goo blog サービス終了のお知らせ 

2023年3月に見たい展覧会【北欧デザイン/安宅コレクション名品選/ブルターニュの光と風】

今年も早いこと3月となりました。現在、東京都現代美術館での『クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ』が大変な人気を集め、平日と土日を問わず、当日券が午前中の早い段階で売り切れになる状況が続いています。またディオール展に限らず、街中でも海外の観光客のすがたを見かける機会も多く、どことなくコロナ禍前の人出や賑わいを思わせることも増えてきました。



3月は多くの展覧会がはじまる時期です。今月気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展』 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール(3/1~3/21)
・『Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/18~3/26)
・『速水御舟展』 茨城県近代美術館(2/21~3/26)
・『VOCA展2023 現代美術の展望—新しい平面の作家たち—』 上野の森美術館(3/16~3/30)
・『マリー・ローランサンとモード』 Bunkamuraザ・ミュージアム(2/14~4/9)
・『世田谷美術館コレクション選 わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち』 世田谷美術館(2/18~4/9)
・『芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル』 三菱一号館美術館(2/25~4/9)
・『第26回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)』 川崎市岡本太郎美術館(2/18~4/16)
・『本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション』 練馬区立美術館(2/26~4/16)
・『椿椿山展 軽妙淡麗な色彩と筆あと』 板橋区立美術館(3/18~4/16)
・『タグコレ 現代アートはわからんね』 角川武蔵野ミュージアム(2/4~5/7)
・『ケアリング/マザーフッド:「母」から「他者」のケアを考える現代美術』 水戸芸術館(2/18~5/7)
・『東福寺』 東京国立博物館(3/7~5/7)
・『春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室』 府中市美術館(3/11~5/7)
・『第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap』 アーティゾン美術館(2/25~5/14)
・『戸谷成雄 彫刻』 埼玉県立近代美術館(2/25~5/14)
・『世界遺産登録10周年記念 富士と桜—北斎の富士から土牛の桜まで—』 山種美術館(3/11~5/14)
・『東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密』 東京国立近代美術館(3/17~5/14)
・『北斎バードパーク』 すみだ北斎美術館(3/14~5/21)
・『土門拳の古寺巡礼』 東京都写真美術館(3/18~5/14)
・『大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101』 泉屋博古館東京(3/18~5/21)
・『クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ』 東京都現代美術館(2022/12/21~2023/5/28)
・『深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ』 東京都写真美術館(3/3~6/4)
・『憧憬の地 ブルターニュ —モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』 国立西洋美術館(3/18~6/11)
・『ブルターニュの光と風』 SOMPO美術館(3/25~6/11)
・『ルーヴル美術館展 愛を描く』 国立新美術館(3/1~6/12)
・ 『芸術家たちの南仏』 DIC川村記念美術館(3/11〜6/18)
・『恐竜博2023』 国立科学博物館(3/14~6/18)
・『さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展』 東京都現代美術館(3/18~6/18)
・『The Original』 21_21 DESIGN SIGHT(3/3~6/25)
・『部屋のみる夢—ボナールからティルマンス、現代の作家まで』 ポーラ美術館(1/28~7/2)
・『日本のタイル100年—美と用のあゆみ』 江戸東京たてもの園(3/11~8/20)

ギャラリー

・『WHERE OCEANS MEET マベル ポブレット展』 CHANEL NEXUS HALL(3/1~4/2)
・『宮島達男 Numerical Beads Painting』 SCAI THE BATHHOUSE(2/28~4/15)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展2023 —自立と統合—』 ポーラ ミュージアム アネックス(2/10~4/16)
・『第16回 shiseido art egg YU SORA展』 資生堂ギャラリー(3/7~4/9)
・『インターフェアレンス展 フランシス真悟、スザンナ・フリッチャー、ブルーノ・ボテラ、宮永愛子』 メゾンエルメス(2/23~6/4)

まずはデザインの展覧会です。日本橋高島屋S.C. 本館8階ホールにて『ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展』が開かれます。



『ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展』@日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール(3/1~3/21)


これは椅子研究家の織田憲嗣が収集し、北海道東川町が所有する「織田コレクション」をもとに、日本でも人気を集める北欧のデザインを紹介するもので、70名以上のデザイナーによる椅子といった家具をはじめ、インテリアアクセサリーや食器など300点以上の作品が公開されます。北欧の部屋をリアルに再現した展示なども見どころとなりそうです。

続いては陶磁の展覧会です。『大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101』が泉屋博古館東京にて行われます。



『大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101』@泉屋博古館東京(3/18~5/21)

安宅産業株式会社の会長だった安宅英一が収集した「安宅コレクション」を中核とし、世界有数の東洋陶磁の名品を所蔵する大阪市立東洋陶磁美術館は、1982年の設立後、開館40年を迎えました。


その「安宅コレクション」を東京にて紹介するのが今回の展覧会で、ともに国宝の『油滴天目 茶碗』や『飛青磁 花生』、また重要文化財の『青磁象嵌 童子宝相華唐草文 水注』など、国宝2点、重文11点を含む101点の作品が公開されます。

最後は西洋美術です。『ブルターニュの光と風』がSOMPO美術館にて開催されます。



『ブルターニュの光と風』@SOMPO美術館(3/25~6/11)

フランス北西部に位置するブルターニュは、独自の文化や豊かな自然を持つことで知られ、19世紀以降多くの画家たちが訪ねては絵画に描きました。


そうしたブルターニュにまつわる作品を通し、同地の魅力を紹介するのが『ブルターニュの光と風』で、同地域フィニステール県にあるカンペール美術館より約70点の油彩、版画、素描が公開されます。ちょうどこの春は国立西洋美術館にて『憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』も開かれますが、同じブルターニュに着目した展覧会としてあわせて見ておきたいところかもしれません。

イロハニアートへも3月のおすすめ展覧会を寄稿しました。


2023年3月おすすめの展覧会5選!ルーヴル美術館展から重要文化財の秘密まで | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2023年2月に見たい展覧会【江戸絵画の華 第2部/速水御舟/戸谷成雄】

今月は春に向けて数多くの展覧会がスタートします。気になる展覧会をリストアップしました。



展覧会

・『恵比寿映像祭2023 テクノロジー?』 東京都写真美術館(2/3~2/19)
・『没後200年 亜欧堂田善展 江戸の洋風画家・創造の軌跡』 千葉市美術館(1/13~2/26)
・『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』 東京都現代美術館(2022/11/12~2023/2/19)
・『交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー』 東京都庭園美術館(12/17~2023/3/5)
・『FACE展2023』 SOMPO美術館(2/18~3/12)
・『日本の切り絵 7人のミューズ』 そごう美術館(2/4~3/19)
・『山下麻衣+小林直人 —もし太陽に名前がなかったら—』 千葉県立美術館(1/25~3/21)
・『六本木クロッシング2022展:往来オーライ!』 森美術館(2022/12/1~2023/3/26)
・『Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/18~3/26)
・『広重おじさん図譜』 太田記念美術館(2/3~3/26)
・『没後190年 木米』 サントリー美術館(2/8~3/26)
・『速水御舟展』 茨城県近代美術館(2/21~3/26)
・『江戸絵画の華 〈第2部〉京都画壇と江戸琳派』 出光美術館(2/21~3/26)
・『仏具の世界 信仰と美のかたち』 根津美術館(2/18~3/31)
・『トンコハウス・堤大介の「ONI展」』 PLAY! MUSEUM(1/21~4/2)
・『佐伯祐三 自画像としての風景』 東京ステーションギャラリー(1/21~4/2)
・『山中現展 描かれた詩』 群馬県立館林美術館(1/28~4/2)
・『江上幹幸コレクション インドネシアの絣・イカット ~クジラと塩の織りなす布の物語~』 たばこと塩の博物館(1/21~4/9)
・『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』 東京都美術館(1/26~4/9)
・『キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界』 横須賀美術館(2/11~4/9)
・『マリー・ローランサンとモード』 Bunkamuraザ・ミュージアム(2/14~4/9)
・『世田谷美術館コレクション選 わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち』 世田谷美術館(2/18~4/9)
・『芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル』 三菱一号館美術館(2/25~4/9)
・『ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END』 森アーツセンターギャラリー(2/3~4/10)
・『本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション』 練馬区立美術館(2/26~4/16)
・『ケアリング/マザーフッド:「母」から「他者」のケアを考える現代美術』 水戸芸術館(2/18~5/7)
・『第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap』 アーティゾン美術館(2/25~5/14)
・『戸谷成雄 彫刻』 埼玉県立近代美術館(2/25~5/14)
・『クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ』 東京都現代美術館(2022/12/21~2023/5/28)
・『部屋のみる夢—ボナールからティルマンス、現代の作家まで』 ポーラ美術館(1/28~7/2)

ギャラリー

・『A girl philosophy」ある少女の哲学安珠写真展』 CHANEL NEXUS HALL(1/18~2/12)
・『フェアトレード  現代アート産業と製陶業をめぐって 上田勇児・梅津庸一』 Kanda & Oliveira(1/17~2/18)
・『小谷元彦 個展 invasion』 ANOMALY(1/21~2/18)
・『第16回 shiseido art egg 岡ともみ展』 資生堂ギャラリー(1/24~ 2/26)
・『DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵作品より 動物会議 緊急大集合!』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(2/9~3/25)
・『仲條正義名作展』 クリエイションギャラリーG8(2/16~3/30)
・『中村裕太|ユアサエボシ 耽奇展覧』 ギャラリー小柳(1/28~3/31)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展2023 —自立と統合—』 ポーラ ミュージアム アネックス(2/10~4/16)
・『ヴォルフガング・ティルマンス Moments of life展』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/2~6/11)

まずは江戸絵画です。出光美術館にて開催中の『江戸絵画の華』展が「若冲と江戸絵画」(第一部)より内容を入れ替え、「京都画壇と江戸琳派」(第二部)がはじまります。



『江戸絵画の華 〈第2部〉京都画壇と江戸琳派』@出光美術館(2/21~3/26)

「〈第2部〉京都画壇と江戸琳派」にて取り上げられるのは、円山応挙をはじめ、その影響下にあった源琦や山口素絢、それに岸駒といった京都画壇の絵師で、加えて江戸琳派の酒井抱一と鈴木其一、さらには中村芳中や酒井道一らの作品が紹介されます。ダイナミックな空間表現を見せる応挙の『懸崖飛泉図屏風』や、抱一の基準作の1つともいえる『十二か月花鳥図』などに人気が集まりそうです。

東京以外では約15年ぶりとなる大規模な回顧展です。茨城県近代美術館にて『速水御舟展』が開催されます。



『速水御舟展』@茨城県近代美術館(2/21~3/26)

日本画家、速水御舟は40年という短い生涯ながらも、常に変革を求めて絵に向かい続け、近代日本画を牽引した人物として高く評価されてきました。その御舟の画業を詳らかにするのが今回の展覧会で、本画100点と素描などが公開されます。


ちょうど水戸では梅まつりの時期(2/11〜3/19)とも重なるだけに、偕楽園へのお花見を兼ねて出かけるのも良いかもしれません。

最後は現代美術です。彫刻家、戸谷成雄の個展が埼玉県立近代美術館にて行われます。



『戸谷成雄 彫刻』@埼玉県立近代美術館(2/25~5/14)

1947年に長野県に生まれた戸谷成雄は、木材の表面をチェーンソーで彫り刻む「森」や「ミニマルバロック」シリーズなどの彫刻で知られ、1998年からは埼玉県秩父郡にアトリエを構えて制作を続けてきました。


その戸谷とゆかりの深い埼玉の地にて開かれるのが『戸谷成雄 彫刻』で、学生時代の彫刻作品から近年の最新シリーズなど約40点が公開されます。

イロハニアートでも2月のおすすめ展覧会を寄稿しました。

おすすめ展覧会5選【2023年2月】ヒグチユウコから速水御舟まで | イロハニアート


それでは今月もよろしくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2023年1月に見たい展覧会【七福うさぎ/亜欧堂田善/エゴン・シーレ】

お正月も三が日を過ぎました。年末年始のために休館していた美術館の多くも今週末までに開館します。*写真はサントリー美術館より。撮影用パネルの長谷川等伯の『楓図』。



今月は興味深い展覧会がいくつも開幕します。見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『マン・レイと女性たち』 神奈川県立近代美術館 葉山館(10/22~2023/1/22)
・『アニメージュとジブリ展』 松屋銀座(1/3~1/23)
・『国宝 雪松図と吉祥づくし』 三井記念美術館(12/1~2023/1/28)
・『ドリーム/ランド』 神奈川県民ホールギャラリー(12/18~2023/1/28)
・『マリー・クワント展』 Bunkamura ザ・ミュージアム(11/26~2023/1/29)
・『祈り・藤原新也』 世田谷美術館(11/26~2023/1/29)
・『面構(つらがまえ) 片岡球子展 たちむかう絵画』 そごう美術館(1/1~1/29)
・『博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年』 東京国立博物館(1/2~1/29)
・『浮世絵と中国』 太田記念美術館(1/5~1/29)
・『初春を祝う 七福うさぎがやってくる!』 静嘉堂文庫美術館(1/2~2/4)
・『月に吠えよ、萩原朔太郎展』 世田谷文学館(10/1~2023/2/5)
・『江戸絵画の華 〈第1部〉若冲と江戸絵画』 出光美術館(1/7~2/12)
・『没後200年 亜欧堂田善展 江戸の洋風画家・創造の軌跡』 千葉市美術館(1/13~2/26)
・『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』 東京都現代美術館(2022/11/12~2023/2/19)
・『北斎かける百人一首』 すみだ北斎美術館(12/15~2023/2/26)
・『交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー』 東京都庭園美術館(12/17~2023/3/5)
・『六本木クロッシング2022展:往来オーライ!』 森美術館(12/1~2023/3/26)
・『生誕100年 柚木沙弥郎展』 日本民藝館(1/13~4/2)
・『Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/18~3/26)
・『トンコハウス・堤大介の「ONI展」』 PLAY! MUSEUM(1/21~4/2)
・『佐伯祐三 自画像としての風景』 東京ステーションギャラリー(1/21~4/2)
・『江上幹幸コレクション インドネシアの絣・イカット ~クジラと塩の織りなす布の物語~』 たばこと塩の博物館(1/21~4/9)
・『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』 東京都美術館(1/26~4/9)

ギャラリー

・『191人のクリエイターと瀬戸の職人がつくる招き猫 Lucky Cat』 クリエイションギャラリーG8(12/7~2023/1/21)
・『訪問者 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展』メゾンエルメス8階フォーラム(10/21~2023/1/31)
・『比田井南谷 生誕110年「HIDAI NANKOKU」』 √K Contemporary(11/12~2023/2/4)
・『A girl philosophy」ある少女の哲学安珠写真展』 CHANEL NEXUS HALL(1/18~2/12)
・『石川直樹 写真展 ダウラギリ/カンチェンジュンガ/マナスル』 GYRE GALLERY(12/17~2023/2/26)
・『How is Life?―地球と生きるためのデザイン』 TOTOギャラリー・間(10/21~2023/3/19)
・『第16回 shiseido art egg 岡ともみ展』 資生堂ギャラリー(1/24〜 2/26)

まずは新春にちなんだ展覧会です。静嘉堂文庫美術館にて『初春を祝う 七福うさぎがやってくる!』が開かれます。



『初春を祝う 七福うさぎがやってくる!』@静嘉堂文庫美術館(1/2~2/4)


これは岩崎小彌太(三菱第4代社長)の還暦を祝い、夫人の孝子が京人形司の丸平大木人形店に依頼して作らせた兎の冠を戴く御所人形を公開するもので、あわせて蕪村や抱一らの江戸絵画から大観といった近代日本画、さらに宴の器など、吉祥的な主題を持つ作品を紹介します。うさぎと新春の美術の関わりを見る華やいだ展覧会となりそうです。

首都圏では実に17年ぶりの回顧展です。千葉市美術館にて『没後200年 亜欧堂田善展 江戸の洋風画家・創造の軌跡』が行われます。



『没後200年 亜欧堂田善展 江戸の洋風画家・創造の軌跡』@千葉市美術館(1/13~2/26)

現在の福島県に生まれ、江戸時代後期に活躍した亜欧堂田善(あおうどうでんぜん)は、腐食銅版画技法を学ぶと日本初の銅版画による解剖図などを手がけ、江戸時代最大級の油彩画の『浅間山図屏風』を描くなど洋風画家として活躍しました。


その亜欧堂田善の軌跡を15歳から最晩年の作品200点にて振り返るもので、加えて司馬江漢や谷文晁、鍬形蕙斎といった同時代の絵師や弟子たちの作品約50点も公開されます。近年再発見され74年ぶりに回顧展に出展される『湖辺武人図』をはじめ、30年ぶりに公開される『浅間山図屏風』の下絵といったレアな作品にも注目が集まるかもしれません。

ラストは今年全体を通しても注目の西洋美術展です。『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』が東京都美術館にて開催されます。



『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』@東京都美術館(1/26~4/9)

これは19世紀末を経てウィーンに生き、28歳の若さで生涯を閉じたシーレの画業を、レオポルト美術館のコレクションにてたどるもので、シーレの油彩画、ドローイング約40点をはじめ、クリムトやココシュカといった同時代の画家をあわせた約120点の作品が展示されます。


クリムトやウィーン世紀末関連の展示でシーレの作品を見る機会こそありますが、シーレを実に30年ぶりに主役に据えた見応えのある展覧会となりそうです。

一部の内容が重なりますが、イロハニアートにも今月のおすすめの展覧会を寄稿しました。


1月のおすすめ展覧会5選 2023 江戸絵画の華から佐伯祐三、エゴン・シーレ展まで | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年 私が観た展覧会 ベスト10

年末恒例の私的ベスト企画です。2022年に観た展覧会のベスト10をあげてみました。

2022年 私が観た展覧会 ベスト10

1.『国際芸術祭「あいち2022」』 一宮駅エリア / 尾西エリア /愛知芸術文化センター /有松地区 / 常滑やきもの散歩道 / INAXライブミュージアム(7/30~10/10)



『あいちトリエンナーレ』の後継として開催された『国際芸術祭 あいち2022』の展示が大変に見応えがありました。愛知芸術センターではコンセプチュアル・アートから人間の尊厳や社会の分断といったテーマを扱った作品が目立ち、一方で有松地区や一宮市、それに常滑市では土地の記憶を紐解きつつ、芸術として表現する作家の力作が少なくありませんでした。いわゆる都市型芸術祭ながらも、地域を巧みに取り込んだ新たな芸術祭のすがたを示していたように思えました。

2.『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』 ポーラ美術館(2021/9/18~2022/3/30)



アメリカの美術家のロニ・ホーンの国内の美術館としては初の個展で、1980年代より40年あまりのキャリアにおいて制作された作品が公開されていました。ガラスの彫刻から角柱による立体、また写真やドローイングなどを幅広く手がけていて、アイスランドの地誌や人々の生活、またアメリカのディキンスンの詩文の引用など重層的とも言える作品に引き込まれました。また自然に囲まれたポーラ美術館の環境ともうまくマッチしているようにも感じられました。

3.『メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年』 国立新美術館(2/9~5/30)



ニューヨークのメトロポリタン美術館のコレクションから、日本初公開の46点を含む65点のヨーロッパの絵画がやって来ました。ラファエロ、クラーナハにはじまり、カラヴァッジョにラ・トゥールやフェルメール、またルーベンスからプッサンとブーシェ、さらにマネやセザンヌへ至る作品は全編がハイライトとしても過言でないほど充実していました。特にルネサンスからバロック、ロココまでのラインナップが群を抜いていて、名画を前にして胸の高まりすら覚えました。

4.『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動 工場で、田んぼで、教室で みんな、かつては版画家だった』 町田市立国際版画美術館(4/23~7/3)



戦後において展開した「戦後版画運動」と「教育版画運動」の2つの民衆版画運動を、約400点もの豊富な作品と資料によって紹介する展覧会でした。その源流は中国の木刻であったり、アマチュアの参加や学校教育の現場、さらには労働争議や平和運動、また反水爆運動など、社会や文化的活動との関わりを丹念に検証していて、民衆版画から戦後日本の知られざる歴史が浮き彫りになっていました。全国の子どもたちによる教育版画の共同制作の作品も見応えがありました。

5.『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』 東京オペラシティ アートギャラリー(7/16~9/19)



昨年4月に当初予定されていたものの、コロナ禍にて延期され、今年になって実現したガンダーの東京初の個展でした。時間やお金、価値や教育、それによく見ないと見えないものといった、ガンダーの関心のありかや現象を多様なメディアを駆使しながら取り上げていて、刺激的でかつ驚きに満ち、またユーモアに溢れた世界を空間全体で築き上げていました。これほど一見難解で謎めきながらも気づきを誘い、いつしか作品へと引き込まれるアート展も少ないかもしれません。

6.『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』 アーティゾン美術館(4/29~7/10)



ともに写真家の柴田俊雄と鈴木理策が、石橋財団コレクションとコラボレーションを果たした展覧会でした。地形や構造物を捉える柴田の写真とモンドリアンの絵画や、鈴木の写した蓮の浮かぶ水辺とモネの『睡蓮』などが響き合うなど、絵画や写真、さらに彫刻といったジャンルを超えた表現が生み出す新しい景色を楽しむことができました。

7.『ゲルハルト・リヒター展』 東京国立近代美術館(6/7~10/2)



ドイツの美術家、ゲルハルト・リヒターによる国内では16年ぶりの個展でした。主にリヒター財団の所蔵する110点余りの作品が公開されていて、中でもアウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所にて囚人が隠し撮りした写真を下層に描き写した『ビルケナウ』は圧倒的な存在感を放っていました。現在、同展は豊田市美術館にて巡回開催されていますが、出来ることなら同館の素晴らしい展示空間でも見たいと思いました。

8.『北斎ブックワールド ―知られざる板本の世界―』 すみだ北斎美術館(9/21~11/27)



浮世絵の元とされ、板木に文字や挿絵を彫って摺ったものを本に仕立てた板本に着目した展覧会でした。板本の形態や内容による分類など、板木の基礎的な知識を細かに解説するだけでなく、初摺と後摺の比較から当時の所蔵者や読者の痕跡についても紹介していて、ともすれば地味とも受け止められない板木の見どころをうまく引き出していました。当時、板本がどのように作られ、人々の手に渡り、また親しまれたのかが極めてよく伝わってくるような内容だったかもしれません。

9.『大勾玉展-宝萊山古墳、東京都史跡指定70周年-』 大田区立郷土博物館(8/2~10/16)



縄文時代にはじまり、古墳時代に隆盛し、奈良時代に衰えた勾玉を全国各地から1500点も集め、未だ謎の多い勾玉の歴史やデザインの変遷などを丹念に紐解いた展覧会でした。ともかくこれほどの勾玉を一度に目にする機会からして初めてで、地域によって異なるあり方や勾玉の衰退の経緯について大いに興味を引かれました。装身具であり副葬品だった勾玉を通して、古代史ミステリーを解き明かすような面白さも感じられたかもしれません。

10.『どうぶつかいぎ展』 PLAY! MUSEUM(2/5~4/10)



ドイツの作家、ケストナーの絵本『動物会議』に着想を得た8名のアーティストが、絵画やインスタレーションなどを公開した展覧会で、戦争を繰り返す人間を痛烈に批判したケストナーのメッセージが改めて作品として表現される様を見ることができました。ちょうどロシアによるウクライナ侵攻がはじまった頃と会期が重なりましたが、今もなお戦争によって子どもたちの日常が奪われる状況が続いていることに身につまされてなりませんでした。

次点.『佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在』 水戸芸術館(2021/11/13~2022/1/30)



ベスト10以外で特に印象に残った展覧会は以下の通りです。(順不同)

『「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」奈良美智展弘前 2002-2006 ドキュメント展』 弘前れんが倉庫美術館(2022/9/17~2023/3/21)
『野口里佳 不思議な力』 東京都写真美術館(10/7~2023/1/22)
『大竹伸朗展』 東京国立近代美術館(11/1~2023/2/5)
『加耶―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―』 国立歴史民俗博物館(10/4~12/11)
『つながる琳派スピリット神坂雪佳』 パナソニック汐留美術館(10/29~12/18)
『開通60周年記念「芸術作品に見る首都高展」』 O美術館(12/15~21)
『闇と光―清親・安治・柳村』 太田記念美術館(11/1~12/18)
『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』 アーティゾン美術館(11/5~2023/2/5)
『大蒔絵展―漆と金の千年物語』 三井記念美術館(10/1~11/13)
『名和晃平 生成する表皮』  十和田市現代美術館(6/18~11/20)
『創立150年記念 国宝 東京国立博物館のすべて』 東京国立博物館(10/18~12/11)
『川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり』 東京オペラシティ アートギャラリー(10/8~12/18)
『鉄道と美術の150年』 東京ステーションギャラリー(10/8~2023/1/9)
『junaida展 IMAGINARIUM』 PLAY! MUSEUM(10/8~2023/1/15)
『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』 国立西洋美術館(10/8~2023/1/22)
『日本の中のマネ ―出会い、120年のイメージ―』 練馬区立美術館(9/4~11/3)
『新版画 進化系UKIYO-Eの美』 千葉市美術館(9/14~11/3)
『開館15周年記念 李禹煥』 国立新美術館(8/10~11/7)
『リボーンアートフェスティバル 2021-22』 宮城県石巻市街地・牡鹿半島(8/20~10/2)
『東北へのまなざし1930-1945』 東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)
『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 市原湖畔美術館(7/16~9/25)
『シアトル→パリ 田中保とその時代』 埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
『みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ』 武蔵野美術大学美術館(7/11~8/14、9/5~10/2)
『孤高の高野光正コレクションが語る  ただいま やさしき明治 発見された日本の風景』 府中市美術館(5/21~7/10)
『生誕100年朝倉摂展』 練馬区立美術館(6/26~8/14)
『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館(6/25~9/4)
『津田青楓 図案と、時代と、』 渋谷区立松濤美術館(6/18~8/14)
『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 森美術館(2/18~5/29)
『沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」』 東京国立博物館(5/3~6/26)
『ボテロ展 ふくよかな魔法』  Bunkamura ザ・ミュージアム(4/29~7/3)
『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』 三菱一号館美術館(2/18~5/15)
『本城直季 (un)real utopia』 東京都写真美術館(3/19~5/15)
『大英博物館 北斎 ―国内の肉筆画の名品とともに―』 サントリー美術館(4/16~6/12)
『没後50年 鏑木清方展』 東京国立近代美術館(3/18~5/8)
『シダネルとマルタン展』 SOMPO美術館(3/26~6/26)
『本城直季 (un)real utopia』東京都写真美術館(3/19~5/15)
『生誕110年 香月泰男展』 練馬区立美術館(2/6~3/27)
『Viva Video! 久保田成子展』 東京都現代美術館(2021/11/13~2022/2/23)
『開館20周年記念 フランソワ・ポンポン展』 群馬県立館林美術館(2021/11/23~2022/1/26)
『ミケル・バルセロ』 東京オペラシティアートギャラリー(1/13~3/25)

今年もコロナ禍が続きましたが、一度中止されていた展覧会が開かれたり、同じく延期されていた芸術祭が再開するなど、昨年に比べると多くの展示を見ることができました。いわゆるウィズコロナにおいて、おそらくは来年も同じような状況が続くと思われます。

この一年、皆さまはどのような美術との出会いがありましたでしょうか。このエントリをもちまして年内のブログの更新を終わります。今年も「はろるど」とお付き合い下さりどうもありがとうございました。それではどうぞ良いお年をお迎え下さい。

*過去の展覧会ベスト10
2021年2020年2019年2018年2017年2016年2015年2014年2013年2012年2011年2010年2009年2008年2007年2006年2005年2004年その2。2003年も含む。)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年12月に見たい展覧会【雪松図と吉祥づくし/遊びの美/日本の風景を描く】

今年も残すところあと1ヶ月となりました。



11月は東京国立博物館の『国宝展』のチケットが完売し、木・日・祝も夜間開館を実施したり、12月5日の月曜の臨時開館するなど大変な人気を集めています。すでに公式サイトでは延長分のチケットも完売していますが、12月11日の会期末に向けて、連日大勢の方で賑わいそうです。


一方で早くも来年に向けて「芸術新潮」や「美術の窓」など、2023年の展覧会のスケジュールを特集した雑誌も目立つようになってきました。そろそろ来年の展覧会の情報も収集していきたいと思います。

12月に気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『生誕150年記念 板谷波山の陶芸』 泉屋博古館東京(11/3~12/18)
・『DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン』 国立新美術館(11/30~12/19)
・『柴田是真と能楽 江戸庶民の視座』 国立能楽堂 資料展示室(10/29~12/23)
・『美をつむぐ源氏物語—めぐり逢ひける えには深しな』 東京都美術館(11/19~2023/1/6)
・『三浦太郎展 絵本とタブロー』 板橋区立美術館(11/19~2023/1/9)
・『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』 ポーラ美術館(9/17~2023/1/15)
・『マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち』 DIC川村記念美術館(10/8~2023/1/15)
・『ビーズ—つなぐ かざる みせる 国立民族学博物館コレクション』 渋谷区立松濤美術(11/15~2023/1/15)
『雰囲気のかたち-見えないもの、形のないもの、そしてここにあるもの』 うらわ美術館(11/15~2023/1/15)
・『野口里佳 不思議な力』 東京都写真美術館(10/7~2023/1/22)
・『マン・レイと女性たち』 神奈川県立近代美術館 葉山館(10/22~2023/1/22)
・『星野道夫 悠久の時を旅する』 東京都写真美術館(11/19~2023/1/22)
・『京都・智積院の名宝』 サントリー美術館(11/30~2023/1/22)
・『国宝 雪松図と吉祥づくし』 三井記念美術館(12/1~2023/1/28)
・『中﨑透 フィクション・トラベラー』 水戸芸術館(2022/11/5~2023/1/29)
・『DOMANI・明日展 2022-23』 国立新美術館(2022/11/19~2023/1/29)
・『マリー・クワント展』 Bunkamura ザ・ミュージアム(2022/11/26~2023/1/29)
・『祈り・藤原新也』 世田谷美術館(11/26~2023/1/29)
・『ボッティチェリ特別展 美しきシモネッタ』 丸紅ギャラリー(12/1~1/31)
・『月に吠えよ、萩原朔太郎展』 世田谷文学館(10/1~2023/2/5)
・『大竹伸朗展』 東京国立近代美術館(2022/11/1~2023/2/5)
・『遊びの美』 根津美術館(2022/12/17~2023/2/5)
・『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』 東京都現代美術館(2022/11/12~2023/2/19)
・『日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―』 山種美術館(12/10~2023/2/26)
・『北斎かける百人一首』 すみだ北斎美術館(12/15~2023/2/26)
・『諏訪敦 眼窩裏の火事』 府中市美術館(12/17~2023/2/26)
・『交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー』 東京都庭園美術館(12/17~2023/3/5)
「ガエ・アウレンティ日本そして世界へ向けた、そのまなざし」イタリア文化会館(12/11~ 2023/3/12)
・『六本木クロッシング2022展:往来オーライ!』 森美術館(12/1~2023/3/26)

ギャラリー

・『髙畠依子 CAVE』 シュウゴアーツ(11/19~12/24)
・『191人のクリエイターと瀬戸の職人がつくる招き猫 Lucky Cat』 クリエイションギャラリーG8(12/7~2023/1/21)
・『訪問者 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展』メゾンエルメス8階フォーラム(10/21~2023/1/31)
・『How is Life?―地球と生きるためのデザイン』 TOTOギャラリー・間(10/21~2023/3/19)
・『宇野亞喜良展』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/9~2023/1/31)

今月は日本美術に注目です。三井記念美術館にて『国宝 雪松図と吉祥づくし』が開かれます。



『国宝 雪松図と吉祥づくし』@三井記念美術館(12/1~2023/1/28)

これは同館を代表する国宝『雪松図屏風』を中心に、長寿や子孫繁栄、富貴といった吉祥主題の書画や工芸を紹介するもので、あわせて吉祥イメージがなぜおめでたいと見なされるのかについても明らかになります。

いわゆるお正月企画の展覧会でもありますが、年末年始を挟んでじっくり楽しむのも良いかもしれません。

「遊び」をキーワードに日本美術の優品を紹介します。根津美術館にて『遊びの美』が開催されます。



『遊びの美』@根津美術館(2022/12/17~2023/2/5)

今日、子どもの遊びやレジャーなどイメージさせる「遊び」は、歴史に目を向けると、単なる遊楽ではなく、教養を高めることや技芸を磨くことにも深く関わっていました。


そうした文化としての遊びを絵画や古筆、さらに屏風絵などでひもとくのが『遊びの美』で、室町時代の『玉藻前物語絵巻』をはじめ、江戸時代の『桜下蹴鞠図屏風』や『邸内遊楽図屏風』などが展示されます。貴族の歌合や蹴鞠、また武家の狩猟から庶民の祭礼まで、幅広い遊びの諸相を見ることができそうです。

ラストは日本の風景を日本画で楽しめる展覧会です。山種美術館にて『日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―』が開かれます。



『日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―』@山種美術館(12/10~2023/2/26)

これは古くから美術の題材として描かれてきた風景の作品を時代を追って紹介するもので、歌川広重の『東海道五拾三次』にはじまり、田植えの様子を絶妙な構図で描いた川合玉堂の『早乙女』、また農村の風景を鳥瞰的に表した田渕俊夫の『輪中の村』などが公開されます。


作品が発表されて以来、初めて同時に展示される、石田武の『四季奥入瀬』の連作全4点にも注目が集まりそうです。

WEBメディア「イロハニアート」にも今月のおすすめ展覧会を寄稿しました。

2022年12月おすすめの展覧会 | 日本美術と現代美術家の個展を中心に | イロハニアート


それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年11月に見たい展覧会【闇と光/パリ・オペラ座/加藤泉】

晩秋に入り、関東では朝晩を中心に冷え込むようになりました。



10月はいつものように都内近辺の展示を見ただけでなく、月の初めに青森へ行き、幾つかの美術館を巡りました。イロハニアートやPenオンラインにも展示やイベントをご紹介しましたが、改めてブログでもまとめたいと思います。

名和晃平の個展が開催中@十和田市現代美術館 十和田限定オリジナル展示も! | イロハニアート
弘南鉄道がピンクに染まる?!青森でアート列車に乗ってみよう | イロハニアート
きっかけは一本の電話から?奈良美智の弘前での3度の展覧会を振り返る|Pen Online

それでは11月に気になる展示をリストアップしてみました。

展覧会

・『旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる』 東京都庭園美術館(9/23~11/27)
・『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』 府中市美術館(9/23~12/4)
・『没後80年記念 竹内栖鳳』 山種美術館(10/6~12/4)
・『小江戸文化シリーズ5 小茂田青樹展』 川越市立美術館(10/22~12/4)
・『将軍家の襖絵 屏風絵でよみがえる室町の華』 根津美術館(11/3~12/4)
・『見るは触れる 日本の新進作家 vol.19』 東京都写真美術館(9/2~12/11)
・『加耶―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―』 国立歴史民俗博物館(10/4~12/11)
・『琳派の花園 あだち』 足立区立郷土博物館(10/9~12/11)
・『静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅰ響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―』 静嘉堂文庫美術館(10/1~12/18)
・『つながる琳派スピリット神坂雪佳』 パナソニック汐留美術館(10/29~12/18)
・『闇と光 ―清親・安治・柳村』 太田記念美術館(11/1~12/18)
・『生誕150年記念 板谷波山の陶芸』 泉屋博古館東京(11/3~12/18)
・『柴田是真と能楽 江戸庶民の視座』 国立能楽堂 資料展示室(10/29〜12/23)
・『ブラチスラバ世界絵本原画展 絵本でひらくアジアの扉―日本と韓国のいま』 千葉市美術館(11/12~12/25)
・『三浦太郎展 絵本とタブロー』 板橋区立美術館(2022/11/19~2023/1/9)
・『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』 ポーラ美術館(9/17~2023/1/15)
・『マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち』 DIC川村記念美術館(10/8~2023/1/15)
・『江口寿史イラストレーション展 彼女 ―世界の誰にも描けない君の絵を描いている』 千葉県立美術館(2022/10/29~2023/1/15)
・『おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり』 SOMPO美術館(11/5~2023/1/15)
・『ビーズ—つなぐ かざる みせる 国立民族学博物館コレクション』 渋谷区立松濤美術館(2022/11/15~2023/1/15)
・『野口里佳 不思議な力』 東京都写真美術館(10/7~2023/1/22)
・『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』 国立西洋美術館(10/8~2023/1/22)
・『マン・レイと女性たち』 神奈川県立近代美術館 葉山館(10/22~2023/1/22)
・『桃源郷通行許可証』 埼玉県立近代美術館(10/22~2023/1/29)
・『ヴァロットン―黒と白 Félix Vallotton,noir et blanc』 三菱一号館美術館(10/29~2023/1/29)
・『中﨑透 フィクション・トラベラー』 水戸芸術館(2022/11/5~2023/1/29)
・『DOMANI・明日展 2022-23』 国立新美術館(2022/11/19~2023/1/29)
・『マリー・クワント展』 Bunkamura ザ・ミュージアム(2022/11/26~2023/1/29)
・『祈り・藤原新也』 世田谷美術館(11/26~2023/1/29)
・『月に吠えよ、萩原朔太郎展』 世田谷文学館(10/1~2023/2/5)
・『大竹伸朗展』 東京国立近代美術館(2022/11/1~2023/2/5)
・『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』 アーティゾン美術館(2022/11/5~2023/2/5)
・『特別展 毒』 国立科学博物館(2022/11/1~2023/2/19)
・『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』 東京都現代美術館(2022/11/12~2023/2/19)
・『加藤泉―寄生するプラモデル』 ワタリウム美術館(2022/11/6~2023/3/12)

ギャラリー

・『Julian Opie「OP.VR@PARCO」』 PARCO MUSEUM TOKYO(10/21~11/14)
・『岡崎裕子 私を紡ぐもの』 小山登美夫ギャラリー六本木(11/5~11/19)
・『衣川明子、長谷川さち 川と子』 ANOMALY(10/29~11/26)
・『日本のアートディレクション展 2022』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー、クリエイションギャラリーG8(11/1~11/30)
・『三輪美津子「Full House」』 SCAI THE BATHHOUSE(11/1~12/10)
・『髙畠依子 CAVE』 シュウゴアーツ(11/19~12/24)
・『訪問者 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展』メゾンエルメス8階フォーラム(10/21~2023/1/31)
・『How is Life?―地球と生きるためのデザイン』 TOTOギャラリー・間(10/21~2023/3/19)

まずは日本美術からです。太田記念美術館にて『闇と光 ―清親・安治・柳村』が開かれます。



『闇と光 ―清親・安治・柳村』@太田記念美術館(11/1~12/18)


これは明治時代初期、小林清親が西洋から移入した油彩画や石版画、それに写真などの表現を木版画に取り込み、光や影の移ろう風景が描いた光線画に着目したもので、井上安治と小倉柳村の作品をあわせて約200点(展示替えあり)が公開されます。

近年、新版画の人気が高まり、各地で展覧会も続々行われていますが、光線画はその先駆けとも言われるだけに、改めて注目が集まるかもしれません。

続いてはオペラ座に着目した異色とも言える展覧会です。アーティゾン美術館にて『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』が行われます。



『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』@アーティゾン美術館(2022/11/5~2023/2/5)

展示では17世紀にさかのぼるパリ・オペラ座の歴史を辿りながら、特に19世紀から20世紀初頭の芸術的展開を紹介していて、フランス国立図書館の所蔵するオペラ、バレエ関係の資料約200点や、オルセー美術館のドガの『バレエの授業』といった作品が公開されます。


総合芸術とも呼ばれるオペラは、作曲家はもちろん、歌手やダンサー、また合唱団といった出演者、それに台本作家や演出家など多様な表現者が関わることで初めて上演が実現しますが、そうした幅広い芸術へのつながりを紐解く展覧会ともなりそうです。

ラストは現代美術です。ワタリウム美術館にて『加藤泉―寄生するプラモデル』が開催されます。



『加藤泉―寄生するプラモデル』@ワタリウム美術館(2022/11/6~2023/3/12)

2000年代より木彫作品を発表した加藤は、ソフトビニールや石、布、さらにはプラモデルなどを素材として制作を続け、国内外にて個展を開くなどして活動してきました。


そして加藤はコロナ禍の中、プラモデルを制作しつつ、木彫などの自らの作品に取り入れたとしています。そうしたプラモデルをコラージュした作品などを中心としたのが今回の個展で、さらに組立説明書などをコラージュしたユニークな作品も公開されます。加藤といえば、2019年の原美術館の個展の記憶も新しいところですが、また違った趣きの展示になるのかもしれません。

一部、内容が重なりますが、イロハニアートへも11月のおすすめの展覧会を寄稿しました。

11月おすすめ展覧会はこれ!【2022最新版】ボタニカル・アートからパリ・オペラ座、150年後の国宝まで | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年10月に見たい展覧会【大蒔絵/川内倫子/junaida展』

10月は秋から冬のシーズンへ向けて多くの展覧会が開幕します。少し遅れましたが、今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。



展覧会

・『あざみ野コンテンポラリーvol.13 CLOTH×OVER 糸と布 日常と生を綴る』 横浜市民ギャラリーあざみ野(10/8~10/30)
・『THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦』 茅ヶ崎市美術館(9/10~11/6)
・『開館15周年 生誕120年 猪熊弦一郎展』 横須賀美術館(9/17~11/6)
・『国立新美術館所蔵資料に見る1970年代の美術― Do it! わたしの日常が美術になる』 国立新美術館(10/8~11/7)
・『美をつくし―大阪市立美術館コレクション』 サントリー美術館(9/14~11/13)
・『大蒔絵展―漆と金の千年物語』 三井記念美術館(10/1~11/13)
・『柳宗悦と朝鮮の工芸 陶磁器の美に導かれて』 日本民藝館(9/1~11/23)
・『北斎ブックワールド ―知られざる板本の世界―』 すみだ北斎美術館(9/21~11/27)
・『旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる』 東京都庭園美術館(9/23~11/27)
・『SHUZO AZUCHI GULLIVER 「Breath Amorphous 消息の将来」』 BankART Station + BankART KAIKO(10/7~11/27)
・『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』 府中市美術館(9/23~12/4)
・『没後80年記念 竹内栖鳳』 山種美術館(10/6~12/4)
・『見るは触れる 日本の新進作家 vol.19』 東京都写真美術館(9/2~12/11)
・『加耶―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―』 国立歴史民俗博物館(10/4~12/11)
・『創立150年記念 国宝 東京国立博物館のすべて』 東京国立博物館(10/18~12/11)
・『静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅰ響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―』 静嘉堂文庫美術館(10/1~12/18)
・『川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり』 東京オペラシティ アートギャラリー(10/8~12/18)
・『つながる琳派スピリット神坂雪佳』 パナソニック汐留美術館(10/29~12/18)
・『展覧会 岡本太郎』 東京都美術館(10/18~12/28)
・『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』 たばこと塩の博物館(9/10~12/25)
・『鉄道と美術の150年』 東京ステーションギャラリー(10/8~2023/1/9)
・『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』 ポーラ美術館(9/17~2023/1/15)
・『マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち』 DIC川村記念美術館(10/8~2023/1/15)
・『junaida展 IMAGINARIUM』 PLAY! MUSEUM(10/8~2023/1/15)
・『野口里佳 不思議な力』 東京都写真美術館(10/7~2023/1/22)
・『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』 国立西洋美術館(10/8~2023/1/22)
・『マン・レイと女性たち』 神奈川県立近代美術館 葉山館(10/22~2023/1/22)
・『ヴァロットン―黒と白 Félix Vallotton,noir et blanc』 三菱一号館美術館(10/29~2023/1/29)
・『月に吠えよ、萩原朔太郎展』 世田谷文学館(10/1~2023/2/5)

ギャラリー

・「李禹煥 物質の肌合い」SCAI THE BATHHOUSE(9/13~10/15)
・『クゥワイ・サムナンLove of the Land』小山登美夫ギャラリー六本木(10/1~10/29)
・『丸山直文個展「水を蹴る」』 シュウゴアーツ(9/24~11/5)
・『発酵と暮らし ―人も海も土も森も…すべてはつながっている―』 ギャラリー エー クワッド(9/16~11/10)
・『第八次椿会 このあたらしい世界 杉戸洋、中村竜治、Nerhol、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]』 資生堂ギャラリー(8/27~12/18)
・『高木由利子 写真展 カオスコスモス 壱 ― 氷結過程 ―』 GYRE GALLERY(10/7~11/28)
・「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展』メゾンエルメス8階フォーラム(10/21~2023/1/31)
・『How is Life?―地球と生きるためのデザイン』 TOTOギャラリー・間(10/21~2023/3/19)

まずは日本美術です。三井記念美術館にて『大蒔絵展―漆と金の千年物語』が開催されます。



『大蒔絵展―漆と金の千年物語』@三井記念美術館(10/1~11/13)

漆で文様などを描き、金粉や銀粉を蒔き付ける「蒔絵」は、古くから装飾の技法として使われ、手箱や硯箱といった多くの名品が今にまで伝わってきました。


その蒔絵の魅力を紹介するのが『『大蒔絵展―漆と金の千年物語』で、平安時代から現代の漆芸家に至る蒔絵の作品、約180件が公開されます。また展示はMOA美術館、三井記念美術館、徳川美術館の3館の共同で開かれるもので、三井記念美術館は2番目の会場となります。

蒔絵そのものは見る機会が多いものの、体系だって紹介する展覧会は少なく、蒔絵の魅力に触れられる絶好の機会となるかもしれません。

実に6年ぶりの美術館での個展です。東京オペラシティ アートギャラリーにて『川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり』が行われます。



『川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり』@東京オペラシティ アートギャラリー(10/8~12/18)

1972年生まれの写真家、川内倫子は、淡い光や色を特徴とした写真で知られ、一貫して身の回りの人々や植物などを撮り続けてきました。


その川内の10年の活動に焦点を当てたのが今回の展示で、新作シリーズの「M/E」を中心に、未発表作や過去のシリーズなどが公開されます。川内とディスカッションを重ねて組み立てられたという、建築家の中山英之が手がけた空間構成も見どころとなりそうです。

今月は東京都写真美術館にて『野口里佳 不思議な力』も開かれますが、あわせて見ておきたい展示といえるのではないでしょうか。

最後は画家で絵本作家のjunaidaの美術館での初個展です。PLAY! MUSEUMにて『junaida展 IMAGINARIUM』が開催されます。



『junaida展 IMAGINARIUM』@PLAY! MUSEUM(10/8~2023/1/15)

1978年生まれの画家、 junaida(ジュナイダ)は、近年出版した『Michi』や『怪物園』といった絵本でも話題を集めるなど幅広く活動してきました。

そのjunaidaの創作を紹介するのが『IMAGINARIUM』と題した個展で、絵本原画や描き下ろしの作品、約400点が公開されます。


junaidaは同ミュージアムの『どうぶつかいぎ展』にも作品を出展し、原作者のケストナーに物語に込めたメッセージをポスターに表現していましたが、今回は作家の活動の全体像を楽しめる展覧会となるかもしれません。

イロハニアートへも10月のおすすめの展覧会を寄稿しました。


【10月のおすすめ展覧会5選】鉄道と美術から国宝、神坂雪佳、ヴァロットンまで | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年9月に見たい展覧会【THE 新版画/アーツ・アンド・クラフツとデザイン/ピカソ 青の時代を超えて】

今月は秋から冬に向けて開幕する展覧会が少なくありません。少し遅くなりましたが、9月に見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。



展覧会

・『シアトル→パリ 田中保とその時代』 埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
・「創業200周年記念 フィンレイソン展 ─フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル─」 京王百貨店新宿店(9/21~10/3)
・『フィン・ユールとデンマークの椅子』 東京都美術館(7/23~10/9)
・『アレック・ソス Gathered Leaves』 神奈川県立近代美術館 葉山館(6/25~10/10)
・『立花文穂展 印象 IT'S ONLY A PAPER MOON』 水戸芸術館(7/23~10/10)
・『ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで/MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ』 東京都現代美術館(7/16~10/16)
・『生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎』 アーティゾン美術館(7/30~10/16)
・『大勾玉展-宝萊山古墳、東京都史跡指定70周年-』大田区立郷土博物館(8/2~10/16)
・『仙厓のすべて』 出光美術館(9/3~10/16)
・『アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン オールドノリタケ×若林コレクション』 そごう美術館(9/10~10/16)
・『合縁奇縁~大倉集古館の多彩な工芸品~』大倉集古館(8/16~10/23)
・『リニューアルオープン記念展Ⅲ 古美術逍遙 ―東洋へのまなざし』 泉屋博古館東京(9/10~10/23)
・『鈴木大拙展 Life=Zen=Art』 ワタリウム美術館(7/12~10/30)
・『装いの力―異性装の日本史』 渋谷区立松濤美術館(9/3~10/30)
・『日本の中のマネ ―出会い、120年のイメージ―』 練馬区立美術館(9/4~11/3)
・『新版画 進化系UKIYO-Eの美』 千葉市美術館(9/14~11/3)
・『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング』 森美術館(6/29~11/6)
・『THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦』 茅ヶ崎市美術館(9/10~11/6)
・『長坂真護展 Still A “BLACK” STAR』 上野の森美術館(9/10~11/6)
・『開館15周年 生誕120年 猪熊弦一郎展』 横須賀美術館(9/17〜11/6)
・『開館15周年記念 李禹煥』 国立新美術館(8/10~11/7)
・『イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき』 Bunkamuraザ・ミュージアム(9/17~11/10)
・『美をつくし―大阪市立美術館コレクション』 サントリー美術館(9/14~11/13)
・『宮城壮太郎展 使えるもの、美しいもの』 世田谷美術館(9/17~11/13)
・『柳宗悦と朝鮮の工芸 陶磁器の美に導かれて』 日本民藝館(9/1~11/23)
・『北斎ブックワールド ―知られざる板本の世界―』 すみだ北斎美術館(9/21~11/27)
・『旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる』 東京都庭園美術館(9/23~11/27)
・『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』 府中市美術館(9/23~12/4)
・『見るは触れる 日本の新進作家 vol.19』 東京都写真美術館(9/2~12/11)
・『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』 たばこと塩の博物館(9/10~12/25)
・『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』 ポーラ美術館(9/17~2023/1/15)

ギャラリー

・『上田義彦 「Māter」』 小山登美夫ギャラリー六本木(8/27~9/24)
・『コーネーリア・トムセン個展 「Unfolding Ratio」』 √K Contemporary (8/27~9/24)
・『ヴォイド オブ ニッポン 77 展 戦後美術史のある風景と反復進行』 GYRE GALLERY(8/15~9/25)
・『シャネルを紡ぐ手 アンヌ ドゥ ヴァンディエール展』 シャネル・ネクサス・ホール(8/31~10/2)
・『高橋大輔 個展 絵画をやるーひるがえって明るい』 ANOMALY(9/10~10/8)
・『カミラ・テイラー 静かな友達 - Quiet Friend」 Kanda & Oliveira(9/14~10/8)
・『八木マリヨ・八木夕菜「地殻を辿る」』 ポーラ ミュージアム アネックス(9/16~10/23)
・『細谷巖 突き抜ける気配』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(9/5~10/24)
・『HIROSHI SUGIMOTO | OPERA HOUSE』 ギャラリー小柳(9/3~11/6)
・『発酵と暮らし ―人も海も土も森も…すべてはつながっている―』 ギャラリー エー クワッド(9/16~11/10)
・『第八次椿会 このあたらしい世界 杉戸洋、中村竜治、Nerhol、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]』 資生堂ギャラリー(8/27~12/18)

まずは新版画の展覧会です。茅ヶ崎市美術館にて『THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦』が開かれます。



『THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦』@茅ヶ崎市美術館(9/10~11/6)

これは明治末期、新しい時代の浮世絵を提唱した渡邊庄三郎と彼の版元・渡邊版画店に焦点を当て「新版画」の潮流を紹介するもので、伊東深水、山村耕花、川瀬巴水、笠松紫浪、小原祥邨らの作品が一堂に公開されます。


なお展示はひろしま美術館からの巡回で、関東での開催は茅ヶ崎市美術館のみとなります。(以降、高知県立美術館と美術館「えき」KYOTOへと巡回予定。)ちょうど今月は千葉市美術館でも『新版画 進化系UKIYO-Eの美』(9/14~11/3)がスタートするので、あわせて見るのも楽しいかもしれません。

続いてはデザインに関する展覧会です。府中市美術館にて『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』が行われます。



『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』@府中市美術館(9/23~12/4)

19世紀後半のイギリスで興ったデザインの革新運動「アーツ・アンド・クラフツ」は、日々の暮らしを美しく彩るべく、画家や建築家、職人らが一体となって手仕事による作品を手がけ、アメリカや日本の民藝などにも多様な影響を与えました。

その「アーツ・アンド・クラフツ」の世界を紹介するのが今回の展示で、家具、テキスタイル、ガラス器、ジュエリーなど約150点の作品が公開されます。モリスのデザインした室内装飾やブックデザイン、またアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトによるステンドグラスなども見どころとなりそうです。

ラストは西洋美術です。ポーラ美術館にて『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』が開催されます。



『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』@ポーラ美術館(9/17~2023/1/15)


これは青の時代のピカソを起点に、初期から晩年までの画業をたどるもので、国内外の作品、約70点が公開されます。また青の時代の絵画作品の光学調査の成果など、ピカソの制作に関しての新たな知見が得られる展覧会となりそうです。

WEBメディア「イロハニアート」へも9月のおすすめの展覧会を寄稿しました。


2022年9月おすすめ展覧会5選!ヴィンテージライターから、イッタラ、フィンレイソンまで | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年8月に見たい展覧会【大勾玉展/日本美術をひも解く/李禹煥】

7月末から8月に入って猛烈な熱波が各地を襲っています。最高気温が連日40度近くまで達する日も少なくありません。なかなか出かけるのも億劫になってしまう季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。

8月にはじまる展覧会は多くありませんが、その中でも気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『小松美羽展 岡本太郎に挑む―霊性とマンダラ』 川崎市岡本太郎美術館(6/25~8/28)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
・『開館20周年記念展 モネからリヒターへ ―新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館(4/9~9/6)
・『リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』 国立西洋美術館(6/4~9/11)
・『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』 平塚市美術館(7/9~9/11)
・『どっちがどっち?いわいとしお×岩井俊雄 ―『100かいだてのいえ』とメディアアートの世界―』 茨城県近代美術館(7/2~9/19)
・『東北へのまなざし1930-1945』 東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)
・『ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode』 三菱一号館美術館(6/18~9/25)
・『水のかたち―《源平合戦図》から千住博の「滝」まで』 山種美術館(7/9~9/25)
・『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 市原湖畔美術館(7/16~9/25)
・『浮世絵動物園』 太田記念美術館(7/30~9/25)
・『イラストレーター 安西水丸展』 佐倉市立美術館(8/6~9/25)
・『日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱』 東京藝術大学大学美術館(8/6~9/25)
・『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』 国立新美術館(6/29~9/26)
・『クマのプーさん展』 PLAY! MUSEUM(7/16~10/2)
・『シアトル→パリ 田中保とその時代』 埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
・『ボストン美術館展 芸術×力』 東京都美術館(7/23~10/2)
・『ぞろぞろ・わいわい・人だらけ―狩野派も、それ以外も』板橋区立美術館(8/27~10/2)
・『フィン・ユールとデンマークの椅子』 東京都美術館(7/23~10/9)
・『アレック・ソス Gathered Leaves』 神奈川県立近代美術館 葉山館(6/25~10/10)
・『特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界』 森アーツセンターギャラリー(7/16~10/10)
・『立花文穂展 印象 IT'S ONLY A PAPER MOON』 水戸芸術館(7/23~10/10)
・『ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで/MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ』 東京都現代美術館(7/16~10/16)
・『生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎』 アーティゾン美術館(7/30~10/16)
・『大勾玉展-宝萊山古墳、東京都史跡指定70周年-』大田区立郷土博物館(8/2~10/16)
・『松岡コレクション めぐりあうものたち Vol.2』松岡美術館(8/2~10/23)
・『合縁奇縁~大倉集古館の多彩な工芸品~』大倉集古館(8/16~10/23)
・『鈴木大拙展 Life=Zen=Art』 ワタリウム美術館(7/12~10/30)
・『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング』 森美術館(6/29~11/6)
・『開館15周年記念 李禹煥』 国立新美術館(8/10~11/7)

ギャラリー

・『第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展「ヒロシマ・アピールズ」』 クリエイションギャラリーG8(7/12~8/20)
・『髙田唯 混沌とした秩序』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/11~8/25)
・『笹本晃 : 浮き沈み浮き』Take Ninagawa(7/16〜9/3)
・『野口哲哉「this is not a samurai』 ポーラ ミュージアム アネックス(7/29~9/11)
・『A Quiet Sun 田口和奈展』 メゾンエルメス8階フォーラム(6/17~9/30)
・『末光弘和+末光陽子 / SUEP.展 Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち』 TOTOギャラリー・間(6/8~9/11)

まずは考古に関する展覧会です。大田区立郷土博物館にて『大勾玉展-宝萊山古墳、東京都史跡指定70周年-』が開催されます。



『大勾玉展-宝萊山古墳、東京都史跡指定70周年-』@大田区立郷土博物館(8/2~10/16)


これは大田区の宝莱山古墳が東京都の史跡に指定されて70周年を期し、出土したヒスイ製の勾玉を紹介するもので、あわせて全国各地よりやって来た1500点もの勾玉が一堂に公開されます。独特な形や色などで現代でも人気のある勾玉をかつてないスケールにて楽しめる機会となりそうです。

続いては日本美術です。東京藝術大学大学美術館にて『日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱』が行われます。



『日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱』@東京藝術大学大学美術館(8/6~9/25)

現在建て替え中の宮内庁三の丸尚蔵館が収蔵する作品、および東京藝術大学のコレクション計82件の日本美術を公開するもので、狩野永徳の『唐獅子図屏風』や伊藤若冲の『動植綵絵』のうちの10幅なども紹介されます。


会期は前後期に分かれていて、それぞれ前期と後期でも一部作品の展示替えや巻替えが行われます。酒井抱一の『花鳥十二ヶ月』は前期1期間の8月6日~8月28日での展示、伊藤若冲の『動植綵絵』は後期1期間の8月30日~9月25日での公開です。詳しくは出品リストをご参照ください。

最後はもの派の美術家、李禹煥の個展です。国立新美術館にて『開館15周年記念 李禹煥』が開かれます。



『開館15周年記念 李禹煥』@国立新美術館(8/10~11/7)


今回の個展では李自らの展示プランのもと、最初期の作品から代表的な「関係項」といった彫刻のシリーズ、または「線より」や「照応」といった絵画などが公開されます。横浜美術館以来、17年ぶりの個展だけに、久しぶりに李の創作のすべてを見ることができそうです。

一部、内容が重なりますが、WEBメディア「イロハニアート」にも8月のおすすめ展覧会を寄稿しました。

【8月のおすすめ展覧会5選】李禹煥や皇室ゆかりの名品、それに江戸絵画まで。 | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年7月に見たい展覧会【工藤麻紀子/東北へのまなざし/田中保とその時代】

あっという間に梅雨が明けたかと思いきや、記録的な酷暑ともいえる日々が続いています。



6月に見た展覧会では、アーティゾン美術館の『写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』のほか、東京の郊外にて行われている2つの展覧会、『孤高の高野光正コレクションが語る ただいま やさしき明治』(府中市美術館)と『彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動』(町田市立国際版画美術館)がとても印象に残りました。

7月も興味深い展覧会が目白押しです。気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『生誕100年朝倉摂展』 練馬区立美術館(6/26~8/14)
・『生誕150年 板谷波山 ―時空を超えた新たなる陶芸の世界』 出光美術館(6/18~8/21)
・『よめないけど、いいね! 根津美術館の書の名品』 根津美術館(7/16~8/21)
・『北斎 百鬼見参』 すみだ北斎美術館(6/21~8/28)
・『歌枕 あなたの知らない心の風景』サントリー美術館(6/29~8/28)
・『小松美羽展 岡本太郎に挑む―霊性とマンダラ』 川崎市岡本太郎美術館(6/25~8/28)
・『開館35周年記念展 美術館はおもちゃ箱・道具箱』 目黒区美術館(7/9~8/28)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
・『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館(6/25~9/4)
・『こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界』 世田谷美術館(7/2~9/4)
・『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』 Bunkamuraザ・ミュージアム(7/16~9/4)
・『とある美術館の夏休み』 千葉市美術館(7/16~9/4)
・『開館20周年記念展 モネからリヒターへ ―新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館(4/9~9/6)
・『リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』 国立西洋美術館(6/4~9/11)
・『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』 平塚市美術館(7/9~9/11)
・『茶の湯の陶磁器 “景色”を愛でる』 三井記念美術館(7/9~9/19)
・『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』 東京オペラシティ アートギャラリー(7/16~9/19)
・『東北へのまなざし1930-1945』 東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)
・『ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode』 三菱一号館美術館(6/18~9/25)
・『キース・ヴァン・ドンゲン展―フォーヴィスムからレザネフォル』 パナソニック汐留美術館(7/9~9/25)
・『水のかたち―《源平合戦図》から千住博の「滝」まで』 山種美術館(7/9~9/25)
・『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 市原湖畔美術館(7/16~9/25)
・『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』 国立新美術館(6/29~9/26)
・『クマのプーさん展』 PLAY! MUSEUM(7/16~10/2)
・『シアトル→パリ 田中保とその時代』 埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)
・『ボストン美術館展 芸術×力』 東京都美術館(7/23~10/2)
・『フィン・ユールとデンマークの椅子』 東京都美術館(7/23~10/9)
・『アレック・ソス Gathered Leaves』 神奈川県立近代美術館 葉山館(6/25~10/10)
・『印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展』 SOMPO美術館(7/13~10/10)
・『特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界』 森アーツセンターギャラリー(7/16~10/10)
・『ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで/MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ』 東京都現代美術館(7/16~10/16)
・『鈴木大拙展 Life=Zen=Art』 ワタリウム美術館(7/5~10/30)
・『地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング』 森美術館(6/29~11/6)

ギャラリー

・『第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展「ヒロシマ・アピールズ」』 クリエイションギャラリーG8(7/12~8/20)
・『髙田唯 混沌とした秩序』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/11~8/25)
・『野口哲哉「this is not a samurai』 ポーラ ミュージアム アネックス(7/29~9/11)
・『A Quiet Sun 田口和奈展』 メゾンエルメス8階フォーラム(6/17~9/30)
・『末光弘和+末光陽子 / SUEP.展 Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち』 TOTOギャラリー・間(6/8~9/11)

まずは現代美術家の個展です。平塚市美術館にて『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』が開かれます。



『工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな』@平塚市美術館(7/9~9/11)

1978年生まれたの画家、工藤麻紀子は、色彩鮮やかな構成や装飾的な表現によって日常の生活をモチーフとした心象風景を描き、国内のグループ展に参加するなどして活動してきました。


その工藤の美術館としての初の個展が『花が咲いて存在に気が付くみたいな』と題した展示で、新作とインスタレーションを含む120点余りの作品が公開されます。工藤といえば、小山登美夫ギャラリーなどのギャラリーの個展をはじめ、東京オペラシティアートギャラリーの『絵画の在りか』などでも作品を見る機会がありましたが、今回は作品数を踏まえても充実した展覧会となりそうです。

東北の豊かな文化を改めて認識するような展覧会となるかもしれません。東京ステーションギャラリーにて『東北へのまなざし1930-1945』が開かれます。



『東北へのまなざし1930-1945』@東京ステーションギャラリー(7/23~9/25)

これは1930年から戦中にかけて、東北地方の建築や生活用品に着目したブルーノ・タウトや柳宗悦、それに東北の出身でもある今和次郎や吉井忠らの活動を紹介しながら、東北に関するさまざまな文物を展示するもので、東北のものづくりに向けられた視点をたどっていきます。


なお展示は4月の岩手県立美術館にはじまり、福島県立美術館にて開かれてきた巡回展で、ここ東京ステーションギャラリーが最後の開催地となります。

最後は埼玉県立近代美術館では25年ぶりとなる回顧展です。『シアトル→パリ 田中保とその時代』が行われます。



『シアトル→パリ 田中保とその時代』@埼玉県立近代美術館(7/16~10/2)


1886年に岩槻に生まれ、18歳にして移民としてシアトリに渡り、1920年にパリに移住した田中保は、サロン・ドートンヌなどの展覧会にて出品を重ねると、同地にて人気を博し、肖像や裸婦像などを描いては活動しました。

その田中は日本の美術教育を受けず、そもそもアメリカにて身を立てていたため、生前に日本の画壇に受け入れられることはありませんでした。そうした田中の画業を振り返るのが『シアトル→パリ 田中保とその時代』で、同時代の画家を含めた100点の作品が公開されます。最新の研究を交え、田中の実像が明らかになる機会となりそうです。

WEBメディア、イロハニアートでも7月のおすすめの展覧会をまとめました。あわせてご覧いただければ嬉しいです。


ドンゲンからアリス、ボストン美術館展まで。7月のおすすめ展覧会5選 | イロハニアート

それでは7月もどうぞよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年6月に見たい展覧会【自然と人のダイアローグ/リヒター/シャネル】

梅雨を控え、蒸し暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。5月にはこの春の西洋美術展にて最も人気を集めた『メトロポリタン美術館展』や、会期末にかけて多くの人が詰めかけた『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』などが閉幕しました。ご覧になった方も多いかもしれません。



夏に向けて6月に新たにスタートする展覧会は少なくありません。今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『金氏徹平 S.F. (Something Falling/Floating)』 市原湖畔美術館(4/16~6/26)
・『新しいエコロジーとアート』 東京藝術大学大学美術館(5/28~6/26)
・『生誕110周年 奥田元宋と日展の巨匠―福田平八郎から東山魁夷へ』 山種美術館(4/23~7/3)
・『OKETA COLLECTION Mariage -骨董から現代アート-」展 WHAT MUSEUM(4/28~7/3)
・『空箱職人はるきる展』 そごう美術館(5/27~7/3)
・『阿弥陀如来 浄土への憧れ』 根津美術館(5/28~7/3)
・『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』 アーティゾン美術館(4/29~7/10)
・『孤高の高野光正コレクションが語る  ただいま やさしき明治 発見された日本の風景』 府中市美術館(5/21~7/10)
・『ワニがまわる タムラサトル』 国立新美術館(6/15~7/18)
・『津田青楓 図案と、時代と、』 渋谷区立松濤美術館(6/18~8/14)
・『生誕100年朝倉摂展』 練馬区立美術館(6/26~8/14)
・『生誕150年 板谷波山 ―時空を超えた新たなる陶芸の世界』 出光美術館(6/18~8/21)
・『北斎 百鬼見参』 すみだ北斎美術館(6/21~8/28)
・『歌枕 あなたの知らない心の風景』サントリー美術館(6/29~8/28)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
・『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館(6/25~9/4)
・『開館20周年記念展 モネからリヒターへ ―新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館(4/9~9/6)
・『リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』 国立西洋美術館(6/4~9/11)
・『ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode』 三菱一号館美術館(6/18~9/25)
・『ゲルハルト・リヒター展』 東京国立近代美術館(6/7~10/2)
・『クリストとジャンヌ=クロード』 21_21 DESIGN SIGHT(6/13~2023/2/12)

ギャラリー

・『熊谷亜莉沙|私はお前に生まれたかった』 ギャラリー小柳(4/16~6/22)
・『線のしぐさ』 東京都渋谷公園通りギャラリー(4/23~6/26)
・『䑓原蓉子 : 食べてください食べないでください』 Take Ninagawa(5/7~7/2)
・『JAGDA新人賞展2022 佐々木拓・竹田美織・前原翔一』 クリエイションギャラリーG8(5/31~7/2)
・『世界の終わりと環境世界展』 GYRE GALLERY(5/13~7/3)
・『和田礼治郎 Market and Thieves in a Cloister」 SCAI THE BATHHOUSE(5/31~7/9)
・『米田知子 残響―打ち寄せる波』 シュウゴアーツ(6/4~7/9)
・『菅木志雄 有でもなく無でもなく」 小山登美夫ギャラリー六本木(6/11~7/9)
・『竹村京・鬼頭健吾「色と感情」』 ポーラ ミュージアム アネックス(6/17~7/24)
・『末光弘和+末光陽子 / SUEP.展 Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち』 TOTOギャラリー・間(6/8~9/11)

まずは今年4月にリニューアルした国立西洋美術館が、それ以降に初めて企画展示室にて開く展覧会です。『自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』が開かれます。



『リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』@国立西洋美術館(6/4~9/11)

ここでは国立西洋美術館とドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館のコレクションから、印象派とポスト印象派を軸に、ドイツ・ロマン主義から20世紀絵画までの100点を超える作品を紹介するもので、「自然」をキーワードにして芸術表現の展開をたどります。


両館はともに同時代を生きた松方幸次郎とカール・エルンスト・オストハウスの二人のコレクターの作品を基盤としていて、すでに行われたドイツ展とは作品をテーマをかえて開かれるコラボレーション展となります。

続いては現代美術です。ドイツのアーティスト、ゲルハルト・リヒターの個展が東京国立近代美術館にて開催されます。



『ゲルハルト・リヒター展』@東京国立近代美術館(6/7~10/2)

これはリヒターの画業を旧作から最新作のドローイングを含む約110点の作品にてたどるもので、あわせてホロコーストを主題とした近年の大作『ビルケナウ』が日本で初めて公開されます。


リヒターでの国内の個展は2005年から翌年2006年にかけて金沢21世紀美術館とDIC川村記念美術館で開催されて以来、実に16年ぶりとなるだけに、ともすれば今年最も注目される現代アート展になるかもしれません。

ラストは日本では32年ぶりとなるシャネルの回顧展です。三菱一号館美術館にて『ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode』が行われます。



『ガブリエル・シャネル展 ― Manifeste de mode』@三菱一号館美術館(6/18~9/25)

1920年代の新しい女性像の流行を先導したガブリエル・シャネルは、20世紀で最も影響力の大きいデザイナーの1人とも言われ、現在も世界有数のファッションブランドとして知られるなど多くの人々に愛されてきました。


そのシャネルの業績を、各時代を代表する服飾作品だけでなく、香水瓶やイヤリング、ネックレスといったアクセサリーなどにて明らかにするもので、ガリエラ宮パリ市立モード美術館、およびパリ・ミュゼが主催する国際巡回展となります。ジョサイア・コンドル設計の三菱一号館を復元した、煉瓦造りの重厚な空間との響き合いにも注目が集まりそうです。

イロハニアートでも6月のおすすめの展覧会をご紹介しました。


リヒター、タムラサトル、そして青楓まで。6月のおすすめ展覧会5選 | イロハニアート

それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年5月に見たい展覧会【鬼頭健吾/琉球/発見された日本の風景】

ゴールデンウィークに入りましたが、いかがお過ごしでしょうか。今年はコロナ禍における移動自粛の要請もなく、平日を2日休むと最大で10連休になるだけに、ここ数年に比べると多くの方が旅行に繰り出しているようです。街中の人出もかなり増えてきました。



5月に見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 森美術館(2/18~5/29)
・『人のすがた、人の思い―収蔵品にみる人々の物語』 大倉集古館(4/5~5/29)
・『生誕110年 松本竣介』 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(4/29~5/29)
・『国宝手鑑「見努世友」と古筆の美』 出光美術館(4/23~6/5)
・『KAAT EXHIBITION 2022 鬼頭健吾展|Lines』 KAAT神奈川芸術劇場(5/1~6/5)
・『大正ロマン×百段階段』 ホテル雅叙園東京百段階段(4/16~6/12)
・『建物公開2022 アール・デコの貴重書』 東京都庭園美術館(4/23~6/12)
・『イスラエル博物館所蔵ピカソ ― ひらめきの原点 ―』 パナソニック汐留美術館(4/9~6/19)
・『金氏徹平 S.F. (Something Falling/Floating)』 市原湖畔美術館(4/16~6/26)
・『リニューアルオープンⅠ 絵のある陶磁器』 三井記念美術館(4/29~6/26)
・『沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」』 東京国立博物館(5/3~6/26)
・『生誕100年 清水九兵衞/六兵衞』 千葉市美術館(4/13~7/3)
・『生誕110周年 奥田元宋と日展の巨匠―福田平八郎から東山魁夷へ』 山種美術館(4/23~7/3)
・『OKETA COLLECTION Mariage -骨董から現代アート-」展 WHAT MUSEUM(4/28~7/3)
・『ボテロ展 ふくよかな魔法』  Bunkamura ザ・ミュージアム(4/29~7/3)
・『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』 アーティゾン美術館(4/29~7/10)
・『孤高の高野光正コレクションが語る  ただいま やさしき明治 発見された日本の風景』 府中市美術館(5/21~7/10)
・『リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション』 泉屋博古館東京(5/21~7/31)
・『アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真』 東京都写真美術館(5/20~8/21)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
・『開館20周年記念展 モネからリヒターへ ―新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館(4/9~9/6)

ギャラリー

・『イケムラレイコ 限りなく透明な』 シュウゴアーツ(4/14~5/28)
・『八木夕菜  個展「視/覚の偏/遍在」』  √K Contemporary(4/29~5/28)
・『流麻二果 その光に色を見る Spectrum of Vivid Moments』 ポーラ ミュージアム アネックス(4/22~5/29)
・『古寺巡礼―土門拳が切り取った時間―』 東京工芸大学芸術学部写大ギャラリー(4/11~6/1)
・『Chim↑Pom from Smappa!Group』 ANOMALY(4/27~6/4)
・『パウロ・モンテイロ 場所のない色」 小山登美夫ギャラリー六本木(5/11~6/4)
・『熊谷亜莉沙|私はお前に生まれたかった』 ギャラリー小柳(4/16~6/22)
・『線のしぐさ』 東京都渋谷公園通りギャラリー(4/23~6/26)
・『佐藤卓TSDO展 〈 in LIFE 〉』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(5/16~6/30)
・『䑓原蓉子 : 食べてください食べないでください』 Take Ninagawa(5/7~7/2)
・『世界の終わりと環境世界展』 GYRE GALLERY(5/13~7/3)
・『ラシード・ジョンソン Plateaus』 エスパス ルイ・ヴィトン東京(4/27~9/25)

まずは現代美術です。フラフープのインスタレーションなどで知られる鬼頭健吾の個展が、KAAT神奈川芸術劇場にて開かれます。



『KAAT EXHIBITION 2022 鬼頭健吾展|Lines』@KAAT神奈川芸術劇場(5/1~6/5)

KAAT EXHIBITIONとは2016年から同劇場にて毎年行われてきた現代美術展で、今年は鬼頭が約30メートルにも及ぶアトリウムにて作品を公開します。色彩鮮やかでかつスケールの大きなインスタレーションを楽しむことができそうです。

続いては東京国立博物館の大規模な展覧会です。『沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」』が行われます。



『沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」』@東京国立博物館(5/3~6/26)


今年復帰50年を迎えた沖縄はかつて琉球王国として栄え、今に至るまでの独自の歴史や文化を育んできました。その沖縄と琉球に関する文化財を公開するのが『特別展 琉球』で、歴史資料、工芸、国王尚家に由来する宝物や民族作品などが約360件公開されます。(展示替えあり)過去にも東京で何度か琉球に関する展覧会が開かれてきましたが、今回は過去最大スケールのいわば決定版となるかもしれません。

ラストは明治に着目した展覧会です。府中市美術館にて『孤高の高野光正コレクションが語る  ただいま やさしき明治 発見された日本の風景』が開催されます。



『孤高の高野光正コレクションが語る  ただいま やさしき明治 発見された日本の風景』@府中市美術館(5/21~7/10)

これは明治時代に活動した日本、あるいは海外の画家77名の作品を紹介するもので、洋の東西の画家が見つめた明治日本の風景や暮らしなどについてたどっていきます。またいずれも日本から海外へ渡った作品のみを収集した高野光正氏によるコレクションを中心としていて、京都国立近代美術館での「発見された日本の風景」展に続き、ほとんどの作品は東京で初めて公開されます。

一部、内容が重なりますが、WEBメディア「イロハニアート」でも5月のおすすめ展覧会をご紹介しました。


古筆から琉球、それに鬼頭健吾まで。5月に見たいおすすめ展覧会5選 | イロハニアート

私のゴールデンウィークは特に遠出もなく、近場の展覧会をいくつかまわって見ることになりそうです。

それでは今月もどうぞよろしくお願いいたします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年4月に見たい展覧会【SHIBUYAで仏教美術/清水九兵衞・六兵衞/ボテロ】

東京や大阪では桜の満開を迎えましたが、全国的な桜前線は北上を続け、北陸や東北でも桜の開花のたよりが伝えられようとしています。私は今年も近場で花見を楽しみましたが、遠方へのお出かけも予定している方も多いかもしれません。



4月に見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『21_21 DESIGN Future SIGHT』 21_21 DESIGN SIGHT(2021/12/21~2022/5/8)
・『浅田政志展』 水戸芸術館(2/19~5/8)
・『藝大コレクション展 2022 春の名品探訪 天平の誘惑』 東京藝術大学大学美術館(4/2~5/8)
・『日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京』 泉屋博古館東京(3/19~5/8)
・『アイラブアート16 視覚トリップ展  ~ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に~』 ワタリウム美術館(1/22~5/15)
・『開館40周年記念展 扉は開いているか ―美術館とコレクション1982-2022』 埼玉県立近代美術館(2/5~5/15)
・『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』 三菱一号館美術館(2/18~5/15)
・『丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展』 たばこと塩の博物館(2/26~5/15)
・『本城直季 (un)real utopia』 東京都写真美術館(3/19~5/15)
・『燕子花図屏風の茶会 昭和12年5月の取り合わせ』 根津美術館(4/16~5/15)
・『北斎花らんまん』 すみだ北斎美術館(3/15~5/22)
・『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 森美術館(2/18~5/29)
・『人のすがた、人の思い―収蔵品にみる人々の物語』 大倉集古館(4/5~5/29)
・『SHIBUYAで仏教美術―奈良国立博物館コレクションより』 渋谷区立松濤美術館(4/9~5/29)
・『大英博物館 北斎 ―国内の肉筆画の名品とともに―』 サントリー美術館(4/16~6/12)
・『大正ロマン×百段階段』 ホテル雅叙園東京百段階段(4/16~6/12)
・『建物公開2022 アール・デコの貴重書』 東京都庭園美術館(4/23~6/12)
・『出版120周年 ピーターラビット展』 世田谷美術館(3/26~6/19)
・『イスラエル博物館所蔵ピカソ ― ひらめきの原点 ―』 パナソニック汐留美術館(4/9~6/19)
・『篠田桃紅展』 東京オペラシティ アートギャラリー(4/16~6/22)
・『シダネルとマルタン展』 SOMPO美術館(3/26~6/26)
・『ヨシタケシンスケ展かもしれない』 世田谷文学館(4/9~7/3)
・『生誕100年 清水九兵衞/六兵衞』 千葉市美術館(4/13~7/3)
・『スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち』 東京都美術館(4/22~7/3)
・『生誕110周年 奥田元宋と日展の巨匠―福田平八郎から東山魁夷へ』 山種美術館(4/23~7/3)
・『ボテロ展 ふくよかな魔法』  Bunkamura ザ・ミュージアム(4/29~7/3)
・『牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児』 東京ステーションギャラリー(4/16~7/10)
・『コジコジ万博』 PLAY! MUSEUM (4/23~7/10)
・『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』 アーティゾン美術館(4/29~7/10)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
・『開館20周年記念展 モネからリヒターへ ―新収蔵作品を中心に』 ポーラ美術館(4/9~9/6)

ギャラリー

・『TDC 2022』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/1~4/30)
・『佐藤翠 Floating Drapery – 浮遊するドレーパリー』 小山登美夫ギャラリー(4/2~4/30)
・『Soul ジェーン エヴリン アトウッド展』 シャネル・ネクサス・ホール(3/30~5/8)
・『ミロコマチコ展 うみまとう』 クリエイションギャラリーG8(4/5~5/23)
・『流麻二果 その光に色を見る Spectrum of Vivid Moments』 ポーラ ミュージアム アネックス(4/22~5/29)
・『熊谷亜莉沙|私はお前に生まれたかった』 ギャラリー小柳(4/16~6/22)

まずは仏教美術です。渋谷区立松濤美術館にて『SHIBUYAで仏教美術―奈良国立博物館コレクションより』が開かれます。



『SHIBUYAで仏教美術―奈良国立博物館コレクションより』@渋谷区立松濤美術館(4/9~5/29)


これは奈良国立博物館の仏教美術を初めてまとめて東京で公開するもので、国宝『牛皮華鬘』や重要文化財『如意輪観音菩薩坐像』をはじめとする美術工芸品、全83件が展示されます。奈良博といえば、主になら仏像館に収蔵された仏教美術で知られるだけに、同博物館の貴重なコレクションを見る良い機会となりそうです。

陶芸、彫刻ファンにとっては待ちに待った展覧会となるかもしれません。千葉市美術館にて『生誕100年 清水九兵衞/六兵衞』が行われます。



『生誕100年 清水九兵衞/六兵衞』@千葉市美術館(4/13~7/3)

清水九兵衞、あるいは七代清水六兵衞(1922~2006年)は、京都を代表する京焼の名家として名を馳せると、1960年代末より彫刻制作への道に進み、金属による抽象的な作品を発表しては芸術祭などにて評価されてきました。


そうした彫刻家と陶芸家の2つの顔を持つ清水九兵衞/七代清水六兵衞の足跡を、新出の資料や代表的な作品によってたどっていくもので、意外にも初めての大規模な回顧展となります。

ラストは90歳を超えてもなお活躍する画家の回顧展です。Bunkamura ザ・ミュージアムにて『ボテロ展 ふくよかな魔法』 が開催されます。



『ボテロ展 ふくよかな魔法』 @Bunkamura ザ・ミュージアム(4/29~7/3)

1932年にコロンビアにて生まれたフェルナンド・ボテロは、人物や静物をふくよかに描く絵画で知られ、1950年代の後半より主に欧米にて評価されてきました。


そのボテロの実に26年ぶりの国内での展示が『ボテロ展 ふくよかな魔法』 で、初期から近年までの油彩、水彩、素描など約70点が展示されます。また展覧会にあわせて、ボテロの素顔と作品を迫るドキュメンタリー映画、『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』も公開されます。

チラシからしてインパクトのあるヴィジュアルだけに、映画への展開も含めて、ひょっとすると春から夏にかけてボテロ・ムーブメントが起こるかもしれません。

WEBメディア「イロハニアート」にも今月に見たいおすすめの展覧会を寄稿しました。

モディリアーニと北斎、それに「ふくらみ」のボテロまで。4月に見たいおすすめ展覧会5選 | イロハニアート

それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年3月に見たい展覧会【空也上人と六波羅蜜寺/本城直季/カラーフィールド】

今年は関東でもかなり寒い日が続きましたが、3月に入る少し前から暖かくなってきました。日差しはすでに春を感じさせます。



先月は開幕が延期されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』と『メトロポリタン美術館展』が相次いではじまり、ともに質量ともに充実した内容で多くの美術ファンの注目を集めています。特に『メトロポリタン美術館展』は全編がほぼハイライトといっても良いほどのラインナップで、大変に見応えがありました。

3月も注目したい展覧会が目白押しです。今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『特別展 春日神霊の旅 -杉本博司 常陸から大和へ』 神奈川県立金沢文庫(1/29~3/21)
・『デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展』 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール(3/3~3/21)
・『季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~』 大倉集古館(1/18~3/27)
・『よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―』 サントリー美術館(1/26~3/27)
・『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』 ポーラ美術館(2021/9/18~2022/3/30)
・『VOCA展2022 現代美術の展望—新しい平面の作家たち』 上野の森美術館(3/11~3/30)
・『はじまりから、いま。 1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡―古代美術、印象派、そして現代へ』 アーティゾン美術館(1/29~4/10)
・『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 横須賀美術館(2/11~4/10)
・『開館55周年記念特別展 上村松園・松篁 —美人画と花鳥画の世界—』 山種美術館(2/5~4/17)
・『建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか』 板橋区立美術館(3/12~4/17)
・『21_21 DESIGN Future SIGHT』 21_21 DESIGN SIGHT(2021/12/21~2022/5/8)
・『浅田政志展』 水戸芸術館(2/19~5/8)
・『空也上人と六波羅蜜寺』 東京国立博物館(3/1〜5/8)
・『春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります―京の絵画と敦賀コレクション』 府中市美術館(3/12~5/8)
・『没後50年 鏑木清方展』 東京国立近代美術館(3/18~5/8)
・『アイラブアート16 視覚トリップ展  ~ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に~』 ワタリウム美術館(1/22~5/15)
・『開館40周年記念展 扉は開いているか ―美術館とコレクション1982-2022』 埼玉県立近代美術館(2/5~5/15)
・『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』 三菱一号館美術館(2/18~5/15)
・『第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展』 川崎市岡本太郎美術館(2/19~5/15)
・『丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展』 たばこと塩の博物館(2/26~5/15)
・『本城直季 (un)real utopia』 東京都写真美術館(3/19~5/15)
・『北斎花らんまん』 すみだ北斎美術館(3/15~5/22)
・『ダミアン・ハースト 桜』 国立新美術館(3/2~5/23)
・『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 森美術館(2/18~5/29)
・『吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる/生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展』 東京都現代美術館(3/19~6/19)
・『シダネルとマルタン展』 SOMPO美術館(3/26~6/26)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)

ギャラリー

・『AC部「異和感ナイズ展』 クリエイションギャラリーG8(2/22~3/30)
・『渡辺豪 所在について』 ANOMALY(3/5~4/2)
・『泉太郎』 Take Ninagawa(2/26~4/9)
・『山口藍展 山あいの歌』 ミヅマアートギャラリー(3/9~4/9)
・『Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村』 東京都渋谷公園通りギャラリー(1/22~4/10)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展 2022 後期』 ポーラ ミュージアム アネックス (3/18~4/17)
・『Soul ジェーン エヴリン アトウッド展』 シャネル・ネクサス・ホール(3/30~5/8)
・『遠藤利克』 SCAI THE BATHHOUSE(3/8~5/14)
・『千田泰広 ― 視野の外は何色か?』 ギャラリー・エー・クワッド(3/3~5/26)
・『万物資生|中村裕太は、資生堂と   を調合する』 資生堂ギャラリー(2/26~5/29)

まずは仏教美術です。東京国立博物館本館特別5室にて『空也上人と六波羅蜜寺』がはじまります。



『空也上人と六波羅蜜寺』@東京国立博物館(3/1〜5/8)

平安京に疫病が流行した際、念仏を広めた空也上人は、現在の六波羅蜜寺にあたる西光寺を創建し、市井の人々から深い信仰を集めてきました。

その空也上人を象った『空也上人立像』を公開するのが『空也上人と六波羅蜜寺』で、六波羅蜜寺に伝わる平安・鎌倉時代の仏教彫刻が一堂に展示されます。『空也上人立像』が東京で出展されるのは約半世紀ぶりのことで、上人のすがたを写実的に象りながら、口から6体の阿弥陀仏が現れたという伝承を表現したユニークな造形にも改めて注目が集まりそうです。

続いては写真の展覧会です。東京都写真美術館にて『本城直季 (un)real utopia』が開かれます。



・『本城直季 (un)real utopia』@東京都写真美術館(3/19~5/15)

1978年に東京に生まれた本城直季は都市をジオラマのように撮影する作品で知られ、2006年には『small planet』で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞するなどして評価されてきました。

その本城の初の大規模個展が『本城直季 (un)real utopia』で、未公開シリーズを含む約200点の作品が紹介されます。本城といえば、昨年に千葉市にて開かれた『写真芸術展 CHIBA FOTO』にも参加し、コマ撮りの映像を公開するなど新たな展開を見せていましたが、今回の個展でもさらなる次への表現が示されるのかもしれません。

ラストはアメリカの抽象絵画の展覧会です。DIC川村記念美術館にて『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』が行われます。



・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』@DIC川村記念美術館(3/19~9/4)

「色彩による面の領域が画面のなかで大きな割合を示す絵画」(出典:artscape.jp)カラーフィールドは、1950年末から60年代にかけてのアメリカで発展し、のちの美術界にも大きな影響を与えました。

そうしたカラーフィールドに着目したのが『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』で、フランク・ステラ、モーリス・ルイス、ヘレン・フランケンサーラーといった9作家による50作品が展示されます。アメリカ抽象絵画のコレクションで定評のある同館にはカラーフィールドの作品が所蔵されていますが、今回は世界でも良質なカラーフィールドの作品を有するカナダのマーヴィッシュ・コレクションより約40点が初めて来日します。ロスコルームなどのコレクション展とあわせて楽しむことができそうです。

WEBメディア「イロハニアート」でも3月のおすすめの展覧会をご紹介しました。

春の江戸絵画まつりから鏑木清方、それにシダネルとマルタンまで。3月に見たいおすすめ展覧会5選 | イロハニアート

新型コロナウイルス感染症の影響などにより、各展覧会の会期が変更になる場合があります。最新の情報についてはWEBサイトにてご確認ください。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2022年2月に見たい展覧会【香月泰男/木村伊兵衛と画家たちの見たパリ/第25回TARO賞】

新型コロナウイルスのオミクロン株の猛威が国内を襲い、地域によっては美術館が再び臨時休館に追い込まれるなど影響が出ています。



一方で首都圏においては『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』の開幕が見送られたものの、ごく一部の美術館を除き、予約制や人数制限などの対策を踏まえて開館しています。2月に見たい展覧会をリストアップしました。

展覧会

・『第14回恵比寿映像祭 スペクタクル後』 東京都写真美術館(2/4~2/20)
・『生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生』 世田谷美術館(2021/11/20~2022/2/27)
・『北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか』 すみだ北斎美術館(2021/12/21~2022/2/27)
・『あざみ野フォト・アニュアル2022 中井菜央 雪の刻』 横浜市民ギャラリーあざみ野(1/29~2/27)
・『サロン展「松濤クロニクル1981→2021」』 渋谷区立松涛美術館(2/12~3/13)
・『FACE展2022』 SOMPO美術館(2/19~3/13)
・『未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展』 パナソニック汐留美術館(1/15~3/21)
・『特別展 春日神霊の旅 -杉本博司 常陸から大和へ』 神奈川県立金沢文庫(1/29~3/21)
・『ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵―武者たちの物語』 森アーツセンターギャラリー(1/21~3/25)
・『季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~』 大倉集古館(1/18~3/27)
・『よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―』 サントリー美術館(1/26~3/27)
・『生誕110年 香月泰男展』 練馬区立美術館(2/6~3/27)
・『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』 目黒区美術館(2/19~3/27)
・『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』 ポーラ美術館(2021/9/18~2022/3/30)
・『はじまりから、いま。 1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡―古代美術、印象派、そして現代へ』 アーティゾン美術館(1/29~4/10)
・『どうぶつかいぎ展』 PLAY! MUSEUM(2/5~4/10)
・『再開記念展 松岡コレクションの真髄』 松岡美術館(1/26~4/17)
・『開館55周年記念特別展 上村松園・松篁 —美人画と花鳥画の世界—』 山種美術館(2/5~4/17)
・『ミロ展—日本を夢みて』 Bunkamuraザ・ミュージアム(2/11~4/17)
・『21_21 DESIGN Future SIGHT』 21_21 DESIGN SIGHT(2021/12/21~2022/5/8)
・『浅田政志展』 水戸芸術館(2/19~5/8)
・『アイラブアート16 視覚トリップ展  ~ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に~』 ワタリウム美術館(1/22~5/15)
・『開館40周年記念展 扉は開いているか ―美術館とコレクション1982-2022』 埼玉県立近代美術館(2/5~5/15)
・『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』 三菱一号館美術館(2/18~5/15)
・『第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展』 川崎市岡本太郎美術館(2/19~5/15)
・『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 森美術館(2/18~5/29)
・『メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年』 国立新美術館(2/9~5/30)

ギャラリー

・『クリスチャン・マークレー Voices[声]』 ギャラリー小柳(2021/11/24~2022/2/26)
・『竹中美幸展』 アートフロントギャラリー(2/4〜2/27)
・『西野壮平写真展「線をなぞる "tracing lines”』 キヤノンギャラリー S(1/20〜3/7)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展 2022 前期』 ポーラ ミュージアム アネックス (2/11〜3/13)
・『妹島和世+西沢立衛/SANAA展 環境と建築』 TOTOギャラリー・間(2021/10/22~2022/3/20)
・『AC部「異和感ナイズ展』 クリエイションギャラリーG8(2/22〜3/30)
・『転移のすがた アーティスト・レジデンシー10周年記念展』 銀座メゾンエルメス(2021/12/17~2022/4/3)
・『泉太郎』 Take Ninagawa(2/26〜4/9)
・『万物資生|中村裕太は、資生堂と   を調合する』 資生堂ギャラリー(2/26〜5/29)

まずは戦後日本の美術史に足跡を残した画家の回顧展です。練馬区立美術館にて『生誕110年 香月泰男展』が開かれます。



・『生誕110年 香月泰男展』@練馬区立美術館(2/6~3/27)

1911年に山口県に生まれた香月泰男は、東京美術学校に入学すると、1942年に召集令状を受けて当時の満洲へと動員され、敗戦後はシベリアで抑留生活を送るなど苦難の人生を歩みました。


その香月の生誕110年を期して行われるのが今回の回顧展で、初期からシベリアでの抑留を主題とした「シベリア・シリーズ」のほか、遺作『渚(ナホトカ)』などが一堂に公開されます。まさに香月の人生を絵画にて追体験していくような展覧会となりそうです。なお同展は宮城県美術館を皮切りに全国にて開かれてきた巡回展で、東京では練馬区立美術館のみの開催となります。(この後、足利市立美術館へ巡回。)

続いては日本を代表する写真家の展示です。『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』が目黒区美術館にて開催されます。



・『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』@目黒区美術館(2/19~3/27)

1901年に東京で生まれ、日本の写真界を牽引した木村伊兵衛は、戦後初めて写真家としてヨーロッパを取材し、アンリ・カルティエ=ブレッソンなどと交流しながらパリの街角を写真におさめました。


その木村がパリにて撮影したカラー写真などを紹介するのが『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』で、加えて1910年から50年にかけてパリへ留学した同館所蔵の画家の作品も公開されます。木村の写真と同時代の画家の絵画の双方にて、当時のパリの情景を楽しめる展示となりそうです。

ラストは今年で25回目を迎えた現代美術展です。川崎市岡本太郎美術館にて『第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展』が行われます。



・『第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展』@川崎市岡本太郎美術館(2/19~5/15)


これは美術家の岡本太郎の精神を継承しつつ、現代美術作家を公募の形式にて顕彰するもので、応募された578点のうち入選した24名(組)の作品が公開されます。毎年、絵画、立体、インスタレーションを問わずに刺激的な作品が多いのも特徴で、今年も「現代美術のいま」を楽しめる内容となりそうです。

WEBメディア「イロハニアート」でも2月のおすすめの展覧会をご紹介しました。

大阪に新たな美術館もオープン!『メトロポリタン美術館展』から『Chim↑Pom展』まで。2月に見たいおすすめ展覧会5選 | イロハニアート

今後の状況により各展覧会の会期などが変更になる場合があります。最新の開催情報についてはWEBサイトにてご確認ください
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ 次ページ »