面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「サンキュー・スモーキング」

2006年11月04日 | 映画
タバコ産業の利益代表者であり、超一流のスポークスマンのニック(アーロン・エッカート)。
日に1200人のアメリカ人を殺すタバコ業界の顔として、どことなく憎めないキャラクターを演出する魅力的な笑顔と、どんな不利な状況も好転させる巧みな話術で、日々マスコミと闘っている。
その鮮やかな広報戦略とはうらはらに美人には弱く、スクープを狙うセクシーな女性記者
ヘザー(ケイティ・ホームズ)にまんまとハメられて機密を新聞に暴露され、時を同じくして彼の理解者だったタバコ業界の大ボス・“ザ・キャプテン”(ロバート・デュヴァル)が亡くなって後ろ盾も無くし、一瞬にして職を失い、世間の非難を浴びながら奈落の底へと転落する。
自暴自棄に陥ったニックだが、別れた妻のもとにいる、彼を神様のように尊敬する息子ジョーイ(キャメロン・ブライト)が言う。
「パパは情報操作の王だろ?」
奮い立ったニックは、タバコにドクロマークをつける法案の公聴会に臨んだ…

痛快ディベート・アクション!
ああいえばこう言う、という屁理屈合戦的なイメージ(あくまで矮小な視点による私見)のディベートというものが、実は不利な場面でも議論に負けないための「護身術」であることに気付かされた。
クライマックスの公聴会における、ニックがしかける論戦が楽しい。

ディベートの面白さを存分に見せてくれる本作であるが、ハッとさせられるセリフがあった。
「ラクな仕事ほど退屈なことはない」
ニックがジョーイに常々かけていた言葉。
困難な仕事ほど、完遂後の達成感は大きいもの。
「うーん!なんで自分にばっかり面倒なことを押し付けてくるのか!」
と理不尽な思いにとらわれたときにピッタリ。
こういうビジネス系の映画は、仕事に立ち向かうためのエネルギーをポッとくれることがある。
ときとしてそれは、絶妙のタイミングだったりもする。
だから映画は面白い。
しかも本を一冊読むよりも手っ取り早い♪
(…という発想はいかがなものかとは思うが)

明日から使えるディベートのコツ。
 ①視点を変えろ!
 ②あいまいな言葉は自分流に定義しろ!
 ③不利な土俵では戦うな!
「ディベート講座」も掲載されたパンフレットも楽しい。

サンキュー・スモーキング
2006年/アメリカ  監督:ジェイソン・ライトマン
出演:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、キャメロン・ブライト、ロバート・デュヴァル、ロブ・ロウ、サム・エリオット、ケイティ・ホームズ


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