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ぽかぽか春庭「武蔵国分寺遺跡から殿ヶ谷戸公園、関東ローム層-日曜地学ハイキング」

2012-11-29 00:00:01 | エッセイ、コラム
2012/11/29
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十二単日記2012年秋(17)武蔵国分寺遺跡から殿ヶ谷戸公園、関東ローム層-日曜地学ハイキング

 日立中央研究所から武蔵国分寺遺跡公園まで歩き、ハケの崖を下って湧水群の見学をしました。真姿の池湧水群を見学。この湧水は、東京都では山中の御岳渓谷と並んで「日本名水百選」に選ばれています。東京市街地の湧水としてはただ1ヶ所の貴重な水源です。「地団研」の先生たちは、参加者に水質検査キット(リトマス水溶液が入った容器)を配布して、湧水のphを検査するよううながしていました。このとき、真姿の池の湧水は、ph5.8で、弱酸性。試薬の色は、黄色でした。

 真姿の池湧水群をめぐる「お鷹の道湧水群」遊歩道にも、押すな押すなのウォーカー団体が行き交っていました。大きな水用のタンクを持って、水を汲んでいる女性、自転車でタンクを持ち帰っていましたから、近所の人なのでしょう。
真姿の池の湧水

 
 武蔵国分寺遺跡は、50年も発掘が続けられており、さまざまな遺物が遺構が出土しています。昼食を食べたのは、かっての金堂があった場所。


 私は、金堂の礎石のひとつと思われる石に腰を下ろして、朝、握ってきた梅干しおにぎりと、国分寺駅前のコンビニで買った鶏つくね団子串、コロッケなどを食べました。

 私が最初「この人たち、日曜ハイキングの人々かな」と思ってそのそばに腰をおろしたあたりは、「坂歩き崖歩き」のウォーキンググループでした。あとから来た日曜地学ハイキングの仲間は、私からは離れた位置で食べ始めましたが、どうせひとりも知り合いはいないし、移動するのも面倒なのでそのまま「崖あるき」ウォーキングの団体に紛れ込んでお茶など飲んでいました。崖歩きウォーキングのサークル、次回のイベントは、「江戸の崖・東京の崖ウォークツアー」である、というお知らせチラシや坂学会「坂まつり」が文京区民センターで開催されるというチラシを配布してくれました。坂まつり、無料とあるので、行こうかな。

 次に武蔵国分寺跡資料館を見学しました。国分寺遺跡の出土品などが展示されていました。テレビ番組「ブラタモリ」でタモリが訪問したときに紹介された、という「銅像観世音菩薩像」は、白鳳期後期の制作。関東では最も古い白鳳期の仏像だそうです。


 この武蔵国分寺遺跡発掘現場を、2005年のみどりの日に、娘むすことともに訪れたことがあります。娘が大学の授業で「この遺跡発掘現場見学に参加すれば、授業に1回分出席したとみなす」と言われて、出かけたのです。古代史の授業で眠気をがまんして授業を聞くより、発掘現場見学ハイキングで1回分出席になるなら「お得」と娘が言ったので。娘は地理学科でしたが、中学校社会科教員免許をとるために、日本史の授業の単位も必要だったのです。

 このとき発掘していたのは、武蔵国分寺七重塔跡、武蔵国分尼寺跡でした。
http://hal-niwa.blog.ocn.ne.jp/blog/2005/05/post_29ea.html 
http://hal-niwa.blog.ocn.ne.jp/blog/2005/05/post_8a27.html

 現在、再建された武蔵国分寺は、遺跡の北側に位置しています。


 今回も娘むすこを誘ってみましたが、「11月18日は、横浜国際女子マラソンの中継とフィギュアフランス大会女子を見たいからダメ」と、フられました。まあ、11月には24歳となる息子。いつまでも母親といっしょに出かけることもないとは思っているのですが。一応、娘の名を日曜地学ハイキングの会員名簿には載せているので。

 武蔵国分寺跡資料館をのんびり見学していたら、いつのまにやら日曜地学ハイキングの人々は、次の殿ヶ谷戸公園へ向けて出発していました。気づかずに取り残されてしまったもう一人の女性と、最初に集合していた場所都立武蔵国分寺公園へ戻ったのですが、だれもいません。しかたがないから、タクシーを拾って殿ヶ谷戸公園へ行きました。ハイキングなのに、途中タクシー。どうしていつも私は道に迷ったり、メンバーとはぐれたりするのでしょう。ほんとに毎度まいど。

 殿ヶ谷戸公園の入り口で待っているとI先生が入場券を買いに来て、「ふたり遅れたと思ったんですが、行程がおくれているので出発したけれど、間に合ったんですね」と言う。まあ、間に合ったのはタクシーで先回りしたからですけど。途中で行方不明になるメンバーがいても、先生は気にせず「疲れたから途中で帰ったんだな」と思う程度、というゆるさが、このサークルなので、こちらも気にしない。

 殿ヶ谷戸公園は、一度ひとりで来たことがあります。そのときは、「ハケ」見学など思いもよらず、ただ、仕事がえりに、きれいな庭をながめに寄ったのです。今回は、庭園内のきつい高低差の崖は多摩川が作り出した河岸段丘によるものであること、庭内の池はハケの湧水でできていることを、地学の先生に解説してもらって、庭を眺めるにも視点が異なりました。

秋色の殿ヶ谷戸公園


 殿ヶ谷戸公園から歩いて、とある駐車場に行きました。この駐車場の北川の崖こそ、東京都内で数少なくなった「関東ローム層」の出現地なのです。都内のほとんどの崖は、開発の波に押されて、マンションやらビルやらが建つ際に削られたり埋め立てられたりして、直接ローム層の地層が出現しているところで、一般の人が見学できる場所は、ここくらいなのだそうです。
 このローム層は「東京パミス(TP)」という名で呼ばれており、49000年前の箱根火山の軽石が地層となっています。

ローム層にうつってているシルエットは、日曜地学ハイキングの参加者たち


 関東ローム層と言えば、日本史教科書の一番最初に出てくる用語です。このローム層にあった打製石器を発見した岩宿遺跡により、日本にも旧石器時代の人々が住んでいたことが証明されたのです。岩宿発見の相沢忠洋さんは、郷土群馬の誇りです。
 私は,小学校の遠足のとき、どこかの崖を指して先生が「ここもカントーロームソーなのだ」と言ったような気もするのですが、大人になって、関東ローム層が何を意味したのかわかってから、この地層をじっくり眺めたことなどありませんでした。

 日曜地学ハイキングで、秩父だか荒川だかで化石を掘ったときも、地学の先生にローム層の表れている地点の説明を受けた気がするのですが、どこだったか忘れました。今回のローム層は、ちゃんと覚えておこうと思います。あ、でも、ぞろぞろくっついて歩いていただけなので、何と言う駐車場だったか、忘れてしまいました。

<つづく>
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