2021年2月に見たい展覧会【笠松紫浪/コンスタブル/電線絵画】

正月は早々と過ぎ、節分から立春を迎えようとしています。2月は春に向けて新たに始まる展覧会が少なくありません。そこで気になる展覧会をリストアップしてみました。

【展覧会】

・「DOMANI・明日展 2021 文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち」 国立新美術館(1/30~3/7)
・「FACE展2021」 SOMPO美術館(2/13~3/7)
・「カオスモス6 沈黙の春に」 佐倉市立美術館(1/26~3/14)
・「千葉正也個展」 東京オペラシティ アートギャラリー(1/16~3/21)
・「没後70年 吉田博展」 東京都美術館(1/26~3/28)
・「没後30年記念 笠松紫浪―最後の新版画」 太田記念美術館(2/2~3/28)
・「写真家 ドアノー/音楽/パリ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(2/5~3/31)
・「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」 ポーラ美術館(11/14~2021/4/4)
・「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」 江戸東京博物館(11/21~2021/4/4)
・「川合玉堂」 山種美術館(2/6~4/4)
・「20世紀のポスター 図像と文字の風景」 東京都庭園美術館(1/30~4/11)
・「第24回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」 川崎市岡本太郎美術館(2/20~4/11)
・「没後70年 南薫造」 東京ステーションギャラリー(2/20~4/11)
・「小村雪岱スタイル―江戸の粋から東京モダンへ」 三井記念美術館(2/6~4/18)
・「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」 練馬区立美術館(2/28~4/18)
・「特集展示 アイヌ文化へのまなざし―N.G.マンローの写真コレクションを中心に」 国立歴史民俗博物館(12/22~2021/5/9)
・「3.11とアーティスト:10年目の想像展」 水戸芸術館(2/20~2021/5/9)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~5/9)
・「佐藤可士和展」 国立新美術館(2/3~5/10)
・「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 三菱一号館美術館(2/20~5/30)
・「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった」 ワタリウム美術館(2/7~6/6)

【ギャラリー】

・「大庭大介 絵画-現象の深度」 SCAI THE BATHHOUSE(1/26~2/27)
・「阪本トクロウ: gap/大岩オスカール: 隔離生活」 アートフロントギャラリー(2/5~3/7)
・「柏原由佳 1:1」 ポーラ ミュージアム アネックス(2/11~3/14)
・「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか 後期:グラフィック・アート」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(2/3~3/19) 
・「中川エリカ展 JOY in Architecture」 TOTOギャラリー・間(1/21~3/21)
・「堀浩哉+堀えりぜ「記憶するために―わたしはだれ?」 Space√K (2/13~3/26)
・「樹の一脚展 人の営みと森の再生」 ギャラリーA4(2/5~3/31)
・「輝板膜タペータム 落合多武展」 メゾンエルメス(1/22~4/11)
・「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点」 資生堂ギャラリー(1/16~4/18)
・「2021年宇宙の旅 モノリス_ウイルスとしての記憶、そしてニュー・ダーク・エイジの彼方へ」 GYRE GALLERY (2/19~4/25)

まずは日本美術です。「最後の新版画家」と呼ばれる笠松紫浪の回顧展が、太田記念美術館にて開催されます。



「没後30年記念 笠松紫浪 ―最後の新版画」@太田記念美術館(2/2~3/28)

1898年に生まれた笠松紫浪は、鏑木清方に日本画を学ぶと、東京や温泉地をモチーフとした新版画を数多く制作しました。


その笠松の制作を追いかけるのが「没後30年記念 笠松紫浪」で、大正、昭和前期、さらには戦後へと至る約130点の作品が公開されます。近年、川瀬巴水を筆頭に、吉田博や小原古邨など新版画への人気が高まっていますが、また新たに注目を浴びる絵師の1人となるかもしれません。

作品は前後期で全点入れ替わります。ともに追いかけたいところです。*前期 :2月2日(火)~25日(木)、後期 :3月2日(火)~28日(日)

続いては「電線」に焦点を当てた異色の展覧会です。練馬区立美術館にて「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」が行われます。



「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」@練馬区立美術館(2/28~4/18)

街中の電線はともすると美的景観を損なうとされるものの、身近な日常の「飾らない」光景として、古くから多くの絵画に表現されてきました。


そうした電線や電柱の美術表現の変遷を辿るのが「電線絵画展」で、主に明治から現代へと至る電線を描いた風景画などが展示されます。電線や電柱を積極的にモチーフとして取り込み、新たな美意識を見出そうとする現代美術家の山口晃の作品も見どころになりそうです。

今年注目の西洋美術展がいよいよ開幕します。三菱一号館美術館にて「テート美術館所蔵 コンスタブル展」が開かれます。



「テート美術館所蔵 コンスタブル展」@三菱一号館美術館(2/20~5/30)

これは19世紀イギリスの画家、ジョン・コンスタブルの画業を回顧するもので、世界有数のコレクションを有するテート美術館から40点のコンスタブルの絵画に加え、同時代の約20点の作品がやって来ます。また国内に所蔵される作品も合わせて公開され、実に国内では35年ぶりとなる本格的な回顧展となります。


コロナ禍の今、海外からの借用作品を中心とする展覧会は、中止や延期に追い込まれたりすることも少なくありません。そうした中で無事開催されるコンスタブル展に大いに期待したいと思います。

新型コロナウイルス感染症対策に伴い、東京都や大阪府、それに神奈川県など10都府県に対して緊急事態宣言が延長されました。現在のところ臨時休館する美術館は限られていますが、今後の状況は依然として予断を許しません。最新の開館情報は各美術館の公式サイトをご覧ください。
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