面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「SUPER8/スーパーエイト」

2011年06月24日 | 映画
1979年夏。
オハイオの小さな町で保安官代理の父と暮らす少年ジョーは、ある夜、仲間たちと共にとんでもない大事故に遭遇する。
翌朝、町にはただならぬ空気が流れ始めた。
事故収拾のために出動してきたアメリカ軍に、情報がオープンにされずいぶかしがるジョーの父親は、軍の将校と衝突した。
やがて町では不可解な出来事が次々と発生する。
そして、事故の様子を偶然撮影していた8ミリフィルムを見た少年たちは…


スピルバーグの希望で、作品に関する詳細な広報は控えるよう、全米に“お達し”が出たという。
少年時代のJ・J・エイブラムスは、8ミリ映画製作に熱中していた。
物語の舞台となった1979年は、そんなJJの少年時代とオーバーラップする。

と同時に、14歳のジョーは自分と同い年。
仲間たちとナックの「マイ・シャローナ」を歌うシーンでいきなり心を鷲掴みされ、イッキに物語の中へと引き込まれていった。
彼らのような“とんでもない事件”に遭遇したことなどないが(当たり前)、子供のココロに戻ってスクリーンの中で一緒に過ごしている気分で楽しんだ。

多感な少年期の夏休み。
様々な体験は、オトナへの階段を登る背中を後押しするもの。
ジョーとその仲間たちは“ひと夏の冒険”を通して、少しオトナへと成長した。
その足跡は“フィルム”の中にも記録されている…


映画少年だったJ.J.エイブラムスが、いかにスピルバーグの影響を受けたかがヒシヒシと伝わってくる。
自分も同じくスピルバーグの娯楽作品で育ったので彼の気持ちはよく分かるが、J.J.のスピルバーグへの憧憬は並大抵ではない。

「未知との遭遇」や「E.T.」へのオマージュだけでなく、「グーニーズ」「スタンド・バイ・ミー」など、様々な作品のイメージを織り込みながら、「クローバーフィールド」で見せた“謎はクライマックスまで明かさない”展開で味付けされた、一風変わったSF作品。
自分が過去に見た映画のテイストを見つける楽しさも味わえる、少年成長譚SF大作の傑作!


SUPER8/スーパーエイト
2011年/アメリカ  監督:J・J・エイブラムス
出演:エル・ファニング、カイル・チャンドラー、ロン・エルダード、ノア・エメリッチ、ガブリエル・バッソ


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