面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「オーシャンズ13」

2007年09月04日 | 映画
シリーズ3作目は、初心に戻った“ありえない大仕掛け”と詐欺の嵐による復讐劇で、結構単純に面白い。

ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)率いる“オーシャンズ”のメンバーのひとり、ルーベン(エリオット・グールド)が倒れた。
世界を股にかけるホテル王ウィリー・バンク(アル・パチーノ)とパートナーを組んだルーベンは、ラスベスガスに新たな巨大ホテルを立ち上げようとしていた矢先、バンクの裏切りによってホテルを乗っ取られ、失意のあまり心筋梗塞に倒れてしまったのだ。
ルーベン危篤の報せに、盗み出す寸前だった大金さえも放り出しラスベガスへ駆けつけたラスティ(ブラッド・ピット)をはじめ、病床に集まったオーシャンズは、バンクへの復讐を誓う…

“ありえない大仕掛け”とは、英仏海峡のトンネル工事に使ったという超大型掘削機を使って、なんとバンクのホテルの基礎部分にぶちあてて建物全体を揺らし、ニセ地震を起こそうとするもの。
これは、ホテルに組み込まれている世界最新にして最高水準のセキュリティシステムである「グレコ」を混乱させるための、唯一にして最後の手段として導入したもの。
ところが、順調に地中深く掘り進んでいた掘削機がぶっ壊れてしまい、たちまち計画倒れのピンチ!
もう1機を持ってこようにも資金が底をついたそのとき、なんとオーシャンズの宿敵であるベネディクト(アンディ・ガルシア)と手を組む道を選んだのである。

前回登場のキャサリン・ゼタ=ジョーンズはおろか、ジュリア・ロバーツもいない“暑苦しい”スクリーンにも関わらず、テンポよく物語が展開して飽きさせない。
アッサリ詐欺にひっかかるバンクもいかがなものかと言えなくもないが、オーシャンズ達の計略によって身ぐるみ剥がされる様子は痛快にして、少し可愛そう!?
仲間の復讐のためには手段を選ばず徹底的にやる!という、オーシャンズの掟に対する結束と実行力が、バカバカしいまでに派手に描かれて小気味良い。

ラストでの、ベネディクトに対する鼻の明かし方も愉快。
また、前作に続いて“敵役”として出演のヴァンサン・カッセルが、前作以上にオマヌケキャラに描かれていて笑える。
これなら、シリーズ最終作としてイイんじゃないか?


オーシャンズ13
2007年/アメリカ  監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ドン・チードル、バーニー・マック、エレン・バーキン、アル・パチーノ