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ぽかぽか春庭「トット記念碑と昭和な揚げ物」

2024-09-01 00:00:01 | エッセイ、コラム
20240901
ぽかぽか春日常茶飯事典>2024二十四節季日記処暑(1)トット記念碑と唱和な揚げ物

 世界的なベストセラーとなり、全世界で2500万部が読まれた「窓ぎわのトットちゃん」。発刊からあっというまに日本国内でもベストセラーになりましたから、ベストセラーとなったものを後追いで読むことをよしとしなかったへそ曲がりの私は、発行から数年遅れで読んだ記憶があります。

 昨年はアニメ版の映画が評判になったのですが、まだ見ていません。たまたま「プロジェクトX挑戦者たち」でトモエ学園がとりあげられたので、視聴。

 1937(昭和12)に小林宗作(1893年-1963 )が自由が丘に創立したトモエ学園。群馬県に生まれ高等小学校卒の代用教員から教育の道に入った小林宗作は、ヨーロッパで幼児教育を学び、リトミックを中心に幼稚園小学校の理想的な教育をめざしました。学校のようすは「トットちゃん」に描かれていますが、プロジェクトXは、理想の教育が受け入れられない小林の苦悩や、東京大空襲で校舎が全焼したあとの苦労などを描写していました。小林の死去により廃校。

 番組の終わりに、アニメ映画の公開にあわせたように自由が丘にトモエ学園の記念碑が、今のイオンモール(かってのピーコック)に建てられたことが紹介されていました。
 トモエ学園が自由が丘にあったことは知っていましたが、跡地がこんな駅の近くにあったとは知らず、娘とピーコックで買い物しても、かってここにトモエ学園がたっていたなんて気づきませんでした。

 所要があり自由が丘を訪れたおり、8月19日に記念碑を撮影しました。ものすごく暑い日でした。「用のない年よりは外に出るな」とニュースでもいっていた日でしたが、用があったので。



「私たちこの地に学び育まれた者は、ここに行われた教育が、時をこえて生き続けることを願い、恩師への敬愛と感謝の思いを込めて、この碑を建てる。/自由が丘学園/トモエ学園 同窓生 並びに 関係者一同」
 この学園で学んだ人々の思い、小林宗作の思いが感じられる碑でした。
 
 自由が丘駅周辺にさまざまな飲食店が軒を並べているし、イオンモールの中にもレストランがありましたが、しらかば通りの揚げ物定食屋「瀬戸」で「揚げ物三点セット」を注文。80代くらいのご夫婦が営むお店です。

 カウンターに椅子が6つだけ。12時の開店前から並んでいた3人組みは、二人連れが二組座ったあと、あとは二人分しか椅子がないと聞いて、あきらめていました。おかげで私とうしろのおっさんがすわれました。おっさんはコロッケ定食。三点セットは、揚げ物の中から三種を選びます。私はアジフライ、チキンカツとコロッケを選択。味噌汁つけもの、キャベツ。ご飯大もりにして1400円でした。御主人は「大もりの次にカマタもあるよ」と冗談を言う。私がカマタってなんですか、と初めて訪れた客らしく尋ねると、「アはは、大森の一つ手前の蒲田」と種明かし。大井町くらいにしようかとも思いましたが、揚げ物が3種くるのですから大森で。

 おかみさんは、お盆休みに水上と草津に出かけたことを久しぶりらしい二人連れに話しています。ビールのあての小鉢が草津みやげなどだという話。草津は自由が丘より人出が多くて、湯もみショウは長蛇の列だったという話をしていました。85歳というご主人は、もくもくと揚げ物をあげ続ける。注文を確認し、パン粉をつけていく。私の席はちょうどエアコン冷気が噴き出すところにあたっていたので、暑くはなかったけれど、揚なべの前の席に座った二人連れにはうちわが出されました。

 おかみさんの話によると、最近インターネットなどで「The昭和な店」と評判になり、若者が食べに来るようになったという。12時開店で、12時45分には最初に座った6人は会計をすませて、昼食修了。何度も店をのぞきに来ていたペアのうち女性は「広島の生もみじまんじゅう」というのをおかみさんに渡し、おかみさんはお返しに草津の名物を渡していました。男性だけが三点セットを注文。5種の揚げ物のなかから、男性はエビフライ、コロッケ、イカリングを選びました。女性は、6人で満席だった店がいつごろ空くかわからないから、食事は済ませてきたのですって。

 チェーン店やこじゃれたカフェは増えるけれど、こんな「昭和の店」もつぶれないで残っていてほしいな。揚げ物、カラリとした揚げ具合で、おいしかったです。

<つづく>
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4 コメント

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くちこの思い出の本ですよ (くちかずこ)
2024-09-01 20:57:15
新刊、続編は、娘と孫王子が、もう読んだからと送ってきたので読みました。
映画も娘達は観に行ったらしいです。
孫王子もなかなかの個性派でね。
普通の学校に適応するのは難しい子なんです。
こんな学校が今あると良いのにねといつも、話しています。
昔ね、
ブログにも載せているんですよ、この本のこと↓
https://blog.goo.ne.jp/kazukomtng/e/90feb45f22ed40c021b12c20c4968182

個性派なのは、遺伝?
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映画版 (まっき~)
2024-09-02 02:51:20
この世界の片隅に。と、二本立てでやったところもあるみたいですね、
小市民版とハイソ版の戦時下における日常の物語、の視点でも捉えられますもん、よいプログラム。

友人と話すのは、この世界~もそうだしトットもそうだったけれど、宮崎爺や押井守や新海誠のような、作家性が強過ぎる監督じゃなくてよかったね。っていう。
そうでなかったから作品として成功した面は、たしかにあると思いました。


ついしん。
いまギャラ交渉やってます、正直、脚本家としてクレジットされるのであればノーギャラでもいいのですけど。
映画は完成まで行けたとしても、上野の成人映画館でしかかかりません。
春さんに行ってもらえるかしら^^
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まっき~さん (春庭)
2024-09-03 11:52:21
上野だろうとAV館だろうと、かけつけますとも。楽しみにまっています。ギャラ、次作のためにも高くとってね。

トットアニメはテレビ放映になってからかな。
八月下旬は、家でごろごろせざるをえず、深刻なものは頭痛を強めそうなので、古い作品のうち軽いものを見てすごしました。『まあだだよ』とか『東京慕情』とか。まっき~作品が30年後50年後にも人々に見返しされる作品であることを信じています。
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くちかずこさん (春庭)
2024-09-03 11:56:04
トットのようだったくちかずこさん、思い浮かびます。
孫王子さんも個性派を受け継いでいるのですね。ときどき写真で拝見しているから、赤ちゃんの頃からの成長を知って、親戚の少年のように感じます。学校とはおりあい悪くても心配ない。とてもよい少年に育っていますもの。

さまざまな個性を持つ子供たちが型にはめられることなく成長できる世の中でありますように。
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