術館にて「平木コレクションによる 前川千帆展」が開催されます。

「平木コレクションによる 前川千帆展」@千葉市美術館(7/13~9/20)
1888年に京都に生まれた前川千帆は、木版を発表しては創作版画の普及に務め、恩地孝四郎や平塚運一とともに御三家と称されるほどの評価を得ました。
7/13(火)〜9/20(月・祝)に開催する「平木コレクションによる 前川千帆展」の詳細を公開しました。近代日本を代表する創作版画家の前川千帆の版業を約350点の作品で一望する、なんと44年ぶり❗️の大回顧展です。センパンさんのほのぼの版画ワールド♨️をお楽しみください。https://t.co/bCcJo7rTVm pic.twitter.com/X0MXPybHJA
— 千葉市美術館 (@ccma_jp) June 4, 2021
今回の展覧会では、主要な版画をはじめ、最初期の新聞や雑誌の投稿作品、あるいは版木などの資料を合わせて約350点がされます。また版画家の前に漫画家として活動していたこともあり、漫画の掲載誌やアニメーション映画なども紹介されます。「ほのぼの版画ワールド」と記されたチラシ表紙の作品からして魅惑的ではないでしょうか。
ラストはイスラーム美術の展覧会です。東京国立博物館にて「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」が開催されます。
「マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 イスラーム王朝とムスリムの世界」@東京国立博物館・東洋館(7/6~2022/2/20)
マレーシアのクアラルンプールに位置するマレーシア・イスラーム美術館には、工芸品や宝飾品など1万件以上ものイスターム美術品がコレクションされてきました。
【来月開催】特定の国家や地域によらない、世界規模のイスラーム美術を紹介。イスラーム文化の多様性を感じるられる「イスラーム王朝とムスリムの世界」展、7/6~https://t.co/2HX9jD3Vwm pic.twitter.com/FNOXa78VtC
— インターネットミュージアム (@InternetMuseum) June 21, 2021
その一端をコレクションを展示するのが「イスラーム王朝とムスリムの世界」で、特定の国家や地域によらない世界スケールにてイスラーム美術が紹介されます。なお会場は東京国立博物館の東洋館の第12、13室が用いられ、常設展(総合文化展)のチケットのみで観覧可能です。必ずしも身近とは言い難いイスラーム美術の奥深い魅力を辿ることができるかもしれません。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
2021年6月に見たい展覧会【映えるNIPPON/きらめきの日本美術/聖林寺十一面観音】

新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言は再延長されましたが、休業要請が緩和されたため、東京都内の美術館と博物館の多くが再開しました。
新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十四報
それでは今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 目黒区美術館(4/21~6/20)
・「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」 パナソニック汐留美術館(4/10~6/13)
・「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩」 東京都庭園美術館(4/24~6/13)
・「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 世田谷美術館(3/20~6/20)
・「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 武蔵野美術大学美術館(4/5~6/20)
・「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアンガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティ アートギャラリー(4/17~6/24)
・「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 江戸東京博物館(4/24~6/20)
・「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」 練馬区立美術館(4/30~6/20)
・「埼玉150周年記念展 埼玉の美術史 1871-1960」 埼玉県立近代美術館(6/1~6/23)
・「百花繚乱―華麗なる花の世界―」 山種美術館(4/10~6/27)
・「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(4/16~6/27)
・「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 横須賀美術館(4/24~6/27)
・「茶箱と茶籠」 三井記念美術館(5/1~6/27)
・「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 府中市美術館(5/22~7/11)
・「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」 出光美術館(前期:6/15~7/11)
・「新・晴れた日 篠山紀信」 東京都写真美術館(5/18~8/15)
・「イサム・ノグチ 発見の道」 東京都美術館(4/24~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「フジタ―色彩への旅」 ポーラ美術館(4/17~9/5)
・「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」 東京都庭園美術館(6/26~9/5)
・「ファッション イン ジャパン 1945-2020—流行と社会」 国立新美術館(6/9~9/6)
・「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」 東京国立博物館(6/22~9/12)
・「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」 SOMPO美術館(6/25~9/12)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」 東京国立近代美術館(6/18~9/26)
【ギャラリー】
・「堀江栞個展 声よりも近い位置」 加島美術(5/29~6/12)
・「JAGDA新人賞展2021 加瀬透・川尻竜一・窪田新」 クリエイションギャラリーG8(5/11~6/16)
・「菅木志雄 集められた<中間>」 小山登美夫ギャラリー(5/22~6/19)
・「川内倫子 Under the same sky」 MA2Gallery(6/1~6/26)
・「会田誠、赤松音呂、O JUN、棚田康司、山口晃『オーライ展』」 ミヅマアートギャラリー(5/26~6/26)
・「絵を纏う - 若槻せつ子『打掛』コレクション」 ポーラ ミュージアム アネックス(6/4~6/27)
・「名和晃平 Wandering」 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー(6/5~7/3)
・「スポーツグラフィック展」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(6/8~7/7)
・「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 メゾンエルメス(4/23~7/18)
・「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 杉戸洋、中村竜治、Nerhol、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]」 資生堂ギャラリー(6/5~8/29)
資生堂ギャラリー
・「アンサンブル・スタジオ展 Architecture of The Earth」 TOTOギャラリー・間(6/24~9/12)
まずは府中市美術館です。「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」が開催されます。

「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」@府中市美術館(5/22~7/11)
本日より企画展「#映えるNIPPON」開幕いたしました!感染症対策を講じた上で、通常通り開館いたしております。展覧会会期前期 〜6月13日(日)後期 6月15日(火)〜7月11日(日)展示作品については、本展ウェブサイトをご覧ください。https://t.co/ZlMxMs600x pic.twitter.com/eW9JTLNygN
— 府中市美術館 (@FuchuArtMuseum) June 1, 2021
これは幕末から明治にかけて日本各地の名所を舞台とした絵画などを紹介する展覧会で、広重、清親、それに巴水をはじめ、和田英作から向井潤吉といった約110点の作品が公開されます。また国立公園を描いた絵画や、観光宣伝のための案内図などのパンフレットに着目した展示も見どころとなりそうです。
続いては出光美術館です。「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」が行われます。
「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」@出光美術館(前期:6/15~7/11)
この展覧会では定評のある日本美術コレクションから屏風絵や浮世絵を中心に公開するもので、前期会期中には伊藤若冲の人気作で、プライス財団の旧蔵品として知られた「鳥獣花木図屏風」が出展されます。
2019年、出光美術館はエツコ&ジョー・プライス夫妻からいわゆるプライスコレクションとして知られた日本美術品を約190点購入していて、当初は翌年の特別展「江戸絵画の華」にて公開が予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休館のため、展覧会は実現しませんでした。
現在、同館は5月末から臨時休館を延長していて、今後の予定についてのお知らせがありませんが、何とか開催していただければと思いました。
ラストは仏教美術です。天平彫刻の名品として知られる奈良・聖林寺の国宝「十一面観音菩薩立像」が、史上初めて東京で公開されます。

「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」@東京国立博物館(6/22~9/12)
はじめまして、こんばんは、太田種子(おおた・たねこ)と申します……6月22日から上野の東京国立博物館で、国宝 十一面観音立像(奈良・聖林寺蔵)などの仏像や、大神神社(おおみわじんじゃ)の自然信仰を示す三輪山禁足地の出土品などを展示する #聖林寺展 について、これから紹介します……🙇♀️ pic.twitter.com/WqXjs1y1ig
— 【聖林寺展公式】太田種子 (@shorinji2020) May 1, 2021
奈良県桜井市の三輪山は古来より神の宿る地とされ、現在に至るまで大神神社の御神体として多くの信仰を集めてきました。その大神神社にかつて建てられた大神寺に由来する仏像を紹介するのが「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」で、いずれも国宝の「十一面観音菩薩立像」や「地蔵菩薩立像」とともに三輪山禁足地の出土品などが公開されます。
5月は東京都内の展覧会のほとんどが休止されていました。しばらくは先月中に見られなかった展覧会を中心にまわる形となりそうです。それではどうぞ宜しくお願い致します。
2021年5月に見たい展覧会【川瀬巴水展/イサム・ノグチ/近代日本洋画の名作選展】

新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十二報(4月30日、一部情報更新。)
宣言の発出期間は5月11日までとされているものの、同日に解除される見通しは極めて不透明です。しかしながらここでは仮に5月半ばまでに解除され、美術館が再開するとして、見に行きたい展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「さまよえる絵筆―東京・京都 戦時下の前衛画家たち」 板橋区立美術館(3/27~5/23)
・「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 出光美術館(4/13~5/23)
・「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった」 ワタリウム美術館(2/7~6/6)
・「藤田道子 ほどく前提でむすぶ」 茅ヶ崎市美術館(4/3~6/6)
・「彩られた紙―料紙装飾の世界」 大倉集古館(4/6~6/6)
・「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 目黒区美術館(4/21~6/6)
・「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」 パナソニック汐留美術館(4/10~6/13)
・「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」 平塚市美術館(4/24~6/13)
・「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩」 東京都庭園美術館(4/24~6/13)
・「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 世田谷美術館(3/20~6/20)
・「現代日本画の系譜-タマビDNA展」 多摩美術大学美術館(4/3~6/20)
・「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 武蔵野美術大学美術館(4/5~6/20)
・「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアンガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティ アートギャラリー(4/17~6/20)
・「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 うらわ美術館(4/17~6/20)
・「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 江戸東京博物館(4/24~6/20)
・「百花繚乱―華麗なる花の世界―」 山種美術館(4/10~6/27)
・「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(4/16~6/27)
・「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 横須賀美術館(4/24~6/27)
・「茶箱と茶籠」 三井記念美術館(5/1~6/27)
・「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」 そごう美術館(5/15~7/4)
・「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 府中市美術館(5/22~7/11)
・「新・晴れた日 篠山紀信」 東京都写真美術館(5/18~8/15)
・「イサム・ノグチ 発見の道」 東京都美術館(4/24~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「フジタ―色彩への旅」 ポーラ美術館(4/17~9/5)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
【ギャラリー】
・「青木野枝個展 Mesocyclone」 ANOMALY(4/17~5/22)
・「TDC 2021」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/1~5/29)
・「田原桂一 表現者たち -白の美術館」 ポーラ ミュージアム アネックス(4/28~5/30)
・「野田裕示 100の庭」 ザ・ギンザ スペース(5/10~5/30)
・「オリガミ・アーキテクチャー 一枚の紙から世界の近現代建築を折る」 ギャラリーA4(4/9~6/3)
・「MIROIRS – Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」 シャネル・ネクサス・ホール(4/28~6/6)
・「JAGDA新人賞展2021 加瀬透・川尻竜一・窪田新」 クリエイションギャラリーG8(5/11~6/16)
・「菅木志雄 集められた<中間>」 小山登美夫ギャラリー(5/22~6/19)
・「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 メゾンエルメス(4/23~7/18)
まずは日本美術からです。大正から昭和にかけて活動した版画家、川瀬巴水の展覧会が、平塚市美術館にて開催されています。

「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」@平塚市美術館(4/24~6/13)
【川瀬巴水展】「開館30周年記念 荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」(4/24-6/13)が開催中です😁😁😁一部撮影可能となっております📷https://t.co/EJ7vEMlfCW#平塚市美術館 #川瀬巴水 #展覧会 pic.twitter.com/NR78aJvxGC
— 平塚市美術館 (@HiratsukaArt) April 27, 2021
これは人気の風景版画だけでなく、本の装丁や雑誌の表紙などを網羅した荒井寿一の巴水コレクションを紹介するもので、資料を含めると約270点超の作品が展示されます。巴水に関しては今秋にもSOMPO美術館で回顧展が控えていますが、先取りして見ておきたい内容と言えるかもしれません。
続いては東京都美術館です。「イサム・ノグチ 発見の道」が開かれています。

「イサム・ノグチ 発見の道」@東京都美術館(4/24~8/29)
アメリカ生まれの彫刻家のイサム・ノグチは、後年に香川県高松市の牟礼町にアトリエを構えると、拠点としていたニューヨークと行き来しながら多様な制作に取り組んでいました。
【臨時休室のお知らせ】東京都の方針により、新型コロナウイルス感染拡大を防止する観点から、「イサム・ノグチ 発見の道」は4月25日より臨時休室いたします。再開時期は未定です。詳しくは本展公式サイトをご確認ください。https://t.co/uDQvm8oPUp
— 展覧会『イサム・ノグチ 発見の道』@東京都美術館 (@IsamuNoguchi21) April 23, 2021
その牟礼に残された彫刻群が東京へやって来たのが「イサム・ノグチ 発見の道」で、国内外の彫刻、及び「あかり」によるインスタレーションなどが展示されます。なお牟礼の一連の石彫が同所以外でまとめて公開されたのは、1999年のイサム・ノグチ庭園美術館開館以降、初めてのことになります。
同展は既に4月24日に開幕したものの、緊急事態宣言の発出を受けて、僅か開催1日後の25日に臨時休館となってしまいました。再開を心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。
ラストは近代日本洋画の展覧会です。横浜のそごう美術館にて「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」が行われます。

「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」@そごう美術館(5/15~7/4)
1978年、広島銀行によつて設立されたひろしま美術館には、印象派を中心とするフランス近代絵画と日本の洋画や日本画がコレクションされ、多くの人々の目を楽しませてきました。
「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」横浜・そごう美術館で、黒田清輝や岸田劉生など - https://t.co/X2ZFiJ3BSK pic.twitter.com/umx8X7DFXe
— Fashion Press (@fashionpressnet) March 6, 2021
今回のコレクション展では日本の洋画に着目し、藤島武二、青木繁、それに佐伯祐三や鴨居玲などの約70点が絵画が公開されます。私も過去、一度ひろしま美術館を訪ねたことがありますが、優品揃いで大変に心を惹かれました。また改めて横浜の地でじっくり見入りたいと思います。
それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
2021年4月に見たい展覧会【クールベと海/コレクター福富太郎の眼/大・タイガー立石展】

4月は多くの展覧会がスタートします。それでは気になる展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「3.11とアーティスト:10年目の想像展」 水戸芸術館(2/20~5/9)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~5/9)
・「コレクション 4つの水紋」 埼玉県立近代美術館(3/23~5/16)
・「開館80周年記念特別展 国宝燕子花図屏風 色彩の誘惑」 根津美術館(4/17~5/16)
・「さまよえる絵筆―東京・京都 戦時下の前衛画家たち」 板橋区立美術館(3/27~5/23)
・「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 出光美術館(4/13~5/23)
・「国宝 鳥獣戯画のすべて」 東京国立博物館(4/13~5/30)
・「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった」 ワタリウム美術館(2/7~6/6)
・「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 目黒区美術館(4/21~6/6)
・「大地のハンター展 ~陸の上にも4億年」 国立科学博物館(3/9~6/13)
・「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」 パナソニック汐留美術館(4/10~6/13)
・「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」 平塚市美術館(4/24~6/13)
・「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩」 東京都庭園美術館(4/24~6/13)
・「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 世田谷美術館(3/20~6/20)
・「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在/ライゾマティクス_マルティプレックス」 東京都現代美術館(3/20~6/20)
・「現代日本画の系譜-タマビDNA展」 多摩美術大学美術館(4/3~6/20)
・「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 武蔵野美術大学美術館(4/5~6/20)
・「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアンガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティ アートギャラリー(4/17~6/20)
・「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 うらわ美術館(4/17~6/20)
・「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 江戸東京博物館(4/24~6/20)
・「日本民藝館改修記念 名品展Ⅰ―朝鮮陶磁・木喰仏・沖縄染織などを一堂に」 日本民藝館(4/4~6/27)
・「百花繚乱―華麗なる花の世界―」 山種美術館(4/10~6/27)
・「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」 サントリー美術館(4/14~6/27)
・「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(4/16~6/27)
・「しりあがりサン北斎サン―クスッと笑えるSHOW TIME!」 すみだ北斎美術館(4/20~6/27)
・「コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画」 東京ステーションギャラリー(4/24~6/27)
・「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 横須賀美術館(4/24~6/27)
・「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」 千葉市美術館(4/10~7/4)
・「フジタ―色彩への旅」 ポーラ美術館(4/17~9/5)
【ギャラリー】
・「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点」 資生堂ギャラリー(1/16~4/18)
・「木村裕治展 落穂を拾う」 クリエイションギャラリーG8(3/23~4/24)
・「三好耕三作品展:SHASHIN 写真」 キヤノンギャラリーS(3/22~4/28)
・「ムラタ有子 白樺の庭」 ザ・ギンザ スペース(4/5~4/28)
・「杉本博司『OPTICKS』」 ギャラリー小柳(3/26~5/1)
・「省亭・暁斎・是真〜パリ・フィラデルフィア万博、海を越えた明治の日本美術」 加島美術(4/24〜5/5)
・「金子富之展 辟邪の虎」 ミヅマアートギャラリー(4/7~5/15)
・「安藤正子 Portraits」 小山登美夫ギャラリー(4/3~5/8)
・「青木野枝個展 Mesocyclone」 ANOMALY(4/17~5/22)
・「TDC 2021」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/1~5/29)
・「田原桂一 表現者たち -白の美術館」 ポーラ ミュージアム アネックス(4/28~5/30)
・「森山大道 写真展『衝撃的、たわむれ』 東京工芸大学写大ギャラリー(3/22~5/31)
まずは西洋美術です。パナソニック汐留美術館にて「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」が開催されます。

「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」@パナソニック汐留美術館(4/10~6/13)
1819年、スイス国境近くの山に囲まれたオルナンで生まれたギュスターヴ・クールベは、22歳にして初めて海を目にすると、後年の1865年から1869年にかけてノルマンディーに出かけては海を主題とした絵画を制作しました。
【日時指定予約 受付中‼】#パナソニック汐留美術館 で、4月10日(土)~6月13日(日)まで「クールベと海 展― フランス近代 自然へのまなざし」を開催。ご来館の際は、当館ホームページより日時指定予約をお願いいたします。#西洋美術 #クールベ #美術館 #art
— パナソニック汐留美術館 (@shiodome_museum) March 29, 2021
そうしたクールベの描いた海の作品に着目したのが「クールベと海展」で、クールベをはじめ、モネやブーダンなど約60点の絵画が紹介されます。昨年秋より山梨県立美術館、それにふくやま美術館にて開かれた巡回展で、国内でのクールベの展覧会としては、2012年の「フランス写実主義の巨匠 クールベ展 印象派への架け橋」(北九州市立美術館などで開催。)以来、約9年ぶりのことになります。
続いては稀代のコレクターの視点を通した近代日本美術を中心とする展覧会です。「コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画」が東京ステーションギャラリーにて行われます。

「コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画」@東京ステーションギャラリー(4/24~6/27)
全国にキャバレー「ハリウッド」を展開し、キャバレー王とも称された実業家の福富太郎は、美術品の蒐集にも力を注ぎ、鏑木清方などの美人画から明治時代の洋画、はたまた戦争画などで充実したコレクションを築き上げました。
【確かな眼力】「コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画」展 東京ステーションギャラリー(東京駅)で4月24日(土)から。実業家かつ稀代の蒐集家として知られました。有名な美人画だけでなく、優れたコレクションの全体像を提示する初の機会。 https://t.co/mRSpIIQmc3 @art_ex_japan
— 美術展ナビ (@art_ex_japan) March 29, 2021
その福富のコレクションの全貌に迫る展覧会で、全58名にも及ぶ作家の作品が約80点ほど公開されます。これまでにも全国各地の美術館で散発的に見る機会こそありましたが、まとめて展観することで改めてコレクションの価値が見直されていくのかもしれません。
ラストは現代美術です。千葉市美術館にて「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」が開かれます。

「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」@千葉市美術館(4/10~7/4)
1941年に生まれた立石紘一は、戦後に「和製ポップ・アート」の先駆けと呼ばれた絵画を描いただけでなく、タイガー立石の名で漫画を描き、イラストやデザインなどの分野でマルチに活動しました。その立石は13年に及ぶミラノ移住後、帰国すると立石大河亞と名乗り、1985年からは千葉県の夷隅や養老渓谷を拠点にしていたそうです。
2021年度の企画展スケジュールを公開しました。タイガー立石の大規模個展や、近代創作版画御三家の前川千帆の大回顧展、現代美術家・福田美蘭のコラボ新作と代表作を紹介する個展、さらに2020年から開催を延期していた「ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵」の開催など多彩な展覧会が目白押しです! pic.twitter.com/dJBB6x7v2r
— 千葉市美術館 (@ccma_jp) March 15, 2021
まさにご当地のアーティストの展覧会と言えるかもしれません。17歳から遺作へと至る約200点超もの資料が公開されます。1998年に亡くなってからの過去最大規模の個展というだけに、心待ちにしていた方も多いかもしれません。
また今月は改修工事のため昨年11月から休館していた日本民藝館がリニューアルを終えて「名品展」を開くほか、新型コロナウイルス感染症に伴って実に1年以上休館していた出光美術館が「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」にて再開します。ともに展示を追っていきたいところです。
それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
2021年3月に見たい展覧会【与謝蕪村/渡辺省亭/モンドリアン展】

3月に気になる展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「DOMANI・明日展 2021 文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち」 国立新美術館(1/30~3/7)
・「前田利為 春雨に真珠をみた人―前田家の近代美術コレクション」 目黒区美術館(2/13~3/21)
・「震災と未来展-東日本大震災10年」 日本科学未来館(3/6~3/28)
・「VOCA展2021 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」 上野の森美術館(3/12~3/30)
・「狩野派と土佐派 幕府・宮廷の絵師たち」 根津美術館(2/25~3/31)
・「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」 ポーラ美術館(11/14~2021/4/4)
・「川合玉堂」 山種美術館(2/6~4/4)
・「20世紀のポスター 図像と文字の風景」 東京都庭園美術館(1/30~4/11)
・「没後70年 南薫造」 東京ステーションギャラリー(2/20~4/11)
・「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」 練馬区立美術館(2/28~4/18)
・「特集展示 アイヌ文化へのまなざし―N.G.マンローの写真コレクションを中心に」 国立歴史民俗博物館(12/22~2021/5/9)
・「3.11とアーティスト:10年目の想像展」 水戸芸術館(2/20~5/9)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~5/9)
・「澤田知子 狐の嫁いり」 東京都写真美術館(3/2~5/9)
・「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」 府中市美術館(3/13~5/9)
・「佐藤可士和展」 国立新美術館(2/3~5/10)
・「あやしい絵展」 東京国立近代美術館(3/23~5/16)
・「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」 東京藝術大学大学美術館(3/27~5/23)
・「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 三菱一号館美術館(2/20~5/30)
・「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった」 ワタリウム美術館(2/7~6/6)
・「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」 SOMPO美術館(3/23〜6/6)
・「大地のハンター展 ~陸の上にも4億年」 国立科学博物館(3/9~6/13)
・「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 世田谷美術館(3/20~6/20)
・「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在/ライゾマティクス_マルティプレックス」 東京都現代美術館(3/20~6/20)
【ギャラリー】
・「中川エリカ展 JOY in Architecture」 TOTOギャラリー・間(1/21~3/21)
・「堀浩哉展 触れながら開いて」 ミヅマアートギャラリー(2/24〜3/27)
・「土屋仁応 キメラ」 メグミオギタギャラリー(3/2〜3.27)
・「佐藤倫子写真展 creative snap」 ザ・ギンザ スペース(3/1〜28)
・「川内倫子展 M/E」 三越コンテンポラリーギャラリー(3/17~3/29)
・「さわひらき個展『/home』」 オオタファインアーツ(2/20〜4/3)
・「柳幸典 Wandering Position 1988 - 2021」 ANOMALY(3/6〜4/3)
・「大庭大介 絵画−現象の深度」 SCAI THE BATHHOUSE(3/9〜4/3)
・「山本晶:Playing with Maps」 アートフロントギャラリー(3/12〜4/4)
・「ドラえもん1コマ拡大鑑賞展」 ほぼ日曜日(3/13〜4/18)
・「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点」 資生堂ギャラリー(1/16~4/18)
・「ポーラ ミュージアム アネックス展2021―自動と構成」 ポーラ ミュージアム アネックス(3/18~4/18)
・「木村裕治展 落穂を拾う」 クリエイションギャラリーG8(3/23〜4/24)
・「2021年宇宙の旅 モノリス_ウイルスとしての記憶、そしてニュー・ダーク・エイジの彼方へ」 GYRE GALLERY (2/19~4/25)
・「三好耕三作品展:SHASHIN 写真」 キヤノンギャラリーS(3/22~4/28)
まずは日本美術です。恒例の江戸絵画まつりの季節がやって来ました。府中市美術館にて「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」が開催されます。

「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」@府中市美術館(3/13~5/9)
今回の展示では与謝蕪村の制作を「ぎこちなさ」に着目して振り返っていて、国宝1点と重要文化財10点を含む、約100点の作品が公開されます。なお府中の春の江戸絵画まつりで一人の画家の回顧展を開催するのは、2008年の亜欧堂田善以来のことだそうです。
蕪村展、展示予定が発表されました!国宝・重文から新発見作品まで全103点。どれも是非是非ご覧いただきたい作品ばかりです。前期・後期で大幅な展示替えがありますので、ご注意ください。画像は前期の目玉の一つ、かわいい「田楽茶屋図屏風」です!展示予定表はこちらから↓https://t.co/mwYQAlCG9j pic.twitter.com/8vViIqGya1
— 蕪村展・動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】 (@edo_fam) February 26, 2021
長らく一般に知られてこなかった幻の金屏風とされる、「山水図屏風」などの貴重な作品も出展されます。前後期で大幅に作品の入れ替えがありますが、前期チケットを購入すると2度目が半額になる割引券がついてきます。両会期を合わせて追いかけたいところです。
続いても日本美術です。東京藝術大学大学美術館にて「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」が行われます。

「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」@東京藝術大学大学美術館(3/27~5/23)
明治から大正にかけて活動した渡辺省亭は、パリ万博への出品を通して海外では評価を得たものの、国内では画壇から離れていたからか、必ずしも良く知られた画家とは言えませんでした。その省亭の画業の全貌を里帰り作品を含めて検証するもので、国内の美術館としては初めての回顧展となります。
【作品紹介③】「牡丹に蝶の図」展覧会メインビジュアルに選ばれた本作は花鳥画の定番モチーフである(花札の絵柄にも出てくるんです!)「牡丹」と「蝶」の組み合わせを写実的に描いています。色鮮やかな牡丹の「紅白」のペアと揚羽蝶の「黒」の対比にも注目。非常に美しい作品です!#渡辺省亭展 pic.twitter.com/bD60mS5Uia
— 渡辺省亭展公式 (@seitei2021) February 12, 2021
省亭は2017年に加島美術にて「蘇る!孤高の神絵師 渡辺省亭」が開催された上、同時に山種美術館や松岡美術館などでも作品が展示されるなど、近年、再評価の機運が高まってきました。また2018年にも同じく加島美術にて「SEITEIリターンズ!!〜渡邊省亭展〜」が開かれました。
公式サイトに「次はこれだ!」とのキャッチコピーが記されていますが、ともすれば人気を決定づける機会となるかもしれません。
ラストは西洋美術です。オランダに生まれて抽象表現を切り開いた画家、ピート・モンドリアンの回顧展が、SOMPO美術館にて開かれます。

「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」@SOMPO美術館(3/23〜6/6)
【2021年度展覧会情報①】「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」2021年3月23日(火)~6月6日(日)モンドリアン生誕150年を記念して、オランダのデン・ハーグ美術館所蔵のモンドリアン作品50点、国内外美術館所蔵のモンドリアン作品と関連作家作品約20点を展示します。 pic.twitter.com/gN9zg7mmd6
— SOMPO美術館 (@sompomuseum) January 27, 2021
これはオランダのデン・ハーグ美術館のモンドリアンコレクション50点と、国内外の美術館のモンドリアン作品と関連の作品20点を紹介するもので、初期の風景画から晩年の抽象画へと至るプロセスを辿っていきます。国内でのモンドリアン展は実に23年ぶりのことでもあります。
ところで2004年9月にはじめたブログが、今年の2月5日をもって開設6000日を迎えました。これほど長きに渡ってブログが続いたのも、全ては読んでくださる皆さまのおかげです。本当にどうもありがとうございます。
今後ともマイペースで更新を続けたいと思いますので、変わらずに「はろるど」をどうぞよろしくお願い致します。
2021年2月に見たい展覧会【笠松紫浪/コンスタブル/電線絵画】
【展覧会】
・「DOMANI・明日展 2021 文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち」 国立新美術館(1/30~3/7)
・「FACE展2021」 SOMPO美術館(2/13~3/7)
・「カオスモス6 沈黙の春に」 佐倉市立美術館(1/26~3/14)
・「千葉正也個展」 東京オペラシティ アートギャラリー(1/16~3/21)
・「没後70年 吉田博展」 東京都美術館(1/26~3/28)
・「没後30年記念 笠松紫浪―最後の新版画」 太田記念美術館(2/2~3/28)
・「写真家 ドアノー/音楽/パリ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(2/5~3/31)
・「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」 ポーラ美術館(11/14~2021/4/4)
・「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」 江戸東京博物館(11/21~2021/4/4)
・「川合玉堂」 山種美術館(2/6~4/4)
・「20世紀のポスター 図像と文字の風景」 東京都庭園美術館(1/30~4/11)
・「第24回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」 川崎市岡本太郎美術館(2/20~4/11)
・「没後70年 南薫造」 東京ステーションギャラリー(2/20~4/11)
・「小村雪岱スタイル―江戸の粋から東京モダンへ」 三井記念美術館(2/6~4/18)
・「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」 練馬区立美術館(2/28~4/18)
・「特集展示 アイヌ文化へのまなざし―N.G.マンローの写真コレクションを中心に」 国立歴史民俗博物館(12/22~2021/5/9)
・「3.11とアーティスト:10年目の想像展」 水戸芸術館(2/20~2021/5/9)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~5/9)
・「佐藤可士和展」 国立新美術館(2/3~5/10)
・「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 三菱一号館美術館(2/20~5/30)
・「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった」 ワタリウム美術館(2/7~6/6)
【ギャラリー】
・「大庭大介 絵画-現象の深度」 SCAI THE BATHHOUSE(1/26~2/27)
・「阪本トクロウ: gap/大岩オスカール: 隔離生活」 アートフロントギャラリー(2/5~3/7)
・「柏原由佳 1:1」 ポーラ ミュージアム アネックス(2/11~3/14)
・「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか 後期:グラフィック・アート」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(2/3~3/19)
・「中川エリカ展 JOY in Architecture」 TOTOギャラリー・間(1/21~3/21)
・「堀浩哉+堀えりぜ「記憶するために―わたしはだれ?」 Space√K (2/13~3/26)
・「樹の一脚展 人の営みと森の再生」 ギャラリーA4(2/5~3/31)
・「輝板膜タペータム 落合多武展」 メゾンエルメス(1/22~4/11)
・「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点」 資生堂ギャラリー(1/16~4/18)
・「2021年宇宙の旅 モノリス_ウイルスとしての記憶、そしてニュー・ダーク・エイジの彼方へ」 GYRE GALLERY (2/19~4/25)
まずは日本美術です。「最後の新版画家」と呼ばれる笠松紫浪の回顧展が、太田記念美術館にて開催されます。

「没後30年記念 笠松紫浪 ―最後の新版画」@太田記念美術館(2/2~3/28)
1898年に生まれた笠松紫浪は、鏑木清方に日本画を学ぶと、東京や温泉地をモチーフとした新版画を数多く制作しました。
本日2/2(火)より、原宿の太田記念美術館にて「没後30年記念 笠松紫浪ー最後の新版画」展が始まりました。前期(2/2~2/25)と後期(3/2~3/28)、全点展示替えでそれぞれ65点ずつ展示します。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、最終入館は16時30分、閉館は17時に変更しているのでご注意ください。 pic.twitter.com/OrMn28WadH
— 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art (@ukiyoeota) February 2, 2021
その笠松の制作を追いかけるのが「没後30年記念 笠松紫浪」で、大正、昭和前期、さらには戦後へと至る約130点の作品が公開されます。近年、川瀬巴水を筆頭に、吉田博や小原古邨など新版画への人気が高まっていますが、また新たに注目を浴びる絵師の1人となるかもしれません。
作品は前後期で全点入れ替わります。ともに追いかけたいところです。*前期 :2月2日(火)~25日(木)、後期 :3月2日(火)~28日(日)
続いては「電線」に焦点を当てた異色の展覧会です。練馬区立美術館にて「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」が行われます。

「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」@練馬区立美術館(2/28~4/18)
街中の電線はともすると美的景観を損なうとされるものの、身近な日常の「飾らない」光景として、古くから多くの絵画に表現されてきました。
☆今後の展覧会☆2021/2/28~4/18「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」詳細HP⇒https://t.co/8TlRnJLguEこの展覧会では電線が走りはじめた明治初期から現代までの電線・電柱に注目!日本画・油彩画・版画・現代美術作品等約130点とともにその役割と作品化された意図を読み解きます!#電線 pic.twitter.com/5lTVIbvXtF
— 練馬区立美術館 (@nerima_museum) December 27, 2020
そうした電線や電柱の美術表現の変遷を辿るのが「電線絵画展」で、主に明治から現代へと至る電線を描いた風景画などが展示されます。電線や電柱を積極的にモチーフとして取り込み、新たな美意識を見出そうとする現代美術家の山口晃の作品も見どころになりそうです。
今年注目の西洋美術展がいよいよ開幕します。三菱一号館美術館にて「テート美術館所蔵 コンスタブル展」が開かれます。

「テート美術館所蔵 コンスタブル展」@三菱一号館美術館(2/20~5/30)
これは19世紀イギリスの画家、ジョン・コンスタブルの画業を回顧するもので、世界有数のコレクションを有するテート美術館から40点のコンスタブルの絵画に加え、同時代の約20点の作品がやって来ます。また国内に所蔵される作品も合わせて公開され、実に国内では35年ぶりとなる本格的な回顧展となります。
┏━━━━━┓ CM公開!┗━━━━━┛テート美術館所蔵 コンスタブル展2月下旬からO.A.予定のTVCMを公開しました!BGMは「威風堂々」にしました。(ちょっとベタでした?)\開催まであと19日/https://t.co/Ibsv7WnWPBhttps://t.co/9M4Id7GYox#英国 #19世紀 #風景画 #コンスタブル
— 三菱一号館美術館 (@ichigokan_PR) February 1, 2021
コロナ禍の今、海外からの借用作品を中心とする展覧会は、中止や延期に追い込まれたりすることも少なくありません。そうした中で無事開催されるコンスタブル展に大いに期待したいと思います。
新型コロナウイルス感染症対策に伴い、東京都や大阪府、それに神奈川県など10都府県に対して緊急事態宣言が延長されました。現在のところ臨時休館する美術館は限られていますが、今後の状況は依然として予断を許しません。最新の開館情報は各美術館の公式サイトをご覧ください。
2021年1月に見たい展覧会【冨安由真展/田中一村展/20世紀のポスター】
昨年の宣言下では殆ど全ての美術館と博物館が臨時休館しましたが、今回は飲食店を中心に制限がかけられ、劇場や映画館は対象に含めない方向で調整が続いているとのことです。(1月5日の報道)
今後、美術館と博物館の対応が明らかになりますが、少なくとも現時点では一部の館を除いて開館しています。そこで現状のスケジュールの通りに開館すると仮定して、見たい展覧会をリストアップしてみました。
【展覧会】
・「野見山暁治のいま展」 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール(1/9~1/18)
・「大山エンリコイサム展 夜光雲」 神奈川県民ホールギャラリー(12/14~2021/1/23)
・「東郷青児 蔵出しコレクション~異国の旅と記憶~」 SOMPO美術館(11/11~2021/1/24)
・「芳年 激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」 うらわ美術館(11/18~2021/1/24)
・「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」 Bunkamuraザ・ミュージアム(11/21~2021/1/24)
・「東山魁夷と四季の日本画」 山種美術館(11/21~2021/1/24)
・「138億光年 宇宙の旅」 東京都写真美術館(11/21~2021/1/24)
・「瀬戸正人 記憶の地図」 東京都写真美術館(12/1~2021/1/24)
・「国宝の名刀 日向正宗と武将の美」 三井記念美術館(11/21~2021/1/27)
・「生きている東京」 ワタリウム美術館(9/5~2021/1/31)
・「冨安由真展|漂泊する幻影」 KAAT神奈川芸術劇場(1/14~1/31)
・「河鍋暁斎の底力」 東京ステーションギャラリー(11/28~2021/2/7)
・「桑久保徹 A Calendar for Painters without Time Sense. 12/12」 茅ヶ崎市美術館(12/12~2021/2/7)
・「きらきらでん(螺鈿)」 根津美術館(1/9~2/14)
・「日本のたてもの—自然素材を活かす伝統の技と知恵」 東京国立博物館(12/24~2021/2/21)
・「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」 サントリー美術館(12/16~2021/2/28)
・「田中一村展 ― 千葉市美術館収蔵全作品」 千葉市美術館(1/5~2/28)
・「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」 角川武蔵野ミュージアム(11/6~2021/3/7)
・「香りの器 高砂コレクション展」 パナソニック汐留美術館(1/9~3/21)
・「千葉正也個展」 東京オペラシティ アートギャラリー(1/16~3/21)
・「複製芸術家 小村雪岱 ~装幀と挿絵に見る二つの精華~」 日比谷図書文化館(1/22~3/23)
・「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」 ポーラ美術館(11/14~2021/4/4)
・「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」 江戸東京博物館(11/21~2021/4/4)
・「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」 神奈川県立近代美術館 葉山(1/9~4/11)
・「20世紀のポスター 図像と文字の風景」東京都庭園美術館(1/30~4/11)
【ギャラリー】
・「梅津庸一監修 絵画の見かた reprise」 √K Contemporary(1/16~1/31)
・「ポーラ ミュージアム アネックス展2021-主体と客体」 ポーラ ミュージアム アネックス(1/15~2/7)
・「許寧展 Season – Letter」 小山登美夫ギャラリー(1/23~2/20)
・「大庭大介 絵画-現象の深度」 SCAI THE BATHHOUSE(1/26~2/27)
・「ルイザ・ランブリ」 ギャラリー小柳(1/15〜3/19)
・「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点」 資生堂ギャラリー(1/16~4/18)
まずは気鋭の現代美術家の個展です。KAAT神奈川芸術劇場にて「冨安由真展|漂泊する幻影」が開催されます。

「冨安由真展|漂泊する幻影」@KAAT神奈川芸術劇場(1/14~1/31)
1983年に生まれた冨安由真は、絵画やインスタレーションを用いて、「不可視なものに対する知覚を鑑賞者に擬似的に体験させる作品」(解説より)を制作してきました。中でも2018年に資生堂ギャラリーで行われた「第12回 shiseido art egg」では、会場内に心霊現象を知覚できるようなインスタレーションを築いて評判を呼び、会期後半には行列ができるほど人気を博しました。
【おすすめ】KAAT EXHIBITION 2020『冨安由真展|漂泊する幻影』@ KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ https://t.co/M3hFSOMfVg 2021/1/14〜1/31「不可視なもの・確かでない存在」をテーマに取り組む冨安が、普段は演劇作品が上演されている劇場空間をインスタレーションに変換する。#ARTiT pic.twitter.com/zY5Xn8sLte
— ARTiT_Tokyo (@ARTiT_Tokyo) December 15, 2020
その冨安の新たな個展が「漂泊する幻影」で、神奈川芸術劇場の中スタジオの劇場空間にて新たなインスタレーションを公開します。会期半月の短いスケジュールではありますが、また注目を集めるのではないでしょうか。
続いては日本画です。「田中一村展―千葉市美術館収蔵全作品」が千葉市美術館にて行われます。

「田中一村展―千葉市美術館収蔵全作品」@千葉市美術館(1/5~2/28)
栃木県に生まれ、千葉にも20年間住み、後に奄美大島へ移住した田中一村は、生前殆ど知られることがなかったものの、没後に再評価されて多くの人々の心を捉えてきました。
あけましておめでとうございます🎍本日1/5(火)より企画展「ブラチスラバ世界絵本原画展」「田中一村展 ―千葉市美術館収蔵全作品」が開幕しました。現時点では入場制限等行わずご覧いただいております。週末は混雑の恐れもありますので、分散してのご来館にご協力いただきますようお願い申し上げます。 pic.twitter.com/qgEeqcFCri
— 千葉市美術館 (@ccma_jp) January 5, 2021
2010年には千葉市美術館でも大規模な回顧展があって大変な反響を呼びましたが、以来同館では10年あまりの間に作品の寄託を受け、2018年には一村の支援者である川村家から残りの作品と資料の寄贈を受けました。
それを公開するのが今回の展覧会で、千葉市美術館の収蔵した全ての一村の作品、約100点超が公開されます。
最後はデザインの展覧会です。東京都庭園美術館にて「20世紀のポスター 図像と文字の風景」が開かれます。

「20世紀のポスター 図像と文字の風景」@東京都庭園美術館(1/30~4/11)
【年始のご挨拶】あけましておめでとうございます。皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈りしております。本年も東京都庭園美術館をよろしくお願い申し上げます。「生命の庭」展は~1/12まで、1/30~「20世紀のポスター」展を開催します。お楽しみに!*最新情報はウェブサイトでご確認ください。 pic.twitter.com/kocwtm55TQ
— 東京都庭園美術館 (@teienartmuseum) January 5, 2021
これは1910年から20年代のヨーロッパでおこり、芸術やデザインに革新をもたらした構成主義に基づくポスターの系譜を辿るもので、戦前と戦後、さらには1970年以降の現代へと至るポスター作品、約130点が展示されます。アール・デコの本館のスペースにどのようにポスターが映るのかも見どころの1つとなるかもしれません。
繰り返しになりますが、緊急事態宣言の再発出などにより、今後の美術館の開館状況は流動的です。人の流れを抑える観点からイベント等に制限がかかり、臨時休館する可能性も考えられます。
最新情報は各館のWEBサイトをご覧下さい。
*再び休館する美術館が増えた場合は、新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第一報(3月2日)、第二報(3月9日)、第三報(3月16日)、第四報(3月24日)、第五報(4月1日)、第六報(4月9日)、第七報(5月2日)、第八報(6月2日)、第九報(6月25日)の続報(第十報)として休館情報をまとめる予定です。
2020年 私が観た展覧会 ベスト10
2020年 私が観た展覧会 ベスト10
1.「開館記念展 見えてくる光景 コレクションの現在地」 アーティゾン美術館

コロナ禍において、かつてないほど美術館のコレクションの価値が見直されていますが、アーティゾン美術館のオープニングを飾った「見えてくる光景 コレクションの現在地」は極めて充実していたのではないでしょうか。旧ブリヂストン美術館より2倍に広がったスペースには、印象派から現代へと至る200点超もの石橋財団コレクションが展示されていて、まさに圧巻の一言でした。また新たに加わった作品も見逃せないものが少なくなく、とりわけジュルジュ・マチューやマリア=エレナ・ヴィエラ・ダ・シルヴァといった現代美術の質の高さには舌を巻くほどでした。以降、同館では「鴻池朋子 ちゅうがえり」や「琳派と印象派」などの見応えのある展示も続いていて、今、東京で一番おすすめの美術館を問われれば、私はアーティゾン美術館を挙げると思います。
2.「ヨコハマトリエンナーレ2020」 横浜美術館、プロット48、日本郵船歴史博物館

国内の大半の芸術祭が中止となる中、人数を制限しながらも、ほぼ唯一開かれたのが「ヨコハマトリエンナーレ2020」でした。横浜美術館やプロット48などを会場に30カ国、計60名(組)のアーティストが多様な展示を行っていて、既存の価値や通念の転換を迫るような批評的な作品も少なくありませんでした。また「独学」、「発光」、「友情」、「ケア」、「毒」の計5つのキーワードが設定されていましたが、最も考えさせられたのが「世界に否応なく存在する毒と共生すること」(パンフレットより)とされた「毒」でした。価値の分断や対立など、何かと単純化して物事を捉えがちな今だからこそ、見るべき点の多い展覧会でもありました。
3.「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」国立西洋美術館

今年の西洋絵画展の中で最も質量ともに充実していると感じたのが「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」展でした。クリヴェッリの「聖エミディウスを伴う受胎告知」をはじめとして、これほど一点一点の作品を時間をかけて見たことはなかったかもしれません。緊急事態宣言解除後、久しぶりに足を運んだ展覧会の1つでしたが、会場に足を踏み入れた途端、湧き上がるような高揚感とともに絵を見る喜びを強く感じたことを覚えています。また公式ガイドブックの制作に一部携わったのも勉強になりました。
4.「ピーター・ドイグ展」 東京国立近代美術館

イギリスの現代アートシーンで脚光を浴びたピーター・ドイグの日本初の個展でした。初期から現在に至るまでの油彩約30点とポスター「スタジオフォルムクラブ」の40点が一堂に並んでいて、中でも見たことがあるようで見たことのない幻夢的な光景を描いた油彩に強く魅せられました。具象的でありながら歪みを伴い、また明るく美しい色彩を基調としつつも、不思議と毒々しく、一抹の恐怖感すら覚えるドイグの作品の魅力を存分に味わうことが出来ました。
5.「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」 東京都現代美術館

皆川明が設立したミナ ペルホネンの25周年を期した展覧会でした。ファッションからインテリア、さらにはシェルハウスへと多様に展開する皆川のものづくりを紹介していて、単にデザインというよりも、皆川のアイデアに心を惹かれました。現代美術家の藤井光や会場デザインを担った田根剛など、専門家との協働も大きな見どころでした。
6.「作品のない展示室」 世田谷美術館

新型コロナウイルス感染症の影響によりスケジュールの変更を余儀なくされた世田谷美術館が、作品を展示せずに美術館の空間のみを公開した展覧会でした。実のところ出向く前はやや懐疑的に思っていましたが、実際に見ると砧公園の緑が絵画のフレームのように展示空間へ映り込むのが殊更に美しく、これまで何度も通っていたにもかかわらず、殆ど初めて美術館の建物に魅力を感じました。また普段は閉じられた搬入口を公開するなど、通常とは異なった姿を見られたのも良かったと思いました。
7.「桃山―天下人の100年」 東京国立博物館

安土桃山時代を中心に花開いた芸術を圧倒的な質量で見せるかつてない展覧会でした。絵画、刀剣、甲冑などの200件を超える作品はどれも優品揃いで、ほぼ全編がハイライトと呼んで差し支えないほどでした。中でも狩野山雪、山楽の天球院や大覚寺を飾る屏風絵が魅力的で、山雪の「籬に草花図襖」の大胆な構図には強く驚かされました。
8.「コレクション展 2020-3:ふるえる絵肌」 青森県立美術館

今年はいくつか関東以外の美術館に出かけましたが、その中で最も感銘を受けたのが青森県立美術館で開催されていたコレクション展でした。ここでは伊藤二子に馬場のぼる、それに成田亨や佐野ぬいなど青森出身の作家を「絵肌」をキーワードに紹介していて、いずれの作品も引き立って見えました。また通年展示である奈良美智のコレクションも充実していた上、シャガールの「アレコ」の舞台背景画全4点の展示も想像以上のスケールで感銘を受けました。
9.「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 東京都現代美術館

世界的なデザイナーでアートデイレクターでもある石岡瑛子の仕事を振り返った、世界初の大規模な回顧展でした。資生堂やPARCOの仕事からはじまり、忠臣蔵やシルク・ドゥ・ソレイユ・ヴァレカイ、そしてイーモウの北京五輪からオランダ国立オペラのニーベリングの指環へと至る展示は質量ともに圧倒的で、会場を進めば進むほど石岡の世界観にのみ込まれるような熱量を感じました。
10.「生誕140年記念 背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和」 練馬区立美術館

図案で生計を立てつつ、日本画や洋画、それに書など幅広い分野で活動した津田青楓の画業を、約250点もの作品と資料で丹念に辿る回顧展でした。若い頃の装飾図案に心惹かれるとともに、日露戦争の従軍体験や社会運動への関心、そして拷問を受ける運動家の姿を描いた「犠牲者」などを通して、自らの制作を切り開いていった津田の生き様がひしひしと伝わるような展覧会でした。
次点.「アイヌの美しき手仕事」 日本民藝館

ベスト10以外で特に印象に残った展覧会は以下の通りです。(順不同)
・「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」 横浜美術館
・「横浜美術館コレクション展 ヨコハマ・ポリフォニー:1910年代から60年代の横浜と美術」 横浜美術館
・「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」 アーティゾン美術館
・「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」 東京オペラシティアートギャラリー
・「式場隆三郎 腦室反射鏡」 練馬区立美術館
・「宮島達男 クロニクル 1995-2020」 千葉市美術館
・「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」 東京都美術館
・「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」 パナソニック汐留ミュージアム
・「ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」 サントリー美術館
・「開館15周年記念特別展 三井家が伝えた名品・優品」 三井記念美術館
・「特別展 きもの KIMONO」 東京国立博物館
・「ドレス・コード? ─ 着る人たちのゲーム」 東京オペラシティ アートギャラリー
・「オラファー・エリアソン展」 東京都現代美術館
・「鴻池朋子 ちゅうがえり」 アーティゾン美術館
・「Thank You Memoryー醸造から創造へー」 弘前れんが倉庫美術館
・「聖地をたずねて 西国三十三所の信仰と至宝」 京都国立博物館
・「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」 国立新美術館
・「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」 江戸東京博物館
・「ドローイングの可能性」東京都現代美術館
・「杉本博司 瑠璃の浄土」京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
・「生誕120年・没後100年 関根正二展」 神奈川県立近代美術館鎌倉別館
・「白髪一雄」 東京オペラシティ アートギャラリー
・「奈良原一高のスペイン――約束の旅」 世田谷美術館
・「小さなデザイン 駒形克己展」 板橋区立美術館
今年は一にも二にも新型コロナウイルスに振り回された一年でした。年の初め、中国・武漢での報道を見聞きして、日本や世界へも感染が広がるとは思いましたが、その時点でまさかこれほど長期渡って影響が及ぶとは予想も付きませんでした。
本来、オリンピックイヤーだったこともあり、インバウンドを意識した大型展が多く企画され、一方で海外館の借用作品を含む西洋美術展も予定されていましたが、残念ながら中止に追い込まれる展覧会も少なくありませんでした。また緊急事態宣言下においては殆ど全ての美術館が臨時休館となりました。新型コロナウイルスに伴う一都三県の美術館の休館情報はブログでもまとめましたが、かつては当たり前の日常だった、休日に美術館へ出かけて展覧会を鑑賞すること自体が困難となりました。
新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第一報(3月2日)、第二報(3月9日)、第三報(3月16日)、第四報(3月24日)、第五報(4月1日)、第六報(4月9日)、第七報(5月2日)、第八報(6月2日)、第九報(6月25日)
そうした中、家にいながらにして美術のコンテンツを楽しめる、オンライン配信に積極的に取り組む美術館や博物館も見られました。私のブログでも外出が叶わなかった時期、いくつかの美術館のオンラインでの活動を「WEBで見る美術館」として追いかけました。
「オンラインミュージアム」で楽しむ國學院大學博物館
「広島⇔東京 インスタギャラリートーク」で見たい「生誕135年 川端龍子展」
「バーチャル北海道博物館」で学びたい北海道の自然・歴史・文化
「どこでも恐竜博物館」で知りたい福井県立恐竜博物館
オンライン・プログラム「Mori Art Museum Digital」で楽しむ現代アート
山種美術館の「おうちで日本画」でチャレンジする塗り絵
「どこでもれきはく」で学びたい 日韓の海にまつわる生活文化
コレクションから庭園まで 「美術館オリジナル動画」にて楽しむ岡田美術館
「おうちでミュージアム」で知りたい「竹中大工道具館」の魅力
坂茂のオンライン・ギャラリートークで鑑賞する「坂茂建築展」
アーティストが動画で語る「ふたつのまどか―コレクション×5人の作家たち」展
「みる」、「よむ」、「つくる」など多様なコンテンツで楽しむ「おうちでポーラ美術館」
くまモンと一緒に見る「モダンアート ニッポン!ウッドワン美術館名品選」
「おうちで式場展」で見る「式場隆三郎:脳室反射鏡」展
オンラインショップで探したい展覧会カタログ&グッズ
「おうちで体験!かはくVR」で探検する国立科学博物館
バーチャル・ツアーやニコニコ美術館で見る「ピーター・ドイグ展」
かはくチャンネルで見る「ボタニカルアートで楽しむ日本の桜-太田洋愛原画展-」
解説動画で楽しみたい「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
「オンラインで楽しむ横浜美術館」で見たい「澄川喜一 そりとむくり」展
特設サイトを開設して展示風景を閲覧できたり、中止された展覧会を学芸員やアーティストがyoutubeで解説を配信したり、Instagramライブやニコニコ動画でトークイベントを行うなど多様な取り組みが行われました。また北海道博物館による「おうちミュージアム」など全国の美術館のオンライン活動をつなげる試みも見られました。それらはコロナ禍の今も進行中であったり、アーカイブとして残されていて、美術鑑賞の新たなあり方について示唆に富む内容も少なくありませんでした。
皆さまは今年一年、どのような美術との出会いがありましたでしょうか。このエントリをもちまして年内のブログの更新を終わります。今年も「はろるど」とお付き合い下さりどうもありがとうございました。それではどうぞ良いお年をお迎え下さい。
*過去の展覧会ベスト10
2019年、2018年、2017年、2016年、2015年、2014年、2013年、2012年、2011年、2010年、2009年、2008年、2007年、2006年、2005年、2004年(その2。2003年も含む。)
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