『PARAVENTI:KEIICHITANAAMI -パラヴェンティ:田名網 敬一』 プラダ 青山店

プラダ 青山店
『PARAVENTI:KEIICHITANAAMI -パラヴェンティ:田名網 敬一』
2023/11/3〜2024/1/29


田名網敬一『赤い陰影』 2021年 

1936年に生まれたアーティスト、田名網敬一は、現在のスーパフラットムーブメントの創始者として知られ、絵画、コラージュ、グラフィックイラストレーション、また映画や彫刻などのさまざまな領域を横断しながら創作を続けてきました。

その田名網のプラダ 青山店での個展が『パラヴェンティ』で、パラヴェンティ、すなわち屏風をモチーフとした絵画、およびデジタルアニメーションなどを公開していました。


田名網敬一『赤い陰影』 2021年 

まず目を引くのが『赤い陰影』と題したデジタルアニメーションで、80のシーンで構成される作品よりセレクトされた映像が全部で16面、まさに屏風のように折れ曲がって映し出されていました。


田名網敬一『記憶は嘘をつく』(部分) 2023年

そこには魑魅魍魎な生き物やさまざまな植物、さらに寺社を思わせる建築やUFOのような乗り物が目まぐるしく動き続けていて、極彩色とも呼べる鮮やかな色彩によって万華鏡のように展開していました。


田名網敬一『光の旅路』 2023年 

またキャンバスを用いた屏風のコラージュの『記憶は嘘をつく』や、本のかたちをしたスクリーンにプロジェクションマッピングを投影した『光の旅路』といった新作も展示されていて、田名網が屏風という形式に向き合い、新たに生み出した創作世界を見ることができました。


田名網敬一『人間編成の夢(ブロンズ)』 2020年

このほかでは室町時代後期の画家、式部輝忠による『梅竹叭々鳥図屏風』も目を引くかもしれません。岩を白抜きに描き、梅の枝によって空間の広がりを簡素に表した屏風と、おびただしい数のモチーフを複雑なテクスチャーにて配した田名網との作品とのコントラストを楽しむことができました。


田名網敬一が「屏風」をテーマとした新作を公開。プラダ 青山店にて個展が開催中!|Pen Online

2024年1月29日まで開催されています。

『PARAVENTI:KEIICHITANAAMI -パラヴェンティ:田名網 敬一』 プラダ 青山店5階(@prada_japan
会期:2023年11月3日(金)〜2024年1月29日(月)
休廊:会期中無休
時間:11:00~20:00
料金:無料
住所:港区南青山5-2-6
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5出口より徒歩3分。
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『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』 国立新美術館

国立新美術館
『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』
2023/11/ 1~12/25


『Rustle of Existence』 2023年

1971年生まれの美術家、大巻伸嗣は、「存在とは何か」をテーマに創作を続けると、国内外の美術館をはじめ、芸術祭やイベントなどにてさまざまな作品を発表してきました。

その大巻の東京での大規模な個展が『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』で、広大な国立新美術館の展示室を活かした大規模なインスタレーションのほか、映像やドローイングなどを公開していました。


『Gravity and Grace』 2023年

まず冒頭の展示室にて圧巻の光景を見せていたのが、2016年に初めて発表されたシリーズの最新バージョンである『Gravity and Grace』でした。


『Gravity and Grace』 2023年

ここで大巻は縦7m、直径4mにも及ぶステンレスの巨大な壺を構築していて、一面にはさまざまな動植物からなる文様が施され、内部には最大84万ルーメンにも達するという強烈な光が上下に動きながら、あたりを輝かしく照らしていました。


『Liminal Air Space―Time 真空のゆらぎ』 2023年

この眩い光を放つインスタレーションの一方、巨大な布が暗がりの空間をゆらめくのが、『Liminal Air Space―Time 真空のゆらぎ』と呼ぶインスタレーションでした。


『Liminal Air Space―Time 真空のゆらぎ』 2023年

2012年から薄いポリエステルの布をゆらした作品を制作してきた大巻は、以後、何か分からない存在の気配のようなイメージを空間に託すべく、さまざまなバージョンの作品を発表していて、一連の作品を「運動態としての彫刻」として捉えてきました。

あたかも静かに波打つ真夜中の海を眺めているような気持ちにさせられるかもしれません。その幻想的なすがたにしばらく見入りました。


舞台「Rain」のためのドローイング 2021〜2023年

このほか、大巻が普段ほとんど公開してこなかったドローイングの展示も興味深いのではないでしょうか。時に素早い筆触による殴り書きのようなドローイングからは、何かが生まれる現象、あるいはかたちのはじまりを目にしているような気持ちにさせられました。


「Gravity and Grace―moment 2023」 2023年

観覧は無料です。撮影もできます。


光と闇が交錯する世界で、意識や感覚が研ぎ澄まされる、国立新美術館の『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』|Pen Online

12月25日まで開催されています。

『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』 国立新美術館@NACT_PR
会期:2023年11月1日(水)~12月25日(月)
休館:火曜日。
時間:10:00~18:00
 *毎週金・土曜日は20:00まで
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:無料
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
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『生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』 東京国立近代美術館

東京国立近代美術館
『生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』
2023/10/6~12/3


『華狩頌』 1954年 棟方志功記念館

東京国立近代美術館にて『生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』が開かれています。


『宇宙頌(四神板経天井画柵)』 1949年 棟方志功記念館

これは国際展受賞作から書、本の装画、商業デザイン、壁画などを通して「世界のムナカタ」の全容を紹介するもので、板画や倭絵はもちろん、最初期の油画や本の装幀、それに包装紙の図案などの作品が公開されていました。


『立山連峰を望む海岸風景』 1950年頃 NHK富山放送局(南砺市立福光美術館寄託)

また「第1章:東京の青森人」、「第2章:暮らし・信仰・風土―富山・福光」、さらに「第3章:東京/青森の国際人」など、棟方の辿った青森、東京、富山の地での活動にも着目していて、それぞれの土地で制作した作品もまとめて展示されていました。


『華厳松』 1944年 躅飛山光徳寺

ひとつのハイライトといえるのが、棟方畢生の超大作の『幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風』が実に約60年ぶりに展示されていることで、ほとんど寺外で公開されることのなかった倭画の名作『華厳松』(躅飛山光徳寺蔵)とあわせて見応えがありました。


『花矢の柵』 1961年 青森県立美術館

このほか谷口吉郎設計による青森県新庁舎竣工を記念、県庁正面入り口を飾る壁画として制作された『花矢の柵』も大変に迫力にある作品といえるかもしれません。


左:『ニューヨーク近代美術館図』 1967年 棟方志功記念館 右:『ゴッホの青い女図(A)』 1967年 棟方志功記念館

私自身、棟方に対して漠然とモノクロームの版画のイメージを持っていましたが、むしろ色彩鮮やかな作品にも心を惹かれるものを感じました。


平塚運一『斑鳩寺初秋』 1942年

所蔵作品展「MOMAT コレクション」においても「掌から空間へ」と題し、棟方が影響を受けた川上澄生や、版画制作を師事した平塚運一、また交流関係にあった恩地孝四郎らの作品が紹介されていました。


なお同展はすでに富山県美術館と青森県立美術館での会期を終えていて、ここ東京国立近代美術館が最後の巡回地となります。質量ともに棟方の回顧展の決定版といえそうです。



会場内の撮影も可能でした。12月3日まで開催されています。

『生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』 東京国立近代美術館@MOMAT60th
会期:2023年10月6日(金)~12月3日(日)
時間:10:00~17:00
 *金・土曜は20時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。ただし10月9日は開館、10月10日(火)。
料金:一般1800(1600)円、大学生1200(1000)円、高校生700(500)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」も観覧可。
住所:千代田区北の丸公園3-1
交通:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口徒歩3分。
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『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃』 アーティゾン美術館

アーティゾン美術館
『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン』
2023/9/9~11/19


山口晃『来迎圖』(2015年) 作家蔵

アーティゾン美術館にて『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン』が開かれています。

これはアーティストと学芸員が共同し、石橋財団コレクションからインスパイアされた新作や、コレクションとアーティストの作品のセッションによって展覧会を構成する『ジャム・セッション』の一環として行われているもので、第4回目に当たる今年はアーティストの山口晃が参加しました。


山口晃『汝、経験に依りて過つ』(2023年) 展示風景

ここで山口は「感覚」を表すフランス語で、セザンヌが制作について語る話によく出てくる言葉であるサンサシオンを引用し、それを問い直すような作品を展開していて、中では平衡感覚が奪われ、にわかに歩くのも難しいような体験ができるインスタレーションもありました。


山口晃『セザンヌへの小径(こみち)』(2023年) 作家蔵

今回、山口が石橋財団コレクションより引用したのは、セザンヌや雪舟といった作品で、セザンヌでは『サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール』と『帽子をかぶった自画像』とともに、前者を模写した『セザンヌへの小径(こみち)』といくつかのスケッチを公開していました。


山口晃『東京圖1・0・4輪之段』(2018〜2023年) 作家蔵

このほかではいずれも初めて展示された『東京圖1・0・4輪之段』や、東京メトロ日本橋駅のパブリックアート『日本橋南詰盛況乃圖』も見どころだったかもしれません。


『山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン』展示風景

中央にはペンや切り紙、小さなスケッチなどが入れられた一種の装置のようなアクリルボックスが立ち、四方に「談話室」や「東京こりごりん」などと名付けられた展示室が連なる、いわば入れ子のような会場構成も面白く感じました。


山口晃が問いかけるサンサシオンとは?アーティゾン美術館の『ジャム・セッション 山口晃』の見どころ|Pen Online


右:雪舟『四季山水図』(室町時代 15世紀)石橋財団アーティゾン美術館、重要文化財 左:山口晃『オイル オン カンヴァス ノリバケ』(2023年) 作家蔵

会期末を迎えました。11月19日まで開催されています。

『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン』 アーティゾン美術館@artizonmuseumJP
会期:2023年9月9日(土)~11月19日(日)
休館:月曜日(9月18日、10月9日は開館) / 9月19日 / 10月10日。
時間:10:00~18:00
 *11月3日を除く毎週金曜日は20時まで。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:【ウェブ予約チケット】一般1200円、大学・高校生無料(要予約)、中学生以下無料(予約不要)。
 *日時指定予約制。
 *ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ当日チケット(1500円)も販売。
住所:中央区京橋1-7-2
交通:JR線東京駅八重洲中央口、東京メトロ銀座線京橋駅6番、7番出口、東京メトロ銀座線・東西線・都営浅草線日本橋駅B1出口よりそれぞれ徒歩約5分。
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『さいたま国際芸術祭2023』 旧市民会館おおみや

旧市民会館おおみや(メイン会場)
『さいたま国際芸術祭2023』
2023/10/7~12/10



『さいたま国際芸術祭2023』が、さいたま市大宮区の旧市民会館おおみや(メイン会場)にて開かれています。

今回の芸術祭のテーマは「わたしたち」で、現代アートチームの目[mé]のディレクションのもと、国内外から参加した多様なアーティストたちが作品を展示、また公演を行っていました。



まず注目したいのは、旧市民会館おおみやの大ホールが芸術祭の中核となっていることで、連日、音楽のみならず、パフォーミングアーツ、映画上映などさまざまな公演が行われていました。



このメイン会場では目[mé]によって透明板の会場導線が築かれていて、いずれの導線のフレームは「窓」の機能をもち、その向こう側の何気ない備品と思われるようなものが「見る対象」として置き換えられていました。



また受付にてフロアマップが配布されているものの、順路などは一切なく、導線によって迷路のような空間が連続していて、時に目の前に見える作品へもフレームによってすぐにたどり着くことができないこともありました。



フレームによる「窓」は、会場内を歩く観客をも「見る対象」に変えていたかもしれません。また大ホール内にも導線が築かれていたのには驚かされました。



透明板による導線に導かれつつ、また時に遮られながら会場内を歩きつつも、いつしか導線の中に迷い込むような体験も特異だったかもしれません。



このほか、必ずしも存在が明示されない「スケーパー(SCAPER)」の活動も芸術祭に新たな概念や視点を取り込んでいました。


今年の「さいたま国際芸術祭」は目[mé]がディレクター。その見どころは?|Pen Online

連日公演などが入れ替わりながら続く芸術祭ゆえに、事前に公演のスケジュールを確認して出かけるのも良いのではないでしょうか。またリハーサル風景などを導線から鑑賞することもできました。



12月10日まで開催されています。

『さいたま国際芸術祭2023』@art_saitama) 旧市民会館おおみや(メイン会場)
会期:2023年10月7日(土)~12月10日(日)
メイン会場休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日休館) 。
メイン会場開催時間:10:00~18:00[日・火~木]、10:00~20:00[金・土] 
メイン会場チケット情報:一般2000円、さいたま市民1500円。
 *1DAYチケット:入館日のみメイン会場を鑑賞可能 (再入館可)。
 *フリーパスも発売。
住所:さいたま市大宮区下町3-47-8
メイン会場交通:JR線さいたま新都心駅、およびJR線・東武アーバンパークライン・ニューシャトル大宮駅より徒歩約15分。
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『からくりの森 2023 「機械式腕時計とAnimacy (生命感) の正体」 Seiko Seed

Seiko Seed
『からくりの森 2023 「機械式腕時計とAnimacy (生命感) の正体」 
2023/10/13~12/24



東京・神宮前のSeiko Seed(セイコー シード)にて、『からくりの森 2023 「機械式腕時計とAnimacy (生命感) の正体」が開かれています。

これはセイコーウオッチ株式会社が、時計の新たな可能性を希求し、腕時計の楽しさを体験できる場として昨年に引き続いて開いているもので、今回は「機械式腕時計とAnimacy(生命感)の正体」と題し、セイコーウオッチデザイン部のほか、3組のクリエイターが時計からインスピレーションを受けた作品を公開していました。



まず目を引くのはnomena(ノメナ)による『連鎖するリズムのコラージュ A Collage of Chained Rhythm』で、時代の異なるさまざまな時計の機構をいくつも組み合わせ、ムーブメントの力によって全体が連動していくような仕組みを作り上げていました。



セイコーウオッチ デザイン部の『時のかけら』とは、大小2種類のムーブメントには、1グラムほどの小さな葉っぱや鳥の羽がムーブメントと細いワイヤーでつながった作品で、時計の動きによって回転しながら、背後の壁に美しいシルエットを描いていました。



このほか水を使って時間を掴む装置を築いたsiroの『時のかけら』や、石の彫刻にムーブメントを埋め込み、時間の普遍性の可視化を試みたTANGENTの『時の鼓動』も面白い作品といえるかもしれません。



いずれの作品も本来的に無機物である時計が、あたかも有機物であるようなすがたを見せていて、新たな意味や価値を時計に与えた各クリエイターの創造力にも心惹かれました。


機械式腕時計に見出す生命の神秘、東京・神宮前の「Seiko Seed」にて『からくりの森 2023』が開催中!|Pen Online

会期中は無休です。12月24日まで開催されています。

『からくりの森 2023 「機械式腕時計とAnimacy (生命感) の正体」』 Seiko Seed(セイコー シード)
会期:2023年10月13日(金)~12月24日(日)
休廊:会期中無休。
料金:無料。
時間:11:00~20:00。 
住所:渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 1F
交通:JR線原宿駅東口より徒歩1分。東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前<原宿>駅2番出口より 徒歩1分。
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2023年11月に見たい展覧会【青磁/FUJI TEXTILE WEEK 2023/オラファー・エリアソン】

関東は11月とは思えないような暖かさが続いていますが、今年も残すところあと2ヶ月となりました。今月は東京都内に皇居三の丸尚蔵館と麻布台ヒルズギャラリーのふたつの芸術展示施設が新たにオープンします。



それでは11月に見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『葛飾応為「吉原格子先之図」―肉筆画の魅力』 太田記念美術館(11/1~11/26)
・『横尾忠則 寒山百得展』 東京国立博物館・表慶館 (9/12~12/3)
・『激動の時代 幕末明治の絵師たち』 サントリー美術館(10/11~12/3)
・『特別展 北宋書画精華』 根津美術館(11/3~12/3)
・『装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術』 東京都庭園美術館(9/23~12/10)
・『楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師』 町田市立国際版画美術館(10/7~12/10)
・『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』 国立新美術館(9/20~12/11)
・『コスチュームジュエリー美の変革者たち シャネル、スキャパレッリ、ディオール』 パナソニック汐留美術館(10/7~12/17)
・『FUJI TEXTILE WEEK 2023』 山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域(11/23~12/17)
・『石川真生 —私に何ができるか—』 東京オペラシティ アートギャラリー(10/13~12/24)
・『文晁と北斎―このふたり、ただものにあらず』 栃木県立美術館(10/21~12/24)
・『皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび-受け継ぐ美-」第1期「三の丸尚蔵館の国宝」』 皇居三の丸尚蔵館(11/3~12/24)
・『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』 国立新美術館(11/1~12/25)
・『111年目の中原淳一展』そごう美術館(11/18~2024/1/10)
・『青木野枝 光の柱』 市原湖畔美術館(10/14~2024/1/14)
・『即興 ホンマタカシ』 東京都写真美術館(10/6~2024/1/21)
・『ゴッホと静物画 伝統から革新へ』 SOMPO美術館(10/17~2024/1/21)
・『テオ・ヤンセン 展』 千葉県立美術館(10/27~2024/1/21)
・『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ』 国立西洋美術館(10/3~2024/1/28)
・『イン・ビトウィーン』 埼玉県立近代美術館(10/14~2024/1/28)
・『モネ 連作の情景』 上野の森美術館(10/20~2024/1/28)
・『青磁—世界を魅了したやきもの』 出光美術館(11/3~2024/1/28)
・『倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙』 世田谷美術館(11/18~2024/1/28)
・『ニューホライズン 歴史から未来へ』 アーツ前橋と前橋市中心市街地(10/14~2024/2/12)
・『奈良美智: The Beginning Place ここから』 青森県立美術館(10/14~2024/2/25)
・『もじ イメージ Graphic 展』 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2(11/23~2024/3/10)
・『開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』 森美術館(10/18~2024/3/31)
・『オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』 麻布台ヒルズギャラリー(11/24~2024/3/31)

ギャラリー

・『風間サチコ展「ニュー松島」』 無人島プロダクション(10/28~12/3)
・『堀江栞「かさぶたは、時おり剥がれる』 √K Contemporary(11/18~12/16)
・『第八次椿会 ツバキカイ8 このあたらしい世界  “ただ、いま、ここ”』 資生堂ギャラリー(10/31~12/24)
・『ヘブル・ブラントリー traveling without moving』 NANZUKA UNDERGROUND(11/18~12/24)
・『金子富之展「辟邪神」』 ミヅマアートギャラリー(11/22~12/23)
・『熊谷亜莉沙|神はお許しになられるらしい』 ギャラリー小柳(10/31~2024/1/13)
・『バグスクール:うごかしてみる!』 BUG(11/29~2024/1/14)

まずはやきものの展覧会です、出光美術館にて『青磁—世界を魅了したやきもの』が開かれます。



『青磁—世界を魅了したやきもの』@出光美術館(11/3~2024/1/28)

これは成熟期を迎えて2000年もの間、多くの人々を惹きつけてきた青磁に着目するもので、青磁の誕生前夜の灰釉陶器から漢時代の越州窯、また龍泉窯青磁などの青磁を中心に120件の優品が展示されます。

同館のみならず、東京国立博物館や徳川美術館、それに根津美術館といった他館のコレクションにも注目が集まるかもしれません。

続いては山梨県の富士吉田市にて行われる「布の芸術祭」です。『FUJI TEXTILE WEEK 2023』が開催されます。



『FUJI TEXTILE WEEK 2023』@山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域(11/23~12/17)

富士五湖の中東部に位置する山梨県富士吉田市は、近年、インバウンドをはじめとする観光都市として発展するとともに、1000年以上続く織物の産地としても歴史を重ねてきました。

この織物と芸術を融合する芸術祭として2021年よりはじまったのが『FUJI TEXTILE WEEK』で、3回目となる今回は「Back to Thread / 糸への回帰」をテーマにさまざまなアート展示などが行われます。

ラストは新たにオープンする麻布台ヒルズギャラリーです。『オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』が行われます。



『オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』@麻布台ヒルズギャラリー(11/24~2024/3/31)


これは麻布台ヒルズの開業にあわせて制作された新作のパブリックアートで取り組んだ主題を軸に、新作インスタレーションや水彩絵画、ドローイング、 立体作品などによって構成されるもので、日本初展示作品15点が公開されます。

なお一部内容が重なりますが、イロハニアートへも11月のおすすめの展覧会を寄稿しました。


【11月のおすすめ展覧会5選】大巻伸嗣の個展から、新たにオープンする皇居三の丸尚蔵館や麻布台ヒルズギャラリーの展示まで | イロハニアート

それでは今月もどうぞ宜しくお願いいたします。
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『ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展』 シャネル・ネクサス・ホール

シャネル・ネクサス・ホール
『ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展』 
2023/9/27~11/5



1967年に生まれたインテリアデザイナーの森田恭通は、グラフィックやプロダクトでも創作を行うと、アーティストして活動を続け、2015年からは写真展をパリにて継続して開いてきました。



その森田がヴェルサイユ宮殿を撮った写真を紹介するのが『ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展』で、会場にはモノクロームによって収められた約100点の作品が並んでいました。



まず目を引くのが森田がヴェルサイユの細部の意匠を切り取って捉えたような写真で、いずれも建物や建具の一部でありながらも、どこか有機的なすがたを見せていました。



また王室礼拝堂やオペラ劇場なども被写体となっていて、鏡の回廊では夏の西日という光が回廊へ輝かしく差し込む光景を目の当たりにできました。



森田はヴェルサイユを数年に渡りたびたび訪ねては、四季によって異なるニュアンスをもつ光にこだわりながら建築を捉えていて、とりわけ美しい陰が建築の意匠を際立たせているようにも思えました。



かつてこの宮殿に集い、生きていた人々のすがたを頭の中で想像しながら鑑賞するのも楽しいかもしれません。一連の写真からはヴェルサイユにおける長い歴史の重みも伝わってきました。

間もなく会期末です。11月5日まで開催されています。

『ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展』 シャネル・ネクサス・ホール
会期:2023年9月27日(水)~11月5日(日)
休廊:会期中無休。
料金:無料。
時間:11:00~19:00。 
 *最終入場は18:30まで。
住所:中央区銀座3-5-3シャネル銀座ビルディング4F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A13出口より徒歩1分。東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅5番出口より徒歩1分。
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