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ぽかぽか春庭アーカイブ(ち)千野栄一『言語学の散歩』

2018-11-18 00:00:01 | エッセイ、コラム
20181118
ぽかぽか春庭アーカイブ(ち)千野栄一『言語学の散歩』

 2003年のアーカイブです。
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at 2003 10/12
春庭千日千冊 今日の一冊No.18(ち)千野栄一『言語学の散歩』
 『言語学の散歩』を読んだときには、ただただ、言葉というものの面白さを無心に楽しんだ。
 70年代はじめ、徳永康元に言語学を教わったとき、言語学とはなんて面白い学問なのだろうと思い、期末レポートとして「サピア・ウォーフの仮説」について書いた。徳永先生から優をもらった。
 しかし、言語学をやるためには、言語に強くなければならない。いかんせん、私は日本語以外のことばには、まったく弱かった。大林太良の神話学の方法でやろうとした卒論の『古事記』は大失敗作だった。

 千野栄一は、日本の中でも最も「言語に強い人」の一人。
 私が千野先生に言語学を教わっていた80年代後半、先生から「言語学徒、語源と学生に手をつけるな」「不倫と日本語起源論に嵌ったら命取り」と諭された。
 しかし、まもなく先生は離婚を成立させ、ふた回り年下の教え子と結婚!教え子に手をつけるな、という戒めは、先生自身にはあてはまらなかった。我々素人が手を染めたら泥沼になることだから、と諭してもらった訓戒だったが、先生にとっては逆転のレトリックなどお手のものであった!

 晩年をふたまわり年下の人を愛してすごすのは、男性だけではない。フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフ、作家のマルグリット・デュラスなども、晩年を若い恋人と共にすごした。
 日本でも、漫才師の内海桂子師匠は、60代のとき20歳年下の方のファンレターから愛をはぐくみ、正式に結婚した。
 新婚をからかう若手漫才師の「師匠、夜のつとめは?」という質問に「そりゃあ、結婚したんですから」と自信たっぷりに答えて、からかいを堂々とかわしていた。
 散歩と雑学、そして晩年の恋!

at 2003 10/12 08:52 編集 散歩と雑学が好き!晩年の恋も好き
 現在の趣味で老後も続けようと思っているのは、散歩と自転車ポタリング。
 読書は趣味ではない。人が酸素を断たれると5分で死んでしまうように、水を断たれると1週間余で死んでしまうように、食を断たれると1ヶ月余で死んでしまうように、私にとって、読書は趣味ではなく、「活字を断たれたら死んでしまう」生きるための「絶対必要物」なのだ。

 小学校のころは、欠食児童のごとく、一日にルパンとホームズとベルヌを三冊読むというようなガツガツとかっ込む読書をしたが、今はさすがに「絶対必要物」の読書とは言っても、ぽっくりぽくぽく散歩を楽しむのと同じように、楽しくゆったり読むのが好き。
 「散歩と雑学」は、生きる糧。本を読み散らし、トリビア雑学を仕入れては孫に披露して「それ、トリビアの泉でやってた、もう知ってる」なんて、うるさがられる晩年もいい。
 しかるに「晩年は雑学蘊蓄」もいいけど「晩年の恋」のほうがもっといいですぞ、というご意見にも一票!です。
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2010/01/26
 2003年に、「晩年の恋」へ一票を投じたにもかかわらず、我が晩年にいっこうに一票は訪れず、老い花散らす夜半の風。
 ただし、樋口恵子が老残廃棄物の老夫を、妻にぺったり張り付いてうっとうしい「濡れ落ち葉」に例えたのに比べれば、我が家の落ち葉は、もともと張り付くこともなくフラフラと舞い上がっているばかりで、「存在の耐えられない軽さ」に満ちている。
 千野栄一の訳した『存在の耐えられない軽さ』は、集英社文庫。千野先生が2002年に亡くなったあと、千野亜矢子夫人はチェコ語講師の仕事やチェコ語翻訳を引き継いで、千野先生晩年の恋の実りを育んでいらっしゃる。

 内海桂子師匠は、米寿。今も24歳年下のご主人と仲良く仕事も家庭も共にすごしている。
 やっぱり晩年の恋に一票。 

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20181118

 晩年の恋、ねぇ。
 岸惠子も『わりなき恋』で、70代女性の老いらくの恋を描きました。岸惠子は80歳すぎても凛として美しいから恋にも縁があろうけれど、われら一般のバーサンは、整形外科のリハビリマッサージに通うくらいが外出の機会。我が区は都内でも高齢女性在住率が高く、どこへ行ってもバーサンだらけ。「オマエもナー」、はい、もちろん私も。

 内海桂子、96歳も74歳になるご主人(マネジャー)と仲良く仕事を続けています。すごいなあ。

 恋。私が好きになるのは、少年のような女の子と、女の子のような少年。今はバスケットボール選手渡嘉敷来夢(とかしきらむ1991~)がお気に入り。

<つづく>
コメント (2)
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