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ぽかぽか春庭「2022年12月目次」

2022-12-31 00:00:01 | エッセイ、コラム

20221231
ぽかぽか春庭2022年12月目次

1201 ぽかぽか春庭ート散歩>2022アート散歩版画を見る(1)ヴァロットン展 (三菱一号館美術館)
1203 2022アート散歩版画を見る(2)版画で見る演劇(西洋美)全日本版画展  in 東京都美術館
1204 2022アート散歩版画を見る(3)全日本版画展 in 東京都美術館

1206 ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩写真を見る(1)蜷川実花瞬く光の庭 in 庭園美術館
1208 2022アート散歩写真を見る(2)藤原新也展 in 世田谷美術館
1210 2022アート散歩写真を見る(3)星野道夫展 in 写真美術館

1211 ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記秋色さがして(1)上野、砧、
0213 2022ふたふた日記>秋色をさがして(2)スズキさんとタカ氏とタローマン

1215 ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2022日本語学校冬(1)本陣宿見学
1217 日本語学校冬へ向かって(2)イベントの司会

1218 ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(1)第九の季節
1220 2022ふたふた日記>今年も、、、(2)2022年のことば
1222 2022ふたふた日記>今年も、、、(3)2022年の行楽
1224 2022ふたふた日記>今年も、、、(4)2022年のアート巡りまとめ
1225 2022ふたふた日記>今年も、、、(5)2022年のアート巡りまとめ後半
1227 2022ふたふた日記>今年も、、、(6)2022年のシネマパラダイス
1229 2022ふたふた日記>今年も、、、(5)2022年の日常生活事典まとめ

 2022年、お世話になりました。出会った方すれ違った方、すべての方々に感謝申し上げます。来年もよろしくお願いいたします。

 よいお年をお迎えください。

<2022年おひらき>
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ぽかぽか春庭「2022年の日常生活事典まとめ」

2022-12-29 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221227
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(5)2022年の日常生活事典まとめ

 日常生活。2022年もなんとかしのいで生きてきました。
 食うや食わずの暮らしながら、飢え死にしそうなわけでなし、北からのミサイルに当たったわけでもなし。コロナはまだまだ感染が増えているし、ウクライナとロシアの戦争は続いているし、世界中が平穏無事になっているわけでもありませんが、自分の生活をしっかり誠実に努力を続けて生きていく以外の生き方はできません。資産形成も貯蓄も縁のない暮らしですが、貧すれども貪することすることなかれと、歯をくいしばっています。

 娘といっしょにスーパーに買い物に行くのは週1回。1週間分の食料を買い込むので、ものすごい大荷物になりますが、配達料500円を惜しんで、娘が大荷物をキャリーカートで運び、私はリュックサックに詰め込んだものと、保冷バッグに入れて徒歩5分で我が家まで。

 娘の買い物方針。キャンペーンなどをやっていて、懸賞に応募できる商品を買うこと。できるだけスマホ応募でなく、ハガキ応募でできること。今年もいろいろ当たりました。一番多いのがトートバッグ。クオカード500円ってのも。塩辛セットが2度続けて当たったこともありましたが、普段買うこともない高級食品が当たるのも楽しみのひとつ。高級ステーキや果物などいろいろ食べることができました。

 ただし、昨年に比べて大物が当たらなくなりました。一昨年昨年は、電気圧力鍋とか電気かき氷器とか電気餃子鍋とか。あれこれ当たりました。高級ブランドの1枚3000円くらいの皿やカップなど、けっこうお高めのものが当たったのですが、今年の当選グッズは去年ほどではない。まあ、普通に食べるものを買って、毎週ひとつはなにかしら当たるのですから、娘の「懸賞生活」も、娘の興味が続くうちは当選を楽しみにして暮らします。

1月の暮らし
 娘といっしょに「ぐるっとパス」を購入したので、「元とるぞ」の精神で怒涛のごとく休みごとにおでかけしました。おでかけした帰りにはなにかしら食べて帰るので、自宅料理は減少。2500円ぐるっとパスの元はとったけれど、外食費はエンゲル係数爆上げ。

2月の暮らし
 2月も、ぐるっとパスを使い切ろうと、せっせと美術館博物館めぐりをつづけました。

3月の暮らし
 オリンピックパラリンピックとつづく世界フィギュアスケート観覧など、テレビで応援した3月。
 桜が咲いたらむろん、花見散歩。

4月の暮らし
 花見シーズンが終わっても、映画やアートのお楽しみはつづきました。
5月の暮らし
 娘の懸賞生活で当選したトマト苗。娘が「リコピントマト」購入を続け、「レミパン」とかのフライパンなどを当てたいと応募を続けたのに、フライパンは当たらず、トマト苗が当たりました。トマトを育て始めて、私には「緑化生活」はできないのだなあ、と「老後は田舎暮らし」の希望がゆらぐ。
6月の暮らし
 雨にも負けず風にも暑さにも負けぬ丈夫な体を持ったことは感謝しますが、丈夫な体のほか、美貌や才能も欲しかった日々。贅沢言ってはいけません。

7月の暮らし
 夏もせっせとおでかけしたから、娘が当てた「ソフトかき氷器」をついにつかう暇がなかったのが、この夏の心残り。

8月の暮らし
 娘と箱根3泊4日の旅。娘から「母への誕生日プレゼント」として出かけた私には分不相応な「贅沢旅」になり、念願の富士屋ホテルに2泊。

9月の暮らし
 73歳を「なみ壽」としゃれてみたけれど、人並みの暮らしは73歳過ぎても無縁。「貧乏でも楽しい暮らし」に赤信号。
 ミサイルママが出演する文化センター祭を観覧。ミサイルママとAダンスの仲間たち、30代から共にジャスダンスを踊ってきて、ほとんどが70代になっていますが、がんばって踊っていました。さすがに最後の曲のあとは疲れたそうですが。
 飛騨に移住した友人宅へ泊めてもらい、神岡と高山を旅しました。よい旅になり、田舎暮らしをうらやみつつ、東京生活に戻る。

10月の暮らし
 大好きなフィギュアスケート。今年もジャパンオープンを見にいきました。前半のジャパンオープンも、後半のカーニバルオンアイスも楽しく観覧。羽生結弦引退のあと、さびしくなるであろう日本のスケートシーンですが、ゆづ君のプロとしてのアイスショウも、若手スケーターの頑張りも応援していきたいです。

11月の暮らし
 思うようにならないことも多い暮らしです。
 それでも誠実に仕事を続け、自分のできる限りの力を尽くしてきたことは、2022年も変わりなかったこと、持病はありますが、コロナにもかからずインフルエンザもかからずにこれたことは感謝です。(コロナは4回目接種済み。5回目は23年1月予約。インフルエンザワクチン接種済)

12月の暮らし
 「地域貢献・国際交流」を目的とした「学校主催外務省後援市後援の講演会&コンサート」というイベントを成功裏に終了しました。無料の講演会無料のコンサートですから、学校にとっては収入はなく、市民会館使用料講師謝礼などの出費だけがかさんだので、経営側にはありがたくないイベントでした。
 でも、司会者として大きなイベントをやり遂げた達成感は残ります。「市長のあいさつや講演内容を的確に要約して次の場面につなぐ司会の手腕は、なかなかできる技じゃない」と、ほめてもらったことが、今年の収穫。日頃人に褒められることなんてないからね。いくつになろうと、けなされればへこみ、ほめられればうれしがる。相変わらずのお子ちゃま精神ですが、今更人格者への転換もできず。

 年末とはいえ、何もしないで正月迎えるのは毎年のこと。

 みなさまには平穏無事の年の瀬と明るい正月をお迎えになりますように。

<おわり>
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ぽかぽか春庭「2022シネマパラダイス」

2022-12-27 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221227
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(6)2022年のシネマパラダイス

 映画を入場料を出して見ることはごく少ないけれど、夫の会社の「シネパスポート」利用と、テレビ録画の視聴で映画を楽しんできました。

 シネパスポートを発行している「飯田橋ギンレイホール」の経営がコロナの観客制限もあって経営が傾いたとき、夫は「クラウドファンディング」にも協力したのですが、ついに閉館が決まりました。新しい上映場所を探し続けているということですが、地下鉄飯田橋駅の出口を出て20歩で入口についてしまう絶好のロケーションと同じ条件の場所はなかなか見つからないでしょう。駅から近いから気軽に身に行けたのに。
 2022年もギンレイパスポート利用、試写会に当選ほかでよい映画に巡り合いました。☆ギンレイ ♡ビデオ録画

・4月
☆ブータン山の学校 ☆トムボーイ ☆浜の朝日の嘘つきどもと ☆街の上で ☆最後の決闘裁判 ☆プロミシングヤングウーマン ♡とんび ♡長江哀歌 ☆空白 ☆由宇子の天秤 
・6月
峠・舞台挨拶付き映画試写会 ☆梅切らぬ馬鹿 ☆老後の資金が足りません ☆トーベ ☆ほんとうのピノッキオ ♡マイスモールランド ♡ちょっと今から仕事やめてくる ♡ピーターラビット
・7月
☆ドリームプラン ☆クライ・マッチョ 大河への道 ☆ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男 ☆ハウスオブグッチ ☆エル・プラネタ
・8月
☆コーダ愛のうた ☆エストサイドストーリー(☆2021年版♡1961年版) ☆ナイトメアアリー ♡ライオン25年目のただいま ♡レッドクリフ

・9-12月(自宅でぼうっとビデオを見ていて記録もないから、何を見たかほとんど忘れてしまった。どこも出かけない休日、頭が疲れているとき、何も考えずにアハハと楽しく見ていられる作品を選んだので、だいたい見たあとはすぐ忘れる)
♡ハリーポッター1,2,3 ♡おしゃれ泥棒 ♡最強のふたり ♡がんばれベアーズ ♡我らの生涯の最良の年 ♡花のあと ♡ドリーム(HiddenFigures) 

 映画のほかの映像作品で印象に残ったもの。ドラマを録画で見ました。
・忠臣蔵狂詩曲No.5名村仲蔵出世階段 

 とてもおもしろかったので、ついでに同じチームで製作した「ライジング若冲~天才 かく覚醒せり~」も見直す。そうこうしているうちに、「~中村仲蔵」が「2022年度芸術祭大賞」を受賞しました。

 フィギュアスケートの世界選手権出場選手選考では「納得できない」向きもあったようですが、中村仲蔵の大賞にはみなが納得の完成度でした。
 中村勘九郎の演技もすばらしかったですが、私が特に気に入ったのは、エンディングの踊りです。基本の動きは日本舞踊なのでしょうが、モダンバレエやフラメンコテイストもある、とてもよい振り付けでした。

 2023年もよい映像作品を楽しみたいです。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「2022年のアートめぐり後半」

2022-12-25 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221225
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(5)2022年のアート巡りまとめ後半

 クリスマスです。ご家族そろっての楽しいクリスマスイブをすごし、親しい人とともに教会のミサに出たり、有意義なクリスマスであったことでしょう。
 春庭のイブの遠い思い出。ある年の年末。子供たちのためにプレゼントを用意するお金もなく「サンタ予約券」というのを、ベランダにつるした靴下の中に入れました。お正月になってからようやくお金を工面して池袋サンシャインに出向き、「子供がサンタ予約券を持ってきたら、好きなおもちゃを買わせてください。あとでおつりなど清算しますから」とトイザらスの店員さんにお金を渡しました。いろんなイブがあったけれど、なぜかこの「サンタ予約券」を一番に思い出すのです。

 2022年のイブ24日。昼間は「1年間のお出かけ日記まとめ」をしているうちに日が暮れました。
 晩御飯は、娘が懸賞で当てたケーキを食べ、娘が懸賞で当てた「珍味セット」や「ふかひれスープ」。スーパーの「本日の目玉スペアリブ」を圧力釜で煮てクリスマスイブディナーにしました。おそらく東京で一番の安上がりイブディナー。でも、おいしかったです。

 お出かけ日記。せっせと美術館博物館めぐりをした2022年。特に夏場は、美術館博物館は最高の居場所でした。適切に冷房が効いて涼しく、広々した空間で好きな絵を眺めていれば至福のひととき。
 コロナ対策もきちっとしているから、安心して館内を歩けるし、観覧者もコロナ前に比べれば少数だったから、ゆったり落ち着いてすごすことができました。冷房は観覧者のためではなく、絵画や彫刻保護のためのものなのだけれど、湿度温度管理いきとどいていて、快適空間でした。
 アート巡り2023年後半。

・7月
ガブリエルシャネル展(三菱一号館美)一人で一度、娘といっしょに2度目も見に行きました。芭蕉布展(大倉集古館)人間国宝の織る芭蕉から糸を紡ぎだした布の着物。芭蕉布の着物を着て観覧に音連れた方のたたずまいに、ただただ羨望のまなざし。やさしき明治展(府中市美)

・8月
日常にひそむ神秘1891-1980展 (町田市立国際版画美)光陰礼賛―モネからはじまる住友洋画コレクション(泉屋博古館)
・9月
常設展(箱根岡田美)モネからリヒターへ(ポーラ美)常設展(星野王子様ミュージアム)常設展(彫刻の森美術館&箱根美術館)
・10月
キース・ヴァン・ドンゲン展 (パナソニック汐留美)ボストン美術館展(東京都美)
刺繡絵画の世界(日本橋高島屋)第69回日本伝統工芸展(日本橋三越)アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン・オールドノリタケ×若林コレクション(横浜そごう美術館)愛のヴィクトリアンジュエリー華麗なる英国のライフスタイル(八王子夢美)アジアの漆工芸展(東京芸大陳列館)フィン・ユールとデンマークの椅子展(東京都美)ルネ・ラリックの輝き(箱根ラリック美)ベネチアンガラスと近代ガラス(ガラスの森美)所蔵ガラス展(東京国立博物館)

建物めぐり
・3月
勝海舟記念館(旧清明文庫)港区郷土歴史館(旧公衆衛生院)松濤美術館(白井晟一設計)中銀カプセルビル(黒川紀章設計)
・8月
箱根富士屋ホテル 菊華亭(元宮ノ下御用邸)
・9月10月
旧深山邸、親和荘、旧秋葉家など(飛騨神岡の神岡城や船津座などの復元建物も見学)神岡図書館(磯崎新設計)高山古い町並みと建物群(高山陣屋、村半など)

 建物見学しながら絵を見ながら彫刻を眺めながら、つらつら思いにふける。「人はどうして絵が見たいのだろう」
 美しいものはどこにもある。夏の青空に浮かぶ白い雲も、秋の夕暮れ、紅葉の向こうに暮れなずむ街が見えるのも、雪景色も、みな美しい。
 でも、それだけでなく、どうして人は「アート=技が生み出すもの」を欲するのだろうと、「へたの考え休むに似たり」のぐるぐるめぐり。アーティストとは、日本語では芸術家の意味で用いるけれど、「技術を用いる人」の意でもあります。

 石器時代から人は洞窟の壁に顔料で動物の姿を描き、その動物を仕留めることを祈り動物への感謝もささげました。描いた人は決して「仕留めて肉を食べたい」という思いだけでなく描いたに違いないと思うのです。絵を描いた人は美しい動物の体を表現したかっただろうし、見た人がいたとして、「肉、喰いたい」というほかにも思いが浮かんだでしょう。
 結論はでっこないし、出なくてもよい自分への問いなのですが、とにかくこれだけ大量に美術館博物館をめぐり、美しいもの、歴史的価値があるもの、心に衝撃を受けるもの、受け止めてきました。

 2023年はどんな「美」どんな「アート・技」にであえるのだろうか。まだ見足りない。まだまだ見たい。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「2022年のアート巡りまとめ」

2022-12-24 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221224
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(4)2022年のアート巡りまとめ

 日常生活。2022年も、なんとかしのいで生きてきました。
 食うや食わずの暮らしながら、飢え死にしそうなわけでなし、北からのミサイルに当たったわけでもなし。

 娘といっしょにスーパーに買い物に行くのは週1回。1週間分の食料を買い込むので、ものすごい大荷物になりますが、配達料500円を惜しんで、娘が大荷物をキャリーカートで運び、私は肩掛けの保冷バッグとリュックサックに詰め込んだものを徒歩5分で我が家まで。
 娘の買い物方針。キャンペーンなどをやっていて、賞品応募ができること。できるだけスマホ応募でなく、ハガキ応募でできること。今年もいろいろ当たりました。一番多いのがトートバッグ。クオカード500円ってのも。

 昨年に比べて大物が当たらなくなりました。一昨年昨年は、電気圧力鍋とか電気かき氷器とか電気餃子鍋とか。あれこれ当たりました。高級ブランドの1枚3000円くらいの皿やカップなど、けっこうお高めのものが当たったのですが、今年の当選グッズは小物が多い。まあ、普通に食べるものを買って、毎週ひとつはなにかしら当たるのですから、娘の「懸賞生活」も、興味が続くうちは当選を楽しみにして暮らします。

 毎月のお楽しみは「コロナ対策がきっちりしている」「混雑することなく少人数で楽しめる」という理由で「美術館めぐり」がほとんど。
 一日に午前午後の2か所の美術館をめぐったこともありますが、かなりのお出かけぶりです。(1月の記録には2021年の分も入っています)

・アート巡り(美=美術館 博=博物館)
1月:徳川一門展(江戸東京博)蘭展(池袋サンシャイン)グランマモーゼス展(世田谷美)イスラエル博物館所蔵印象派光の系譜展(三菱一号館)平松礼二の世界展(郷さくら美)タイガー立石展(埼玉県立近代美)かこさとしの世界展(八王子夢美)ムーミン展(横浜そごう美)和田誠展(オペラシティ)東洋文庫一葉記念館鴎外記念館 常設展(古代オリエント美) 古代エジプト展(富士美)

2月:甘美なるフランス展(文化村ギャラリー))キューガーデン・ボタニカルアート(庭園美)ブダペスト工芸博物館展(パナソニック汐留美)アジアのうつわワールド展(五島美)ハンドバッグの中身展 (アクセサリーギャラリー)民族衣装展 (文化学園服飾博)カンタ展 (岩立テキスタイルギャラリー)岩合光昭のネコ歩き(横浜NHK放送ライブラリー)

3月:自然と遊ぶ展(大倉集古館)上野リチ展(三菱一号館美)山本作兵衛展(富士美)上村松園・松篁・淳之 三代展(富士美)フェルメールと17世紀オランダ絵画展(東京都美)

4月:小林清親展 (練馬美)自然と遊ぶ展(大倉集古館)上野リチ(三菱一号館美)山本作兵衛展(富士美)上村松園・松篁・淳之 三代展(富士美)フェルメールと17世紀オランダ絵画展(東京都美)

5月:ふつうの系譜展(府中市美)奇想のモード展(庭園美)常設展(近代美)アンドレ・ボーシャンと藤田龍児展(東京ステーションギャラリー)まれびと展(日本橋高島屋)

6月:ピーターラビット出版120周年記念展(世田谷美)スコットランド美術館展(東京都美)ル・コルビジェ油絵展(西洋美)吉阪隆正展(東京現代美)

 2022年後半7-12月は次回

<つづく>
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ぽかぽか春庭「2022年の行楽」

2022-12-22 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221222
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(2)2022年の行楽」

 2022年、たくさんお出かけをしました。美術館めぐりは「まとめ」がありすぎるので、美術館博物館のほかのお出かけまとめます。
 ブログに書くときはテーマごとにまとめて書くため、出かけた日付とブログ掲載の日時は違っています。

<食べ歩きと自然めぐりその他>
3月:やっちゃんと会食(目黒雅叙園)/ ミサイルママと六義園 
4月:桜と春のエフェメラル(白金植物園)/ 桜( 庭園美)&緑道の花見
5月:春のディズニーランドうさたま大脱走2022(ディズニーランド)/ つつじとこうほねの花見(皇居東御苑)/ 双子パンダ観覧(上野動物園)娘のバースデーディナー(上野ブラッスリーレカン)/ スモーガスボードスエーデン料理食べ放題(レストランストックホルム)/ ポケモンレストラン(日本橋高島屋)/ 大相撲五月場所(両国国技館)
7月:清澄庭園散歩 
9月:大相撲秋場所観戦(両国国技館)/ 黒獅子舞見物(白金山形アンテナショップ)
10月:ジャパンオープン2022&カーニバルオンアイス2022

<音楽のおでかけ>
1月:ディズニーファンタジアコンサート(有楽町フォーラム)
8月:娘とクラシックコンサート皇帝ほか(太田区民プラザ)/ ジブリコンサート(東京ガーデンシアター)
12月:第九コンサート(北区北とぴあ)

 コンサートに出かけるのは毎年少ないですが、今年はお金を払って聞きにいったのは、1月のディズニーファンタジアコンサートのみ。あとは、娘が応募して当選したコンサートと、第九は出演者からのご招待。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「2022年のことば」

2022-12-20 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221220
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(2)2022年のことば

 年末に1年を振り返るって、毎年はやっていないけれど、「今年もコロナの年だったなあ」ということのほかに思い浮かぶこと並べて、「今年もそれなりに」と思いたいから、目次をまとめてみます。

 今年の漢字は「戦」。ウクライナとロシアの戦。カタールでのサッカーの「戦い」。まだまだ続くコロナとの「長期戦」。

 三省堂が選んだ、今年の辞書搭載候補の「新語」は「タイパ」。「コスパ=コストパフォーマンス費用対効果=経済効率」という語が世に定着してきたと思ったら、時間を節約して時間当たりの効率をよくする「タイムパフォーマンス=タイパ」が浸透しました。

 スマホなどのメール。表現は、ますます短いのを持ってよしとするらしい。了解しました→了解→りょ→り。書く人読む人の時間当たりの効率をよくする方式なんですと。

 私のように、長々文章を書いてしまうと「おやじ構文」と言われる。おやじじゃなくて、おばはんだけど、身体精神その他おやじ化しているのは確かだね。

 タイパ。私も、テレビの録画を1.5倍速にしてみるのはやってはいるけれど、我が家のビデオは2倍速3倍速にすると声が「宇宙人」になってしまい、意味不明語。でも、最近の新しい機種だと2倍速3倍速でも「人間」の声で聴きとれるので、若者はドラマもバラエティも2倍3倍で見ているらしい。

 「ことば」は私の商売道具。日本語教えて家族一同の食い扶持かせぐほか、ことば集めは私の愉しみ。以下、今年あつめたことば。
2月:
 モンペとステマ オミクロン Bull sit Job 解決!シャーロックホームズ青い紅玉事件  
3月
 「かしく」江戸期おいらんの名 三省堂の「辞書に載る新語」2021年の新語1位 チルい 2位 〇〇ガチャ 3位 マリトッツォ 4位 投げ銭 5位 人流
4月;エフェメラル 。
 エフェメラルとは「はかない命」というような意味。春先に現れてひととき美しい花を咲かせ、夏にはあとかたもなく消えてしまう、そんな「春植物」を指すのだそうです。4月に覚えたはずなのに、12月には完全に忘れていて、エフェメラル、はて何だったけ、と自分のブログをよみかえしました。 
12月:
 稲荷町、中2階、相中(歌舞伎用語)。お芝居が好きだから、見逃していた「中村仲蔵出世の階段(きざはし)」を見ることができました。昨年の12月に放映したものの再放送です。年に千両の給金をとるから千両役者、芝居小屋にその名前の看板が上がるのを「名題役者」というまでは、歌舞伎にうとい私も知っていましたが、名題役者の下の階級、稲荷町、中2階、相中をこのドラマの中で知りました。中村勘九郎ほかの役者の熱演もあり、よいドラマでした。

 年ねん、ことばに対する感度が低くなっていきます。これは高齢化にともなう当然の変化。「ちかごろの若いもんのことばときたら、なっとらん」と、怒り出したらもう終わりと思うから、腹は立てずに横に寝かせているけれど、若者用語にうとくなるのは仕方なし。

 流行語大賞のことば、今年は野球関連が多く、野球に興味が薄い我が家、村神様もキツネダンスも知ってはいるが、使ったこともない。

 2023年はどんなことばに出会うやら。楽しみに年末をすごします。
 2022年総まとめは、「旅行・おでかけ」「アート散歩建物めぐり」「シネマパラダイス」と続きます。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「第九の季節」

2022-12-18 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221218
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>今年も、、、(1)第九の季節

 12月に、どのオーケストラ&合唱団が「おさめの第九」をどこでもかしこでも演奏するというのは日本だけの現象だといわれているようです。普段クラシックコンサートに出かけない人も年末の第九だけは聞きに行く、と言う人も多い。

 今年の第九、ミサイルママが「e-Naちゃん、ご招待するから聞きにきてね。合唱団のアルトで歌うから」と電話をくれました。2年連続で合唱団活動は自粛でしたから、今年こそと、みな張り切って練習してきたのだけれど、合唱のあと、まだコロナは続いているから、合唱団の打ち上げはなし。「だからジンさんと3人でレストランで晩御飯食べよう、これもご招待」というありがたいお話。

 12月17日。ささやかな花と、ビールをおみやげにして、でかけました。
  今年の第9は2年ぶりの開催。前回の写真。合唱メンバーのアルトにもミサイルママがいるはずだから、目をこらせば見つかると思うけれど、まあ、今年のミサイルママを生で見れば十分かな。



 第九の前にベートーベンのエグモントがありました。前に「北区市民オーケストラ」を聞いたとき、私の好きなアマチュアオーケストラ「東京楽友協会交響楽団」のほかは、アマチュアの音はプロに劣るなあと感じましたが、今回のエグモント、格段にいい音。2年間のコロナの間に、きっと各人が鍛錬して腕が上がったのか、とびっくりしました。あらま、よくよくパンフレットを見たら、オケは東京交響楽団。そりゃ、プロだもの、いい音です。
 合唱団は、北区公募で集まったアマチュアですが、1年間練習を積んでいます。

 エグモントと第九の間に15分間の休憩があったので、急いで会場から1階のロッカーへ。ロッカーの中に、リュックサックや花束など、客席に持ち込むには荷物になると思うものをいれておいたのです。「さて、鍵はポケットにいれたか、肩掛けバッグの中か、と思ったのですが、鍵がない。「美術館のロッカーは100円入れても戻るけれど、ここのは200円が戻らない。もうロッカーの中に入れるものがないか、よくよく考えてから鍵しめよう」とおもっていて、鍵かけるの忘れてしまった。
 中に入れておいたものは金目のものはなく、花束くらいですからなくなったとこでそれまで、と思いましたが、ちゃんと、鍵がついたまま中にリュックサックもおみやげのビールもありました。

 前日に銀行に行って振り込みしたとき、横断歩道を渡ろうとしたら、「おばさん、おばさん」と声がする、振り向くと「カード忘れてるよ」と、おっさんが呼び止め
 普通のヒトなら「老化か、認知か」と思うでしょうが、私はこどものころから忘れ物失くし物を一日に1回はしてきたので、またか、と思うだけ。 

 さて、第九。1楽章から3楽章まで壮大に曲はすすみ、4楽章でソリストと合唱団登場。
 ソリストは、梶田真未(ソプラノ)向野由美子(メゾソプラノ)工藤和真(テノール)岡昭宏(バリトン)
 ♪フロイデ~と美声が響きます。

 合唱団は、前回に比べて男性が人数が増えて、全体に厚みが出たように感じました。集まった男性陣、若い人も数人はいますが、だいたいは定年退職後の趣味に合唱を選んだ「元大学グリークラブ」的な高齢者。40人ほどの男性の中、黒い髪を持っていたのは5,6人。白髪数人。あとは皆禿頭。合唱をする男性って、禿るのかしらって思いました。女性は2,3人は白髪もいましたが、女性はだいたい染めるから、黒い。あはは。すばらしい第九の間に、何数えてんだか。
 年末恒例の第九、指揮者も熱演。堪能しました。

 ジンさんと駅前パスタ屋で、ミサイルママが合唱出演者の白いブラウス黒いロングスカートから着替えて来るのを待っていました。
 お連れ合いのジンさんは、コロナの間、家にこもっていたこともあってずっと不調だったと聞いていたので心配もしていましたが、このところだいぶ調子が戻ってきたそう。
す。
 ジンさんは、杖をついていて歩くのが不自由になっていました。ヘルニアを患い、医師からは手術しても完治は難しい、と言われているので、体をだましだましいくしかない、ということでした。

 ミサイルママがパスタ屋に着いて、サラダ、ピザ、パスタ、をひと皿ずつ取ってシェア。グラスビールで乾杯。

 ミサイルママはジャズダンスとヨガのほかパステル画のサークルに入って活動しています。ジンさんは書道サークルに入って、ミサイルママが言うには、とても上手なんだそう。

 ジャズダンス仲間が次々にコロナ感染しても、ミサイルママは大丈夫だったこと、長男ミサイル君は演劇活動を続けていること、堅実な次男君はスカイツリーがよく見える部屋に引っ越しして銀座でバリスタとして働いていることなど、話してくれました。

 再婚同士のふたり、これからも仲良く老後の幸せを紡いでいってほしいでス。
 体調第一に、これからもそこそこに元気で暮らしていこうと、次回の再会を約束してお開きに。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「イベントの司会」

2022-12-17 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221217
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>日本語学校冬へ向かって(2)イベントの司会

 11月の学校行事は、新入生バスハイク旅行「江の島鎌倉」。新入生レントゲン検査と健康チェック。スポーツ大会。
 12月の学校行事は「防災館で地震体験と防災訓練」など、毎月さまざまなイベントがあります。

 HAL先生は今年秋のバスハイクとスポーツ大会には不参加でした。昨年ドッヂボールのルールを説明するために、公園で学生にドッヂボールを指導しました。後ろ向きに後退してころび、手首骨折という事態になったため、今年は「高齢者はスポーツ大会出席停止」となってしまったのです。「まだまだいける」と思うことが大けがの元と実感したので今年は自粛。

 そんな11月12月をすごしましたが、12月に学校主催の大きなイベントがあり、その準備を続けました。
 学校主催、外務省後援、市の後援も得て、市民会館で講演とコンサートを開催しました。

 準備のほとんどは校長が全面的に引き受けて大奮闘でしたが、舞台進行の演出と司会をHALセンセが担当することになりました。舞台進行の台本つくり、市民会館の舞台監督さんとの打ち合わせ、コンサート出演のソプラノ歌手との打ち合わせ。
 最初に考えた演出から、だいぶ変わりました。最初は講演と歌コンサートの間の10分間休憩中に、学生の日本語学習の成果発表として、「雨にも負けず」の群読を披露する予定でした。しかし、「大声をだすのは、コロナ対策として不見識」「舞台上に学生を集めるのもいかがなものか」という意見もあり、中止。

 10分休憩時間中には、ビデオでの学校紹介をすることになりました。
 入学式や卒業式、スピーチ発表会、旅行、防災館での救助訓練地震の部屋体験。クリスマス会など、学校生活のようすをまとめて上映しました。本来は留学生募集用の学校案内のひとつですが、映像担当の先生が楽しい学校案内に仕上げてくれました。

 HAL先生の司会。「外務省後援、市後援」と言うべきところを「市長後援」とトチってしまったり、人身事故により電車遅延という報が入り、市長の次に挨拶を行う予定だった大学教授の到着が遅れたり。大幅に順序が変わり、市長の次に大学教授が挨拶する予定だったのを変えて、10分休憩後のコンサートの前に挨拶してもらうことになりました。それでもなんとか司会をこなしました。

 学生の係。受付や席案内係、「検温お願いします」「手指の消毒おねがいします」などの学生お手伝い用に、日本語を書いて、役割ごとに覚えて言わせるなど、学生指導も事前に行い、最後まで無事に進行できました。

 学生の仕事のうち、いちばん華やかなのは、花束贈呈係です。
 講演講師の先生と、コンサートのピアノと歌の先生にそれぞれ花を贈りました。
 ピアニストと歌手


 花束係と司会者。
 中国の漢服とネパールのサリーで舞台に登場したので、とても華やかでした。

 ジャズダンス発表会は、毎年のことでしたし、人前に出るといっても、ミサイルママの助けもあって楽しく過ごせました。
 しかし、大勢の市民市長のまえでの司会進行などはじめてのことですから、緊張もしたし、どっと疲れました。
 とにかく、日本語学校としては前代未聞の大イベントをやり遂げたのですから、大成功、ということにしなければ。



<おわり>
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ぽかぽか春庭「留学生、本陣宿を見学する」

2022-12-15 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221215
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2022日本語学校冬(1)本陣宿見学

 2022年10月からの新入生と在学生(2021年12月生2022年5月生)、大多数の留学生が江の島鎌倉日帰りバス旅行に出かけた日、「旅行にはいかない」という在校生もいました。
 「友達と先週の日曜日江の島に行ってきたばかり」と言う学生や、「夜のバイト、シフトを替わってもらえなかった。バス旅行から帰ってくる時間じゃ、バイトに遅刻する」という学生。

 当初、旅行に行かない学生は「欠席とする」という方針を出した経営者にHAL先生は猛抗議。「当初は新入生だけが旅行に行くということだったので、バイトのシフトを入れてしまった学生がいるのに、一律に旅行にいかなければ欠席扱いというのは納得いかない。旅行に行かない学生のために、私は授業をやって、出席扱いにします」と宣言。

 私は旅行の引率からは外されていました。「HALせんせは行かなくていいです」と経営者に言われていたので、授業をするなんていわなければ、有給消化のため、休みをとる予定でした。
 それなのに、「ひとりでも欠席扱いにされるのは嫌だと言う学生がいるなら、私は学校に残って授業をします」と大宣言。はは、馬鹿だね。いつも損な役回りになるのは、性分です。

 9時からの授業、大学院志望者の中国人学生ふたりと、大学進学志望者のベトナム人3人が出席。
 1コマ目は「今年のEJU(留学生大学入試)に出た読解と作文の問題」というのをやりました。めっちゃ難しい。こんな読解問題、日本の高校生にも一般的な大学生にも歯が立たないだろう、という論説文を読んで質問に答え、さらに「この文章を書いた筆者の考えをふまえて、自分自身の考えを述べよ」という500字の作文を書け、という。

 中国人は中国の大学既卒者なので、漢字で意味を推測しつつ「オンライン化が進む大学授業について」かろうじて意見を述べることが可能でしたが、漢字の学習がまだまだ進んでいないベトナム人にはまったくのお手上げ。1年後の大学入試には留学生問題といえども、これほど高度な文章の読解が要求されるのだ、ということがおぼろげながらわかって、この1年先の留学生大学入試に備える、という覚悟ができたなら、それでOK,と言う程度。

 1コマ授業をやったあと、HAL先生は「これ以上頭を使うと爆発するなあ」と、日本語学習を終わらせ、日本の歴史文化の学習に切り替えました。

 「日本の伝統建築見学ツアーに行きます」と学生を誘いました。「150年前の建物を見にいきます」

 甲州街道沿いに、2里(8キロ)おきに設置された宿場町。日本橋を起点にして、点々と宿場町が連なります。
 その中で「都内に残る唯一の江戸幕末に建築された本陣宿」が残っています。
 江の島鎌倉ほどの観光地ではないけれど、「都内唯一の150年前の宿屋」というのもなかなかの文化財です。



 なかにひとり「サムライがでてくるゲーム」にハマったことのある学生がいました。「日本語の読み方でなんて読むのかわからないけど」というのですが、中国でやっていた最近のゲームなら「薄桜鬼」じゃないかと検討をつけました。
 本陣宿の壁に、ミュージカルになっている「薄桜鬼」のポスターが張ってあったので、「ほら、これハクオウキって読むんだよ」と教える。
 「薄桜鬼」は、アニメでも幅広くファンを獲得しているらしいけれど、「史実とは違うからね」と念を押しておかないと。

 以前、中国人学生が、日本の『源氏物語』の映画を見たというので、話を聞くと葵上や六条御息所が亡霊の悪鬼となって登場するホラー映画でした。どうやら2002年放映の「怪談源氏物語」が、著作権ガン無視だったころの中国で出回ったバージョンを「これぞ源氏物語」と思っているらしい。六条御息所が生霊となるのは紫式部が原作に書いていますが、「源氏物語はホラー」と思いこまれるのはちょっといやだな。

 「薄桜鬼」は、かなり脚色された話になっていたのだと思いますが、新選組の歴史もひととおりは知っているという学生がなかなかの知識を披露して、説明員を感心させました。解説員は、「ひじかたとしぞうって、さいしょはみんなドカタって読む」などと言いながら、「この部屋は土方歳三が昼寝をしたところ」なんていう説明を聞きました。

 中国人ふたりは、縁側に座って日向ぼっこ。
 ベトナム人3人は歴史説明がむずかしかったので、庭に出て「本陣宿の日本庭園」を眺める。後楽園、浜離宮、六義園など、もっと立派な日本庭園は都内にもたくさんあるけれど、たぶんはじめて見た「和風庭園」だったと思います。あまり感激していなかったけれど。

 日向ぼっこのふたり
 

 日本庭園を歩くベトナム3人組
  

 ボランティア説明員が熱心に説明してくれました。「留学生なので、難しい日本語はわかりません。やさしい日本語でお願いします」と頼んでは見たものの、一般の人には何がやさしい日本語で何が難しいのかわからないのです。中国人にとっては、「たてもの」と音声言語で聞くより漢字で「建造物・建物」と紙に漢字で書いてもらう方が意味がわかる場合も多い。
 ベトナム人にとっては「きょーとごしょ」と言われるより「京都にある天皇の住まい。パレス」という説明のほうがわかりやすい。 

 みんなでいっしょに日向ぼっこ


 1時間ちょっとの「150年前の本陣宿」を終えて学校にもどり、12時半の午前中授業終了を早めて12時には終わりにしました。
 「旅行に参加しない学生は欠席とする」という学校方針にたてついたHALセンセには、この先北風が吹くでしょうが、ま、なるようになる。
「欠席になりたくない」という留学生の希望もかなえられたし、有意義な一日だったと思いたい。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「スズキさんとタカ氏とタローマン」

2022-12-13 00:01:01 | エッセイ、コラム
20220213
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記>秋色をさがして(2)スズキさんとタカ氏とタローマン

 ことしもスズキさんが、年末の庭仕事に来てくれました。12月4日日曜日。毎年夏と年末に「猫の額庭」を世話してくれます。木の剪定といったって、あまり花が咲かないサツキとびっしり花が咲くあじさいと、「台風が来たら折れるかも」と、スズキさんが心配するカエデの木があるだけ。

 庭の手入れといっても、伸び放題草ぼうぼうにしていたところの草取りをして、地面が見えるようにするだけ。
 夏にスズキさんが来た時、「まだちょっと早いけれど、こことあそこにミョウガが出ているから、もう少ししたらミョウガがとれるよ」と教えてくれたのですが、夏は暑くて庭に出るのがいやだし、涼しくなったら、仕事から帰れば真っ暗だし、週末は庭の手入れなんかよりも、寝ているか美術館などに出かけるか。とうとうミョウガもそのまま立ち枯れました。

 午前中で手入れも終わり、夫とスズキさんがお茶のみ話。スズキさんがこのあたりに引越ししてきたときは、まだまわりに畑も残っている土地柄だったのに、今や住宅がびっしり建て込んでいる、というような話をしています。
 夫の家族が今の家に引越ししてきたのは1970年ですが、スズキさんは1960年代にはもうここに住んでいた、ということなので、60年間の変化を丸まる見てきた人なのです。

 スズキさんは姑が頼んでいたシルバー人材の庭師さん。姑より4歳若い、ということなので、1929年生まれということになる。今年93歳。背は丸まっているけれど、しゃんとした足取りで、はしごを使って木の上にのぼる。
 頭もしっかりしていて、お茶を飲みながらしっかりとお話しなさる。

「スズキさんを見習って、元気にすごします」と、挨拶して門の外までお見送りしました。ご近所ですがはしごを持ってきているので、自転車にはしごを積み込んでの移動です。
 スズキさんありがとう、お疲れ様。また次の夏に。

 スズキさんより20歳若い私ですが、93歳になったとき、あんなふうにカクシャクとしていられるもんだろうか、と思います。
 このごろよくよろけます。バランス感覚が悪くなり、立ち上がりながらついでに棚のものを取ろうなんて欲張るとぐらりときます。行動は一度にひとつにしたほうがいいみたい。
 
 スズキさんが帰ったあと、夫と「ここが痛い」「ここも悪くなっている」なんていう「高齢者アルアル話」がつづき、あ~あ、の気分です。私の自慢は、32本の自前の歯でなんでも噛めることですが、遠くなる一方の耳、目は近視+老眼。近くも遠くも見えづらい。歩くときよろけないように気をつけていることは残念な点ですが、70歳過ぎても背筋がシャンと伸びているのはジャズダンスを続けてきたおかげかな。

 タカ氏は、今や腎臓透析を週3回受けなければならない「身体障碍者手帳1級」の身です。「透析を受ける腎臓患者の平均余命は10年」と医者に言われているそうなので、「80歳こえられるかどうかわからない」と言う。「平均寿命はちゃんとこなしてよ」と頼んではいますが。
 
 そのあと夫とまだ話がつづき、娘に叱られました。「スズキさんがいるのにテレビかけたら失礼だと思うから帰るまで自室で待っていたのに」
 「福岡マラソン見ようと思っていたんだから、スズキさん帰ったなら、すぐにテレビ見たかった」と、ご機嫌斜め。夫とふたり録画で見ていました。
 私はその間お風呂。日曜の昼のお風呂タイムが大事なリラックスタイム。

 娘の冬のスポーツ観戦。大相撲11月九州場所が終わった後は、フィギュアスケートとマラソン&駅伝。
 チーム競技のサッカーや野球は、「4年に1度のワールドカップとかオリンピックなら見るけど、、、、」という程度。日本サッカー、ブラボーのトーナメント進出でしたが、私が見なかったドイツ戦には勝って、見たコスタリカ戦は負けたから、スペイン戦は見ないでいたので勝ちました。たぶん、縁起の悪さではだれにも引けをとらない私が見ると、負けてしまうのです。全国のサッカーファンに悪いから、クロアチア戦も見なかったんだけど、やっぱり負けた。私のせいじゃないみたい。
 
 娘のモッカの関心事は、東京ドームの羽生結弦アイスショウ「GIFT」の抽選に当たるかどうか。5万5人入るドームなんだからさいたまアリーナよりは当たるでしょう、と期待しているのですが、ユヅ君人気はとどまるところしらず、申し込みは海外からも何十万単位でくるだろうから、当たるかどうかはわからない。一人だけのワンマンショーで55000人ドームを満杯にするってすごいなあ。
 当たるといいな。あ、来年のたまアリ「世界フィギュア選手権」も。日本勢3種目優勝の可能性出てきたし、アイスダンスもがんばれそう。気ははやいけれど、次の冬季五輪、フィギュア団体優勝ねらえます。

 岡本太郎展、チケット高いから見なかったんだけど、「タローマンといっしょに写真撮るコーナー」は無料だから、写真だけどらせてもらいました。


 寒風吹きぬくきのうも今日も、がんばっていきまっしょい。

<おわり>
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ぽかぽか春庭「秋色をさがして」

2022-12-11 00:00:01 | エッセイ、コラム
20221211
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2022ふたふた日記秋色さがして(1)

 東京の木々が色づくのは11月下旬から12月初めのことが多いです。遠くまで紅葉見物に行く余裕のなかった秋したが、そこそこ紅葉も銀杏の黄葉も楽しめました。

 12月に入ると急に寒くなって秋色どころではなくなったのですが、11月と12月のお散歩日和のときに、上野公園と砧公園を歩くことができました。
 藤原新也展を見るため世田谷美術館へ行ったのですが、世田谷美術館前でバスを降りてから美術館入り口まで、銀杏やかえでの落ち葉を拾いながらいきました。

 拾った落ち葉をきちんと押し葉にすれば葉っぱを並べただけでものちのち眺めて楽しめるのに、拾ったままトートバッグの中に入れっぱなしで押し葉にすることもなく、しわくちゃの葉っぱになったのを捨ててしまうのはいつものことですが、地面に落ちている葉っぱの中から色と形がきれいなのを探して歩くだけでも、秋のお楽しみになるのです。
 古希老婆もみじ銀杏を拾いきて、青空にすかしてながめている午後
 安上がりな秋の行楽。

 上野の11月30日は、銀杏が金色に輝いていました。
 なんの実なのか、最近はスマホで写真をとるとすぐに調べがつくそうなのですが、スマホが使いこなせていない。


 砧公園12月7日

 

 砧公園内のカフェで食べたちゃんぽんメンはあまりおいしくなかったけれど、秋の気配を感じながら銀杏落ち葉の中を歩けたので、よい一日ということにしました。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「星野道夫展 in 写真美術館」

2022-12-10 00:00:01 | エッセイ、コラム


20221210
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩写真を見る(3)星野道夫展 in 写真美術館

 各地の美術館を巡回していた「星野道夫展」がようやく東京都写真美術館にやってきました。
 娘といっしょに横浜そごう美術館で「星野道夫展」を見たのは、2013年6月1日のことでした。会期最終日に行ったので、こみこみの展覧会でした。

 星野道夫の著作「旅をする木」など、読んできて、星野道夫のアラスカの動物や風景に寄せる思いをさまざまに見てきましたが、やはり大パネルで見ると迫力が違います。
 2022年の展示では、2022年5月にアラスカの星野宅に残されていた新発見のフィルムが現像されて展示されるというので、楽しみにしていました。

 会期:2022年11月19日-2023年1月22日まで

 写真美術館の展示。白熊やあざらしの展示ブース


 昨年からの巡回展は。
2021年5月12日(水)~ 6月27日(日)仙台文学館(宮城県・終了)
2021年7月17日(土)~ 9月20日(月)北九州市立文学館(福岡県・終了)
2021年9月28日(火)~ 11月7日(日)岡山県立美術館(岡山県・終了)
2022年1月8日(土) 〜 3月27日(日) 神奈川県立地球市民かながわプラザ(神奈川県・終了)
2022年4月14日(木) 〜 4月25日(月) ジェイアール名古屋タカシマヤ(愛知県・終了)
2022年7月2日(土) ~ 8月28日(日) 福井市美術館(福井県・終了)
 福井市美術館展覧会のポスター

 東京写真美術館の展示では、新発見のフィルムによる写真を展示するということだったので、楽しみのひとつでした。しかし、実際の新発見フィルムは、25年間放置されてきたフィルムということで、なんだか赤っぽく変色してしまっていて、プロが見れば何が写っているのか分かったのかもしれないけれど、私の眼には「ぼんやり赤っぽい」ということしかわかりませんでした。

 左側入口、右側出口。出口前の矢印のところに、その赤っぽい新発見フィルムの展示がありました。

 
 新発見フィルムの愉しみはぱっとしなかったけれど、そのほか、まだ見ていない星野の写真をたくさん見ることができて、とてもよかった。特に、星野は単独行がほとんどで、動物やアラスカ風景を撮るほうが忙しくて自分の姿を撮影することはほどんどなかった、というなか、若いころのいろいろなシーンでの姿を見ることが出来て、ミーハーファンとしてはうれしかった。

 ロビーは撮影自由で、モニターに流されている10分間でひとめぐりの写真集ビデオも撮影自由。
 一目見ると心に焼き付き、映像が残る人もいることは知っているけれど、私は映像の記憶が苦手。だからテレビモニターの写真でも撮影できると思い出に残すことができるのでうれしい。(そのかわりといっちゃなんだが、文字はコピーしなくても心に残すことができる。一字一句覚えているというのではないけれど)

 ロビーで。


 大学生のとき神田の古本屋で見つけたアラスカの写真に魅せられ、アラスカの小さな町の町長さんあてにホームステイの申し込みをして、半年後に返事をもらって渡米。はじめてアラスカに滞在したころの写真もありました。

 アラスカの地で生きていこうと決意したころの1枚。

 アラスカの大地、人々、動物。どれをとっても美しく力強く生命と死の厳かさ。自然への畏敬の念にあふれている。
<人>
 カリブーの肉を解体し船で運ぶ。

 アラスカに住み始めたころの若い星野

 アラスカに生きる家族
 


 満月の夜にトナカイの皮製ボートで海に漕ぎ出す

 
 トナカイを解体してボートで運ぶ

 クジラを解体する人々はみなニコニコ顔だった、と星野は書く。


<動物> 

 目の前のごちそうがびっくりしている

 <アラスカの風景>
 1773年にはじめてシシュマレフに足を踏み入れる。
 アラスカの四季で一番好きな季節は?と問われて、しばらく考えてからやっぱり「冬だ」と答える


 アラスカで死んだヘラジカの栄養をもらって、花が咲く
 
アラスカの花やこけにも秋の色。

 星野道夫。早世は惜しまれるし、細心の注意を払うテレビクルーであったなら「ヒグマに喰われる死」という最悪の事態は避けられたと今も思う。そう思ってしまうと悔しいが、残された写真を見れば、44年の生涯に十分すぎる仕事をしていたのだと納得できる。

 道夫の写真や著作を守ってきた直子夫人は、41歳の夫と結婚し、44歳でなくなるまでの思い出をつづった著作を出版しています。一粒種の息子翔馬さんは父を追って写真家に成長している。(NHKのドキュメンタリー番組「父と子」などで知りました)

 チケット代払ったときは図録買わないという自分ルールですが、星野道夫事務所を守っている直子夫人への感謝の気持ちとして、図録と12月ポストカードカレンダーふたつと絵ハガキ買いました。私にしてみれば大盤振る舞い。
 えびすタワー38階でタイ飯ランチ1300円だったし、本日はプチ贅沢な一日。
 2023年1月7日に開催される星野直子さんの講演会も当選したので、今回のチケット提示で参加することができます。お正月のお年玉。楽しみがあるから、新年までがんばれます。

<おわり>
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ぽかぽか春庭「藤原新也展 in 世田谷美術館」

2022-12-08 00:00:01 | エッセイ、コラム


20221204 
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩写真を見る(2)藤原新也展 in 世田谷美術館

藤原新也の写真、写真エッセイの本。1981年に発表した『全東洋街道』 から2011年までの作品はかなり見てきたのですが、最新作については、「大鮃(2017年)」も「沖ノ島 神坐す海の正倉院(2017年)写真集」も、雑誌の抜粋ですら見ていませんでした。

 今回の世田谷美術館での「初期写真から2020年まで、藤原新也の全貌」という展覧会、楽しみにしていました。日曜美術館で紹介があったので、週末は混むだろうから、会期はじまったばかりの水曜日にでかけ、展示室にいるのは、私ともう一人くらい、というゆったり空間で見ることができました。

 山口百恵大島優子らのタレント写真は肖像権があるので撮影禁止ですが、それ以外はすべて撮影してもよい、というので、思い出写真もたくさんとりました。もちろん、本物の写真が手に入ればいいのでしょうが、ショップで売っていたのは、A3サイズくらいで25万円でしたから、高値の花。せめての思い出にと、図録は購入。シルバー券払ってハガキ1枚買ったので、1000+195+2970円=3650円。+砧公園内のパークスという休憩所で長崎ちゃんぽんを食べて600円。占めて本日の行楽費4250円。

会期: 2022年11月26日(土)–2023年1月29日(日)

 世田谷美術館の口上
 1944年に福岡県門司市(現 北九州市)に生まれた藤原新也。東京藝術大学在学中に旅したインドを皮切りに、アジア各地を旅し、写真とエッセイによる『インド放浪』、『西蔵(チベット)放浪』、『逍遥游記(しょうようゆうき)』を発表します。1983年に出版された単行本『東京漂流』はベストセラーとなり、社会に衝撃を与えます。また同年に発表された『メメント・モリ』は、若者たちのバイブルとなりました。1989年には、アメリカを起点に西欧へと足をのばし、帰国後は自身の少年時代を過ごした門司港で撮影した『少年の港』をはじめ、日本にカメラを向けます。そして旅のはじまりから50年後、現代の殺伐を伝えるニュースを背に、大震災直後の東北を歩き、コロナで無人となった街に立って、これまでの道程と根幹に流れる人への思いを「祈り」というタイトルに込めます。そして藤原の見た、人が生き、やがて死へと向かうさまは、現在形の〈メメント・モリ(死を想え)〉へと昇華され、新たな姿でわたしたちの「いま」を照らします。
 藤原の表現活動で特筆すべきは、写真、文筆、絵画、書とあらゆるメディアを縦横無尽に横断し、それぞれの領域において秀でた表現を獲得していることにあります。
 本展は、祈りをキーワードに、初期作から最新作までの作品を一堂に展示して、藤原新也の多彩な仕事を立体的に展開します。

 会場に入ると最初に目に入る蓮の花の写真


 初期の作品は見覚えのある、写真集などでながめてきたものでしたが、ある時期から藤原の写真をまとめて見ることも少なくなってきました。藤原がある種の「権威」になってしまったことに対して、素直になれない自分がいたからです。

 今回の会場をゆっくり回って(会期はじめの水曜日だったので、どのブースも人が少なかった)、やはり迫力があるすごい写真が多いとは思ったけれど、なんといっても初期作品が好きです。

 「人は犬に喰われるほど自由だ」
 あの人がさかさまなのか、私がさかさまなのか。


 最後の出口付近に、私も視聴した「日曜美術館」への感想が載っているのを読みました。
 日曜美術館。藤原が自分自身のルーツである場所への旅をドキュメントしていました。
 こどものころの藤原を我が子のようにかわいがってくれた叔母が暮らした結核療養所。かってあった場所をたずねて、路傍に咲く白い百合の花を接写し、そのユリにバッタがはりついている写真を見ての若い女性からの感想でした。

 肺病を病む人の特徴である「色が透き通るように白く美しかった」という早世したおばさんへの思いとバッタの生命力が重なり、感動のシーンでしたが、NHKに届いた若い女性の感想として「私も生きていこうと感じた」というような内容の感想した。
 そのような感想を持つ若い純粋な心、すばらしいです。

 でも一方で「藤原新也の、あいだみつお化ですねぇ」という思いが不純な老婆の胸に残ってしまった。不純です。

 花について。「花は怖いこともある」というyokoちゃんの感性が好き。私の「怖い」は、yokoちゃんとはことなるだろうけれど、私も怖いときがある。
 確かに花は美しい。しかし、花は植物にとって第一義は生殖器である。その色や香り、甘い蜜などで虫や小鳥を誘うのは、己の繁殖活動のため。雄しべと雌しべが結合して子孫を残すために花が咲く。路傍に咲く清楚な白百合だろうと、雄しべと雌しべは交合する。それは美しくもあり怖くもある。
 花は光輝く美しいものであり、生殖器をひろげて虫を誘い込むものである。

インドの街角で路上で「大地」と大書し、まわりを人々が取り囲んでいる写真。
「だれも私にカメラを向けていない。みな自分の眼で見つめてくる」という感想を藤原は書いていました。日本なら自分の眼で見つめることをせず、カメラのフラッシュがたかれただろう、と藤原はいう。インドの見渡せばカメラなき時代のショット。

 たぶん、今、同じことをしたら、インドだろうとネパールだろうとたちまちスマートフォンが向けられ、即座にインスタグラムだかフェイスブックで世界中に発信されるだろうなあと思い、藤原が写し取ったネパールやインドの映像は、映像としてすぐれているだけでなく、時代の貴重な証言でもあるのだろうと思いました。

 2011311の被災地写真やバリ島の花の写真など、私が見てこなかった藤原の写真を、時代に沿って、テーマにそって見て歩き、写真の持つ雄弁な物語を、会場外のスライドでも確認しました。

 アメリカ撮影旅行。アメリカのキッチュな文化

 
 アジア
 イスタンブール

 香港。雨傘運動に寄せられた「レノンウォール」に貼られたメモの写真。

 山口百恵らは不可でしたが、瀬戸内寂聴の写真はOKでした。寂聴との往復書簡も展示されていました。生と死をみつめる視線にきっと共感しあうものがあ
ったのでしょうね。

 現代の日本。電車の中の若者

 図録の「写真に添えられたことば」まだ全部読んでいませんが、おいおいと。
 藤原が東京芸術大学油絵科を中退したことは知っていましたが、その後も絵を描き続けていたことは知りませんでした。油絵を並べたブースもあり、画業も知ることができました。


 展覧会のテーマタイトル「祈り」。藤原自身が「写真を撮ることが私の祈りであった」ということはよくわかりました。

 ガンジス川ほとりでの火葬。

 
 藤原はその火を「人間が燃え尽きるまで、その明かりはせいぜい60ワット3時間」と表現する。

 遺体を川で清める

 
 ガンジス川。焼け残った父親の背骨を川の中に遠投する喪主の若い息子。藤原は「スポーツに取り組むように投げた」と書く。死は特別なことではなく、日常のヒトこまであり、明日は明日の日常がつづく。
 ガンジス川のほとり

 
 写真を撮る行為が藤原にとって「祈り」であるなら、私がその写真を見てあるくのも「祈り」であろうと思う。



<つづく>
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ぽかぽか春庭「蜷川実花瞬く光の庭 in 庭園美術館」

2022-12-06 00:00:01 | エッセイ、コラム


20221206
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩写真を見る(1)蜷川実花瞬く光の庭 in 庭園美術館

 庭園美術館は、建物も好きなので、新しい展示が始まると見に来ます。
 8月7日にぐるっとパス利用。蜷川実花の花の写真集。

 蜷川実花作品、これまで、映画は「さくらん」2007を1本見ただけなのですが、写真はあちこちで見てきました。今のところ、色彩感覚が私とは違うなあと。平凡な私の色彩感覚に比べて、やはり天才的というか、独自独特の個性というか。

 ついでの感想。蜷川実花の自画像写真など、これまではマツ毛バチバチのばっちりメークの近影を見ても、蜷川幸雄に似ていると思ったことはなかったのですが、今回ビデオインタビューがナチュラルメークで、「まあ、お父様そっくり」と思いました。

蜷川実花「瞬く光の庭」
会期 2022年6月25日(土)-9月4日(日)

 最近1年ほどの花の写真を集めた展示で、庭園美術館での撮影もふくまれています。

 庭園美術館の口上
 蜷川実花は現代日本を代表する写真家・映画監督として、独自のスタイルで知られています。その視線は一貫して、いのちの輝きと儚さに対して向けられてきました。写真を中心に、多岐に渡る表現を手掛ける蜷川ですが、本展では、コロナ禍の国内各地で昨年から今年にかけて撮影された、最新の植物の写真と映像をご覧いただきます。アール・デコ様式で装飾された当館の建築に、蜷川の作品を重ねることで、様々な時間の交差する場を出現させるものです。植物から植物へと、あたかも蝶のように回遊しながら、蜷川のまなざしを追体験できる貴重な機会となります。
 本展に先立ち2018年より国内10か所を巡回した「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」は、コロナ禍までを含む蜷川のキャリアを総覧するものでした。本展では、さらなる飛躍を期待される蜷川の最新作と、ほかに類を見ない当館の建築空間との競演をお楽しみいただけます。蜷川が今、強く惹かれているという、光に溢れた色 “光彩色”(こうさいしょく)の世界、夢かと見まがうかのような現実の一瞬を映し 出す写真や、ダイナミックな映像インスタレーションによる、蜷川の新機軸となる 「今」と「これから」にご期待ください。

 花の写真、美しく光にあふれ、幸福感に満ちた花たちでした。資料展示室で、これまでの蜷川実花の写真集も見ました。
 今回の花の写真、オーソドックスに撮影されていて、とてもきれい。しかし、私にはなぜか今ひとつしっくりこない。

 花は、絵画でもルネサンス以降の主要なモチーフ。さまざまな画家が花を描きました。美しく幸福に咲き誇る花を描いた絵画も、印象派以後さかんに描かれました。
 たぶん、私は「花や静物を主題にしている絵は、メメントモリ、はかなく死んでしまう生き物の象徴として描かれている」という若桑みどり先生に叩き込まれた「静物画の鑑賞法」が染みついていたのだろうと思います。
 たとえば、ジョージア・オキーフの花の絵やマン・レイの写真。エロティックな美しさをもち、それは死の匂いを含むエロスなのです。

 私の感性は、花の姿を「やがては枯れ、死にたえる存在としての花」として記録することに固定されていたようです。
 みずみずしく今を盛りと生命感にあふれた花も、花です。蜷川実花の花々は、そんな盛りの命を謳歌していました。

 新館展示とスライドショウの放映は撮影自由。
 新館の展示。薄い布地に投影された写真」に観客の姿が透けて見えて、幻想的な雰囲気です。
 

 ビデオモニターに映る花は、撮影自由。
 

 庭園美術館の旧館展示室は撮影不可でした。
 が、室内と写真の兼ね合いが心地よいので、他の観客がひとりもおらず、監視員がそっぽ向いているときに、何枚か撮影させてもらいました。閉館間近の時間帯は空いているのがありがたい。



 監視員さんに見とがめられると悪徳犯罪者の扱いを受けますので、肝の繊細な方にはおすすめできません。咎めを受けた時は、室内撮影不可であることをはじめて知ったような顔で「あ、ここ、だめですか、すみません」とすまなそうな顔で謝ることが必要。
 娘はそんな母が恥ずかしいからと、どの美術館でも決していっしょに回りません。
 私は、著作者の著作権を侵害しない範囲で、かつ他の観客が写り込んでいない撮影は許可すべきと思っているのですが、以上の旧館展示作品無許可撮影により迷惑を受けた人がいるのなら、削除します。

 ネットにはもっと上手な撮影の画像がでていますので、それを見ればいいようなものですけれど、私は私の見た蜷川実花の花を記憶していきたいので。



  光あふれ、幸福感に包まれる蜷川実花の花。
 ときには、このような幸せな花の中に身をおくのも悪くないかな。日頃は不運不幸ばかり背負ってきて、ひがんではかりの「花も実もない」人生でしたからね。せめて心は花爛漫に。

<つづく>
コメント (2)
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