2021年9月に見たい展覧会【川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション/杉浦非水/美男におわす】

関東では先月末の猛暑と一転して涼しい日が続く中、東京2020パラリンピック競技大会も終盤に入り、9月5日の閉幕を迎えようとしています。


酒井抱一「四季花鳥図巻 巻下」(部分)*東京国立博物館本館8室にて10月3日まで公開中

新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、首都圏においても新たに横須賀美術館が8月末から臨時休館となりました。また茨城県では「ピピロッティ・リスト」展を控えた水戸芸術館も休館を余儀なくされています。現在のところ同展が開幕するのは9月14日の予定です。

先行きについては予断を許しませんが、当初のスケジュール通り開館するとして、9月に見たい展覧会をリストアップしました。

【展覧会】

・「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」 パナソニック汐留美術館(7/3~9/20)
・「大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―」 江戸東京博物館(7/10~9/20)
・「かこさとし展ーこどもはみらいにいきるひとー」 市川市文学ミュージアム(7/17~9/20)
・「川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―」 大田区立郷土博物館(7/17~9/20)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」 東京ステーションギャラリー(7/17~9/26)
・「THE北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」 すみだ北斎美術館(7/20~9/26)
・「コレクションViewpoint クリストとジャンヌ゠クロード―包む、覆う、積み上げる」 DIC川村記念美術館(7/3~10/03)
・「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」 印刷博物館(8/7~10/3)
・「KAAT EXHIBITION 2021 志村信裕展|游動」 KAAT神奈川芸術劇場(9/9~10/8)
・「山城知佳子 リフレーミング」 東京都写真美術館(8/17~10/10)
・「デミタスカップの愉しみ」 渋谷区立松濤美術館(8/24~10/10)
・「森に棲む服/forest closet ひびのこづえ展」 そごう美術館(9/10~10/10)
・「KAWS TOKYO FIRST」 森アーツセンターギャラリー(7/16~10/11)
・「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island ―あなたの眼はわたしの島」 水戸芸術館(9/14~10/17)
・「はじめての古美術鑑賞 人をえがく」 根津美術館(9/11~10/17)
・「能 Noh~秋色モード~」 大倉集古館(8/24~10/24)
・「没後160年記念 歌川国芳」 太田記念美術館(9/4~10/24)
・「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」 東京都写真美術館(8/24~10/31)
・「開館60周年記念展 刀剣 もののふの心」 サントリー美術館(9/15~10/31)
・「美男におわす」 埼玉県立近代美術館(9/23~11/3)
・「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション ―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」 大田区立龍子記念館(9/4~11/7)
・「速水御舟と吉田善彦―師弟による超絶技巧の競演―」 山種美術館(9/9~11/7)
・「杉浦非水 時代をひらくデザイン」 たばこと塩の博物館(9/11~11/14)
・「生誕110年 香月泰男展」 神奈川県立近代美術館 葉山(9/18~11/14)
・「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」 Bunkamuraザ・ミュージアム(9/18~11/23)
・「ピーター・シスの闇と夢」 練馬区立美術館(9/23~11/14)
・「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(7/2~11/28)
・「開館20周年記念 動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり」 府中市美術館(9/18~11/28)
・「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」 東京都庭園美術館(9/18~11/28)
・「バンクシーって誰?展」 寺田倉庫G1ビル(8/21~12/5)
・「ゴッホ展—響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」 東京都美術館(9/18~12/12)

【ギャラリー】

・「金氏徹平:S.F.(Smoke and Fog)」 アートフロントギャラリー(9/10~10/3)
・「奥西優子写真展:unblocked」 キヤノンギャラリー(9/1~10/5)
・「中村萌 our whereabouts ―私たちの行方―」 ポーラ ミュージアム アネックス(9/3~10/10)
・「小牟田悠介 新しい天体」 SCAI THE BATHHOUSE(9/7~10/9)
・「第15回 shiseido art egg 石原海展」 資生堂ギャラリー(9/14~10/10)
・「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」 GYRE GALLERY(8/20~10/17)
・「葛西薫展 NOSTALGIA」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(9/8~10/23)
・「The Absurd and The Sublime ギイ ブルダン展」 シャネル・ネクサス・ホール(9/8~10/24)
・「橋本晶子|I saw it, it was yours.」 ギャラリー小柳(9/11~10/30)
・「ル・パルクの色 遊びと企て ジュリオ・ル・パルク展」 銀座メゾンエルメス(8/13~11/30)

まずは同館初の現代アートとのコラボレーションです。大田区立龍子記念館にて「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション ―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」が開催されます。



「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―」@大田区立龍子記念館(9/4~11/7)


これは日本屈指の現代アートコレクターである高橋龍太郎のコレクションを大田区立龍子記念館にて公開するもので、会田誠、鴻池朋子、天明屋尚、山口晃などと川端龍子の作品が同時に展示されます。いわば「龍子VS現代美術」と言えるような対決展の構図になるのかもしれません。

デザインファンにも注目の展覧会となるのではないでしょうか。「杉浦非水 時代をひらくデザイン」がたばこと塩の博物館にて開かれます。


「東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通」 昭和2年(1927) 愛媛県美術館

「杉浦非水 時代をひらくデザイン」@たばこと塩の博物館(9/11~11/14)


愛媛県に生まれた杉浦非水は東京美術学校にて日本画を学ぶも、アール・ヌーヴォーの様式に魅せられたことで図案家として活動し、三越呉服店をはじめとした数多くの企業ポスターやパッケージデザインを手掛けました。

その非水の業績を振り返るのが今回の展覧会で、故郷の愛媛県美術館のコレクションを中心に300点もの作品や資料が公開されます。先行して開催された島根県立石見美術館での展示も評判を得ただけに、期待している方も多いかもしれません。

ラストは美人画ならぬ美男に着目した異色の展覧会です。埼玉県立近代美術館にて「美男におわす」が開かれます。



「美男におわす」@埼玉県立近代美術館(9/23~11/3)


これは日本の視覚文化において、美少年や美青年といった、人々が理想としてきた男性像を探るもので、浮世絵、日本画、彫刻のみならず、漫画や写真などの約190点の作品が公開されます。江戸から現代までを俯瞰しつつ、いわゆる美男を辿る意欲的な企画となりそうです。


杉浦非水やゴッホ、日本美術と現代アートの異色のコラボまで!9月に見たい東京都内の展覧会おすすめ5選

一部重複しますが、新WEBメディア「イロハニアート」(上記リンク先)でもおすすめの展覧会をご紹介しました。あわせてご覧いただければ幸いです。

それでは今月もよろしくお願いします。
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