小山正孝は、私の父である。父は詩人だった。
テーマは一貫して男と女。そして、精神の有り様であった。
愛と憎しみが混ざり合い、自分が何物であるのかを描く世界は、あるときは直情的であり、あるときはひどく難解であったが、その時々の課題に全力でぶつかっている感があった。
詩が高校の教科書に取り上げられたこともあったし、晩年には丸山薫賞をいただいたりもした。
しかし、8冊の詩集のすべては自費出版で発行部数はわずか150部から300部でしかない。そのほとんどは差し上げた方が死蔵(愛蔵)している。
したがって、小山正孝の詩と言ってもほとんど誰も知らない。
この度、女優の梶三和子さんが、小山正孝の詩をテーマに公演を打って下さる事になった。
梶さんは、2005年にも、小山正孝の前期の代表的な詩集「愛しあふ男女」をテーマに「かけぬけて」という公演を行ってくださった。今回は、それに続くものである。
私は、詩人小山正孝や彼に連なる人たちを顕彰する「感泣亭」の活動を続けてきた。年に数度の研究会を行い、「感泣亭秋報」という小冊子を年間1回ずつ発行してきた。これは、故坂口昌明さん他多くの方々のご助力のお陰である。が詩人の生の姿に接してもらうためには、実際に彼の詩に触れて頂くことが一番大きいと思っている。
そうした意味で、今回の公演は、小山正孝没後10年の最大のイベントであり、ぜひ多くの方々に小山正孝の詩に接して頂きたいと切に願っている。
私は、父と違って詩才はないが、俳句に触れたのは父の影響であることは間違いない。
30代の終わりに父から勧められた俳句のアンソロジーに心打たれた。なかなか俳句もいいものだとその時に思った。それでも俳句を自分で作る事は無かった。
俳句や俳句教育に関心を持ったのは父の死後である。直接の関係はまるでないが、心理的には親近感があったことは間違いない。そういう意味では、父のお陰と言ってもよいと感謝しているし、私自身のルーツになっているかもしれない。
女優の梶三和子さんは、若いときから、映画やテレビ・舞台で活躍されてきた方だが、この十年 山本周五郎の一人がたりに取り組んでこられた。演技力抜群の女優さんである。
彼女の演技を拝見するだけでも、大きな刺激となること間違いない。
興味のある方は、ご連絡ください。よろしくお願いします。
「風が吹くと木の葉がゆれて」
詩・小山正孝
語り・梶三和子
時 4月21日(土)午後3時半開演(3時10分開場)
場所 銀座・ギャラリー悠玄 泰明小学校そば(地図参照)
3000円
連絡先 小山正見 oyamamasami@gmail.com