豊前善三のつれづれ日記

　( Vol 950 ) 映画「そして父になる」の監督の　制作において　ノンフィクション「ねじれた絆」作品を　参考文献とした扱い　における　著作権の尊重問題を　考える

報道によると　是枝監督作品「そして父になる」は　ノンフィクション「ねじれた絆」が　監督を制作へと　駆り立てたものと報じていた

そこで問題なのは　取り上げる内容の主眼が　「ねじれた絆」そのものであること

そして　ノンフィクション作家に対して　事前に映画化への了解を取っていなかったこと


ここには　著作権が存在する

アイデアを尊重するため　保護するために　著作権が存在する


設定内容に違いがあっても　考え方のベースが　「ねじれた絆」にあるのなら

事前了解を取るのが　良識ある行動ではなかったか

設定場面を　性別を変え　場所を変えた　ということで　著作権に抵触しない　という考え方は　表現に関わる者として　どうなのだろうか

もし　自分の作品が　無断で借用され　転用されたら　どう感じるのだろうか


映画制作配給のフジテレビ　映画監督　是枝氏　と　ノンフィクション「ねじれた絆」の作家　ジャーナリストの奥野修司　文藝春秋との間に　トラブルが発生した


今の時代　著作権を　尊重しなければならない　そこを　おろそかにした

制作会社であるフジテレビは　著作権を軽視　しすぎたのではないか


配給映画の中では　参考文献という扱いで明記することに落ち着いたようであるが

それにしても　お粗末である


アイデアも　著作権も　知的財産である


内容設定を変えれば　著作権に触れない　という軽視は　どうなのだろうか


ノンフィクション「ねじれた絆」は　著者が　時間と労力を　費やして　作品としたものである

この作品なくしては　映画「そして父になる」は　できなかったのではないか

その意味でも　「ねじれた絆」のもつ　重要性は　軽視できないのではないか


出版元　作者に　了解を得る　という　初歩的な行為をしなかった　というのは　どうも　納得できない

日本社会では　法令遵守　というコトバが　報道紙面に　たびたび登場してきた

それなのに　なぜ　と　言いたくなる


「そして父になる」の映画は　カンヌ映画祭で　賞を取るまでの　すばらしい内容に仕上がった　故に　ちょっと　不満である


その騒動のためか　知らないが

2013年10月11日　フジテレビ系列で　ノンフィクション「ねじれた絆　赤ちゃん取り違え事件の十七年」がドラマ化され　金曜プレステージ　として　放映された

内容は　実録だけあって　迫るものがあった


結果的には　フジテレビが　実録として　出版元と原作者を尊重した形で　放映された　のではないだろうか


その代償は　大きかったのではないだろうか


今の世の中　法令遵守　は当たり前になっている　

ＴＰＰ交渉においても　著作権の保護について　協議されている



今回の　騒動は　知的財産に対する　軽視が　招いたもの

大学の論文においても　問題になっている


これからの世の中　より一層　知的財産は　重要視されてくる

知的財産について　細心の注意をして　表現する必要がある　

表現場に限らず　すべての場においても　知的財産を　尊重する　姿勢が必要ではないだろうか




過去の内容一覧　（以下のことに関しては最下段の
「記事一覧」を参照ください
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Vol 949 安倍総理は　水俣条約会議でも　強気な発言メッセージ　国民感情を無視している
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Vol 946 企業幹部の隠蔽　ウソの答弁　が相次ぐのは　なぜか
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Vol 938 情報は　漏れるもの　嘘は暴かれるもの
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Vol 933 朝日新聞の　政党広告掲載　拒否は　情報の一般への　周知という　手段としての役割を　逸脱していないか
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Vol 930 ＪＲ北海道の　線路管理問題は　日本全体の体質
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Vol 928 受動喫煙　いまだに　半数を超えている　という　厚生労働省の調査　発表に　感じること