十分間俳句

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高柳克弘句集「未踏」

2009-06-26 | ジュニア俳句
高柳さんは、私共「八名川小学校」の先生である。毎回の研究授業においでいただき、指導を仰いでいる。
かの藤田湘子が主宰であった俳誌「鷹」の現在の編集長であるが、彼はまだ二十代の若さだ。
にもかかわらず、研究会での批評は、常に的を射て確かだ。正直、舌を巻く。一人一人を生かしながら問題を提起する。すでにそれは宗匠の風格である。若くして編集長に抜擢されるのも当然と思われる。
先日の研究会の折、その高柳さん、いや高柳先生から「未踏」をいただいた。発行日は、2009年6月22日とある。できたてのほやほやだ。
これが、「第一句集」であると言うことにびっくりした。すでに何冊も句集をものにしていてもおかしくない。高柳さんがまだ二十代であることを再認識させられた。
「鷹」の主宰である小川軽舟が序文を書いている。
これが、句集の編み方の標準なのかもしれないが、2003年から2008年まで句が編年体で並べられている。

 その冒頭が、表題の句

 ことごとく未踏なりけり冬の星

である。

 蝶々のあそぶ只中蝶生まる

 ゆふざくら膝をくづしてくれぬひと

 太陽の号令つばめひるがへり

 春昼や果肉にナイフ入れ無音

 木犀や同棲二年目の畳

 白桃の舌のちからにくづれけり

 桜貝たくさん落ちてゐて要らず

 蟻運ぶ蝶の模様のかけらかな

 光速の素質ありけり黒揚羽


 十七音に確かな詩が息づいている。
 素晴らしい人を講師に迎えることができたと実感する。

 高柳克弘句集「未踏」
 発行所 ふらんす堂
 定価 2400円

 




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