高柳さんは、私共「八名川小学校」の先生である。毎回の研究授業においでいただき、指導を仰いでいる。
かの藤田湘子が主宰であった俳誌「鷹」の現在の編集長であるが、彼はまだ二十代の若さだ。
にもかかわらず、研究会での批評は、常に的を射て確かだ。正直、舌を巻く。一人一人を生かしながら問題を提起する。すでにそれは宗匠の風格である。若くして編集長に抜擢されるのも当然と思われる。
先日の研究会の折、その高柳さん、いや高柳先生から「未踏」をいただいた。発行日は、2009年6月22日とある。できたてのほやほやだ。
これが、「第一句集」であると言うことにびっくりした。すでに何冊も句集をものにしていてもおかしくない。高柳さんがまだ二十代であることを再認識させられた。
「鷹」の主宰である小川軽舟が序文を書いている。
これが、句集の編み方の標準なのかもしれないが、2003年から2008年まで句が編年体で並べられている。
その冒頭が、表題の句
ことごとく未踏なりけり冬の星
である。
蝶々のあそぶ只中蝶生まる
ゆふざくら膝をくづしてくれぬひと
太陽の号令つばめひるがへり
春昼や果肉にナイフ入れ無音
木犀や同棲二年目の畳
白桃の舌のちからにくづれけり
桜貝たくさん落ちてゐて要らず
蟻運ぶ蝶の模様のかけらかな
光速の素質ありけり黒揚羽
十七音に確かな詩が息づいている。
素晴らしい人を講師に迎えることができたと実感する。
高柳克弘句集「未踏」
発行所 ふらんす堂
定価 2400円
かの藤田湘子が主宰であった俳誌「鷹」の現在の編集長であるが、彼はまだ二十代の若さだ。
にもかかわらず、研究会での批評は、常に的を射て確かだ。正直、舌を巻く。一人一人を生かしながら問題を提起する。すでにそれは宗匠の風格である。若くして編集長に抜擢されるのも当然と思われる。
先日の研究会の折、その高柳さん、いや高柳先生から「未踏」をいただいた。発行日は、2009年6月22日とある。できたてのほやほやだ。
これが、「第一句集」であると言うことにびっくりした。すでに何冊も句集をものにしていてもおかしくない。高柳さんがまだ二十代であることを再認識させられた。
「鷹」の主宰である小川軽舟が序文を書いている。
これが、句集の編み方の標準なのかもしれないが、2003年から2008年まで句が編年体で並べられている。
その冒頭が、表題の句
ことごとく未踏なりけり冬の星
である。
蝶々のあそぶ只中蝶生まる
ゆふざくら膝をくづしてくれぬひと
太陽の号令つばめひるがへり
春昼や果肉にナイフ入れ無音
木犀や同棲二年目の畳
白桃の舌のちからにくづれけり
桜貝たくさん落ちてゐて要らず
蟻運ぶ蝶の模様のかけらかな
光速の素質ありけり黒揚羽
十七音に確かな詩が息づいている。
素晴らしい人を講師に迎えることができたと実感する。
高柳克弘句集「未踏」
発行所 ふらんす堂
定価 2400円