『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』 東京国立博物館

東京国立博物館 本館特別5室
『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』
2024/1/23~4/14



東京国立博物館 本館特別5室にて『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』が開かれています。

今回の展覧会で最大の見どころは、金色堂の中央壇の壇上に安置された国宝の仏像11体が公開されていることで、いずれも独立した展示ケースに入れられているため、360度の角度から鑑賞することができました。

このうち『阿弥陀如来坐像』とは清衡発願の当初の像と推定されるもので、後頭部の螺髪の刻み方や、右肩にかかる衣を別材で作るなどの点において、当時としては新たな造形と技法が用いられたと指摘されていました。



またともに力強い動きを伴う『増長天立像』と『持国天立像』も大変な力作で、のちの慶派仏師が得意とする鎌倉様式を先取りしたような造形意識も感じることができました。

このほかかつて金色堂を荘厳していた『金銅迦陵頻伽文華鬘』といった工芸品や、秀衡の遺骸を納めていた中央壇の棺である『金箔押木棺』なども見どころかもしれません。

幅約7m×高さ約4mの大型ディスプレイ上に、原寸大の金色堂を超高精細CG(8KCG)再現した映像も没入感に満ちあふれていました。


金色堂模型 縮尺5分の1 昭和時代・20世紀 中尊寺蔵 *撮影コーナー

Penオンラインにて展示の見どころをまとめました。

世界遺産・平泉の国宝仏像が東博へ!特別展『中尊寺金色堂』の見どころ|Pen Online

開幕早々より連日かなりの人出で賑わっているそうです。今後、会期が進むにつれて入場規制などが行われる場合があります。混雑状況については公式SNSアカウント(@chusonji_annai)をご参照ください。


4月14日まで開催されています。

『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』@chusonji2024) 東京国立博物館 本館特別5室(@TNM_PR
会期:2024年1月23日(火)~4月14日(日)
休館:月曜日、2月13日(火)。ただし、2月12日(月・休)、3月25日(月)は開館。
時間:9:30~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1600円、大学生900円、高校生600円、中学生以下無料。
 *当日に限り、総合文化展も観覧可。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展―手と眼の創作』 日本民藝館

日本民藝館
『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展―手と眼の創作』 
2024/1/14〜3/20



日本民藝館にて『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展―手と眼の創作』が開かれています。

1914年に静岡市にて金蒔絵師の次男として生まれた鈴木繁男は、幼少期より父から漆芸について多くを学ぶと、二十歳の頃に柳宗悦の『工藝の道』を読んで感銘を受けました。

そして同地で開かれた式場隆三郎主催の「ゴッホ複製画展覧会」をきっかけに式場と知り合うと、柳とも知遇を得て才能を見出され、1935年に唯一の内弟子として柳に入門しました。



その後は開館前の日本民藝館の陳列ケースや展示台の拭漆塗りなどを行い、開館後も多くの展示に携わると、雑誌『工藝』の装幀を2年以上にわたって手がけ、和紙と漆による独自のデザインが多くの民藝運動の関係者や読者を驚かせました。



また沖縄県・壺屋の素地に上絵を付けたことではじまった陶磁器の制作でも優れた作品を残し、日本民藝館展陶磁器部門で個人賞を受賞するなど高く評価されました。



会場では陶磁器、装幀、漆絵など、鈴木の手がけた多様な作品を紹介していて、とりわけ筆や型を用いて施された独特の模様に魅せられました。



鈴木と交流した陶芸家の武内晴二郎をはじめ、同じく陶芸家の舩木道忠・研兒親子、さらに鈴木から大きな影響を受けた染色家の柚木沙弥郎の作品を紹介する併設展も見どころといえるかもしれません。

また2月1日からは同じく併設展にて、鈴木に影響を及ぼしたリーチ、濱田庄司、富本憲吉の作品もあわせて公開されます。


日本民藝館で愛でたい、柳宗悦唯一の内弟子・鈴木繁男の手がけた名品たち|Pen Online



大展示室の壁付ケース内のみ撮影ができました。*写真は『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展―手と眼の創作』の展示作品。



3月20日まで開催されています。

『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展―手と眼の創作』 日本民藝館
会期:2024年1月14日(日)〜3月20日(水・祝)
休館:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
時間:10:00~17:00。 *入館は16時半まで
料金:一般1200円、大学・高校生700円、中学・小学生200円。
住所:目黒区駒場4-3-33
交通:京王井の頭線駒場東大前駅西口から徒歩7分。
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『宮永愛子 詩を包む』 富山市ガラス美術館

富山市ガラス美術館
『宮永愛子 詩を包む』 
2023/11/3~2024/1/28



「変わりながらあり続ける」をテーマに活動を続ける現代美術家の宮永愛子は、ナフタリンや樹脂、ガラスの彫刻などを用いた作品を手がけ、国内外の展覧会にて発表してきました。

その宮永の富山市ガラス美術館での個展が『詩を包む』で、水や空気、そして歴史を内包するというガラスの新作のインスタレーションなどを展示していました。



まず冒頭に並んでいたのは「くぼみに眠るそら」と題したシリーズで、宮永が16年ぶりに故郷の京都へ戻り、曾祖父にあたる陶芸家の宮永東山の使用していた石膏型をナフタリンで薄く象った彫刻の作品でした。



時計や猫、それに大黒様といった型によるナフタリンの彫刻は、時間とともにケースの中で移り変わっていて、美しくもはかないすがたを見せていました。



これに続くのが樹脂の中にナフタリンの彫刻を納めた「waiting for awakening」のシリーズで、壁掛け時計や椅子などの彫刻が文字通りに樹脂の中に入っていました。



またいずれの作品にも日付が印字されたシールで封がなされていて、シールを剥がすと樹脂の中に留まるナフタリンが気化していくように作られていました。



今回のハイライトを飾っているのが「くぼみに眠る海」と題したインスタレーションで、いずれも曾祖父が100年前に使っていた陶彫の型を用いたキルンキャストにて制作されたガラスの彫刻でした。



それらは仔犬や猫に鳩、お雛様や恵比寿様などさまざまでしたが、時に片耳のない招き猫や小槌を手にしていない大黒などもあり、可愛らしくも不完全なすがたを目の当たりにできました。



また一連の彫刻がいわば美術館の備品である台座に置いていたのも興味深かったかもしれません。普段ガラス作品を飾っている台座が宮永のガラス作品を載せて独特の景観を築いていました。



このほかドローイングの一つとして行なっているという写真の作品をはじめ、表面に朧げな文字で大潮暦を刻んだガラスの本の「Strata」、さらには釉薬の収縮率の違いにより発生する貫入音に着目した「そらみみみそら」なども展示されていて、宮永の多様な創作を楽しむことができました。



なお富山市ガラス美術館は、能登半島地震の影響により臨時休館していましたが、施設の安全が確認されたため、1月15日より開館しました。

間もなく会期末です。1月28日まで開催されています。

『宮永愛子 詩を包む』 富山市ガラス美術館
会期:2023年11月3日(金・祝)~2024年1月28日(日)
休館:第1・3水曜日(1/3(水)は開場)、1/10(水)、年末年始(12/29~1/1)。
時間:9:30~18:00
 *金・土曜日は20時まで。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1200(1000)円、大学生1000(800)円、高校生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体。
 *常設展も観覧可。
住所:富山市西町5番1
交通:富山駅から市内電車環状線にて約12分「グランドプラザ前」下車、徒歩約2分。富山駅から市内電車南富山駅前行きにて約12分「西町」下車、徒歩約1分。
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『印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9』 国立工芸館

国立工芸館
『印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9』 
2023/12/19〜2024/3/3


右:井田照一『The Spy Surrounds the Spy』 1974年 京都国立近代美術館蔵

国立工芸館にて『印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9』が開かれています。

これは1957年から1979年までの間、ほぼ2年に1回のペースで11回開催された「東京国際版画ビエンナーレ展」への受賞作や出品作を通し、戦後日本における版画やグラフィックデザインの動向を追うもので、あわせて当時のデザイン界たち巨匠による展覧会ポスターも紹介されていました。


左:田中一光「第3回東京国際版画ビエンナーレ展」ポスター 1962年 国立工芸館蔵 右:加納光於『星・反芻学』 1962年 東京国立近代美術館蔵

1957年にはじまった「東京国際版画ビエンナーレ」とは、世界各国より作品を集めた国際的な規模の版画展で、東京国立近代美術館や京都国立近代美術館などを会場に開かれると、当時の気鋭の版画家らが数多くの作品を出品しました。


左:池田満寿夫『夏 1』 右:宮下登喜雄『作品B』 ともに1964年、東京国立近代美術館蔵

そのうち29カ国が参加した第1回展では、読売会館と国立近代美術館の2つの会場にて829点(日本:160点)の作品が公開され、日本にいながらにして世界の美術の動向を感じられる貴重な機会として人気を集めました。


榎倉康二『二つのしみ』 1972年 東京国立近代美術館蔵

そして同ビエンナーレでは、池田満寿夫に加納光於、また高松次郎や榎倉康二などの作家たちが、時に現代美術の最前線に近いような作品を手がけ、版画表現のあり方そのものを問い直しました。


左:勝井三雄「第11回東京国際版画ビエンナーレ展」ポスター 1979年 国立工芸館蔵 右:石岡瑛子「第10回東京国際版画ビエンナーレ展」ポスター 1976年 国立工芸館蔵

今回の展覧会でとりわけ魅惑的なのは、同ビエンナーレの展覧会ポスターが全11回分すべて展示されていることで、田中一光や永井一正、それに横尾忠則らによる斬新ともいえるグラフィカルな表現を見ることができました。


杉浦康平「第8回東京国際版画ビエンナーレ展」ポスター(銀) 1972年 国立工芸館蔵

そのうち杉浦康平による第8回のホイル版のポスターも目立っていたかもしれません。銀地のホイル版が鏡面として機能することで、3次元的な空間が広がっていました。


左:志村ふくみ『紬織着物 鈴虫』 1959年 右:森口華弘『古代縮緬地友禅訪問着 早春』 1955年 いずれも国立工芸館蔵

このほか、特集展示「プレイバック1977年ー工芸館の開館記念展」では、東京国立近代美術館工芸館の第1回目の展覧会をふり返っていて、富本憲吉や濱田庄司、それに志村ふくみらの工芸作品もあわせて楽しむことができました。


新たな「版」の表現に挑んだ気鋭の作家たち。国立工芸館にて開催中の『印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9』|Pen Online


横尾忠則『責め場 1』、『責め場 2』、『責め場 3』 1969年 東京国立近代美術館蔵

国立工芸館は元日の能登半島地震の影響により一時臨時休館しましたが、1月6日より展示が再開しました。



一部を除いて撮影も可能です。3月3日まで開催されています。

『印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1 9 5 7 - 1 9 7 9』 国立工芸館@ncm2020
会期:2023年12月19日(火)〜2024年3月3日(日)
休館:月曜日。(ただし1月8日、2月12日は開館)、年末年始(12月28日〜1月1日)、1月9日、2月13日。
時間:9:30~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般300(250)円、大学生150(70)円、高校生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体。
住所:石川県金沢市出羽町3-2
交通:いずれもJR金沢駅東口(兼六園口)から。路線バス3番乗り場より乗車し、「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車、徒歩7分。6番乗り場より乗車(「柳橋」行を除く)し、「出羽町」下車、徒歩5分
。8番乗り場より乗車し、「広坂・21世紀美術館(しいのき迎賓館前)」下車、徒歩9分。
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『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』 森アーツセンターギャラリー

森アーツセンターギャラリー
『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』  
2023/12/9~2024/2/25


『アンディ・マウス』 1986年 中村キース・ヘリング美術館蔵

アメリカ北東部ペンシルベニア州に生まれたキース・ヘリングは、1980年代にアンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアとともにカルチャーシーンを牽引すると、エイズによる合併症により31歳の若さで亡くなるまで多様に制作を行いました。


『無題』 1983年 中村キース・ヘリング美術館蔵

そのヘリングの創作世界を紹介するのが『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』で、会場ではサブウェイ・ドローイングからトレードマークとなったモチーフによる『イコンズ』、それに彫刻やポスターから晩年の大型作品など150点の作品が公開されていました。


『無題』 1988年 中村キース・ヘリング美術館蔵

まず今回のヘリング展の特徴として挙げられるのが、「公共のアート」や「アートはみんなのために」といった6つのテーマ別に作品を紹介していることで、ヘリングのアーティストとして活動した10年の軌跡を辿ることができました。


左:核放棄のためのポスター 1982年 右:ヒロシマ 平和がいいに決まってる‼︎ 1988年

また数度にわたる来日が縁で生まれた貴重な作品や資料も展示していて、1988年の2度目の来日時に広島で行われたコンサート「平和がいいに決まってる‼︎」のポスターや、ポップショップ東京のスタッフのために作られたスタジアムジャンパーなども見ることができました。


『サブウェイ・ドローイング』 展示風景

日本初公開5点を含む合計7点のサブウェイ・ドローイングが最大の見どころといえるかもしれません。


左:『無題(サブウェイ・ドローイング)』 1982年 タッカー・ヒューズ蔵、マルトス・ギャラリー寄託 右:『無題(サブウェイ・ドローイング)』 1986年 ジョン・フリードマン蔵、マルトス・ギャラリー寄託

これはヘリングがニューヨークの地下鉄駅構内の空いている広告板に貼られた黒いマット紙にチョークで描いたドローイングで、無許可のため剥がされてしまったものの、いつしか評判を呼んだ活動初期の作品でした。


『無題(サブウェイ・ドローイング)』 1981〜83年 中村キース・ヘリング美術館蔵

約5年間の間にヘリングは数千点ものサブウェイ・ドローイングを描いたとされるもののの、作品の性質上、保管や管理が難しく、打ち捨てられたり持ち去れられたりすることが多かったため、多く残されることはありませんでした。

それを絵画のコレクターの作品を含めて7点ほど展示していて、1980年代のニューヨークで展開されたストリートアートの熱気の一端を感じるかのようでした。


『ブループリント・ドローイング』(1990年)展示風景 中村キース・ヘリング美術館蔵

ブランドとのコラボや『イコンズ』などで有名ながらも、意外と知られていないヘリングの人生の歩みを紐解くような内容で見応えありました。


日本初公開作品も! 『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』が開催中|Pen Online

一部展示を除いて撮影も可能です。


『ドッグ』 1986年 中村キース・ヘリング美術館蔵

2月25日まで開催されています。

『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』@asahi_kh2023_25) 森アーツセンターギャラリー 
会期:2023年12月9日(土)~ 2024年2月25日(日)
休館:会期中無休
時間:10:00~19:00
 *金・土曜は20:00まで。
 *入館は閉館の30分前まで
料金:一般・大学・専門学校生2200円、中学・高校生1700円、小学生700円
 *事前予約制(日時指定券)を導入。
住所:港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
交通:東京メトロ日比谷線六本木駅1C出口徒歩5分(コンコースにて直結)。都営地下鉄大江戸線六本木駅3出口徒歩7分。
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『テオ・ヤンセン展』 千葉県立美術館

千葉県立美術館
『テオ・ヤンセン展』
2023/10/27~2024/1/21



オランダ出身のアーティスト、テオ・ヤンセンは、プラスチックチューブを素材に、風を受けて動く生命体を模した作品、ストランドビーストを制作すると、ビーストにさまざまなかたちや機能を与え、独自に進化させてきました。


『アニマリス・ムルス』

そのテオ・ヤンセンの制作活動を紹介するのが今回の展覧会で、会場では『アニマリス・リジデ・プロペランス』や『アニマリス・アデュラリ』などの数点のストランドビーストをはじめ、自筆スケッチや制作に必要な道具などが公開されていました。


『アニマリス・オムニア・セグンダ』

「ビーストは風を食べる」と表現するヤンセンは、当初、ビースト本体が風を受けて歩く作品を手がけていたものの、のちに胃袋とするペットボトルに風をためる方法を考案すると、風が吹かない状況でもためた風を使って歩ける作品を作るようになりました。


『アニマリス・ペルシピエーレ・エクセルサス』

またヤンセンはビーストの変遷を進化に準えながら、各ビーストをラテン語由来の名称を持つ進化系統樹に位置付けていて、作品を英語で動物を意味するアニマルとラテン語で海を意味するマーレを組み合わせたアニマリスという学名のような単語を名付けました。



いずれのビーストも無機的なプラスチックチューブを素材にしながら、生命を思わせるような有機的なかたちを見せていて、結束バンドや粘着テープなどヤンセンの手業が感じられるのにも興味を引かれました。


『アニマリス・オルディス』

『アニマリス・オルディス』とは、自動車メーカーのBMWのコマーシャルのために制作されたビーストで、実際に手で押して歩かせることもできました。


『アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ』

このほか、『アニマリス・オムニア』や『アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ』といったビーストをポンプの風で動かすリ・アニメーションタイムと題したデモンストレーションも楽しいかもしれません。



ビーストが美術館の中庭を歩く様子を見学、撮影できるイベント「ストランドビースト初歩き」が、これ以降、1月17日(水)に行われます。詳しくは美術館のWEBサイトをご参照ください。


1月21日まで開催されています。

『テオ・ヤンセン展』 千葉県立美術館@chiba_pref_muse
会期:2023年10月27日(金)~2024年1月21日(日)
休館:月曜日。(ただし1月8日(月・祝)は開館し、翌9日(火)が休館)
時間:9:00~16:30。
 *入館は16時まで。
料金:一般1000円、高校・大学生500円、中学生以下、65歳以上無料。
住所:千葉市中央区中央港1-10-1
交通:JR線・千葉都市モノレール千葉みなと駅より徒歩約10分。
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2024年上半期に見たい展覧会5選

2024年を迎え、WEBメディアや美術雑誌などを中心に、今年の注目の展覧会の特集が多く組まれています。そのうち1月から6月の上半期に見ておきたい展覧会をPenオンラインに寄稿しました。



Penが選んだ、2024年上半期「必見の展覧会」5選|Pen Online

取り上げた展覧会は以下の5展です。

1.あべのハルカス美術館開館10周年記念『円空ー旅して、彫って、祈ってー』@あべのハルカス美術館
2.『京都市美術館開館90周年記念展 「村上隆 もののけ 京都」』@京都市京セラ美術館新館 東山キューブ【2/3〜9/1】
3.『ブランクーシ 本質を象る』@アーティゾン美術館【3/30~7/7】
4.『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』@諸橋近代美術館【4/20~9/1】
5.『デ・キリコ展』@東京都美術館【4/27~8/29】


このほかにも今年の上半期に期待したい展覧会がいくつもあります。そこで「Pen」にて取り上げられなかったものの中で、年末までに開催される展覧会をいくつかピックアップしてみました。(巡回展を含みます)

・『特別展「本阿弥光悦の大宇宙」』 東京国立博物館 2024年1月16日(火) ~3月10日(日)
・『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』 東京都美術館 2024年1月27日(土)~4月7日(日)
・『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』 東京国立博物館 2024年1月23日(火)~ 4月14日(日)
・『中平卓馬 火―氾濫』 東京国立近代美術館 2024年2月6日(火)~ 4月7日(日)
・『マティス 自由なフォルム』 国立新美術館 2024年2月14日(水) ~ 5月27日(月)
・『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館 2024年3月9日(土) ~ 6月30日(日)
・『没後50年 福田平八郎』 大阪中之島美術館 2024年3月9日(土) ~5月6日(月・休)
・『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?』 国立西洋美術館 2024年3月12日(火)~5月12日(日)
・『第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで⽣きてる」』 横浜美術館 2024年3⽉15⽇(⾦)~6⽉9⽇(⽇)
・『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』 SOMPO美術館 2024年3月23日(土)〜6月9日(日)
・『大吉原展 江戸アメイヂング』 東京藝術大学大学美術館 2024年3月26日(火) 〜5月19日(日)
・『ホー・ツーニェン エージェントのA』 東京都現代美術館 2024年4月6日(土)~ 7月7日(日)
・『蜷川実花展 with EiM:儚(はかな)くも煌(きら)めく境界』 弘前れんが倉庫美術館 2024年4月6日(土)~9月1日(日)
・『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』 東京オペラシティ アートギャラリー 2024年4月11日(木)〜6月16日(日)
・『特別展「雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―」』 京都国立博物館 2024年4月13日(土)~5月26日(日)
・『生誕1250年記念特別展 空海 KŪKAI―密教のルーツとマンダラ世界』 奈良国立博物館 2024年4月13日(土)~6月9日(日)
・『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』 東京国立近代美術館 2024年5月21日(火)~8月25日(日)
・『フィリップ・パレーノ展(仮)』 ポーラ美術館 2024年6月8日(土)~ 12月1日(日)

なお会期の変更などが行われる場合があります。最新の開館状況については各美術館のWEBサイトにてご確認ください。
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2024年1月に見たい展覧会【新版画の沁みる風景/鳥文斎栄之/印象派 モネからアメリカへ】

お正月も三が日を過ぎました。元日に能登半島で最大震度7の地震があり、石川県を中心に大変な被害が発生しています。亡くなられた方々に謹んでおくやみを申し上げるとともに、被災されたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。

この地震の影響により、富山市ガラス美術館は1月8日まで休館し、石川県七尾美術館と金沢21世紀美術館は当面休館することが決まりました。

「令和6年能登半島地震」の影響広がる 金沢21世紀美術館は当面臨時休館、石川県立美術館は予定通り4日開館、富山市ガラス美術館は8日まで休館



また地震の被害状況確認のため2日より臨時休館中の国立工芸館は、少なくとも5日も同じく休館となりました。状況は刻々と変化します。北陸方面の美術館や博物館の開館情報については各館のWEBサイトなどでご確認ください。

*1月5日追記
国立工芸館は1月6日より開館します。一方で富山市ガラス美術館の休館期間が当初の8日から1月14日までに延長されました。

1月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『国宝 雪松図と能面×能の意匠』 三井記念美術館(12/8~2024/1/27)
・『今村源 遅れるものの行方展』 水戸芸術館(11/3~2024/1/28)
・『繡と織 華麗なる日本染織の世界』 根津美術館(12/16~2024/1/28)
・『博物館に初もうで』 東京国立博物館(1/2~1/28)
・『ハッピー龍イヤー! ~絵画・工芸の龍を楽しむ~』 静嘉堂文庫美術館(1/2~2/3)
・『「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』 渋谷区立松濤美術館(12/2~2024/2/4)
・『新版画の沁みる風景―川瀬巴水から笠松紫浪まで』 川崎浮世絵ギャラリー(1/5~2/4)
・『ニューホライズン 歴史から未来へ』 アーツ前橋と前橋市中心市街地(10/14~2024/2/12)
・『魔除け-見えない敵を服でブロック!』 文化学園服飾美術館(12/9~2024/2/14)
・『HAIBARA Art & Design 和紙がおりなす日本の美』 三鷹市美術ギャラリー(12/16~2024/2/25)
・『白井美穂 森の空き地』 府中市美術館(12/16~2024/2/25)
・『うるしとともに —くらしのなかの漆芸美』 泉屋博古館東京(1/20~2/25)
・『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』 千葉市美術館(1/6~3/3)
・『マリー・ローランサン —時代をうつす眼』 アーティゾン美術館(12/9~2024/3/3)
・『豊嶋康子 発生法—天地左右の裏表』 東京都現代美術館(12/9~2024/3/10)
・『もじ イメージ Graphic 展』 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2(11/23~2024/3/10)
・『フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』 パナソニック汐留美術館(1/11~3/10)
・『本阿弥光悦の大宇宙』 東京国立博物館(1/16~3/10)
・『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展 —手と眼の創作』 日本民藝館(1/14~3/20)
・『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/17~3/24)
・『四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎』サントリー美術館(1/31~3/24)
・『開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』 森美術館(10/18~2024/3/31)
・『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』 東京都美術館(1/27~4/7)
・『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』 東京国立博物館(1/23~4/14)
・『モダン・タイムス・イン・パリ 1925 —機械時代のアートとデザイン』 ポーラ美術館(12/16~2024/5/19)

ギャラリー

・『Daijiro Ohara HAND BOOK』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/11~2024/1/31)
・『ダレン・アーモンド Timeline』 SCAI THE BATHHOUSE(11/18~2024/2/10)
・『Tomo Koizumi FUTURE』 YUKIKOMIZUTANI(12/9~2024/2/10)
・『棚田康司展「入って飛ぶ」』 ミヅマアートギャラリー(1/17~2/17)
・『米田知子 氷晶』 シュウゴアーツ(1/13~2/24)
・『横山裕一 アースデイ』 ANOMALY(1/27~2/24)
・『能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)—複数種の網目としての建築』 TOTOギャラリー・間
(1/18~3/24)

まずは近年、人気の高まる新版画の展覧会です。川崎浮世絵ギャラリーにて『新版画の沁みる風景―川瀬巴水から笠松紫浪まで』が開かれます。



『新版画の沁みる風景―川瀬巴水から笠松紫浪まで』@川崎浮世絵ギャラリー(1/5~2/4)

ここでは大正初期より制作された新版画の風景画の魅力を紹介するもので、新版画を牽引した川瀬巴水をはじめ、同じく風景画を手がけた笠松紫浪や土屋光逸、または橋口五葉や吉田博らの作品、約90点が公開されます。


チラシ表紙を飾る巴水の『上野清水堂の雪』をはじめとした情緒あふれる新版画を愛でながら、お正月気分を味わうのも良いかもしれません。

続いては浮世絵です。喜多川歌麿と同時期に活躍した浮世絵師、鳥文斎栄之の全貌を紹介します。千葉市美術館にて『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』が行われます。



『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』@千葉市美術館(1/6~3/3)

これは旗本出身という異色の出自をもちながら、美人画をはじめとした幅広い画題で人気を得た鳥文斎栄之の初期から晩年までの画業を明らかにするもので、ボストン美術館、大英博物館からの里帰り品を含め、錦絵および肉筆画の名品が一堂に公開されます。


実に世界で初めての栄之の回顧展だけに、浮世絵ファンの大きな注目を集めそうです。

ラストはこれまで日本で紹介される機会の少なかったアメリカの印象派に関する展覧会です。『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』が東京都美術館にて開かれます。



『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』@東京都美術館(1/27~4/7)

アメリカ・ボストン近郊に位置するウスター美術館は、1910年にはモネの『睡蓮』を美術館として世界で初めて購入するなど、1898年の開館当初から同時代の印象派の作品を収集し続けてきました。


そのウスター美術館のコレクションよりモネやルノワールなどのフランス印象派やハッサムといったアメリカ印象派を代表する画家の油彩画約70点を展示するもので、このほかカサット、サージェント、ホーマー、シニャックら40人以上の画家の作品が集結します。

それでは今月もよろしくお願いいたします。
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謹賀新年 2024

新年あけましておめでとうございます。
今年も皆さまにとって素晴らしい一年になりますよう、心からお祈り申し上げます。


『五彩花鳥龍文盤』 京都国立博物館
出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/

お正月はいかがお過ごしでしょうか。年明けから東京と近郊で新たに開幕する展覧会は以下の通りです。(20日まで)

・『博物館に初もうで』 東京国立博物館(1/2~1/28)
・『ハッピー龍イヤー! ~絵画・工芸の龍を楽しむ~』 静嘉堂文庫美術館(1/2~2/3)
・『新版画の沁みる風景―川瀬巴水から笠松紫浪まで』 川崎浮世絵ギャラリー(1/5~2/4)
・『暁斎・暁翠 初春(はつはる)の慶び展』 河鍋暁斎記念美術館(1/5~2/25)
・『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』 千葉市美術館(1/6~3/3)
・『フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』 パナソニック汐留美術館(1/11~3/10)
・『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展 —手と眼の創作』 日本民藝館(1/14~3/20)
・『本阿弥光悦の大宇宙』 東京国立博物館(1/16~3/10)
・『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/17~3/24)
・『うるしとともに —くらしのなかの漆芸美』 泉屋博古館東京(1/20~2/25)
・『水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 ~お化けたちはこうして生まれた~』 そごう美術館(1/20~3/10)

このお正月は遠出の予定もなく、東京国立博物館の『博物館に初もうで』、あるいは川崎浮世絵ギャラリーの『新版画の沁みる風景』などから展覧会を見ていくつもりです。

ブログ開設より7000日を超えました。今年もブログをはじめ、いくつかのWEBメディアにてさまざまな展覧会をご紹介できればと思います。

それでは今年も「はろるど」をどうぞよろしくお願いいたします。
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