青山潤三の世界・あや子版

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Johnny Tillotsonの時代~Hank Locklin VS Elvis

2021-04-30 14:38:40 | コロナ、差別問題と民主化運動、アメリカンポップス


★4月29日の記事に、応援ありがとうございます。

 ブログ用に作成したまま未発表になっている「大作」に、『「夢の枕を」「涙ながらに」怒涛の50連発』というのがあります。ジョニー・ティロットソンの自作で、1962年夏に本人の歌でヒットした「涙ながらに」と、C&Wの大御所ハンク・ロックリンの作品で、同じく1962年秋にジョニー盤でヒットした「夢の枕を」。
 
それぞれ(両人を含め)100人以上のアーティストがカバーしているので、その一部をユーチュブからピックアップして、それぞれの歌手の紹介や感想を加えながら解説して行こうという試みです。99%(100%と言っても良い)完成しているのですが、なんだかんだでアップを躊躇しています。うだうだしているうちに新しいバージョンを発見したりして、アップのタイミングを逃していくのです。
 
両曲とも、ポップ・テューンであるとともに、典型的なC&Wバラードでもあるのですね。と言うよりも、現在では古典となっています。「19世紀の作品」と紹介されていることも有ります。
 
あと、「涙ながらに」の作者がハンク、「夢の枕を」の作者がジョニー、と取り違えられていることも度々ある。ちなみに、ハンクはジョニーよりも21歳年長、先生格です。
 
昨日、ハンク・ロックリン盤の両曲を再チェックしようとしたら、非常に興味深いのを見つけました。4月26日にアップされたばかりの新しいユーチュブです。
 
「ブラック・エルヴィス」さんという、若い黒人のラッパー?(DJ?)の方による、「Hank Locklin Vs Elvis Presley "It's Keeps Right On a Hurtin"

 「涙ながらに」のカバー・バージョンとして、圧倒的に有名なのが、エルヴィス盤です。1969年、エルヴィスが本格的にカムバックしたとされるアルバム「メンフィス・フローム・エルヴィス」の収録曲。ユーチュブに紹介されているアマチュアのカバー盤も、「エルヴィスのカバーのカバー」というのが数多く見られます。
 
ハンク・ロックリンは、典型的なC&Wシンガーですから、ジョニー盤を忠実にカバーしていますね(自分の「夢の枕」をヒットさせてくれた“お礼”みたいな気持ちもあるのでしょう)。でも、「涙ながらに」のカバー全体で見れば、ハンクのような“素直な”再現は少数派です。この曲のカバーの特殊な所は、同世代歌手のカバーが少なく、ベテラン大御所歌手によるカバーが多いということ。そして、それらのカバーが、それぞれ独自のスタイルを強調している。素直に歌うと詰まんないのかも知れない(あるいは歌うのが難しい?)この曲の魅力を、どうやって表すか、実力派歌手の力の見せ所、と言うわけでしょう。
 
エルヴィス盤(ただし数少ない同世代でジョニーとは3つしか違わない)は、その典型とも言えます。感情を抑えたジョニー盤やハンク盤とは対照的に、感情を爆発させています。
 
因みに、ジョニー本人盤の「涙ながらに」は、1960年代を通して3曲しか存在しない、ビルボード誌の「ポップス」「C&W」「R&B」の3ジャンルでトップ10に入った曲です。ポップ・ヒットではあるのですが、現在ではカントリー・クラシックとなっていて、カバーしているのも、大半がC&W系の歌手たちです。現時点では、黒人(R&B系)歌手によるカバーは見つけていません。
 
なので、このユーチュブの紹介が、若い黒人男性、ということも興味深いです(タバコ?吸ってコーヒー?飲みながら楽しそうに紹介しています)。もちろん、エルヴィス“上げ”なのですが、特にハンクの方を蔑視しているわけでもなさそうです。「同じ歌を唄ってもエルヴィス以外の(昔の)歌手はまるで単純で詰まんないね、やっぱりエルヴィス凄い!」と素直に言ってるだけのようで。たぶん、(人種性別を問わず)今の若者にとっては、ハンク・ロックリンらに代表される「昔の時代の単純な歌唱」というのは、存在する事自体が不思議なのかも知れません。
 
まだ3日ほどしかたってないけれど、コメントが100近く来ています(多くは白人のおばあちゃんたち?)。大抵は同じ意見で「圧倒的にエルヴィスの方が素敵、もう一人の人の歌は、全然感情籠ってないじゃない」というところです。「両方共良いよ」という意見もチラホラ。「ハンク・ロックリンさんは昔のC&W専門の歌手なので、エルヴィスとは守備範囲が全く違うのです」と諭す意見もありました。60年前というのは、現代人にとっては、「大昔」なんでしょうね。






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