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ぽかぽか春庭「野川源流湧水、滄浪泉園-日曜地学ハイキング」

2012-11-30 00:00:01 | エッセイ、コラム
2012/11/30
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十二単日記2012年秋(18)野川源流湧水、滄浪泉園-日曜地学ハイキング

 日曜地学ハイキング、野川沿いに歩いて東京経済大学構内の池へ。ここも野川源流といわれる湧水のひとつなのです。ちょろちょろと水がわき出ているところがあり、私はここの水で先生から渡された水質検査キットでPHを測ってみました。こんどはph6.4でした。さっきよりは中性のph7に近くなりました。検査薬の色は、薄黄緑。

野川の恋人たち


 最後の巡検地は、貫井神社の裏手の湧水。武蔵野夫人道子が勉と散歩した「野川源流、水源のひとつ」です。道子と勉の足跡を辿ってみましょう。

 「勉は道子を誘ってその水源の探索を試みた。道は正確に川に沿ってはいなかったが、勉のつもりでは斜面から流れ出る湧水の量を調べればよいのであるから、斜面の裾を伝う道をたどって行くことにした。
 斜面を飾る高い欅や樫の下を自然に蜿る道には、ひっそりとした静けさが領していた。静寂は時々水音によって破られた。斜面の不明の源泉から来る水は激しい音を立てて落ちかかり、水をくぐって、野川の方へ流れ去った。道で初めて平面に達する水の踊るような運動は生き物のようであった。(略)
 水がまた道を越して落ちていた。神社の端のように沿った小さな石橋の下は、庭園風に石が配置されていて、水がその間を跳ね下りていた。(略)
 水が道を横切るのが繁くなった。あるいは竹藪の陰、石垣の根方などから突然流れ出て、道に平行した道に沿って流れた。
 流水の形と音のリズムに伴奏されて、二人の足は自然に合った。道を隔てた山側には神社があり、石段に沿って水が落ちていた。
 水は一つの池に注いでいた。釣り堀の看板があったが、客の姿は見えず、水だけ青く澱んで、魚もいない様子であった。そして池の一角から流れ出る水は、また野川の方へ向かっていた。池から道を隔てた山側には神社があり、石段に沿ってやはり水が落ちていた。
 水の源を訪ねて神社の奥まで進んだ。流れは崖に馬蹄形に囲まれた拝殿の裏までたどれた。そこは「はけ」の湧泉と同じく、草の生えた崖の黒土が敷地の平面と交わるところから、一面に水が這い出るように湧いて、拝殿の縁の下まで拡がり、両側の低い崖に沿って、自然に溝を作って流れ落ちていた。
 立ち止まってじっと水の涌くさまを眺めている勉に、道子は「何をそんなに感心してんの」と訊かずにいられなかった。
 道子も水に対する興味に感染していた。彼女は神社の左手の崖の上から聞こえる一つの水音に注意していた。音はしゅるしゅるというすべるような音で、明らかに拝殿の後ろの湧水より高い位置から始まっていた。それと重なって下の方へ別に轟くような激しい音があった。


 貫井神社の水源、その水が源流となって野川を形成し、ほとばしり流れ出る。その水流が、道子の恋心を象徴している、重要な場面です。


 貫井神社の境内で、まとめの解説とI先生の挨拶があり、日曜地学ハイキングは流れ解散となりました。それぞれ武蔵小金井駅に向かって歩きます。
 私は、途中の滄浪泉園に立ち寄りました。本当は、ここも巡検地のひとつだったのですが、3時半に解散となっていたので、滄浪泉園は、省略となったのです。滄浪泉園もハケに建てられた別荘と庭園です。
 もう薄暗くなったために、写真はあまりよく撮れませんでした。

園内の「ハケ」の説明板


小金井市が出している滄浪泉園説明のサイト。
http://www.mapbinder.com/Map/Japan/Tokyo/Koganeishi/Sorosenen/Sorosenen.htm

 滄浪泉園は、2日前の11月16日夜にテレビ東京が「大人の極上ゆるり旅」という東京近郊の観光地を案内するガイド番組で紹介放送されたのだそうです。「それで、朝から押すな押すなの人が押し寄せて、用意したパンフレットがおしまいになりました」と、庭園案内のパンフレットを貰えませんでした。
 4時から30分ほど園内のハケ面や湧水、水琴窟などを見学して、暗くなる前に駅に着かないとまた迷子になると思って武蔵小金井駅へ。

 駅前のマックにでも寄って足安めをしようと思い、駅の周囲をぐるりと回ったのだけれど、見当たらないので、和食店に入りました。「鶏と野菜の黒酢あんかけ」と生ビール中ジョッキで一休み。ひとり打ち上げ。
 和食店を出てきたら、駅の脇にちゃんとマックもありました。マックのコーヒーなら1杯100円で休めたのですが、和食屋の生ビールとおかず、計1150円。日曜地学ハイキングの参加費は1100円ですが、このうち700円は、先生方が出版している本の代金です。
 「地下水調査のてびき」応用地質研究会(地学団体研究会)中味は、私には読んでもよくわからないことなのですが、お世話になっている先生方の本と思って買いました。
 
 本日の行楽費、交通費、電車賃往復1000円とタクシー代710円で、合計1700円。ハイキング参加費1100円。食費、コンビニで買った昼食用のおかず300円。ひとり打ち上げ1150円。などなど。合計で4000円ちょっと。
 自分が行楽してきて費やした金額と同額を貯めておきます。1年まとめて、しかるべきところに寄付します。こうしておくと、免罪符と同様の効果があって、「世の中には苦しんでいる人も多いのに、私ばっかり楽しんで申し訳ない」と思わずに、「私がお金を使えば、めぐりめぐってそれは人の暮らしを助ける一助となる」という「経済環流」の行楽になります。「行楽費と同額寄付」おススメです。

 以上、日曜地学ハイキング「国分寺崖線を巡って」の報告おわり。

<つづく>
コメント (8)
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