「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 うらわ美術館

うらわ美術館
「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」
2021/4/17~6/20



うらわ美術館で開催中の「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」を見てきました。

現在のチェコに生まれ、アール・ヌーヴォーを代表するアルフォンス・ミュシャは、ポスターだけでなく、本、雑誌、切手、商品パッケージなどデザインの仕事でも旺盛に活動しました。

そうしたグラフィック・デザインを紹介するのが「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」で、会場にはミュシャの収集家で知られる尾形寿行氏のOGATAコレクションを中心に約550点もの作品が展示されていました。

さて今回のミュシャ展はタイトルに「バラエティ」とあるように、デザインに関する様々な資料が並んでいるのが特徴で、ビスケット容器や香水瓶、それにメニュー表からカレンダーなどの生活に根差した作品も目立っていました。


左:アルフォンス・ミュシャ「ジスモンダ」 1894年 OGATAコレクション
右:アルフォンス・ミュシャ「ジスモンダ アメリカンツアー」 1895年 OGATAコレクション

いわゆるデビュー作と知られる「ジスモンダ」をはじめとした商業ポスターも充実していました。フランスの女優、サラ・ベルナールをモデルとした同ポスターは、当時まだ無名だったミュシャが制作するとパリの街角で大変な評判を呼び、一躍ポスター界の寵児として注目を集めるようになりました。

「ジョブ」はタバコの巻紙を宣伝としたポスターで、巻紙のタバコの香りに酔った長い髪の女性とともに、ビザンティン趣味風の装飾が画面へ広がっていました。ミュシャの作品は当初、商業ポスターとして作られたものの、人気を博したために装飾パネルとして売り出されたものも少なくなく、「ジョブ」もコレクターの要請に応えて小型版が制作されました。


ハイライトはミュシャのデザインのバイブルとも呼ばれる「装飾資料集」と「装飾人物集」の全112点にあったかもしれません。

「装飾資料集」とは1902年、既に40歳を超えて巨匠としての地位を築いていたミュシャが、デザインを学ぶ人々のために刊行した、鉛筆デッサンに基づく72点からなる図案集でした。



ここには女性や自然の草花をモチーフとした装飾のデザインから食器、アクセサリーなどが掲載されていて、いずれも極めて精緻な線によって描かれていました。そのうち植物の習作などは博物図譜のような迫真性が見られたかもしれません。

その3年後に著したのが「装飾人物集」で、全て女性をモチーフに40点の図案を示しました。またここでは人物のほとんどが円形や楕円形、それに星形などの幾何学的な形態や枠の中に収められていて、ギリシャやゴシック建築の彫刻の造型を思わせるものがありました。

いずれの図案集とも全てのページが展示されているのも嬉しいところで、デザイナーとしてのミュシャの仕事の集大成を目の当たりにするかのようでした。

なお本展は全国を各地にて開催されてきた巡回展ですが、うらわ美術館では収集方針の「本をめぐるアート」に因んで、元来の作品に加えて堺のアルフォンス・ミュシャ館の挿絵の習作も複数点紹介するなど、オリジナルな構成となっていました。


「お気に入りの1点」のみの撮影ができました。近年、撮影可能な展覧会も増えてきましたが、他ではあまり見られない珍しい試みと言えるかもしれません。

予約は不要ですが、入場時に氏名や連絡先などを来館者記録用紙に記入する必要がありました。



必ずしも広い展示室ではありませんが、内容は質量ともに膨大です。時間に余裕をもってお出かけください。

6月20日まで開催されています。

「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 うらわ美術館@UrawaArtMuseum
会期:2021年4月17日(土)~6月20日(日)
休館:月曜日。(ただし5月3日は開館)、5月6日。
時間:10:00~17:00
 *金・土曜は20時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般620(490)円、大高校生410(320)円、中小生200(160)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:さいたま市浦和区仲町2-5-1 浦和センチュリーシティ3階
交通:JR線浦和駅西口より徒歩7分。
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「日経アートアカデミア」で知りたい「草間彌生の世界」

日本経済新聞社のオンライン講座サイト「日経アートアカデミア」にて、「草間彌生の世界~60年代ニューヨークから現在まで~」の配信がスタートしました。



草間彌生の世界~60年代ニューヨークから現在まで~
https://academia.nikkei.co.jp/contents/53

これは2021年3月、草間彌生美術館学芸課長の塩田純一氏が日経東京本社2階の「SPACE NIO」で行った同名の講座を編集したもので、全部で約75分ほどあります。(7章構成。各章ごとに視聴が可能です。)

「草間彌生の世界~60年代ニューヨークから現在まで~」
ダイジェスト 02:29
第1章 ニューヨーク以前の草間彌生 10:33
第2章 ニューヨークで何が起こっていたか 抽象表現主義の絵画 09:00
第3章 前衛芸術家の誕生 「無限の網」の絵画 08:24
第4章 ソフト・スカルプチュアの展開 08:36
第5章 エンヴァイラメント(Environment)とハプニング(Happening) 15:58
第6章 21世紀の草間彌生~「愛はとこしえ」から「わが永遠の魂」へ 13:20
第7章 イメージはどこからやってくるのか? 過去から現在へ 8:51

講座では草間の創造世界を同美術館の活動とともに丁寧に紹介していて、必ずしも広く知られているとは言えない作家の全貌についての知見を得ることができました。


「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」 2017年 *過去に草間彌生美術館にて撮影。

現在、緊急事態宣言中のため臨時休館中の「神秘と象徴の中間:草間彌生のモノクローム」展の予習にも最適な内容かもしれません。また美術館の撮影も行われていて、今後、再開に向けて映像で一通り学んでおくのも良いのではないでしょうか。



「日経アートアカデミア」
https://academia.nikkei.co.jp/

「日経アートアカデミア」は文化教養講座の「日経アカデミア」に2020年、新しく有料オンラインサービスを加えてリニューアルしたサイトで、これまでにも美術や音楽、それに歴史に関した専門家や演奏家らのオンライン講座、ないしコンサートが配信されてきました。

一部には美術展の図録や観覧券といった特典付きの講座も開設されていて、オンとオフラインの双方でも楽しめるように工夫されています。例えば6月1日から上野の森美術館で開催予定の「日経日本画大賞展」では、特典映像が付きながら正規価格よりもお得なオンラインチケットも販売されています。

講座の購入には日経アートアカデミアの会員登録が必要で、イーティックス・オンラインチケットのクレジットカードにて決済されます。また各講座に設定されている視聴期間中は何度でも繰り返して見ることが可能です。



日本美術応援団オンライン講座 第4回 長沢芦雪「京のエンターテイナー」
https://academia.nikkei.co.jp/contents/49

美術では美術史家・山下裕二氏の連続講座「日本美術応援団オンライン講座」も配信されていて、既に「長沢芦雪 京のエンターテイナー」で第4回を数えるに至りました。この他に同講座では「無量寺襖絵《虎図》」(第3回)、それに辻惟雄氏をゲストに迎えた「伊藤若冲 研究秘話」(第2回)なども各500円にて視聴することができます。「日経アートアカデミア」は総じて視聴料金がリーズナブルであるのも嬉しいポイントかもしれません。


コロナ禍が続く中、各美術館や博物館でも様々なオンラインでの取り組みがなされていますが、美術のみならず音楽といった幅広い分野のコンテンツを楽しめるのも「日経アートアカデミア」の強みではないでしょうか。

「草間彌生の世界~60年代ニューヨークから現在まで~」の視聴料金は1000円です。詳しい購入方法などは「日経アートアカデミア」の公式サイトをご覧ください。
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「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」 川崎浮世絵ギャラリー

川崎浮世絵ギャラリー
「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」 
2021/5/15〜6/6



公益社団法人川崎・砂子の里資料館には川崎ゆかりの作品を含めて4000点もの浮世絵が蒐集され、斎藤文夫コレクションと冠して一般にも公開されてきました。

その川崎・砂子の里資料館のコレクションを引き継いだのが川崎浮世絵ギャラリーで、2019年12月に川崎駅に隣接する川崎駅前タワー・リバークに開館しました。



ちょうどJR線川崎駅の北口東から直結した高層ビルの3階にある「アートガーデンかわさき」に位置していて、反対側の京急線川崎駅からも歩いて2〜3分ほどでした。



現在、開催中の展示は「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」で、川瀬巴水を中心に吉田博、石渡江逸、笠松紫浪、小原古邨といった新版画の作品、計76点が公開されていました。


巴水で中心となっていたのは当地の神奈川を舞台とした版画で、「鎌倉大佛」や「鎌倉建長寺」、それに「元箱根見南山荘風景」のシリーズなどに目を引かれました。このうち「元箱根見南山荘風景」はかつて元箱根にあった三菱財閥の岩崎家の別荘で、巴水は同家より依頼を受けて作品を制作しました。特に名所とされたつつじが咲く光景を色鮮やかに描いていて、後景には富士山がそびえる姿を見ることもできました。

この他では「大森海岸」や「矢口」といった、神奈川に近い場所の作品が展示された「東京二十景」も見どころだったのではないでしょうか。またおそらくは江戸川越しの浦安の光景を牧歌的に描いた「初秋の浦安」にも魅せられました。

全国8カ所の桜の名所をモチーフとした吉田博の「桜八題」も目立っていたかもしれません。中でも「弘前城」は石垣の上の天守を背に咲き誇こる桜を描いていて、花はこぼれ落ちそうなほどに画面へ満ち溢れていました。

巴水の門人で子安に住んでいた石渡江逸も神奈川を描いた版画家の一人でした。そのうち「横浜長嶋橋所見(洛陽)」は摺違いの2点の作品が並んでいて、1点は夕陽が水辺の街並みを朱色に染めていてドラマテックな情景を表していました。


撮影可能の複製作品。展示室内の撮影はできません。

美人画で知られる橋口五葉の比較的珍しい花鳥主題の「鴨」や、明治期の新たな美人風俗画として制作された高橋松亭の「いますかた 花のさと」、さらにはエリザベス・キースの「鎌倉 夏の思い出」なども力作と言えるかもしれません。また巴水を含めて保存状態が良いのか、総じてコレクションの発色が良いのも印象に残りました。


「アートガーデンかわさき」。この奥に「川崎浮世絵ギャラリー」の展示室がありました。

手狭なスペースながらも新版画ファンには嬉しい展示でした。会期中に作品の入れ替えはありません。


川崎駅前タワー・リバーク

会場内は作品保護の観点からかなり暗めでした。6月6日まで開催されています。

「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」 川崎浮世絵ギャラリー@Kawasaki_ukiyoe

会期:2021年5月15日(土)〜6月6日(日)
休館:月曜日。(休日の場合は翌平日)
時間:11:00~18:30 
 *入館は閉館の15分前まで。
料金:一般500円。高校生以下無料。
住所:川崎市川崎区駅前本町12-1 川崎駅前タワー・リバーク3階
交通:JR線川崎駅北口東より直結徒歩2分。京急線川崎駅より徒歩2分。
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オンラインで楽しむ「クールベと海展」とパナソニック汐留美術館

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面の間臨時休館中のパナソニック汐留美術館が、オンラインでも展覧会やコレクションを楽しめるコンテンツを開設しています。



まず1つ目は休止中の「クールベと海展― フランス近代 自然へのまなざし」のギャラリーツアーをオンラインにて配信していることで、YouTubeの「パナソニック汐留チャンネル」にて視聴することができました。(期間限定:5月31日まで公開)



ここでは「展覧会のツボ」と題し、同館の学芸員である古賀さんが見どころを23分に渡って解説していて、実際の展示室を映像で順に追いながら、展覧会の内容について理解することができました。また時に作品に接写しているため、動植物や波の水しぶきといった細部のモチーフを確認し得るのも嬉しいところでした。

オンラインツアーで印象深いのは、やはり海をテーマとした作品が並ぶ展示室で、クールベ以前から海を捉えた作品の表現の変遷を追うことができました。さらに絵に描かれた帆船の模型や1900年頃の水着といった資料も見どころと言えるかもしれません。

ラストには主に1865年以降にクールベが描いた海の作品が並んでいて、ノルマンディーの海の光景を絵画を通して映像で楽しめました。また画家と海との関係や一連の「波」の物質感のある表現、さらには空の描写に注目するなどの見方についての解説も興味深いのではないでしょうか。


続いて2つ目のコンテンツです。今年5月27日に生誕150年を迎え、パナソニック汐留美術館が多くの作品を所蔵するフランスの画家、ジョルジュ・ルオーについてのウェブサイトがリニューアルされました。



リニューアルに際しては、ルオーの孫の一人であるジョルジュ・ルオー財団新理事長、オリヴィエ・ヌワイユ氏がパリからビデオメッセージを寄せていて、過去の展覧会の映像とともにYouTubeにてじっくりと見られました。

またルオー・ギャラリーの紹介や、コレクションの一部の作品の図版と解説などもオンラインにて閲覧することが可能でした。

フォトスポットの開設やミュージアムグッズのプレゼントなど、生誕150年の記念イベントに関しては、臨時休館に伴って延期されてしまいましたが、今後随時更新される予定だそうです。



「クールベと海」展の会期は6月13日まであり、5月13日からは一部の作品を入れ替えて後期展示に入ったものの、依然として開館できない状況が続いています。今回のオンラインツアーを踏まえ、再開した際はルオーのメモリアルイベントとともに会場で鑑賞したいと思いました。

「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」 パナソニック汐留美術館@shiodome_museum
会期:2021年4月10日(土)〜6月13日(日) *当面の間臨時休館
休館:水曜日。
時間:10:00~18:00 
 *入館は閉館の30分前まで。
 *6月4日(金)は20時まで開館。
料金:一般1000円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料。
 *65歳以上900円。
 *ホームページ割引あり
住所:港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
交通:JR線新橋駅銀座口より徒歩5分、東京メトロ銀座線新橋駅2番出口より徒歩3分、都営浅草線新橋駅改札より徒歩3分、都営大江戸線汐留駅3・4番出口より徒歩1分
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「古き良き日本の美 渡邊省亭と谷文晁摸写《佐竹本三十六歌仙絵巻》」 齋田記念館

齋田記念館
「古き良き日本の美 渡邊省亭と谷文晁摸写《佐竹本三十六歌仙絵巻》」 
2021/4/1~5/22



近年、人気が高まり、東京藝術大学大学美術館をはじめとした全国巡回展でも話題の日本画家、渡邊省亭の作品が、東京・世田谷の齋田美術館にて公開されています。

齋田記念館とは江戸時代初期、代田村開発の中心となった齋田家ゆかりの文化的資料を公開する施設で、1997年に齋田茶文化振興財団のもとに開館しました。齋田家は幕末から長く茶業を営んでいたことから、茶に関する資料が多く保存されていて、今も研究や調査活動が行われています。



最寄駅の小田急線の世田谷代田駅を降り、西口から車の往来の激しい環七通りを南へ歩いて、しばらくすると右手に白壁に囲まれた建物が見えてきました。それが齋田記念館で、所要時間は駅から約7〜8分ほどでした。



敷地内へと足を進めると手入れの行き届いた樹木が生い茂っていて、喧騒に包まれた環七通りとは一変した落ち着いた空間が広がっていました。



立派な門を構えるのが齋田家の屋敷で、記念館は手前の白い建物でした。中に入ると左手に受付があり、その奥の小さな展示室にて「古き良き日本の美 渡邊省亭と谷文晁摸写《佐竹本三十六歌仙絵巻》」が行われていました。



これは同館所蔵の省亭の作品18点と、谷文晁が摸写した「佐竹本三十六歌仙絵巻」を合わせ見る内容で、全部で19点の作品が公開されていました。なお省亭の18点のうち実に12点が初公開でした。

今回の省亭展で私が特に惹かれたのが、雨の風景を描いた作品でした。そのうち「春雨」と「雨中渡舟」はいずれも雨の中、笠をかぶりながら隅田川の渡し舟に乗る人々を描いていて、いずれも朦朦とした湿り気までも情感豊かに表していました。また本作に加えて「雪の渡し舟」も同様に隅田川の渡しをモチーフとしていて、浅草で亡くなった省亭の同地に対する愛情を感じるかのようでした。

省亭をはじめ、荒木寛畝、川端玉章、酒井道一らがともに描いた「花鳥図」も魅惑的な作品でした。手前の道一による色彩鮮やかな菖蒲が目立つ中、省亭は可愛らしい小さな雀を中央の下の方へ控えめに描いていました。解説によると省亭は絵師の中で3番目に若かったと記されていましたが、どこか先輩絵師に対しての遠慮があったのかもしれません。



20点弱の作品数ゆえに量は多くありませんが、ともかく粒揃いの作品ばかりで、思いがけないほどに充実していました。この他、備前香合と取り合わせた「あやめ」の露出展示も見どころかもしれません。床の間を飾るような設えにも魅了されました。



残念ながら東京藝術大学大学美術館での省亭展は事実上、会期半ばで打ち切りとなってしまいましたが、また一つ省亭の優美な花鳥世界に心惹かれました。*「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」は東京展以降、岡崎市美術博物館(5月29日~7月11日)と佐野美術館(7月17日~8月29日)へ巡回予定。



会期末の駆け込みになってしまいました。5月22日まで開催されています。なお最終日は混雑が予想されるため、状況によっては整理券の配布などの入場制限が行われる場合があるそうです。お出かけの際はご注意ください。

「古き良き日本の美 渡邊省亭と谷文晁摸写《佐竹本三十六歌仙絵巻》」 齋田記念館
会期:2021年4月1日 (木) ~5月22日 (土)
休館:土曜(但し第4土曜日4/24・5/22は開館)、日曜、祝日。
時間:10:00~16:30 
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般300円
住所:世田谷区代田3-23-35
交通:小田急線世田谷代田駅より徒歩7分。東急世田谷線若林駅より徒歩10分。
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「MIROIRS(ミロワール) - Manga meets CHANEL」 シャネル・ネクサス・ホール

シャネル・ネクサス・ホール
「MIROIRS(ミロワール) - Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」
2021/4/28~6/6



フランスのファッションブランド「CHANEL」と、人気漫画「約束のネバーランド」を描いた白井カイウと出水ぽすかがコラボした展覧会が、銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて行われています。



それが「MIROIRS(ミロワール) - Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」で、「約束のネバーランド」の原作者である白井カイウと作画家の出水ぽすかが、シャネル創業者のガブリエル・シャネルの人生や哲学にインスパイアして描いた「miroirs(ミロワール)」の漫画世界を、会場内にて立体的に展開させていました。



フランス語で鏡の複数形を意味する「miroirs(ミロワール)」は3章構成で描かれていて、第1章では読書や空想の好きな少女を主人公に物語が紡がれていました。そこで少女は本を起点に空想の世界へと入り、ガブリエルの扮したハサミの魔女とともに新しいファッションを楽しむ様子が表されていて、シャネルの様々なイメージの断片がモチーフへと散りばめられていました。



そして2章ではオシャレを楽しむ女性、さらに3章では体にコンプレックスを抱く少年が主人公となったストーリーが続いていて、既存の価値観を転換させ、自由を勝ち取ろうとしたガブリエルの精神を表すようなメッセージを読み取ることができました。いずれも舞台は現代の東京でした。



「ガブリエルは、自分の着たいもの、したいこと、こう在りたいという姿を貫いて、人々を魅了し、世界の価値観の方を変えていきました。」 白井カイウ *会場内より



最初の鏡の間から3つの空間へ区切られた構成も魅惑的ではなかったでしょうか。また円窓や鍵穴の入口なども効果的に用いられていて、それぞれの章の手前から奥へ進んでいくほど、漫画の世界の中へと入り込んでいくような体験が得られました。



この他では1921年から2012年までの「シャネルN°5」のボトルや、1954年のリップステックをはじめ、1938年の「HARPER’S BAZAAR」に掲載されたガブリエルの好きなイラストなど、シャネルに関する資料も思いの外に充実していました。



「翼を持たずに生まれてきたとしても、自分の翼が育つのを妨げてはならない」 ガブリエル・シャネル *会場内より


イントロダクションとして「miroirs(ミロワール)」のあらすじも紹介されていましたが、3つの短編のうちの1話を週刊少年ジャンプのサイトにて試し読みすることもできます。


新型コロナウイルス感染症予防対策のため、オンラインでの予約制が導入されました。事前に専用サイトにて入場日時を指定する必要があります。1人1回につき4名分まで予約が可能です。



金曜日の夕方に出向きましたが、定員制ながらも場内はなかなか盛況でした。観覧には早めの予約をおすすめします。



撮影も可能、有難いことにお土産まで付いていました。出口にて頂戴することができます。



6月6日まで開催されています。

「MIROIRS(ミロワール) - Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」 シャネル・ネクサス・ホール
会期:2021年4月28日(水)~6月6日(日)
休廊:会期中無休。
料金:無料。
時間:11:00~20:00。 
 *最終入場は19:30まで。
 *5月22日(土)、23日(日)、24日(月)については10:00より開場
住所:中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A13出口より徒歩1分。東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅5番出口より徒歩1分。
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「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」 東京藝術大学大学美術館

東京藝術大学大学美術館
「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」 
2021/3/27~5/23 *4/25より臨時休館



東京藝術大学大学美術館で開催中の「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」の特別内覧会に参加してきました。

明治から大正にかけて活動し、パリ万博を契機にフランスへ渡った経験もある画家の渡辺省亭は、印象派のメンバーと交流し、ロンドンでは個展が開かれるなど海外で高く評価されてきました。


迎賓館赤坂離宮 七宝額原画 展示風景

また国内でも迎賓館赤坂離宮の七宝額原画を描いて実力を発揮したものの、後年は画壇から離れて弟子をとらずに市井の画家を貫いたため、没後は必ずしも作品が良く知られてきませんでした。


左:渡辺省亭「花鳥魚蝦画冊」(藤に小禽図) メトロポリタン美術館 アメリカ

その省亭の実に国内の美術館としては初めての回顧展が「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」で、個人コレクションをはじめ、海外からの里帰りを含む約100点近くの作品が公開されていました。(前後期で入れ替えあり。)


渡辺省亭「歴史人物画帖」 明治9(1876)年

1852年、幕末の江戸の神田で札差業を営む家に生まれた省亭は、16歳にして歴史画家の菊池容斎に入門すると、容斎の歴史人物画集であった「前賢故実」を模写するなどして絵を習得しました。


渡辺省亭「四季江戸名所」

ただ修行時代は特に手本を与えられず、具体的な絵の描き方は教われなかったとされ、3年後には独立して作品を描くようになりました。明治初期は狩野派の当主ですら仕事がないような画家にとっては厳しい時代で、省亭も例外ではありませんでした。

1875年、起立工商会社に入社した省亭は、輸出工芸品の下絵や図案制作に従事するようになり、後に省亭の画業を中心となった花鳥のモチーフを多く描きました。そして2年後には内国勧業博覧会にて工芸図案が花紋賞牌を受賞すると、個人として描いた「群鳩浴水盤ノ図」がパリ万博に出品されるなど、画家としての頭角を現しました。


左:渡辺省亭「鳥図(枝にとまる鳥)」 明治11(1878)年 クラーク美術館 アメリカ

そしてパリ万博に際して起立工商会社の社員として渡仏した省亭は、美術商に随行しつつ同地の画家と交流し、印象派の画家の集うサロンにて席画を披露しては注目を集めました。そのうちの「鳥図(枝にとまる鳥)」は実演の場でエドガー・ドガのために描いた一枚で、ドガは作品を気に入ったのか生涯手放すことはありませんでした。

省亭がパリに滞在していた正確な期間は明らかではありませんが、おおよそ1年余りは同地で活動していたとされていて、帰国後の数年間にて自らのスタイルを確立していきました。


「美術世界」春陽堂刊 明治23〜27(1890〜94)年

30代から40代にかけての省亭は挿絵や口絵の仕事にも携わり、雑誌「美術世界」では自ら編集にも力を注ぐなど多方面に活動しました。と同時に博覧会への出品も度々行っていて、シカゴ・コロンブス世界博覧会へは同時期を代表する「雪中群鶏図」を描きました。またロンドンのギャラリーで水彩画家との二人展や個展を開き、イギリスの美術雑誌に掲載されるなどして広く知られていきました。


渡辺省亭原画 濤川惣助作「七宝四季花卉図花瓶」 静嘉堂文庫美術館

濤川惣助との無線七宝との共同作業もパリからの帰国後に行われ、省亭は七宝のための原画を数多く濤川に提供しました。


渡辺省亭「冬の花鳥」

主に花鳥画で人気を得た省亭は、50歳の頃になると博覧会などに出展せず、団体にも属さずに個人で活動しながら高い画料を得て絵を描いていきました。今でこそ知られざる画家である省亭ながら、生前はかなり売れっ子だったようで、晩年まで筆力は衰えることはありませんでした。そして1918年、東京・浅草の地にて68歳で亡くなりました。


「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」 展示風景

今回の省亭展で何よりも魅惑的なのが、やはり画家を代表する花鳥画の世界でした。省亭は容斎から円山四条派を学び、起立工商会社では江戸琳派を倣ったとされていますが、花も鳥も虫も迫真的とも呼べる描写を見せていました。それでいて全てが克明に表されているだけでなく、時にざっくりしたような筆触も用いていて、硬軟を巧みに使い分けていました。


右:渡辺省亭「牡丹の図」 明治32(1899)年

透き通るような色彩美も独特な味わいがあるのではないでしょうか。鳥の目の小さなハイライトや、ほのかな湿り気さえ帯びたような柔らかい花弁の描写など、それこそ花鳥に命を吹き込みつつ潤いを与えているかのようでした。


右:渡辺省亭「牡丹に蝶の図」 明治26年(1893)年

さて東京藝術大学大学美術館にて3月末から開かれてきた省亭展でしたが、政府の緊急事態宣言を受けて4月25日から臨時休館に入りました。その後、5月11日からの宣言の延長に伴い、会期を残すところ1週間となった現段階においても再開できない状況が続いています。私も前期を一度拝見し、4月27日からの後期展示を楽しみにしていましたが、臨時休館中ゆえに作品を鑑賞することは叶いません。


右:渡辺省亭「雪中鴛鴦之図」 明治42(1909)年 東京国立近代美術館

5月15日において公式サイトには「臨時休館を継続」とあり、払い戻しについての案内も記載されています。会期を鑑みると再開は極めて困難ですが、同展は藝大美術館の展示を終えると、愛知、静岡の各美術館でも開かれる巡回展でもあります。

「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」巡回スケジュール
愛知展:岡崎市美術博物館 5月29日(土)~7月11日(日)
静岡展:佐野美術館 7月17日(土)~8月29日(日)


迎賓館赤坂離宮 七宝額原画「真鴨に葦」 東京国立博物館

残念ながら東京では実質会期半分にて展示を終えてしまいましたが、巡回先でも多くの方に省亭画の魅力が伝わればと思いました。


巡回先を含めた最新の開催状況等については公式サイトをご確認下さい。

「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」@seitei2021) 東京藝術大学大学美術館
会期:2021年3月27日(土)~5月23日(日) *4月25日より臨時休館
 *前期:2021年3月27日(土)~4月25日(日)、後期:4月27日(火)~5月23日(日)
休館:月曜日。
時間:10:00~17:00 *入館は16時半まで。
料金:一般1700円、高校・大学生1000円、中学生以下無料。
住所:台東区上野公園12-8
交通:JR線上野駅公園口より徒歩10分。東京メトロ千代田線根津駅より徒歩10分。京成上野駅、東京メトロ日比谷線・銀座線上野駅より徒歩15分。

注)写真は特別内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十三報

新型コロナウイルス感染症に関する、一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)の主な美術館と博物館の休館情報をまとめてみました。



最新の情報は→新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十四報(2021年6月1日現在)

*過去の更新情報
第一報(2020年3月2日)、第二報(3月9日)、第三報(3月16日)、第四報(3月24日)、第五報(4月1日)、第六報(4月9日)、第七報(5月2日)、第八報(6月2日)、第九報(6月25日)、第十報(2021年1月9日)、第十一報(3月25日)、第十二報(4月26日)

東京など4都府県を対象に発出された緊急事態宣言が5月31日まで延長されました。同時に愛知県や福岡県も対象となり、まん延防止等重点措置も同日まで延長されるなど、新型コロナウイルスの全国的な感染の拡大が続いています。

GW期間中の政府の宣言では美術館や博物館に休業要請が出されましたが、11日以降は午後8時までの時短要請へと変わりました。しかし東京都は独自の緊急事態措置を打ち出してさらなる休館を求めたため、都立の美術館や博物館は休館を継続しました。


その一方で10日、文化庁の方針により、都内の国立美術館と博物館が再開するとの報道がありました。しかし同日夜、東京都が文化庁へ休館の継続を要請したため、翌日にかけて国と都の間で協議が行われました。


*一時、「再開館のお知らせ」が表示された東京国立博物館のウェブサイト。現在は「臨時休館継続のお知らせ」に切り替わっています。

両者の対応が分かれる異例の事態となりましたが、結果的に政府は都の要請を受けて、国立美術館と博物館の休館を継続することを決めました。またそれ以外の都内の多くの美術館と博物館は臨時休館を続けています。

緊急事態宣言の延長に伴い、残念ながら会期途中で打ち切りとなった展覧会が増えてきました。

【緊急事態宣言によって打ち切りとなった展覧会】

・上野の森美術館 4/27~5/11臨時休館 「第39回上野の森美術館大賞展」 開催中止
・国立新美術館 4/25~5/11臨時休館  「佐藤可士和展」 4/24にて展示中止
・東京都写真美術館 4/25~5/11臨時休館 「白川義員写真展/澤田知子 狐の嫁いり」 4/24にて展示中止
・府中市美術館 4/25~5/11臨時休館 「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」 4/24にて展示中止
・東京国立近代美術館 4/25~当面の間臨時休館 「あやしい絵展」 展示中止
・根津美術館 4/25~当面の間臨時休館 「国宝燕子花図屏風 色彩の誘惑」 展示中止
・東洋文庫ミュージアム 4/26~5/31臨時休館 「大清帝国展 完全版」 展示中止
・東京富士美術館 4/25~5/31臨時休館 「絵画のドレス|ドレスの絵画」 4/24にて展示中止


4月末の段階で国立新美術館の「佐藤可士和展」や府中市美術館の「与謝蕪村展」などが中止されましたが、宣言期間の延長によって新たに東京国立近代美術館の「あやしい絵展」や根津美術館の「国宝燕子花図屏風 色彩の誘惑」が会期最終日を迎えることなく、途中で打ち切りとなりました。*「あやしい絵展」は大阪歴史博物館へと巡回予定。(会期:2021年7月3日〜8月15日)

また現時点で主催者からの公式に発表されていませんが、宣言期間中に会期を終える展覧会に関しては、同じく打ち切りとなる可能性があります。

【緊急事態宣言によって打ち切りの可能性がある展覧会】

・東京藝術大学大学美術館 4/25~当面の間臨時休館 「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」 ~5/23
・東京国立博物館 4/25~当面の間臨時休館 「国宝 鳥獣戯画のすべて」 ~5/30
・出光美術館 4/27~当面の間臨時休館 「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 ~5/30
・三菱一号館美術館 4/25~当面の間臨時休館 「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 ~5/30
・たばこと塩の博物館 4/25~当面の間臨時休館 「ミティラー美術館コレクション展」 ~5/16
・板橋区立美術館 4/26~5/31臨時休館 「さまよえる絵筆ー東京・京都 戦時下の前衛画家たち」 ~5/23


東京国立博物館の「国宝 鳥獣戯画のすべて」は5月14日より再開を予定していましたが、都の要請を受けた文化庁の新たな方針により、当面の間臨時休館を続けることを決めました。ただし今のところ払い戻しなどの発表はなく、あくまでも休館の延長のみがアナウンスされています。


東京藝術大学大学美術館で開かれていた「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」も、宣言の延長に伴い、臨時休館を継続することが発表されました。チケットの払い戻し方法についても、公式ホームページにて案内があります。同展は5月29日より愛知県の岡崎市美術博物館へ巡回(5月29日〜7月11日)が予定されているため、会期の延長は難しいかもしれません。*その後、静岡の佐野美術館へも巡回予定。(会期:2021年7月17日~8月29日)

さらに宣言が長期化する中、開幕が延期された展覧会は以下の通りです。

【開幕が延期された展覧会】

・三井記念美術館 5/1~5/31臨時休館 「茶箱と茶籠」 5/1~ 開幕延期
・東京都写真美術館 4/25~5/31臨時休館 「新・晴れた日 篠山紀信」 5/18〜 開幕延期
・東洋文庫ミュージアム 4/26~5/31臨時休館 「江戸から東京へ-地図にみる都市の歴史」 5/26〜 開幕延期
・練馬区立美術館 4/25~5/31臨時休館 「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」 5/12~ 開幕延期
・たましん美術館 4/25~5/31臨時休館 「足跡Vol.2~所蔵品と新作から見える多摩の美術~」 5/1~ 開幕延期
・府中市美術館 4/25~5/31臨時休館 「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 5/22〜 開幕延期

関東での緊急事態宣言は東京都のみが対象です。まん延防止等重点措置が発出されている神奈川、埼玉、千葉の各県には休業の要請が出されていないため、多くの美術館は開館しています。また都内においても予約制などの対応を踏まえ、一部に再開する美術館が存在します。

【開館している美術館】

・アーティゾン美術館 「STEPS AHEAD:Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 ~9/5 予約制 5/15~条件付きにて再開
・ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 「南桂子生誕110年記念 蝶の行方展」 ~8/9 *電話での予約制
・太田記念美術館 「江戸の敗者たち」 ~5/16 5/15〜再開
・岡本太郎記念館 「暮らしのなかの芸術」 ~7/11
・ワタリウム美術館 「まちへ出よう展」 ~6/6 *4/25~予約制(電話orメール)
・森アーツセンターギャラリー 「僕のヒーローアカデミア展」 ~6/27 5/12〜展示再開 予約制 
・日本民藝館 「改修記念 名品展 I ―朝鮮陶磁・木喰仏・沖縄染織などを一堂に」 ~6/27
・山種美術館 「百花繚乱 ―華麗なる花の世界」 ~6/27 5/15〜再開(時短) 予約制(当日券の販売もあり) 
・多摩美術大学大学美術館 「現代日本画の系譜-タマビDNA展」 ~6/20
・岡田美術館 「東西の日本画 大観・春草・松園など」 ~9/26
・神奈川県立近代美術館葉山館 「空間の中のフォルム―アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで」 ~9/5 予約制
・神奈川県立歴史博物館 「錦絵にみる明治時代-丹波コレクションが語る近代ニッポンー」 ~6/20 予約制
・鎌倉文華館鶴岡ミュージアム 「鶴岡八幡宮鎌倉彫名品展」 ~5/16
・川崎浮世絵ギャラリー 「川瀬巴水と新版画」 5/15〜
・川崎市岡本太郎美術館 「挑む 岡本太郎」 ~7/4
・そごう美術館 「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」 5/15〜
・茅ヶ崎市美術館 「藤田道子 ほどく前提でむすぶ」 ~6/6
・BankArt KAIKO + BankART Temporary 「BankART Under 35 2021」
・平塚市美術館 「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」 ~6/13
・藤沢市アートスペース
・ポーラ美術館 「フジター色彩への旅」 ~9/5
・横須賀美術館 「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 ~6/27
・横浜市民ギャラリーあざみ野
・神奈川県立金沢文庫 「武蔵国鶴見寺尾郷絵図の世界」 ~5/23 予約制
・岩槻人形博物館
・うらわ美術館 「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 4/17~
・角川武蔵野ミュージアム 「《米谷健+ジュリア展》 だから私は救われたい」 ~5/31 予約制
・川口市立アートギャラリー・アトリア 「川口のアート、再発見。」 5/15〜
・川越市立美術館 「人を描く すてきなかたち・すてきなポーズ」 ~6/20
・河鍋暁斎記念美術館 「暁斎鯉つくし―四季の風物とともに―」 5/1~
・原爆の図丸木美術館 「金原寿浩展 海の声」 ~7/11
・埼玉県立近代美術館 「コレクション 4つの水紋」 ~5/16
・埼玉県立歴史と民俗の博物館 「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし」 ~5/16
・さいたま市大宮盆栽美術館 「さいたま国際芸術祭Since2020コラボレーション展 ×須田悦弘・ミヤケマイ早春」 ~5/19
・鉄道博物館 予約制 17時までの短縮開館
・市原市湖畔美術館 「Artists’ Breath―コロナ禍の中、アーティストはいま」 ~6/27
・航空科学博物館
・国立歴史民俗博物館 「特集展示『もの』からみる近世『紀州徳川家伝来の楽器-こと-』」 5/25〜
・佐倉市立美術館 「収蔵作品展 ちばのいろ」 ~5/16
・千葉県立美術館 「第1期コレクション展」 ~5/23
・千葉市美術館 「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」 ~7/4
・成田山書道博物館 「成田山の文化財 書・絵画・工芸」 ~5/17
・ホキ美術館 「STORIES - 永遠の人物画展」 5/21〜 予約制

4月29日より臨時休館していたアーティゾン美術館が、5月15日より条件付きにて開館し、「STEPS AHEAD:Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」を再開します。同館は完全予約制となっていますが、1時間あたりの予約受付数を50名に制限するそうです。


「百花繚乱 ―華麗なる花の世界」を休止していた山種美術館も、5月15日から通常より開館時間を短縮(10時~16時)した上で再開します。この他では太田記念美術館も5月15日より再開され、当初の会期通り16日まで「江戸の敗者」が行われます。その後、5月21日からは「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵 ―朝日智雄コレクション」が開催されます。

以下、東京、神奈川、埼玉、千葉県内の美術館と博物館の開館情報です。(5月13日現在。)



【上野】

・上野の森美術館 4/27~5/11臨時休館 5/12〜関係者のみ入場可
 「第39回上野の森美術館大賞展」 開催中止
 http://www.ueno-mori.org

・国立科学博物館 4/25~5/31臨時休館
 「大地のハンター展」 ~6/13 予約制 休止中
 http://www.kahaku.go.jp

・国立近現代建築資料館 新しい展示を準備中
 http://nama.bunka.go.jp

・国立西洋美術館 館内施設整備のため休館中
 http://www.nmwa.go.jp

・台東区立朝倉彫塑館 4/25~6/4臨時休館
 http://www.taitocity.net/zaidan/asakura/

・東京藝術大学大学美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」 ~5/23 休止中
 https://www.geidai.ac.jp/museum/

・東京国立博物館 4/25~当面の間臨時休館
 「国宝 鳥獣戯画のすべて」 ~5/30 予約制 休止中
 http://www.tnm.jp

・東京都美術館 4/25~5/31臨時休館
 「イサム・ノグチ 発見の道」 ~8/29 予約制 休止中
 http://www.tobikan.jp

・弥生美術館・竹久夢二美術館 4/26~当面の間臨時休館
 「田渕由美子展/夢二デザイン1910~1930」 ~6/27 予約制 休止中(会期延長)
 http://www.yayoi-yumeji-museum.jp



【丸の内・京橋・日本橋・新橋】

・アーティゾン美術館 4/29~5/9臨時休館 5/15〜条件付きにて再開(1時間あたりの予約数を50名に制限)
 「STEPS AHEAD:Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 ~9/5 予約制 5/15~再開
 https://www.artizon.museum

・相田みつを美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「みつをが遺したもの I 自分の言葉・自分の書」 ~6/20 休止中
 http://www.mitsuo.co.jp/museum/

・出光美術館 4/27~当面の間臨時休館
 「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 ~5/30 予約制 休止中
 http://idemitsu-museum.or.jp

・国立映画アーカイブ 4/25~当面の間臨時休館
 「創刊75周年記念 SCREENを飾ったハリウッド・スターたち」 ~7/18 休止中
 https://www.nfaj.go.jp

・東京国立近代美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「あやしい絵展」 ~5/16 予約制(当日券の販売もあり) 展示中止
 http://www.momat.go.jp

・三の丸尚蔵館 休館中
 https://www.kunaicho.go.jp/event/sannomaru/sannomaru.html

・東京ステーションギャラリー 4/27~当面の間臨時休館
 「コレクター福富太郎の眼」 ~6/27 予約制 4/27~休止 
 http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

・パナソニック汐留ミュージアム 4/28~当面の間臨時休館
 「クールベと海 展―フランス近代 自然へのまなざし」 ~6/13 予約制 4/28~休止
 https://panasonic.co.jp/es/museum/

・三井記念美術館 5/1~5/31臨時休館
 「茶箱と茶籠」 5/1~ 開催延期
 http://www.mitsui-museum.jp

・三菱一号館美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 ~5/30 予約制(当日券の販売もあり) 休止中
 http://mimt.jp

・ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 開館中
 「南桂子生誕110年記念 蝶の行方展」 ~8/9 *電話での予約制
 https://www.yamasa.com/musee/



【表参道・青山】

・太田記念美術館 4/25~当面の間臨時休館 5/15〜再開
 「江戸の敗者たち」 ~5/16 *オンラインでも展覧会を開催
 「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵 ―朝日智雄コレクション」 5/21〜
 http://www.ukiyoe-ota-muse.jp

・岡本太郎記念館 開館中
 「暮らしのなかの芸術」  ~7/11
 http://www.taro-okamoto.or.jp

・根津美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「国宝燕子花図屏風 色彩の誘惑」 ~5/16 予約制 展示中止
 「茶入と茶碗 『大正名器鑑』の世界」 5/29〜予定 予約制
 http://www.nezu-muse.or.jp

・ワタリウム美術館 開館中
 「まちへ出よう展」 ~6/6 *4/25~予約制(電話orメール)
 http://www.watarium.co.jp



【新宿・渋谷】

・NTTインターコミュニケーション・センター 〜5/31臨時休館
 http://www.ntticc.or.jp/ja/

・草間彌生美術館 4/29~6/2臨時休館
 「神秘と象徴の中間:草間彌生のモノクロー」 ~12/26 予約制 休止中
 https://yayoikusamamuseum.jp

・國學院大學博物館 4/25~5/31は学生等利用を主目的とする開館
 「縄文早期の居家以人骨と岩陰遺跡」 ~5/8
 http://museum.kokugakuin.ac.jp

・渋谷区立松濤美術館 4/27~5/31臨時休館
 「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」 ~6/20 土日祝は予約制 休止中
 http://www.shoto-museum.jp

・東京オペラシティ アートギャラリー 4/25~当面の間臨時休館
 「ストーリーはいつも不完全…色を想像する ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」 ~6/20 休止中
 https://www.operacity.jp/ag/

・中村屋サロン美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「布施知子展 折り紙、その向こうへ」 ~6/20 休止中 会期延長
 https://www.nakamuraya.co.jp/museum/

・文化学園服飾博物館 展示替えのため休館
 「Dreams - to be continued - 髙田賢三回顧展」 5/21~
 http://museum.bunka.ac.jp

・Bunkamura ザ・ミュージアム 4/25~当面の間臨時休館
 「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」 ~6/27 休止中
 http://www.bunkamura.co.jp/museum/

・SOMPO美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「モンドリアン展」 ~6/6 予約制 休止中
 https://www.sompo-museum.org



【六本木・虎ノ門】

・大倉集古館 4/27~当面の間臨時休館
 「彩られた紙―料紙装飾の世界」 ~6/6 休止中
 https://www.shukokan.org

・菊池寛実記念 智美術館 4/25~5/31臨時休館
 「三輪龍氣生の陶 命蠢く」 ~8/14 休止中
 http://www.musee-tomo.or.jp

・国立新美術館 4/25~当面の間臨時休館 
 「佐藤可士和展」 ~5/10 予約制 4/24にて展示中止
 「ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会」 6/9〜
 http://www.nact.jp

・21_21 DESIGN SIGHT 4/25~6/1臨時休館
 「トランスレーションズ展」 ~6/13
 http://www.2121designsight.jp

・森アーツセンターギャラリー 5/12〜展示再開
 「僕のヒーローアカデミア展」 ~6/27 予約制
 https://macg.roppongihills.com/jp/

・森美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力」 ~9/26 予約制 休止中
 https://www.mori.art.museum/jp/

・サントリー美術館 4/25~5/31臨時休館
 「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」 ~6/27 休止中
 https://www.suntory.co.jp/sma/

・泉屋博古館分館 改修工事のため休館中
 https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/



【恵比寿・白金・目黒・品川・台場】

・アクセサリーミュージアム 4/25~当面の間臨時休館
 「IN~ハンドバッグとその中身~」 ~8/21 休止中
 http://acce-museum.main.jp

・WHAT(建築倉庫ミュージアム) 4/25~当面の間臨時休館
 「謳う建築」 ~5/30 予約制 休止中
 https://archi-depot.com

・東京都写真美術館 4/25~5/31臨時休館
 「白川義員写真展/澤田知子 狐の嫁いり」 ~5/9 4/24にて展示中止
 「新・晴れた日 篠山紀信」 5/18〜 開幕延期
 http://topmuseum.jp

・日本科学未来館 4/25~5/31臨時休館 
 http://www.miraikan.jst.go.jp

・日本民藝館 開館中 5/15〜当面の間西館の公開を中止
 「改修記念 名品展 I ―朝鮮陶磁・木喰仏・沖縄染織などを一堂に」 ~6/27
 http://www.mingeikan.or.jp

・山種美術館 4/27~5/14臨時休館 5/15〜再開
 「百花繚乱 ―華麗なる花の世界」 ~6/27 予約制(当日券の販売もあり) 5/15〜再開 10時~16時の短縮開館
 http://www.yamatane-museum.jp

・東京都庭園美術館 4/25~5/31臨時休館
 「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩]」 ~6/13 休止中
 http://www.teien-art-museum.ne.jp

・目黒区美術館 4/25~5/31臨時休館
 「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 ~6/6 休止中
 http://mmat.jp

・畠山記念館 施設改築工事のため休館中
 http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/

・松岡美術館 所蔵作品の修復調査、設備点検のため休館中
 http://www.matsuoka-museum.jp



【両国・清澄白河・駒込】

・江戸東京博物館 4/25~5/31臨時休館
 「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 ~6/20 休止中
 https://www.edo-tokyo-museum.or.jp

・すみだ北斎美術館 4/25~5/31臨時休館
 「しりあがりサン北斎サン -クスッと笑えるSHOW TIME!」 ~6/27 休止中
 http://hokusai-museum.jp

・たばこと塩の博物館 4/25~当面の間臨時休館
 「ミティラー美術館コレクション展」 ~5/16 休止中
 https://www.jti.co.jp/Culture/museum/index.html

・東京都現代美術館 4/25~5/31臨時休館 
 「ライゾマティクス_マルティプレックス/マーク・マンダース」 ~6/20 予約制(当日券あり) 休止中
 「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展」 ~6/20 休止中
 「MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す」 ~6/20 休止中
 http://www.mot-art-museum.jp

・刀剣博物館 4/25~5/31臨時休館
 「日本刀の見方-パートⅢ 刃文」 ~7/11 休止中
 https://www.touken.or.jp/museum/
 
・東洋文庫ミュージアム 4/26~5/31臨時休館
 「大清帝国展 完全版」 ~5/16 展示中止
 「江戸から東京へ-地図にみる都市の歴史」 5/26〜 開幕延期
 http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/



【池袋・目白・板橋・練馬】

・板橋区立美術館 4/26~5/31臨時休館
 「さまよえる絵筆ー東京・京都 戦時下の前衛画家たち」 ~5/23 休止中
 http://www.itabashiartmuseum.jp

・古代オリエント博物館 4/25~当面の間臨時休館
 http://aom-tokyo.com

・ちひろ美術館・東京 4/25~当面の間臨時休館
 「没後1年 田畑精一『おしいれのぼうけん』展」 ~6/13 休止中
 https://chihiro.jp/tokyo/

・練馬区立美術館 4/25~5/31臨時休館
 「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」 5/12~ 開幕延期
 https://www.neribun.or.jp/museum.html

・永青文庫 4/25~5/31臨時休館
 「心のふるさと良寛 Ⅱ」 ~7/4 休止中
 http://www.eiseibunko.com

・講談社 野間記念館 建て替えのため休館中
 http://www.nomamuseum.kodansha.co.jp



【世田谷】

・五島美術館 4/25~5/31臨時休館
 「近代の日本画展」 6/1~
 http://www.gotoh-museum.or.jp

・静嘉堂文庫美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「旅立ちの美術」 ~6/6 休止中
 http://www.seikado.or.jp

・世田谷美術館 4/25~5/31臨時休館
 「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 ~6/20 予約制 休止中
 https://www.setagayaartmuseum.or.jp

・世田谷文学館 4/25~5/31臨時休館
 「イラストレーター 安西水丸展」 ~8/31 休止中
 https://www.setabun.or.jp
 


【武蔵野・多摩】

・たましん美術館 4/25~5/31臨時休館
 「足跡Vol.2~所蔵品と新作から見える多摩の美術~」 5/1~ 開幕延期
 https://www.tamashinmuseum.org

・東京富士美術館 4/25~5/31臨時休館
 「絵画のドレス|ドレスの絵画」 ~5/9 展示中止
 http://www.fujibi.or.jp

・八王子夢美術館 4/26~5/31臨時休館
 「世界が絶賛した浮世絵師 北斎展」 ~6/6 休止中
 http://www.yumebi.com

・府中市美術館 4/25~5/31臨時休館
 「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」 ~5/9 4/24にて展示中止
 「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 5/22〜 開幕延期
 https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

・町田市立国際版画美術館 4/25~5/31臨時休館
 「#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで」 ~6/27 休止中
 http://hanga-museum.jp

・三鷹市市民ギャラリー 4/25~5/31臨時休館
 http://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/

・武蔵野市立吉祥寺美術館 4/25~当面の間臨時休館
 「谷充央 風景の表/裏」 ~5/30 休止中
 http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/

・武蔵野美術大学美術館 4/26~学内限定開催
 「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 ~6/20
 https://mauml.musabi.ac.jp/museum/

・多摩美術大学大学美術館 開館中
 「現代日本画の系譜-タマビDNA展」 ~6/20
 http://www.tamabi.ac.jp/museum/

・PLAY!MUSEUM 4/26~当面の間臨時休館
 「みみをすますように 酒井駒子展」 ~7/4 休止中
 https://play2020.jp



【神奈川県】

・馬の博物館 4/27~当面の間臨時休館
 「馬(馬具)に由来する種目と馬術競技」 ~6/20 休止中
 http://www.bajibunka.jrao.ne.jp/uma/

・岡田美術館 開館中
 「東西の日本画 大観・春草・松園など」 ~9/26
 http://www.okada-museum.com

・神奈川県民ホールギャラリー 開館中
 「對木裕里展 手のたび では いっておいで」 5/26~
 http://www.kanakengallery.com

・神奈川県立近代美術館葉山館 開館中
 「空間の中のフォルム―アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで」 ~9/5 予約制
 http://www.moma.pref.kanagawa.jp

・神奈川県立歴史博物館 開館中
 「錦絵にみる明治時代-丹波コレクションが語る近代ニッポンー」 ~6/20 予約制
 http://ch.kanagawa-museum.jp

・鎌倉文華館鶴岡ミュージアム 開館中
 「鶴岡八幡宮鎌倉彫名品展」 ~5/16
 https://tsurugaokamuseum.jp

・川崎浮世絵ギャラリー 開館中
 「川瀬巴水と新版画」 5/15〜
 https://ukiyo-e.gallery

・川崎市岡本太郎美術館 開館中
 「挑む 岡本太郎」 ~7/4
 http://www.taromuseum.jp/

・そごう美術館 開館中
 「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」 5/15〜
 https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/

・茅ヶ崎市美術館 開館中
 「藤田道子 ほどく前提でむすぶ」 ~6/6
 http://www.chigasaki-museum.jp

・BankArt KAIKO + BankART Temporary 開館中
 「BankART Under 35 2021」
 http://www.bankart1929.com

・平塚市美術館 開館中
 「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」 ~6/13
 http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/

・藤沢市アートスペース 開館中
 http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bunka/FAS

・ポーラ美術館 開館中
 「フジター色彩への旅」 ~9/5
 http://www.polamuseum.or.jp

・横須賀美術館 開館中
 「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 ~6/27
 http://www.yokosuka-moa.jp

・横浜市民ギャラリーあざみ野 開館中
 https://artazamino.jp

・横浜美術館 大規模改修工事のため休館中
 http://yokohama.art.museum

・神奈川県立金沢文庫 開館中
 「武蔵国鶴見寺尾郷絵図の世界」 ~5/23 予約制
 「江戸時代の称名寺」 5/28〜 予約制(予定)
 https://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

・神奈川県立近代美術館鎌倉別館 改修のため休館中
 http://www.moma.pref.kanagawa.jp/annex

・川崎市市民ミュージアム 令和元年東日本台風の浸水被害により休館中
 https://www.kawasaki-museum.jp



【埼玉県】

・岩槻人形博物館 開館中
 https://ningyo-muse.jp

・うらわ美術館 開館中
 「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 4/17~
 http://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/index.html

・角川武蔵野ミュージアム 開館中
 「《米谷健+ジュリア展》 だから私は救われたい」 ~5/31 予約制
 https://kadcul.com

・川口市立アートギャラリー・アトリア 開館中
 「川口のアート、再発見。」 5/15〜
 http://www.atlia.jp

・川越市立美術館 開館中
 「人を描く すてきなかたち・すてきなポーズ」 ~6/20
 https://www.city.kawagoe.saitama.jp/artmuseum/

・河鍋暁斎記念美術館 開館中
 「暁斎鯉つくし―四季の風物とともに―」 5/1~
 http://kyosai-museum.jp/hp/top.html

・原爆の図丸木美術館 開館中
 「金原寿浩展 海の声」 ~7/11
 https://marukigallery.jp

・埼玉県立近代美術館 開館中
 「コレクション 4つの水紋」 ~5/16
 http://www.pref.spec.ed.jp/momas/

・埼玉県立歴史と民俗の博物館 開館中
 「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし」 ~5/16
 http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp

・さいたま市大宮盆栽美術館 開館中
 「さいたま国際芸術祭Since2020コラボレーション展 ×須田悦弘・ミヤケマイ早春」 ~5/19
 https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/

・鉄道博物館 開館中 予約制 17時までの短縮開館
 http://www.railway-museum.jp



【千葉県】

・市原市湖畔美術館 開館中
 「Artists’ Breath―コロナ禍の中、アーティストはいま」 ~6/27
 http://lsm-ichihara.jp/

・航空科学博物館 開館中
 http://www.aeromuseum.or.jp

・国立歴史民俗博物館 開館中
 「特集展示『もの』からみる近世『紀州徳川家伝来の楽器-こと-』」 5/25〜
 https://www.rekihaku.ac.jp

・佐倉市立美術館 開館中
 「収蔵作品展 ちばのいろ」 ~5/16
 http://www.city.sakura.lg.jp/sakura/museum/

・千葉県立美術館 開館中
 「第1期コレクション展」 ~5/23
 https://www.chiba-muse.or.jp/ART/

・千葉市美術館 開館中
 「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」 ~7/4
 http://www.ccma-net.jp

・DIC川村記念美術館 改修工事のため休館中(7/2まで)
 http://kawamura-museum.dic.co.jp

・成田山書道博物館 開館中
 「成田山の文化財 書・絵画・工芸」 ~5/17
 「日本の書 1964×2021」 5/22〜
 http://www.naritashodo.jp

・ホキ美術館 開館中
 「ホキ美術館ベストコレクション展」 ~5/16 予約制
 「STORIES - 永遠の人物画展」 5/21〜 予約制
 https://www.hoki-museum.jp

率直なところ、去年の5月の段階で来年、つまり今年も美術館や博物館が臨時休館に追い込まれるとは想像もつきませんでしたが、緊急事態宣言の度重なる発出や延長など、状況は依然として流動的です。最新の開館情報は各美術館のウェブサイトをご覧ください。
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「田原桂一 表現者たち-白の美術館」 ポーラ ミュージアム アネックス

ポーラ ミュージアム アネックス
「田原桂一 表現者たち-白の美術館」
2021/4/28~5/30



ポーラ ミュージアム アネックスで開催中の「田原桂一 表現者たち-白の美術館」を見てきました。

「光」をテーマに作品を制作してきた写真家の田原桂一は、長らくパリを拠点に活動を続け、ヨーロッパの古い彫刻の写真を石などに焼き付けた「トルソー」などのシリーズで人気を博しました。


「ポートレート」シリーズ 展示風景

その田原のポートレート表現に注目したのが「田原桂一 表現者たち-白の美術館」で、1970年代後半から10年に渡って世界的な巨匠を撮影した連作と、近年テレビ番組の「白の美術館」にて出演者を撮り下ろした作品が展示されていました。


アンドレ・マッソン 撮影年:1981年

まず最初の黒に統一された空間に並んでいたのが、画家のアンドレ・マッソンや美術家のヨーゼフ・ボイス、それにクリスチャン・ボルタンスキーなどを写した「ポートレート」シリーズでした。


ピエール・クロソウスキー 撮影年:1982年

その多くは2枚対になるように展示されていて、じっと前を向いているだけでなく、部屋のベットで横たわっていたり、鏡を覗き込んでいるなど、様々な様子を捉えていました。


クリスチャン・ボルタンスキー 撮影年:1979年

2019年に国立新美術館などで開催された個展の記憶も新しい、クリスチャン・ボルタンスキーの写真も興味深いかもしれません。1979年の若かりしき姿を写していて、何やら窓の外で照れ笑いを見せているような表情が印象に残りました。



こうした「ポートレート」シリーズからカーテンをくぐり抜けると、一転しての白く明るい空間に展示されていたのが「白の美術館」での写真でした。


「白の美術館」 展示風景

「白の美術館」とは、株式会社ポーラの提供によりテレビ朝日にて放送されている番組で、田原は企画段階から携わると、2017年の放送開始直後に出演したデザイナーや俳優、それに指揮者といった表現者と呼ばれる人々を撮影しました。


山本耀司

会場には山本耀司や小松美羽、森山未來を捉えた写真が続いていて、先の「ポートレート」シリーズと同様に、2枚合わせて展示されていました。


宮田まゆみ

一連の「白の美術館」で心に留まったのは、人物そのものよりも、耳や手といった身体の一部のみを切り取るように写した作品でした。例えば笙演者の宮田まゆみでは耳が写されていましたが、あたかも自ら発光するように白く輝いて、それ自体が石の彫刻のようにも見えました。



また深い皺の刻まれた山本耀司の手も重みがあったのではないでしょうか。年月や努力を重ねて切り開いた1つの到達点が身体へ滲み出ているいるかのようでした。


田原桂一「self portrait」 2004年

「写真はその人の姿だけでなく心の中をも切り取る。写真は彼らが見つめている未来さえも映し出す」 田原桂一 *会場内より


新型コロナウイルス感染症対策に伴う緊急事態宣言を受け、事前予約制が導入されました。前もって専用サイトで入場日時を指定する必要があります。



5月30日まで開催されています。

「田原桂一 表現者たち-白の美術館」 ポーラ ミュージアム アネックス@POLA_ANNEX
会期:2021年4月28日(水)~5月30日(日)
休館:会期中無休。
料金:無料
時間:11:00~18:40 
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
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「コレクション 4つの水紋」 埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館
「コレクション 4つの水紋」
2021/3/23~5/16



埼玉県立近代美術館で開催中の「コレクション 4つの水紋」を見てきました。

1982年、北浦和公園内に開館した埼玉県立近代美術館は、印象派以降の西洋絵画と埼玉県ゆかりの作家の作品などを中心に収集を続け、企画展や常設展などで広く公開してきました。

そのコレクションの一端を4名の作家を起点に紹介するのが「コレクション 4つの水紋」で、西洋画や日本画、あるいは現代美術の作家の作品、約130点が展示されていました。


ポール・シニャック「アニエールの河岸」 1885年

まず最初の起点となったのが、近年に収蔵されたポール・シニャックの「アニエールの河岸」でした。パリ北西部の街の景色を暖色を基調とした淡い色彩により描いていて、印象派の影響を伺わせるものの、水面などには後の画風を予兆させる細かな点描のような筆触も見られました。


跡見泰「石川島」 1930(昭和5)年

そしてこの「アニエールの河岸」からピックアップされたのが、水辺の景色と点描表現による作品でした。


モーリス・ドニ「トレストリニェルの岩場」 1920年

今回の展覧会で面白いのは、西洋と東洋、あるいは古典や現代を区別せず、それぞれのテーマから作品を並べていることで、例えば水の景色では跡見泰の「石川島」や森田恒友の「着船」とともに、モーリス・ドニの「トレストリニェルの岩場」などが展示されていました。


左:難波田龍起「水のある街」 1969(昭和44)年 ほか
右:難波田史男「湖の孤独」 1970(昭和45)年

また抽象表現とも受け取れる難波田龍起の「水のある街」や、湖上に一人で船を寂しく浮かべた光景を描いたような難波田史男の「湖の孤独」といった、難波田父子の作品も見どころだったかもしれません。


右:速水御舟「夏の丹波路」 1915(大正4)年
左手前:斎藤豊作「初冬の朝」 1914(大正3)年

さらに点描においても、里山を緑色の斑点で表した速水御舟の「夏の丹波路」と一緒に、網目状の点でモネの絵画を引用したロイ・リキテンスタインの「積みわら7」が並んでいて、洋の東西を超えた作品の邂逅に見入るものがありました。


奥原晴湖「秋景山水図」

続く2人目の作家として登場したのが、幕末から明治初期にかけて水墨山水画を描き、後半生を熊谷で過ごした埼玉ゆかりの南画家、奥原晴海でした。ここでは奥原の水墨画とともに、南画に特徴的な絵画と言葉が親密な関係にある作品などが合わせて並んでいました。


奥原晴湖「仙境群鶴」 1905(明治38)年

「仙境群鶴」は奥原が南画とともに得意としていた花鳥画の優品で、桃や薔薇、松などを背景に純白の羽をつけた鶴が集う光景を、極めて鮮やかでかつ艶やかな色彩で描いていました。


佐伯祐三「門と広告」 1925(大正14)年

また絵と言葉の観点から取り上げられた佐伯祐三の「門と広告」も魅惑的な作品ではないでしょうか。パリで住んでいたリュ・デュ・シャトーの街角の門に貼られたポスターを描いていて、それぞれに素早い筆致による文字らしき線がリズミカルに刻まれていました。


重村三雄「立ち話」 1993(平成5)年

奄美大島に生まれ、埼玉で没した彫刻家、重村三雄も、今回の展覧会のキーパーソンの1人でした。ここでは犬の散歩といった日常的な光景を表した重村の「立ち話」をはじめ、橋本真之の「作品115 運動膜(内的な水辺)」などの重厚な彫刻が目立っていました。

さて「コレクション 4つの水紋」にて私が最も魅力的に感じたのが、シャルロット・ペリアンによる椅子を中心としたデザインの展示でした。


「椅子の美術館より」 シャルロット・ペリアン 展示風景

そもそも埼玉県立近代美術館は「椅子の美術館」と呼ばれるほどモダンデザインによる椅子をコレクションしていて、館内では自由に座りながら鑑賞する場も設けてきました。


「椅子の美術館より」 シャルロット・ペリアン 展示風景

会場ではシャルロット・ペリアンをはじめ、柳宗理や剣持勇の椅子ともに、ペリアンと親交のあったレジェや室内装飾に用いていたミロのタペストリーなどが並んでいて、多様なデザインを楽しむことができました。


手前:ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン「LC4 シェーズロング」 デザイン:1928年 製品化:1930年
右:レオナール・フジタ「横たわる裸婦と猫」 1931(昭和6)年

また横になる椅子から横たわる動作に着目し、フジタの「横たわる裸婦」や古賀春江の「コンポジション」などが並ぶ展示も面白いのではないでしょうか。いずれも展覧会のハイライトを築き上げていました。


クロード・モネ「ジヴェルニーの積みわら、夕日」 1888〜1889年

4月27日より後期展示に入りました。前期より一部作品が展示替えが行われましたが、以降、会期末までの入れ替えはありません。


古賀春江「コンポジション」 1930(昭和5)年頃

予約は不要です。入場時に検温と手指の消毒の他、連絡先などを記した入館者カードを提出する必要があります。


ヴェルナー・パントン「パントンチェア」 デザイン:1959〜1960年 製品化:1968年

一部を除き、会場内と作品の撮影が可能でした。


5月16日まで開催されています。

「コレクション 4つの水紋」 埼玉県立近代美術館@momas_kouhou
会期:2021年3月23日 (火) ~5月16日 (日)
休館:月曜日。但し5月3日は開館。
時間:10:00~17:30 
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000(800)円 、大高生800(640)円、中学生以下は無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *MOMASコレクション(常設展)も観覧可。
住所:さいたま市浦和区常盤9-30-1
交通:JR線北浦和駅西口より徒歩5分。北浦和公園内。
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「青木野枝 Mesocyclone」 ANOMALY

ANOMALY
「青木野枝 Mesocyclone」
2021/4/17~6/5



ANOMALYで開催中の「青木野枝 Mesocyclone」を見てきました。

1958年に東京で生まれ、工業用の鉄を使った作品で知られる青木野枝は、全国各地の芸術祭に参加するだけでなく、近年も府中市美術館にて展示を開くなどして多様に活動してきました。

その青木のANOMALYでの初めて個展が「Mesocyclone」で、タイトルに付けられた巨大な鉄のインスタレーションが空間の全てを支配するかのように展開していました。



ともかく目に飛び込んできたのは、コンクリート剥き出しの床の上から天井へと曲線を描くように連なる鉄のリングの群れで、まるで水流が激しく乱れながら自在に動くように広がっていました。



「Mesocyclone」とは気象用語で低気圧の循環構造などを意味していて、青木が思いを馳せるという世界に循環する水の一様を表していました。その上昇しては下降し、空間へ渦を巻くリングには、正面も後ろもなく、全てが連動しては結ばれているかのようでした。



本来的に重い素材である鉄が、あたかも軽みを見せるように繋がっているのも特徴で、1つ1つのリングが水の泡などを思い起こさせるものがありました。



しかしながら表面には溶断された跡が傷のように残っていて、荒々しく生々しい表情を見せていました。またリングの重なり合う溶接面にも力強さ、あるいは緊張感が感じられたのではないでしょうか。



しばらく全体を眺めていると、例えば空気や炎の柱が渦巻いているようにも思えて、無機的なはずの鉄からは想像もつかないイメージが頭に浮かんできました。鉄や塊のある彫刻という概念を解き放ち、空間全体へ新たな世界を築き上げるのも青木の制作の大きな魅力かもしれません。



この「Mesocyclone」とは別のスペースでは、鉄の「霧と山」や石鹸を用いた「立山」のほか、メゾチントによる平面の作品なども展示されていて、青木の近年の制作を追うことができました。



なお過去の府中での展示同様、恒久的に設置される場合を除くと、会期終了後に作品は解体されます。その意味では「Mesocyclone」も、ANOMALYでは最初で最後の展示となります。



予約は不要です。当初の会期が延長されました。6月5日まで開催されています。

「青木野枝 Mesocyclone」 ANOMALY@ANOMALYtokyo
会期:2021年4月17日 (土) ~6月5日 (土)
休廊:日、月、祝祭日
時間:11:00~18:00。
料金:無料
住所:品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
交通:東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩約8分。東京モノレール羽田空港線天王洲アイル駅中央口より徒歩約11分。京浜急行線新馬場駅より徒歩12分。
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2021年5月に見たい展覧会【川瀬巴水展/イサム・ノグチ/近代日本洋画の名作選展】 

4月末に発出された新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言によって、現在、東京を中心に多くの美術館と博物館が臨時休館しています。少なくとも首都圏では昨年と同様、いわゆるステイホームのゴールデンウィークを迎えました。



新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十二報(4月30日、一部情報更新。)

宣言の発出期間は5月11日までとされているものの、同日に解除される見通しは極めて不透明です。しかしながらここでは仮に5月半ばまでに解除され、美術館が再開するとして、見に行きたい展覧会をリストアップしてみました。

【展覧会】

・「さまよえる絵筆―東京・京都 戦時下の前衛画家たち」 板橋区立美術館(3/27~5/23)
・「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 出光美術館(4/13~5/23)
・「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった」 ワタリウム美術館(2/7~6/6)
・「藤田道子 ほどく前提でむすぶ」 茅ヶ崎市美術館(4/3~6/6)
・「彩られた紙―料紙装飾の世界」 大倉集古館(4/6~6/6)
・「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 目黒区美術館(4/21~6/6)
・「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」 パナソニック汐留美術館(4/10~6/13)
・「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」 平塚市美術館(4/24~6/13)
・「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩」 東京都庭園美術館(4/24~6/13)
・「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 世田谷美術館(3/20~6/20)
・「現代日本画の系譜-タマビDNA展」 多摩美術大学美術館(4/3~6/20)
・「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 武蔵野美術大学美術館(4/5~6/20)
・「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアンガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティ アートギャラリー(4/17~6/20)
・「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 うらわ美術館(4/17~6/20)
・「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 江戸東京博物館(4/24~6/20)
・「百花繚乱―華麗なる花の世界―」 山種美術館(4/10~6/27)
・「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(4/16~6/27)
・「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 横須賀美術館(4/24~6/27)
・「茶箱と茶籠」 三井記念美術館(5/1~6/27)
・「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」 そごう美術館(5/15~7/4)
・「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 府中市美術館(5/22~7/11)
・「新・晴れた日 篠山紀信」 東京都写真美術館(5/18~8/15)
・「イサム・ノグチ 発見の道」 東京都美術館(4/24~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「フジタ―色彩への旅」 ポーラ美術館(4/17~9/5)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)

【ギャラリー】

・「青木野枝個展 Mesocyclone」 ANOMALY(4/17~5/22)
・「TDC 2021」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/1~5/29)
・「田原桂一 表現者たち -白の美術館」 ポーラ ミュージアム アネックス(4/28~5/30)
・「野田裕示 100の庭」 ザ・ギンザ スペース(5/10~5/30)
・「オリガミ・アーキテクチャー 一枚の紙から世界の近現代建築を折る」 ギャラリーA4(4/9~6/3)
・「MIROIRS – Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」 シャネル・ネクサス・ホール(4/28~6/6)
・「JAGDA新人賞展2021 加瀬透・川尻竜一・窪田新」 クリエイションギャラリーG8(5/11~6/16)
・「菅木志雄 集められた<中間>」 小山登美夫ギャラリー(5/22~6/19)
・「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 メゾンエルメス(4/23~7/18)

まずは日本美術からです。大正から昭和にかけて活動した版画家、川瀬巴水の展覧会が、平塚市美術館にて開催されています。



「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」@平塚市美術館(4/24~6/13)


これは人気の風景版画だけでなく、本の装丁や雑誌の表紙などを網羅した荒井寿一の巴水コレクションを紹介するもので、資料を含めると約270点超の作品が展示されます。巴水に関しては今秋にもSOMPO美術館で回顧展が控えていますが、先取りして見ておきたい内容と言えるかもしれません。

続いては東京都美術館です。「イサム・ノグチ 発見の道」が開かれています。



「イサム・ノグチ 発見の道」@東京都美術館(4/24~8/29)

アメリカ生まれの彫刻家のイサム・ノグチは、後年に香川県高松市の牟礼町にアトリエを構えると、拠点としていたニューヨークと行き来しながら多様な制作に取り組んでいました。


その牟礼に残された彫刻群が東京へやって来たのが「イサム・ノグチ 発見の道」で、国内外の彫刻、及び「あかり」によるインスタレーションなどが展示されます。なお牟礼の一連の石彫が同所以外でまとめて公開されたのは、1999年のイサム・ノグチ庭園美術館開館以降、初めてのことになります。

同展は既に4月24日に開幕したものの、緊急事態宣言の発出を受けて、僅か開催1日後の25日に臨時休館となってしまいました。再開を心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。

ラストは近代日本洋画の展覧会です。横浜のそごう美術館にて「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」が行われます。



「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」@そごう美術館(5/15~7/4)

1978年、広島銀行によつて設立されたひろしま美術館には、印象派を中心とするフランス近代絵画と日本の洋画や日本画がコレクションされ、多くの人々の目を楽しませてきました。


今回のコレクション展では日本の洋画に着目し、藤島武二、青木繁、それに佐伯祐三や鴨居玲などの約70点が絵画が公開されます。私も過去、一度ひろしま美術館を訪ねたことがありますが、優品揃いで大変に心を惹かれました。また改めて横浜の地でじっくり見入りたいと思います。

それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
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「緊急企画!GWはおうちで美術館を楽しもう」 山種美術館

新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言の発出により、4月27日から臨時休館中の山種美術館が、ゴールデンウィーク中にオンラインで楽しめる「緊急企画!GWはおうちで美術館を楽しもう」を開催します。

「緊急企画!GWはおうちで美術館を楽しもう」
https://www.yamatane-museum.jp/2021/04/post-460.html

主なコンテンツは4つです。まず5月8日(土)には「おうちで特別な時間を―山﨑妙子館長による特別解説『ようこそ山種美術館へ!』」と題して、山﨑館長自らが美術館をガイドし、休止中の「百花繚乱展」を解説するツアーをオンラインで実施します。



【おうちで特別な時間を―山﨑妙子館長による特別解説「ようこそ山種美術館へ!」】
概要:今年開館55周年を迎える山種美術館のなりたちから、コレクションの特色や所蔵の名品まで、当館の魅力をたっぷりとご紹介します。
※当日の参加が難しい場合は録画した動画のアーカイブ配信も利用可能。
※本イベントはZoomウェビナーを使用して実施。
日時:5月8日(土) 14:00~15:30
参加費:1500円
定員:100名
申込方法 : Peatixにて受付→https://yamatanegw202101.peatix.com

2つ目の「ガイド付き『百花繚乱展』オンラインツアー」では、特任研究員の三戸信惠さんがガイド役を務め、展示室内の動画や作品のスライドを交えながら同展をオンラインにて紹介します。またZoomミーティングルームを利用するため、質問タイムも設けられます。



【ガイド付き「百花繚乱」展オンラインツアー】
概要:Zoomミーティングルームにお客様をお迎えし、動画や作品のスライド画像を交えながら「百花繚乱―華麗なる花の世界―」をご案内するオンラインツアーです。特任研究員の三戸信惠がガイドとなり、展示作品とともに、花の絵の歴史や見方などもご紹介します。
日時 : 5月2日(日) 14:00~15:30/20:00~21:30、5月5日(水・祝) 14:00~15:30/20:00~21:30   
参加費 : ツアーのみ 1500円、図録「山種コレクション 花の絵画 名品集 Flower」付き 3000円
※ツアー参加のみのチケットと、花の名画を収録した図録「山種コレクション 花の絵画 名品集 Flower」とセットになったチケットの2種を用意。
※図録はイベント終了後に随時発送。
定員 : 各回50名
申込方法 : Peatixにて受付→https://yamatanegw202102.peatix.com

オンラインツアーでは参加者に展示作品リスト(PDF)をデータで配布する他、展示室内で撮影可となっている荒木十畝《四季花鳥》の作品画像(JPEG)も配布されます。ゴールデンウィーク中、2日と5日の昼と夜の計4回行われるのも嬉しいポイントで、自宅にいながら、まるで実際の展示室内で鑑賞しているような気分を味わえるかもしれません。

3つ目は同館のグッズの詰め合わせ販売、及び図録セールで、山種美術館のオンライン専用サイトより購入することができます。



【グッズ詰め合わせ限定販売+図録セール】
概要:当館のオンライン購入サイトでは、美術館再開までの期間限定で、イベントに関連した図録2種(「開館50周年記念 山種美術館 近代日本画名品選100」/「山種コレクション 花の絵画 名品集 Flower」)が5%OFFになる特別セールを実施。
山種美術館オンライン購入サイト→https://yamatane-museum.myshopify.com/

同セールでは図録2種(「開館50周年記念 山種美術館 近代日本画名品選100」/「山種コレクション 花の絵画 名品集 Flower」)が5%OFFになる他、購入代金が2000円以上の場合、送料が無料となります。また新たなオリジナルグッズセットやTシャツなども数量限定にて購入できるようになりました。センスと質の良いグッズで定評のある山種美術館だけに、改めてチェックしておきたいところではないでしょうか。

ラストは「百花繚乱展」の担当学芸員である山本由梨さんによるオンラインギャラリートークで、美術館の公式YouTubeへ5月初旬に公開されます。



【気軽に展覧会を楽しもう―担当学芸員によるギャラリートーク】
概要:「百花繚乱―華麗なる花の世界―」の担当学芸員・山本由梨によるオンラインギャラリートークを公式YouTubeで5月初旬に公開します。
※5月初旬公開予定。約10分。
山種美術館公式YouTube→https://www.youtube.com/user/yamatanemuseum

ギャラリートーク動画は約10分間です。観覧に料金はかかりません。展覧会の魅力を凝縮したような内容になりそうです。



いわゆるコロナ禍において、これまでにも山種美術館では図録の通販サービスをはじめ、塗り絵などを楽しめる「おうちで日本画」や展覧会の講演会をオンラインで配信するなど、様々な取り組みを行ってきました。また昨年にはクラウドファンディングも実施され、当初の目標を大幅に上回る寄付金額を達成しました。


ゴールデンウィーク中にステイホームが呼び掛けられる中、来るべき再開を心待ちにしながら、オンラインにて展覧会を楽しむのも良いかもしれません。

なお山﨑館長と三戸さんのオンラインツアーは、それぞれ定員制、先着での受付です。イベント詳細や受付方法については公式サイトをご参照下さい。

「百花繚乱ー華麗なる花の世界」 山種美術館@yamatanemuseum
会期:2021年4月10日(土)~6月27日(日) *4月27日より臨時休館
休館:月曜日。
時間:10:00~17:00 *入館は16時半まで。
料金:一般1300円、大・高生1000円、中学生以下無料。
 *きもの割引:きもので来館すると一般200円引き、大学生・高校生は100円引き。
住所:渋谷区広尾3-12-36
交通:JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口より徒歩約10分。恵比寿駅前より都バス学06番「日赤医療センター前」行きに乗車、「広尾高校前」下車。渋谷駅東口より都バス学03番「日赤医療センター前」行きに乗車、「東4丁目」下車、徒歩2分。
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