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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 549 ドラフトネタ 近鉄バファローズ編

2018年09月19日 | 1985 年 



去年のドラ❶ 佐々木 修:考えるピッチャー、これが佐々木の武器なのだ
19試合に登板して3勝6敗。防御率はチーム防御率とトントン。佐々木投手の成績は見方によって評価は様々である。「キャンプで見た時は球に力もあるし最低でも5勝はいけると思った。しかも初先発初完封だったから尚更ね。でもプロは甘くなかった、という事かな。でも来季への期待は充分あると思うよ」と期待値込みでプロ1年目として合格点を与える岡本監督。今季の後半、一時は佐々木中心のローテーションを組んだことからも期待の大きさが窺える。日向での秋季キャンプでも徹底した英才教育を施している。板東投手コーチによる佐々木の評価は「後半戦は球に力もついて打者の胸元を突くストレートが効果的だった。ただ短気な所もあって何度か初球を狙い打ちされるケースも目立った。向こうっ気は大事だが冷静さを忘れないようにしないと」

同僚のデービス選手も野手の立場から「ササキのいい時は投球にリズムがあって野手も守り易い。ゲームの進行もテンポよく、そういう投手は必ず打線の援護も多くなる。今年の投球を続ければ来年はもっともっと勝てるよ」との言葉を残して帰国した。確かに春季キャンプの頃と比べると身体つきも逞しくなりストレートだけでも打者を手こずらせる程の球威を身に付けてきた。元々右打者には切れ味抜群のカーブが効果を発揮していた。あとは左打者対策にシンカーを自由に操れるようになればデービスの太鼓判もあながち空手形ではなくなるであろう。加えて佐々木の何よりの武器と成り得るのが岡本監督以下、首脳陣や選手達がこぞって認める " 頭 " である。

「アイツはよく考えて投げている。マウンドに上がって打者と向かい合ってからテーマを決めて投げている。今日は左打者にどう対処するのか臨機応変に対応している。そんへんはウチの他の若手投手とは一味違う所。ピッチングマシーンみたいに、ただ投げているだけみたいな投手も正直おるからね」と岡本監督は苦笑まじりに言う。そのあたりが今季3勝という数字の割りに期待が大きい理由ではないか。「最初に完封した時はもっと勝てると思ったのは事実。でもプロはやっぱり甘くなかった。肝心な場面で一発を喰らったりして悔しいというか情けなかった1年でした。秋季キャンプでは直球を生かす為にも緩い球を覚えたいですね。他にもやらなければならない事が山ほどあります(佐々木)」と。その向上心や良し。



【 運命のドラフト当日:大石大二郎 】
他の大学生と同様に大石選手も大学の野球部合宿所でその瞬間を待っていた。昭和55年11月26日、「後輩のラジオを持ち出して伊東さん(パ・リーグ広報部長)の声を聞いていました(大石)」。この年の目玉は原(東海大)と石毛(プリンスホテル)。他にも愛甲(横浜)、中尾(プリンスホテル)、竹本(新日鉄室蘭)など人材豊富だった。1巡目指名が終わっても大石の名前は呼ばれずドラフト会議は昼食休憩に。大石も友人らと食事を摂りに合宿所を離れた。「食事を終えて戻って来たら合宿所の窓から後輩達が『大石先輩、近鉄が2位で指名しましたよ』と大声で教えてくれたんです」と。「最初は大学の監督さんは小柄の僕を心配してプロ入りに反対してたんですけど、僕と僕の親父の二人がかりで説得してプロ入りを認めてもらいました(大石)」だそうだ。


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