きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

思慮に欠ける言葉

2013-06-22 09:46:50 | Weblog
思慮に欠ける言葉       (2013-06.22)

最近政治家が全く思慮に欠ける言葉で、世間を騒がせる事が多い、特に最近では、安倍総理がフェイスブックを使って、田中均外務審議官を名指しで批判した1件が問題になって居る。

小泉総理時代(2002年)訪朝に関わった田中均外務審議官が毎日新聞のインタビューで「国際会議などで日本が極端な右傾化をしていると言いう声が聞こえる」と懸念を示した事に対してだ。

当時、官房長官であった安倍氏はそれに対し、拉致被害者5人を北朝鮮の要求に沿って、“北朝鮮側に返すべきだ”とする田中氏の主張を自らが覆した話を持ち出し、当時の田中氏の主張について「外交官として決定的なミス」と批判したことである。

当時は政権内で激しい対立があった事は事実である。しかし、首相が「彼に外交官を語る資格は無い」と元官僚をばさりと切り捨てるのは、個人攻撃と言うべきで、最高権力者の発言として自制心を欠いているのではないでしょうか。
その後、田中氏は「売国奴」呼ばわりされ、自宅に爆発物が仕掛けられる事件も起こっている。

敵と味方を色分けし、敵と見なせば激しくののしる様な言葉が、特にネット上で最近ますます横行している。

此れに対して、小泉新次郎氏(小泉総理の二男)は「首相は何を遣っても批判はある。宿命と思いながら結果を出す事に専念した方がいい」と言っている。若いながらもなかなか良い事を言っているので、見直した。

ネット上での議論は、相手の顔は見えないが、多数の人が読んでいる、それだけに人間として思いやる最低のルールが必要であり首相の言葉としては、少々思慮に欠ける発言であると思う。

その他、最近では自民党政調会長である高市早苗氏の「福島第1原発で事故が起きたが、死者が出ている状況ではない」との発言も震災を契機に体調不良で亡くなった人たちの事も考えず、軽々に口にした発言は、思慮に欠ける発言で、批判を浴びるのも当然の事であると思う。

とかく攻撃的な発言は、威勢がよく聞こえ、同調する人々には訴える力が有るかも知れないが、反面、品の悪さがあって、何とも言えない後味のわるさが残る。
(えびなたろう)