20241103
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2024二十四節季日記秋(1)虎に翼再び
朝ドラ「虎に翼」が終了して一か月以上たつというのに、関連の話題がまだまだつきません。主役虎子の上司桂場役の松山ケンイチが「放送終了後の全話一気見コメント」に関心が集ったり、主題歌劇中歌がヒットしたりと、虎つば人気が続いています。
橋本環奈のような絶対のかわいさを武器にはしていなかった伊藤沙莉がどんどん魅力を増していったのは、共演者のよさにもよるでしょうが、脚本のよさが際立っていました。
『虎と翼』は、9月期の月間ギャラクシー賞を受賞。選評として
「日本初の女性弁護士・三淵嘉子をモデルに、その人生軌跡の姿を借りて現代社会の格差や構造の矛盾、不条理といった問題へとつなげた。それらの疑念を果敢に訴えた脚本・吉田恵里香の覚悟ある姿勢、そしてその想いを見事に具現化した役者たちに拍手を送りたい。生硬になることなく、真っ当な人情ドラマとして成立させたことにも敬服」
私も敬服。
10月、娘がお茶の水に出かけたおりに明治大学博物館を訪れ、「虎に翼展をやっていたので見てきた」という報告。5月末に渋谷で娘といっしょに虎に翼展を見たので、どうしようかと思いましたが、会期は10月28日までというので、終了しないうちにと、見てきました。
明大博物館前の校舎に垂れ幕
明治大学博物館の口上
大学史資料センター(所長・村上一博法学部教授)では、日本初の女性弁護士を輩出した明治大学法学部および専門部女子部(1929年設置)と、その卒業生について紹介する展覧会を開催します。
明治大学は、いち早く法学を志す女性に門戸を開くため、1929(昭和4)年4月に専門部の一部門として女子部を設置し、1931(昭和6)年には女子部の卒業生に対して明治大学が設置する学部への入学を認めました。その結果、女子部と法学部で学んだ女子学生のなかから、三淵嘉子、中田正子、久米愛という3名の日本初の女性弁護士が誕生し、その後もしばらくは、女性弁護士の多くが明治大学女子部と法学部で学んだ者たちで占められました。
本展覧会をきっかけに、日本における女性法曹養成のさきがけとなった明治大学法学部および女子部、またその卒業生の活躍について、ひろく知っていただければ幸いです。
明治大学は、いち早く法学を志す女性に門戸を開くため、1929(昭和4)年4月に専門部の一部門として女子部を設置し、1931(昭和6)年には女子部の卒業生に対して明治大学が設置する学部への入学を認めました。その結果、女子部と法学部で学んだ女子学生のなかから、三淵嘉子、中田正子、久米愛という3名の日本初の女性弁護士が誕生し、その後もしばらくは、女性弁護士の多くが明治大学女子部と法学部で学んだ者たちで占められました。
本展覧会をきっかけに、日本における女性法曹養成のさきがけとなった明治大学法学部および女子部、またその卒業生の活躍について、ひろく知っていただければ幸いです。
ドラマの中の明律大学女子部のモデルは、明治大学女子部。日本の女子法曹界人材育成に大きな力を発揮してきた明治大学ですが、女子大学生といえばおちゃ大、津田塾とかポン女トン女、お嬢様なら白百合聖心。女子高だった私の卒業校でも、明大を進学先に選ぶ人は少なかった。45年前にケニアでいっしょにすごした従妹ミチコは、女子高後輩ですが明大農学部出身でしたが。
ドラマなどに登場するワセダや福沢諭吉が出ると必ずくっついて紹介されるケイオーに比べると分が悪かったメイジ、もうここぞとばかり女子部と法学部を推してきます。ドラマ効果と博物館の一室の「虎と翼」展効果で、たぶん来年の明大女子受験者大幅増かも。
ドラマの中の山田よね着用衣装と寅子と娘優美着用のワンピース
明倫大学女子部入口を模したセット
ドラマ「虎に翼」も思い出せるし、明治大学の女子教育法曹人材教育の歴史もふりかえることができる良い展示でしたが、ひとつだけ不満が。
寅子のモデルとなっているのは、明治大学出身日本初の弁護士のひとり三淵嘉子です。実家の姓は武藤。武藤家の書生と結婚後は和田。嘉子が実家の家族といっしょに撮った記念写真に「三淵家写真」というキャプションがついていました。後ろに立つふたりが嘉子の両親。右端が嘉子、右から3人目が嘉子の最初の夫 和田芳夫(と説明がついています。ほかの 4人の少年が、嘉子の弟たち四人です。
写真に残る一家のうち、和田は1946年に戦病死。長弟は戦死。次弟は昭和化工重役 、三弟は医師。四弟は林野庁職員。
嘉子と和田芳夫の一人息子和田芳武は寄生虫研究者。弟たちや息子の描き方は、ドラマの設定では大きく変えられていました。ドラマのキャラクター設定としてはよかったと思います。しかし、家族写真のキャプションが「三淵家写真」となっていたのはいただけません。嘉子が三淵姓となったのは、和田芳夫が亡くなったあと、三淵乾太郎と再婚したあとのこと。和田芳夫も写っている実家の家族写真なら、嘉子の旧姓「武藤家写真」または「和田芳夫嘉子夫妻と武藤家の人々」とすべきでした。細かいところが気になってしまうつまらぬ性分ですが、「学芸員の細かい気配りが展示の良さを左右する」というキュレーターの腕に信を置く博物館好きの感想です。
法服のマネキンと。
HALのTシャツにMeijiとあるのは明治大学のMeijiではなく、娘がチョコレートの懸賞応募であてた菓子メーカーのロゴです。
法律には縁薄かったHALですが、女性が社会の中で活躍できるよう懸命に働いた先達に感謝をこめて、今の自由と平等な社会を守っていきたいです。
<つづく>