青山潤三の世界・あや子版

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B.J.Thomas追悼

2021-06-01 20:41:52 | コロナ、差別問題と民主化運動、アメリカンポップス


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“追悼”記事を入れようかどうか、迷ったのです。
迷った理由はただ一つ。
彼の大ヒット曲の一つである、バート・バカラック・ソングの「雨に濡れてもRaindrops Keep Falling On My Head」の、(少なくても日本に於ける)余りに突出した知名度の高さ。どの追悼記事も「雨に濡れても」で知られる、、、、です。なら僕はやめておこうと。

でも、昨夜寝る前に、B.J.トーマスの曲を幾つか聞いて、やっぱり追悼しておかなきゃ、と思った次第です。

ビルボード・ホット100に26曲、トップ10に5曲、ナンバー・ワン2曲。70年代以降も活躍し、カントリーで3曲、アダルトで4曲のナンバー1ヒットも持ちます。なぜに「雨に濡れても」だけが特別視されるのか、どうにも解せないのです。

ちなみに1977年には、ビーチ・ボーイズのあの不朽の名曲「ドント・ウオーリー・ベイビー」をホット100の17位(アダルト2位)に送り込んでいます。1964年、本家ビーチ・ボーイズ盤が24位。1996年にカントリーで73位(Lerrie Morganのボーカルをフィチャー)。ちなみにBeach Boys with Everly Brothers盤もシングル発売されているけれど、チャートインしてません。

B.J.Thomasは、1942年生まれ。年齢的には、ポップス黄金期の多くの歌手と被ります(ビーチ・ボーイズのブライアン・ウイルソンやアル・ジャーディンも同年)。しかし、活躍年代は、見事に入れ替わります。

ジョニー・ティロットソンで言えば、ホット100チャート曲数は同じ26曲ですが、ジョニーが1958年から1965年12月にかけてなのに対し、B.J.の最初のランクインは1966年2月。

ジョニーを含む、50年代末から60年代前半(ビートルズ出現以前)に活躍した“ポップス黄金期”のアイドル歌手たちと、60年代後半(ビートルズ出現以降)に活躍した、B.J.トーマスやニール・ダイアモンドやグレン・キャンベルやトム・ジョーンズやエンゲルベルト・フンパーディング、、、らは、年齢的に同世代(1930年代後半~40年代前半)と言うだけでなく、デビュー自体の時期は、さして変わりません(1960年前後)。しかし、後発の人たちは、“黄金期”に表に現れなかったことが、かえって幸いして(“アイドル”の色がつかなかった)、より長く活躍することが出来たのです(むろん実力もあった)。

下済み時代を経ての初ヒットが、ビルボード・ホット100第8位の、ハンク・ウイリアムス・ナンバー「泣きたいほどの淋しさだI’m So Lonesome I Could Cry」。

B.J.とジョニーは、(格から言えば比べ物にならないほどB.J.のほうが上ですが)被る部分が多くあります。「泣きたいほどの淋しさだ」の最初のチャート・ヒットはジョニー盤で、1962年、ホット100に一週間だけ89位(ハンク本人盤は1966年にシングル・カットされて、C&W43位)。そのA面が、やはりハンク・ウイリアムス・ソングの「どうにも出来ないI Can’t Help It If I’m Still In Love With You」(ホット100の24位、アダルト8位)。

その「どうにも出来ない」の、B.J.盤は、彼が「泣きたい~」でブレイクする前の1965年のリリースで、1967に再リリースされ、ホット100にやはり一週間だけ94位にランクされています(カントリー・チャートでは、 ハンク自身が1951年、リンダ・ロンシュタッドが1975年に、共に2位を記録)。

B.J.トーマスは、ジョニー・ティロットソンより遥かに大物ですが、縁はあるのです。

ちなみに、“B.J.”の名の由来は、最初は本名のBilly Joe Thomasにしようと思っていたのだけれど、「泣きたい~」でブレイクする直前に、よく似た名前のBilly Joe Royalがブレイクしたので、紛らわしいと思って“B.J.”としたとのこと。





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