青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-55

2021-03-30 21:44:31 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



 
読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
リンドウの話ばかりでは、読んでくれる人もほとんどいないだろうな、と思って、目先を変えて、読者に媚びる記事(笑)を並行して載せていくことにしました。
 
「中国のリンドウ」と「裏山のチョウ」の違いは、沢山あります。
 
僕自身、
真剣度は、前者が100倍上。ゼロから調べている。
知識度は、後者が100倍上。自家薬籠中の内容。
 
また読者にとっても、
前者は「誰も知らない対象」について、後者は「誰でも知っている対象」について書くわけです。
 
従って、後者の場合、写真は適当に選べばいい。写真は、「中国のリンドウ」のように“説明”を目的とするのではなく、“ビジュアル”としての存在です。
 
でも、そうなると、かえって“どの写真を選ぶか”困ってきます。「リンドウ」の場合は、ビジュアル的な出来不出来以前に資料としての意味を持つわけですから、本来多ければ多い程役に立つ。
 
逆に言えば「裏山の蝶」の写真は、(写真さえ綺麗ならば)どれを選んでも、多くても少なくても良いわけで、ついつい手を抜いて、(「中国のリンドウ」の時以上に)写真を多数送ってしまうことになる。とりあえず写真を送信しておいてから、半分ぐらいに減らしてもらうように指示するわけです。しかし、これが上手く伝わらない。
 
ということで、「2024.3.24下(モンキチョウ)」も「2021.3.23下(サクラ・ツツジ)」も、無駄に沢山の写真がアップされちゃっています。
 
やっぱり、最初から、じっくりと写真を選んでおくべきですね。
 
今日は通院の日です。
 
F医師に、いつもの質問。
 

>なぜマスクをしなきゃいけないのですか?
 
F医師
>私は、する必要ないと思っています。
 

>でも、皆してるじゃない?
 
F意思
>外すのが面倒だからだと思う(落っことすし)。
 

>中国ではマスクなんてしてないのに、なぜ感染者少ないの?
 
F医師
>そりゃ、もうみんな抗体持っているから(日本も早くそうなればいいのにね)。
 
・・・・・・・・・・・・
 
「裏山探索」で「タンポポ」とか「センボンヤリ」とか書いていたので、中国も「リンドウ」よりも、ついついそっちのほうを書きたくなってしまいます。ちゃんと「リンドウ」完結してからにしないと、いけないですね。
 
でも、「タンポポ(キク科タンポポ族)」やり出したら、また70回とか80回になってしまいそうで、フライングでスタートするわけにはいきません(やるとしたら「高山タンポポ」に限定)。
 
・・・・・・・・・・・・・・
 
ということで、「リンドウ第56回」シロウマリンドウ属の続き、うっかり忘れてしまうところでした。次回は「リンドウ」です。







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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-54

2021-03-28 13:00:00 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




Gentianopsis sp. 迴旋扁蕾? (雲南省梅里雪山)



雲南省迪庆藏族自治州徳钦県梅里雪山明永村。標高2400m付近。2013.9.29 [photo by Monica Lee]
日本における最希少植物のひとつ、チチブリンドウ(迴旋扁蕾Gentianopsis contorta)または、それにごく近縁な種と思われる。

日本産のリンドウ科植物は、30種ほど。その半分以上が、いわゆる高山植物である。高山植物には希少種が多い。でも、図鑑を作る必要があったので、意地になってほとんどの種を撮影した。ちなみに屋久島産は9種、こちらも希少種や興味深い種揃いなのだが、 むろん全種を撮影した。

日本の山地性希少リンドウで、一種だけ撮影が叶わなかった種がある。奥秩父と、南アルプスの北端近くに位置する白岩岳2287mにのみ分布する*、チチブリンドウである。

山頂付近は、ギリギリ「高山」の範疇に入れられなくもないが、生えている場所は中腹の石灰岩地帯、いわゆる「特殊岩石地生育植物」を代表する種なのだ。

奥秩父の中核部、甲武信岳2475m(木賊山2469m/三宝山2483m)の周辺の、特殊岩石(石灰岩?)地域と思われる、道の無い中腹山中を、何度か探し回ったが、見つけることが出来なかった(探していた場所よりも、もっと低い標高に生えているようだ)。

*最近の情報では、滋賀県の伊吹山を始め、意外な場所(さほど標高の高くないところ)から記録されている。といって、どの地域においても普遍的に見られるわけではなく、第一級の希少植物には変わりない。

中国に拠点を移して以来、日本の山々からは足が遠のき、チチブリンドウの探索も、それきりになってしまった。

2013年の秋、モニカを雲南梅里雪山での撮影・調査に派遣した。9月末から10月にかけてで、蝶や各種の花の季節はほぼ終えている。後年を考えての予行演習ということで、成果はもとより期待していない。むろん、大した成果は挙げることなく戻ってきた。

花を終えて、枯れ草や種子になったものが多かった。ここに示した写真の個体も、その一つと思っていた。一応、シロウマリンドウ属であろうことは分かっていたので、今回纏めるに当たって、チェックしてみた。

種子と思い込んでいたのは、どうやら萼筒部のようである。先端に、ちらっと花被弁のようなものが見える。むしろ蕾の状態に近い(あるいは花を閉じている)のかも知れない。

この特異な雰囲気は、(実物か図鑑類かはともかく)どこかで見たような気が、、、、。“チチブリンドウ”の名が、ちらっと過ぎった。でも、僕が図鑑などで見た記憶のあるチチブリンドウは、もっと短躯の植物体だったはず。それに余りにも距離が離れすぎている。でも気になって、一応インターネットでチェックした。どうやら、チチブリンドウである。プロポーションの違いを除けば、概ね特徴が一致する。

実は、チチブリンドウの存在を思いつく前に、「中国植物志」で、ある程度近いと思われる種の見当をつけていた(殊に次に紹介する香格里拉尼西産の個体に対して)。「迴旋扁蕾」という種である。学名はGentianopsis contorta。チチブリンドウの学名も調べてみた。Gentianopsis contorta。なんと、同じ種が雲南にも分布しているわけである。

「中国植物志」に示された分布域は、チベット、云南、贵州、四川、青海、辽宁(東北地方)。海拔1920-3550m。国外では、ヒマラヤ西北地区(模式标本产地)、ネパール、日本にも分布。

かなりの広域分布種だ。もっとも、次に紹介する「迴旋扁蕾」の典型個体の撮影地は、特殊岩石に覆われた山の山裾である。と言っても、中国大陸の多くの地域では、日本では「特殊」とされている地質がむしろ一般的だったりするわけで、日本が変なのである。

ちなみに、奥秩父の甲武信岳の山腹樹林内には、日本では一属一種でここだけに生える、スイカズラ科のホザキツキヌキソウのような、やはり超希少種も生育している。こちらも中国では比較的広範囲に分布しているようで、僕は四川省雪宝頂5588mの近く(九賽溝渓谷)で撮影している。雲南省玉龍雪山5596mの山麓では、色違い(白→赤)の実を付ける同属種にも出会ったことがある。

雲南省とチベットとの省境(四川省やミャンマーやインド・アッサムとの境もすぐ近く)に聳える梅里雪山6740mの氷河の末端下に、奥秩父と同じ(またはごく近縁な)種が生えていても、それほど不思議ではないのかも知れない。

ここでは、一応、(暫定的に)チチブリンドウとは別の種と考え、Gentianopsis sp.としておく。





雲南省梅里雪山明永。標高2400m付近。2013.9.29 [photo by Monica Lee]



雲南省梅里雪山。撮影地点は氷河の下。2012.7.4


Gentianopsis contorta 迴旋扁蕾 (雲南省香格里拉)



雲南省迪庆州香格里拉市尼西郷。標高2800m付近。2005.9.28 

種Gentianopsis contorta迴旋扁蕾は、上記したように、ヒマラヤ山脈西北部から、中国の高山帯を経て、中国東北部、そして日本のごく一部地域に至る広域に分布しているわけだが、それらの地域集団が面的に連続しているのか、特定の地域に断続分布しているのか、などについては、僕は良く把握はしていない。Gentianopsis contorta=チチブリンドウ、と言い切って良いのかどうかも含めて。

この写真の撮影地点は、特殊岩石が大きく露出した山塊の下方。そのような点に置いては、日本のチチブリンドウの産地と共通するように思われる。





雲南省香格里拉尼西。標高2800m付近。2005.9.28


Gentianopsis grandis 大花扁蕾 (雲南省香格里拉)



雲南省迪庆州香格里拉市尼西郷。標高2800m付近。2005.9.28

中国大陸の最も広範囲に分布するシロウマリンドウ属の種は、ひとつはGentianopsis barbata扁蕾(プライベート・ネーム:ヘンライソウ)、もう一つは次回紹介予定のGentianopsis paludosa湿性扁蕾(プライベート・ネーム:ツチノコヘンライソウ)であろう。前者は花筒部が長く萼筒基部は花茎に流れ、後者は全体に短くずんぐりしていて基部は花茎に流れない。この、Gentianopsis grandis大花扁蕾(プライベート・ネーム:オオバナヘンライソウ)も、種としては前者に含めても良いのでは、と思われるが、「中国植物志」に従って、一応種を分けて置く。香格里拉北方の、石灰岩の山の中腹路傍に、チチブリンドウと共に生えていた。写真で見るように、花の大きさや花色は個体変異に富む。











雲南省香格里拉尼西。標高2700m付近。2005.9.28



石灰石の山。香格里拉の町の西北にある石灰岩の山

Gentianopsis grandis 大花扁蕾 (雲南四川省境山地)



雲南省迪庆州香格里拉市格咱翁水郷中甸大雪山(四川省境山地)。標高4300m付近。2009.9.12







雲南雲南四川省境山地(中甸大雪山)。標高4300m付近。2009.9.12



中甸大雪山。

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Gentianopsis ?? sp. (雲南省香格里拉)

写真20
云南省迪庆藏族自治州香格里拉市小中甸郷。標高3200m付近。2005.10.2

シロウマリンドウ属の一種と思われるが、定かではない(「中国植物志」では該当する種を見出し得なかった)。萼裂片は基部まで裂ける。もしかすると、リンドウ科ではないのかも知れない(例えばキキョウ科の種?)。香格里拉南方(小中甸)で、紅葉したイワタイゲキ属の種が群落を作る湿原の脇に生えていた。一応、プライベート・ネームを“クビレヘンライソウ”としておく。



雲南省香格里拉小中甸。標高3200m付近。2005.10.2

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シロウマリンドウ(扁蕾)属Gentianopsisの紹介は次回に続く。







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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-53

2021-03-27 20:26:28 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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コロラドの銃乱射事件のニュースから。

「ブログ“飾り気のないアメリカ”,,,,」という方のコメント。
>このスーパーの30キロ南で暮らしています。
>こんなことを言えばオカルトかと思われるかもしれませんが、昔コロラドでは多くのインディアンが開拓者に非常に残忍に殺され、インディアンの体の一部が槍の上に載せられて見世物にされながらパレードされたとの記録もあります。
>実際車で運転していると景色はいいんですが、妙に嫌な気分になる地域も確かにあります。私は何ら霊感はありませんが、何か過去の原住民の怨霊のようなものがそこに残っているのではないかとも感じてしまいます。
>コロラドの高校襲撃事件、映画館襲撃事件、そしてこの事件もあり、この州は今後何が起きても不思議ではない感じさえします。
>現地住民

それに対する「ray,,,」さんという方のリコメント。
>犯罪が起こるのはちゃんとした理由がある事なので、昔の悪霊のせいではないと思います。
>私の見解は、昨日ボルダーでも雪が降り気温がものすごく低いのにトランクス一丁でアサルトライフル?を持ってキングスーパーに行き無差別殺人を試みるのは、ドラックが原因かなと思っています。ヘリでの映像を見た限りではテッペンハゲの上、腹の出たおっさん、インディアンの悪霊が憑りついているようにはみえませんでした。
>コロンバインもオーロラシアターも精神病人が銃にアクセスできる事が原因だと思います。でもその問題はコロラドに限らず、先日のアトランタのように全米にあります。
>世の中には不可解な事はあるかも知れないけど、殺人は悪霊のせいではないと思います。
>そういう妄想的な考え方はしない方があなたの為に良いと思うし、高額の祈禱者に気をつけて。。
>ロジカルにものを考えるようにした方が良いですよ。

両者に対しての僕の見解。
Milk
>「飾り気、、、」さん、「ray」さん。
>僕は、どちらも、なるほど、と思います。
>rayさんの仰っていることは、間違いなく「正論」なのですが、
>人間(科学とか文明とか)は、そんなに賢くはない。
>確かに、ロジカルな考え方をすれば、不可思議なことと悪霊は無関係ではあるのでしょうが、ロジカルに物を考えることだけが、全てでもないのでは?

僕のコメントとしては珍しく“そう思う”が沢山つきました。

すると、Ray さんから反論がありました。
僕の投稿が、相当気に入らなかったようです。400字いっぱいの長い反論だったのですが、要約するとこんなところだったと思います。
>科学によって物理的に(首尾一貫して)実証されたものだけが「事実」である。
>不思議な現象というのは、(現時点において)科学での実証が成されていない現象である。

一応、僕からも返信対応しておく義務がある(?)かと思い、次のコメントを入れました。
>たぶん、僕(のような低知能人間)とrayさん(のような頭の良い方々)とは、感性の在り方や思考回路が異なるのだと思います。
>人類の「科学」は、確かに素晴らしい発展を遂げています。科学者たち(僕は彼らを尊敬しています)の能力は凄い。体系に従い物理的証明・応用していくことで「新たな文明」を発掘し続ける。しかし「世界(世の中とか宇宙とか様々な呼称があるのでしょうが)」は、人知では想像もつかないほど巨大です。科学での実証は不可能です。
>ロジカルに考える(実証する)時は、常にそのアンチテーゼとしての非ロジカル的な部分がセットになっているべきであると、僕は思っています(rayさんからすれば、そもそも「思う」が問題あり?)。

すると、rayさんのコメントが、全部消えてしまった(なので要約しか書き記せなかった)。まあ、そういう事です。

・・・・・・・・・・・・・・

昔、良く言い聞かされました。

難しい事を難しいまま纏めたり伝えたりすることは、それほど難しい事ではない。
難しい事を易しく纏めて分かり易く相手に伝えることのほうが、ずっと難しく、遥かに大事なことである。

違いますね。

難しい事は難しい。

子供の本(一応僕も関係者です、「児童科学読み物賞」とか受賞してますんで、笑)執筆の必須事項。ロジカルであること。起承転結(殊に結の部分)の重要性。語られる諸現象の因果関係を明確にすること。

僕は、そうは思わない。

・・・・・・・・・・・・・・・・

例えば、“ロジカル”という姿勢と、“スピリチュアル”という姿勢があるとします。どちらかを選ばねばならぬとすれば、僕個人的には前者を選びたいのです。

でも、両者は必ずしも対立する概念ではない。

ロジカルであると信じられていることが、実は極めてスピリチャルな(架空、幻想、虚構の)世界の中に成り立っているのかも知れない(そのことを出来るだけロジカルに説明せねばならんのですが)。

例えばDNAの解析。伊藤建夫先輩(僕の中学生の時の生物研究部の先輩で、日本分子生物学会・日本鱗翅目学会会長)は、「系統分類に携わる人は、DNA解析による分類を完全肯定するか完全否定するかに二分されると思う」といったような要旨を仰っていました。頭の悪い僕でさえ、伊藤先輩の言わんとする気持ちは分かります。僕も、ほぼ、完全肯定派です。問題は、「ほぼ」から漏れた部分ですね。
 
電気とか、飛行機とか、ほんの僅か(生命の歴史からすれば、本当にもう、ゼロに等しい程の“ほんの僅か”)前までは、存在さえ考えもされなかった。コンピューターだってそうですね。

様々な科学の恩恵(方法論の発見と応用)によって、あらゆることが可能になりつつあります。そう、「あらゆること」です。遠からぬ時代に、遺伝子操作による病気の治療も、健康長寿も、たぶん、永遠の命の獲得も成されることでしょう。宇宙の果てにも到達できることでしょう。

でも、それが「実現」したとして、それは(僕の頭ではうまく説明できなくて、もどかしいのですが)「本当のこと」なのでしょうか?

「可能になった事」と言うのは、次元を変えて、別の角度から、より深くより俯瞰的な立場から眺めてみれば、全く別の答えに辿り着くのかも知れない。

極論すれば、「科学・文明」の恩恵は、すべからく単なる幻影(“それがどうした”と言う事です)で、ある意味「洗脳」に過ぎないのではないでしょうか?

いずれにせよ、僅か100年かそこいらの間に、急角度に突き進みゆく人類文明、、、この後、フラットに移行するとは思えません。急角度のまま進めば、一体どうなるんだろう? きっと、未来の人類は、人類じゃなくなってるんだと思います。

・・・・・・・・・・・・・

「リンドウ」ですが、、、、手こずっているうえに、「バイト活」したり、「裏山探索」したり(今日も行ってきた!)、で、いつまで経っても終わらない。

なんせ、リンドウについては(ヘツカリンドウ以外は)僕は何の知識も持っていないので、まず自分の所有写真を引っ張り出し、それを纏めて、(最初は行うつもりではなかった)既述の文献と照らし合わせたりして所属分類群の特定をし、、、と、滅茶苦茶しんどい作業を続けているのです。

これが蝶とか野生アジサイだったら、(ベーシックな知識を含め)全て頭の中に入っているので、自家薬籠中にして作業を進めることが出来るのだけれど、リンドウはそうはいかない。

で、最終回までの見通しがついてきた(ただし68回予定だったのが70回に延びてしまった)ので、ほっと一息付けて、裏山の蝶の記事などを紹介し始めてしまいました(そっちの方が遥かに楽だし)。でも、油断しちゃだめですね。リンドウがストップしちゃう。ここは、もうひと踏ん張り、作業を途絶えずに取り組みます。

次回は、シロウマリンドウ(タカネリンドウ)属です。リンドウ属と属は分けられていますが、前回のツルリンドウ属共々、リンドウ属とはごく近い類縁関係にあるようです。

シロウマリンドウ属の記事は、リンドウ掲載スタート当初の2月7日に既に執筆済み、それを再チェックしたり、構成し直したりして、更に手こずっているのです。





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アパートの裏山-青梅市霞丘陵の自然 2021.3.23(上)

2021-03-25 21:02:00 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月、24,25日の記事に、いいね!応援、ありがとうございます。
 
読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。
 
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中国のリンドウ、やっとゴールが見えてきました。最終回は第68回になる見込みです。
 
今日(2021.3.23)は、お昼から、就職活動。西友ストアのガードマンは結局ダメでした(ガードマン関係は身元保証人が必要、中国のモニカとギリシャの三世はなってくれるのだけれど、日本在住日本人でないと駄目みたい)。スタバにもダメモトで応募、店長さんが3月30日に面接してくれます。現場段階では受け入れてくれそうですが、たぶん上からはダメ出しされるでしょうね。
 
ダメ×4。まあ僕は人間とは見做されていない(僻み過ぎ!)ので、仕方ないです。あと、隣町にある年金事務所に行ってきた。もしかすると、来月から3000円ほど年金が増えるかも知れません。これは大きいです。
 
午前中、ふと想うところがあって、アパートから歩いて20分ほどの裏山に登ってきました。青梅に引っ越して20年近く、初めての探索です(河辺駅と東青梅駅と、たまに小作駅方面に向かうだけで、自慢じゃないけれど、笑、反対方向には一歩たりとも足を踏み入れたことが無かった)。雑木林に覆われた丘陵(「霞丘陵」というそうです、ちなみに僕の住んでいるボロアパートの名は「マンション霞」)、埼玉県との境?の「七国峠」と言うところに続くらしい、なだらかな山道です。
 
今の僕は、ほとんど目が見えないのです。足許を気にしながら歩かねばなりません。ただし、カメラのファインダーだけは(それとパソコンの画面は)覗くことが可能。
 
*ブログ掲載写真は、(システムの関係で)ちょっと曖昧になってしまうのだけれど、ピントはちゃんと合っています!
 
もっとも、それ以前の問題として、カメラがぶっ壊れている。一回シャッターを押すごとに、いちいち「初期設定」に戻さねばならんのです。それでも頑張って数100枚撮影してきました。
 
(以下全て東京都青梅市2021.3.23)

こんなところです。
 


コツバメ(今年最初に出会った蝶)。
スプリング・エフェメラル四姉妹、ギフチョウは「春の女神」、ツマキチョウは「春の乙女」、ミヤマセセリは「春の淑女」、コツバメは「春の御転婆娘」。
 


ルリシジミ。
 


同。
 


同、雌雄の追飛翔。
 


ちょっと変わった(薄黄色の)タンポポが咲いてた。
 


こちらが普通の色。
 


タンポポと同じキク科タンポポ族に所属する、ニガナ属のオオジシバリ。
 


この辺りに咲いているタンポポは、総苞片が立ち上がりません。と言う事は在来種のカントウタンポポかな?でも、西洋タンポポやアカミタンポポ以外にも(新しい)帰化種がある可能性も考えられるので、簡単に特定することは出来ないと思います。
 






ハナアブ(ナミハナアブ)。
 


越冬後のアカタテハ。
 






同じく越冬後のヒオドシチョウ。
 


樹木の花(サクラとツツジ)の紹介は「下」のほうで行う予定ですが、ヒサカキだけここで紹介しておきます。屋久島固有種のヒメヒサカキのことが常に頭にあるので、何処に行ってもヒサカキが咲いていれば撮影しています。
 


ニョイスミレ。
 


タチツボスミレ(以下同じ)。スミレの分類は、まじめに取り組みだしたら泥沼に嵌ってしまいそうなので、とりあえずはタチツボスミレと言う事で、それ以上深入りはしません。
 














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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-52

2021-03-25 09:03:50 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




Tripterospermum双蝴蝶(ツルリンドウ)属の一種 (雲南省高嶺貢山)















雲南省保山市謄沖市*高嶺貢山(南部)。標高2200m付近。2006.10.4
(*中国の行政では「市」の中に「市」が含まれることもある)



サルウイン河と高嶺貢山。2005.2.5


Tripterospermum属(またはCrawfurdia属)の一種 (ベトナム・ファンシーパン山)









ベトナム・サパ・ファンシーパン山中腹。標高1500m付近。2009.3.10









同上。2009.3.13 
ベトナム最高峰(3143m)ファンシーパン山は、中国雲南省との国境に隣接する。



ファンシーパン山。2009.3.10


Crawfurdia属の一種 (広西壮族自治区花坪原始森林)














広西壮族自治区(永福県-龍勝県県境)花坪原始森林。標高1200m付近。2017.11.29
(雨中での撮影のため写真のクオリティは低い)
Crawfurdia属はツルリンドウ属に近縁で、ヒマラヤ地域から中国大陸にかけて10種以上が分布している。



花坪尉青嶺1778m。2010.6.26


Tripterospermum双蝴蝶(ツルリンドウ)属の一種 (台湾合歓山)



台湾合歓山。標高2800m付近。2006.9.4
たぶん、小叶双蝴蝶Tripterospermum microphyllum(果実)。

Tripterospermum双蝴蝶(ツルリンドウ)属の一種 (台湾合歓山)



台湾合歓山。標高3100m付近。2006.9.2
たぶん、双蝴蝶Tripterospermum chinensis(蕾)。

「中国植物志」に因ると、台湾には、5種のツルリンドウ属の種が分布することになっている。



合歓山東峰(左)と主峰。2006.5.7




青色:高黎貢山(南部)/桃色:ファンシーパン山/空色:花坪原始森林/赤色:台湾合歓山






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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-51

2021-03-24 20:39:29 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月23,24日にいいね!その他ありがとうございました。


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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「ツルリンドウ」に纏わる“恨み辛み”を書きます(笑)。

この文章は、「リンドウ」の話題を最初に掲載した日(1月18日)の翌日に書き、どうせなら他のリンドウについても書いておこうと寄り道をしている間に、随分と後回しになってしまったものです。

いろんな世界の人たちから、「お前を潰してやる」「この世界から追放してやる」「生きていけないようにしてやる」と、
異口同音に言われ続けてきました。むろん、僕はどうしようもないダメ人間なので、仕方がない事ではあるのですが、どうしてそこまで嫌われねばならないのか。まあ、自分が悪いのでしょうけれど、、、。

その例の一つです。今までにも(ブログ以外のプラットホームでも)何度か書いてきました。 

屋久島産の「ツルリンドウ2種」の話。

以前は、屋久島のツルリンドウは、本土にも普遍的に分布するツルリンドウの一種とされてきました。低標高地産はツルリンドウそのもので、山岳地帯産はその変種(記載は品種だったかも知れない)ヤクシマツルリンドウ。

しかし、20世紀末になって山岳地帯のツルリンドウには、「ヤクシマツルリンドウ」のほかに、もうひとつ未記載の別種があることが判明し、T大学のY博士(僕より5-6歳下、1983~84年頃には20歳代後半から30代初めぐらい)によって、屋久島固有の新種が記載されました。

Y博士(当時まだ院生だったのですが一応「博士」と表記します)には、僕の2冊目の著作になるはずだった(1987年刊行予定)「屋久島植物図鑑」に、オリジナル報文として「屋久島の固有種(彼が命名した新分類群を含む)」を寄稿して貰っていたのです。

しかし、84年に僕が山で滑落して半年間入院、翌年担当編集者が重病で入院、と思わぬアクシデントが重なり、ほぼ仕上がったところで中断したままの状態になってしまっていました。

結局、予定より2年遅れの87年に刊行することになり、見本刷りも出来上がり、諸雑誌などに広告も紹介されました。しかし、その2年間の間に屋久島の植物の分類上の位置づけに関しての新たな見解が加わり、Y博士から頂いた「屋久島の固有種」の報文内容の幾つかを変更、それに伴って数枚の写真を組み替えざるを得なくなったのです。見本刷りの完了段階で写真を組み替えることは、出版社側にとっても容易なことではありません。でもY教授の要求も当然ですし、僕としても何枚かの写真の差し替えは絶対に譲れない。結局、出版社との交渉は決裂し、刊行を中止してしまいました。

それから数年経ち(その頃、僕自身は拠点を屋久島から中国に移していた)、ある植物関係の雑誌で、僕の写真と記事で屋久島の特集を組むことになりました。数10頁に及ぶ大きな企画です。

かなりのボリュウムで、その中にY教授が新種記載した屋久島固有種のツルリンドウもあった。それを見たY教授 が激怒しました。和名が違っている、と。

Y博士の(英文)記載には、日本名として「ハナヤマツルリンドウ」示されていました。厳格な規約のある学名と違って、和名(ローカルネーム)に対しては特に規約はありません。同じ植物に複数の和名が存在する例も数多くあります。淘汰されて、そのうちの一つが最終的に残るのです(今も複数の和名が併用されている例も少なからずある)。

私見では、出来る限り「昔からある名前」を使いたいですね(近年、それら「土着的な名前」が排除されていきつつあるのは、寂しいです)。

新しく学名を付けた時(いわゆる「新種」発表の際)は、通常、命名者(それが日本人の場合)によって「和名」が提唱されます。必ずしも拘束力はないのですが、それを尊重して使用するのが通常です。

ぼくは、Y博士が新種としたツルリンドウの和名を、「ハナヤマツルリンドウ」ではなく「ハゴロモツルリンドウ」として、写真とともにその雑誌に掲載しました。

それは、僕が付けた名前ではありません。Y博士の提唱です。

新種として記載する前に、Y博士から「こういう和名にしようと思うのだけれど、青山さんはどう思いますか?」と相談されました。僕は「それいいですね、それにしましょう!」と賛成。

そのような経緯がありました。

単行本(図鑑)の刊行が中止となり、Y博士とも連絡が途絶え、数年が経って雑誌に紹介したときに、Y博士の最初の提案どおり「ハゴロモツルリンドウ」にしたのです。

Y博士は、僕の図鑑の刊行が停止され、次に僕が雑誌に掲載するまでの間に、(もとは僕の図鑑に寄稿して頂く予定だった)草稿を、改めて正式な新種記載論文として学会誌に発表しました。その論文中に「日本名は“ハナヤマツルリンドウ”としたい」と付されていたのです。

しかし、僕は、その論文自体の存在を知らなかった。「ハナヤマツルリンドウ」の名が提唱されたことも知りません。だから、最初に提唱されていた「ハゴロモツルリンドウ」を使用したのです。

知っておくべきなのを知らなかったのは僕の手落ちです(当然Y教授から論文掲載紙の献呈があるだろうと、お人よしにも考えていたこともあって、知らなかったのです)。

電話での会話を鮮明に覚えています。とにかく彼は激怒した。

すぐさま訂正しろ、と。そんなの無理に決まってるじゃないですか(既に刊行された雑誌だし)。

そして、“たかがカメラマンごときが、学問の領域に足を踏み入れてはならん”、という、お決まりのフレーズ。今後、このような記事(屋久島の植物についてのオリジナル見解に因る記事)を欠くようなら、この世界で生きて行けなくなるよう「抹殺してやる」、ということです。

それはまあ、いつものことで、(昆虫の世界でも植物の世界でも)数え切れないほど浴びせ続けられています。議論するつもりはありません。

それよりも、Y博士の怒りは、僕が「和名を間違えて紹介したこと」で、彼の立場が傷つけられてしまったことにあるのだと思います。

というのは、彼の屋久島での調査は(個人で自分のお金で行っている僕などとは違って)国(あるいは何らかの機関)からの援助で為されているわけです。「新種発表」を行う際は、国(や各機関)への忖度のようなものが必要になってきます(それ自体は分かるし、別に否定すべきことじゃないと思います)。

その論文には、3つの新種が記載されていました。
「コスギニガナ」
「ヤエダケオトギリ」
「ハナヤマツルリンドウ」
です。

Y博士の言うに、新種発表に当たっては、(国や県からの援助に対してのお礼の意味も込めて)屋久島を象徴する地名を和名に冠する、という申し合わせが前もってあったようなのです。

小杉谷の「コスギ」、山上部山岳地帯の総称・八重岳「ヤエダケ」、そして屋久島の山岳原生林を代表する花山自然保護地域の「ハナヤマ」。

ニガナの一種と、オトギリソウの一種と、ツルリンドウの一種の新種の和名に、それらの名を冠せたのです。

オトギリソウについてはよく知らないのですが、「山上部のツルリンドウ」と「山麓の不思議なニガナ」については、僕も別個に調べていました。集落周辺の雑草的植生の中に育つ「ニガナ」の多くが、この「コスギニガナ」に相当します。

無論、トロッコが分け入り昔は大きな集落さえ成していた小杉谷にも分布していますが、本来は麓の人里植物です。 「小杉谷」の名は、ふさわしくないと思います。でもまあ、こういう“変化球めいた命名”は、たまにはあっても良いのかも知れない、と、とりあえずは納得しています。

しかし、「ハナヤマツルリンドウ」の方に関しては、遥かに大きな違和感がある。この植物は、山上部の、開けた明るい環境(ヤクシマシャクナゲなどの灌木を交えたヤクザサ草原)に生育します。

鬱閉した花山原生林の名は、どう考えても場違いです。そこはY教授も重々承知したうえで、あえて「ハナヤマ」を選んだのでしょうから、仕方ないことではあるのですが、、、、。

でも僕は想うのです。Y教授が最初に提案した(そして新種記載時にそれを和名として指名するものとてっきり思っていた)「ハゴロモツルリンドウ」、、、、。いやもう、実にこの植物にぴったりの名前です。

従来から知られていたツルリンドウ(及び山上部変種ヤクシマツルリンドウ)と異なる特徴と言えば、もちろん実が液果にならず蒴果になることにあるのですが、花の外観も、花筒や花冠部がふっくらしていて、色も明るく、株全体も 蔓が樹木や岩にふんわりと寄りかかって、まさに“羽衣”的印象なのですね。

生育環境も、広大な笹原に不思議な巨岩が鎮座した、天上の神話の世界を思わせる、まさに「はごろも」が漂い浮かぶ印象の中にあります。

同じところに生育する代表的な屋久島固有植物「イッスンキンカ」(麓には別変種あるいは近縁別種のアキノキリンソウやシマコガネギクが生育)とセット。

「ハゴロモツルリンドウ/羽衣蔓竜胆」
「イッスンキンカ/一寸金花」
この「天上の神話の世界」に何とピッタリな、そして、なんて素敵な和名ではないですか。

Y博士は、最初に自身が提唱していた「ハゴロモツルリンドウ」の名を捨て、「ハナヤマツルリンドウ」の名を(「コスギ」「ヤエダケ」共々もしかすると本意ではなく?)受け入れたわけですが、でも僕は(元はY博士本人提案の)この素敵な名は、絶対に捨て去るべきではない、と思っています。

「抹殺してやる」云々に対する恨み辛み(笑)ではなく、そのこととは関係なく、屋久島を心から愛する人間としての使命であるとも思っています。

(繰り返し言うけれど「和名」呼称の使用には基本的に制約はない)

僕やY博士は、そのうちに消えてしまいます。でも屋久島の自然は、永久に(だと思う、、、余り自信はないですが、笑)残る。屋久島の自然の魅力を、植物の呼び名で分かり易く伝えるために(たとえ僕の存在が抹殺されようとも)、「ハゴロモツルリンドウ」の名は残さねばなりません。

ちなみに、屋久島の山(少なくとも山上部のヤクザサ帯周辺)に生えているツルリンドウは、大多数がこの「ハゴロモツルリンドウ」のほうです。普通のツルリンドウ(山地帯産は変種ヤクシマツルリンドウ)は、僕の知る限り稀にしか見ることが出来ない。概ね中腹以下の林内です。

そのことから考えて、最初に「屋久島固有変種ヤクシマツルリンドウ」として記載されたのも、もしかすると「ハゴロモツルリンドウ」の方の個体ではないのだろうか? と僕は疑っています。むろん、Y博士がきちんと検証してのことですから、原記載そのものに使われた標本個体(ホロタイプ)は「ツルリンドウ」の方であったとしても。

それと、ツルリンドウとハゴロモツルリンドウの大きな違いは、果実が液果になるか蒴果になるかですね。日本においては、「ツルリンドウの実は真っ赤に熟する液果」というのが常識でしょうが、中国を含めて俯瞰すれば、むしろ蒴果
のほうが主流なのではないか、と思っています。

それと、液果と蒴果の根本的な違いはどこにあるのか?(日本のツルリンドウはともかくとして)「中国植物図像庫」でチェックした「液果」の種の結実(種子の)状況は、「蒴果」の種と(果実の表面が滑らかで赤いというだけで)基本的には何ら変わらないのではないか? と思ったりします。まあ、単なる想像に過ぎませんが、、、。

・・・・・・・・・・・・

ツルリンドウ属についての情報は、「週刊朝日植物の世界㉖リンドウ・トルコギキョウ」のリンドウ科責任執筆の、邑田仁氏の記事を参照しています。氏はY博士と共に、(僕が屋久島で活動していた頃と同時期に)屋久島で調査・研究活動されていて、この新種ツルリンドウTripterospermum distylumの共同命名者です。知識は(Y博士もそうだけれど)圧倒的ですね。むろん僕などとても太刀打ちできません。そのこと(プロの研究者と素人との圧倒的な知識量の差)は、十分すぎるほど自覚しているつもりです。

・・・・・・・・・・・・・・・

中国大陸と台湾のツルリンドウ属(および近縁のCrawfurdia属)は、幾つかの地域個体群を撮影していますが、(果実を確かめていないこともあって)種の特定が出来ていません。とりあえず暫定的に纏めて、次回で紹介しておきます。







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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-50

2021-03-24 08:31:23 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



Gentiana rhodantha 紅花竜胆 (雲南省羅平) 〔Sect. Stenogyne狭蕊組〕



雲南省羅平市。標高約1600m。2007.2.18 (以下同じ)

このセクションをリンドウ属の最後に持ってきたのは訳がある。外観上、次のツルリンドウ属に類似することから、このリンドウシリーズの開始当初は、両者の関連の可能性も考慮して一応同じファイルに入れて置いたことに因る(おそらく直接の関連性はない)。

「蔓」とは何をもって言うのか良く分からなくて、「植物用語辞典*」を調べてみた。
*僕の座右の書なのだが、正直あまりに難しくて、未だ読みこなせないでいる(“本物の学者の能力というのは凄いなぁ”と、この本を開くたびに、自分の頭の貧弱さが情けなくなってくる)。
 
「直立できず、上方に伸びる茎」となっていた。「巻きひげ」「付着根」も必須条件なら相当しないと思われるが、単に「直立できずに(多物に寄りかかって)上伸する」という事なら、このベニバナリンドウも、ほとんど「つる性」と言って良いのではないだろうか。

雄蕊は花冠の片方に寄って(雌蕊も片寄り気味に)つき、花糸が約の手前で屈曲、衰退タイプでも待避タイプでもなく雌蕊発達後も近くに残る。花冠裂片の副片が、多数の糸状片に別れて絡み合う。

雲南中部から西南部にかけ比較的広く分布。ただし僕が観察した雲南省羅平に於いては、菜の花畑の中から盛り上がって成された岩山だけに見られ、付近の一般地質の山では見ていない。

鎮熱、消炎、咳止めなど、漢方として利用される由。


























これらの山々の岩肌に生える。



撮影地点の“普通の山”には見られなかった。



Gentiana pterocalyx 翼萼竜胆 (雲南省麗江) 〔Sect. Stenogyne狭蕊組〕




雲南省麗江市玉龍雪山山麓。標高3100m付近。 2005.9.27 (以下3枚同じ)

ベニバナリンドウと違って、茎はしな垂れずに直立し、花冠副片は糸状にはならず、主片に寄り添って先端が鋸裂する。雌蕊や雄蕊の状況はベニバナリンドウに類似する。








麗江の中心街から望む玉龍雪山5596m。2008.2.22


空色:麗江/薄緑色:羅平





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-49

2021-03-23 20:38:54 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月22日の記事に、いいね!をありがとうございます。

読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キバナリンドウ(Gentiana scabrida 玉山竜胆) およびアリサンリンドウ(Gentiana arisanensis阿里山竜胆)に関しての追記コメント。

キバナリンドウ(花冠直径は15㎜近くあり、小型リンドウの中では最も大きい部類に入る)の顕著な特徴は、撮影個体に限ってですが(それでもここに示したものだけでも20花以上はあると思うので、ある程度の統計的見解は成せると思う)、雄蕊が花冠内壁に待避する花を、一つもチェックできないでいること。では、「ナナツバリンドウ(一応Gentiana arethusae)」のように下方に衰退していくのかと言えば、そうでもないようで、、、。写真個体をチェックした限りでは、雌蕊の発達後も、雄蕊が雌蕊に寄り添ったままの花が多いように思います。

小型リンドウのスタート時、「小竜胆組(=ハルリンドウ節Sect. Chondrophylla)の種が中心になると思うけれど、他のセクションの種も混じっているかも知れない」と記しました(その可能性も大いにあるので、調べるの大変だなぁ~、と憂慮していた)。

結局は、最初の一つ(ユキベルリンドウGentiana nanobella钟花龙胆)だけが別セクション(Sect.Dolichocarpa柱果组)の種で、あとは全て「小竜胆組」の種でした。

セクション内のシリーズ(列/系)分割を「中国植物志」に従って(日本産の主な種を中心に)整理すると、次のようになります。
ハルリンドウ丛生龙胆 Gentiana thunbergii=小龙胆系Ser. Humiles
フデリンドウ笔龙胆 Gentiana zollingeri= 帚枝系Ser. Fastigiatae
コケリンドウ鳞叶龙胆 Gentiana squarrosa=卵萼系Ser. Orbiculatae
ほか7系(series)

この処置が妥当なのかどうか、僕には今んところ全く分かりません。でも、とりあえず従っておくしかないです。

ヒナリンドウGentiana acuaticaはハルリンドウと、ミヤマリンドウGentiana nipponicaはコケリンドウと、それぞれ同じセクションに配置されています。

ハルリンドウは、「中国植物図像庫」に北部~東北部産の三個体(日本産と同じ種に含めるべきかどうかについては不明)が紹介されているだけで、西南部などからは(明確な姉妹種と言える地域集団を含め)見あたりません。

一方、日本では超希少種のヒナリンドウ(このリンドウを撮影するため、南アルプスの三伏峠や日光女峰山や八ヶ岳を探索した時のことをいつか書きましょう)ですが、しかし中国では、その近縁各種が、むしろ小型リンドウの主流(の一つ)を成しているようなのです。

フデリンドウは、日本産と同じ分類群(たぶん種単位でも同じ)に所属する地域集団が、北部~中部辺りまで見られます。しかしやはり西南部には分布していません(ただし幾つかの対応種は確認できる)。

コケリンドウの仲間は、(そのどれもが本当に同じグループに所属するのか否かはともかくとして)意外に多くあるようです。ミヤマリンドウも、コケリンドウと同一セクションに含められています。ミヤマリンドウは日本固有の高山植物で、中部山岳地方から北海道にかけての高山帯に比較的広く分布し、飯豊山に変種のイイデリンドウ(var.robusta)が知られています(麓にテントを張って稜線まで駆け上って突貫往復で撮影に行ったことがある)。

中国には、東北部の山岳地帯にミヤマリンドウによく似た「長白山竜胆Gentiana jamesii」という種が分布しています。「中国植物志」に因ると“日本にも分布”となっているので、ミヤマリンドウがその変種とされているようです。

興味深いことに、「長白山竜胆」は、日本の高山に広く分布するミヤマリンドウとは余り似てはいず、分布が極限されるイイデリンドウのタイプに近いようです。不思議ではありますが、このような現象は、大陸と日本の関係に於いては、結構普通に見られることなのです。

今回、小竜胆組の紹介を終えたところで、一段落を付けて、改めて小竜胆組の総括(各系代表種の写真再紹介)を行って置こうとも考えたのですが、もう少し勉強してからのほうが良いでしょう。ここで一息つかずに、次に進みます。次回は、残るリンドウ属の大型種、もう一つのセクション「狭蕊组Sect. Stenogyne」の2種です。






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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-48

2021-03-22 08:46:26 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉟ (台湾合歓山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕

「中国植物志」によると、台湾の高山には、次の小竜胆組各種が分布することになっています。

Gentiana arisanensis 阿里山竜胆 (小竜胆系) 
Gentiana scabrida 玉山竜胆 (箒枝系) 
Gentiana flavomaculata 黄花竜胆 (丝萼系 Ser. Rubicundae)
Gentiana taiwanica 台湾竜胆 [英語版のみの記述/写真なし]

今手元にある所持写真は、2006年9月の合歓山に於ける撮影個体と、同年5月撮影の一部、および2003年7月撮影のポジフィルムからのデュープ処理の2枚。いずれも「玉山竜胆/キバナリンドウ」と「阿里山竜胆/アリサンリンドウ」に所属します。この2種については、(玉山/阿里山などでの撮影個体を含め)ほかにも数多くの写真があるのですが、現時点では手元に無いことから、今回は割愛します。



台湾合歓山 標高3200m付近 2006.9.5(以下5枚同じ)

幾つかの文献や参考書では、「玉山竜胆」と「黄花竜胆」の情報が錯綜しているようですが、僕には正確なことが分かりません。一応「中国植物志」に沿って、そのうえで玉山竜胆Gentiana scabridaの和名を、従来日本で使用されている「キバナリンドウ」としておきます。











台湾合歓山 標高3200m付近 2006.9.3(以下10枚同じ)




















台湾合歓山 標高3200m付近 2003.7

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㊱ (台湾合歓山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



台湾合歓山 標高3000m付近 2006.5.8(以下5枚同じ)
アリサンリンドウGentiana arisanensis 阿里山竜胆。










台湾合歓山 標高3200m付近 2006.9.3
次のカットと共に、上掲した5個体とは撮影季節が大きく異なることが気になります。


台湾合歓山 標高3000m付近 2003.7.22
色調が著しく異なります。ポジフィルムとデジタルの発色の違いが主な原因と思われ、デジタルでの色調調節もある程度可能なのですが、実際に個体ごとのかなりの範囲での色調の相違もあるようなので、念のためそのままで示しておきます。






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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-47

2021-03-21 20:18:14 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月21日の記事に、いいね!をありがとうございます。


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『屋久島はどこにある?』
が、僕の50年近くに亘るテーマでした。

範囲を広げて、
『沖縄はどこにある?』*

*後年(3年ほど前)、満を持して「現代ビジネス」で10数回を目安に取り組み始めたのですが、途中で打ち切られてしまいました。もとはと言えば、「尖閣諸島」について何か書いてみないか?と言う事だったので、ならば、まず沖縄(琉球)についての概念をきちんと整理することから始めよう。日本列島、中国大陸との関連において。でも、そんな回りくどい思考回路は、メディアにも大衆にも受け入れられないのですね。

そして
『台湾はどこにある?』

これに
『なぜか中国』 
『なぜかアメリカ』
を加えた、「生物地理ライフワーク!5部作」を目指していました。

当初(30~40年ほど前)は、それぞれの地域に均等に労力を割く予定でいたのです。
*ちなみにヨーロッパに関しては、三世から「ジョージア(グルジア)」について何か書いてくれ、と言われたので、「グルジアはヨーロッパの台湾である」というのを送ったのだけれど、それはどうなっているのかな?

5~6年前、モニカの要望で、台湾の記事を本格的に纏めました。
手元にある全高山植物の紹介(一時は本気で取り組んでいたので8割がたの種を撮影している)。
それと(高山植物以外に)、カエデ、キイチゴ、アジサイについての考察(屋久島、奄美大島、あるいは中国大陸、北米大陸との関係)。
チョウ(アゲハチョウ類)と甲虫(ハナムグリ類)。

それらを題材とすることで、全方向性からアジアにおける台湾の位置づけを考えることにしたのです

様々な空間、時間、次元における台湾の位置づけの考察です。

日本語のオリジナルを書き上げてから、まず自分で英語に翻訳し、それをモニカが中国語に翻訳して(たぶん)中国のどこかのメディアに売り込む予定だったのだと思います。

モニカはかなり一生懸命取り組んだみたいです。
ただし悲鳴も上げていた。“カエデ(ウリカエデ節)の説明のところが良く理解できない”と。そりゃそうでしょう。そこんところは日本人が日本語で読んでもさっぱり分からないだろうほど複雑な話なので。パスしても良いのです。

我ながら良く出来た作品に仕上がりました。ただ、それがその後どうなったのか、、、。モニカの努力は凄いのだけれど、いつもそれが結果に結びついていないような、、、。

まあ、人のことは言えんのですが、、、。

想えば、台湾には、相当どっぷりと取り組んでいたのですね。中国に拠点を移し出した最初の頃(1990年前後)は、大陸と台湾を半々の割合で訪れていた(ことにヒグラシの鳴き声録音に力を注いでいた)。

久しく台湾に行っていません。

手元にある写真も、大半がポジフイルム時代のものです。

また台湾に行きたいなぁ~。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

モニカに「台湾」と記した文章を送ると、いちいち「中国台湾省」とかに直してくる(笑)。

で僕は、「世界的には、ほとんどの人は台湾が中国だなんて思ってないんだけど」と、冗談半分に皮肉で返しています。

モニカに限らず、大方の中國人は、ノー天気に「台湾が中国なのは当たり前」と思っています。議論の対象にもならないようです。

一方、台湾の人たちは、、、僕が感じたところでは、半々かな?

大陸の人たちとは違って、そりゃ「熱い」ですよ。

親日の程度、親中の程度、どっちにしろ半端でない。日本に対しては、「頭」によって齎された強い親愛(たまに拒否)感情(ちと過剰妄想部分もあるようですが)。中国に対しては(親中・反中に関わらず)「体」から抜けない根っこでの想い。日本人には(むろん僕にも)、分からんでしょうね。単純に人によって“意見や支持が分かれる”ということではなく、一人の人間の中に複雑な想いが込められているのです。

僕は、人間のことは分からないので、「生物地理」上の視点から、台湾に対峙します。

ということで(何が“ということ”なのかはともかく)「台湾の自然のアイデンティティ」についての話を書こうと思ったのですが、、、、やめときましょう。幾ら時間があっても足りません。

これまでにもした、つまんない話を、幾つか繰り返しておきます。

「見えるか見えないか」

おっぱいじゃないです、陸地です。

これ、人類の成立(ことに移動に関わる)にとって、意外に重要な意味を持っている、と思うんですよね。

富士山の可視限界(確認地)は、紀伊半島大塔山付近だったと思います。直線距離320㎞ほど(以下、数字は凡その目安)。北の福島県阿武隈山地の一角や、南は理論上八丈島からも見えるはずで、300㎞前後ぐらいでしょう。

僕自身が実際に見たのは、南が三宅島から、北が日光女峰山から、それぞれ150㎞ほど。それに北西200㎞ほどの白馬岳から。いずれもかなり明確に見ることが出来ました。

昔、東海道線を東京に向かう夜行列車で早朝豊橋の付近から見えたことも有ります。飛行機からは、紀伊半島上空でチェック。

むろん富士山は抜きんでて高いから遠望可能なのであって、低所から低所の場合は、まるっきり条件は異なるでしょう。

因みに、今、掲載を続けている各種リンドウの主な生育地である中国西南部では、雲南省境に近い四川省西南部の峠上から、(ちょうど各反対方向に) 四川省最高峰のミニャコンカ(約200㎞)と、雲南省最高峰の梅里雪山(約150㎞)を同時に眺めたことがあります。

ミニャコンガは、峨眉山の山頂近くから、朝、びっくりするほど鮮明に望んだことがあります。これが約150㎞。ということは成都からも250㎞ほどなので、見えない距離ではありません。むろん大都市の大気の問題はありますが。

屋久島はどうでしょう? 海の中から屹立しているわけですから、周囲より抜きんでて高いのは同様です。ただし、「海の中から抜きん出た陸塊」ということから、むしろ(様々な気象条件に基づく)マイナスの要素も齎されるようで、雲中に覆われていることが多いのです。

飛行機で近くの上空を通過した時も、フェリーで近くの海上を航行したときも、意外に見えない(雲の塊に隠れている)ことが多い(航空機からは、足摺岬を過ぎて日向灘に向かう辺りから確認したのが最長)。

僕の場合のこれまでの確認は、どこから屋久島が見えるか、ということよりも、屋久島(黒味岳や永田岳の山頂、永田岬、栗生や尾之間の海岸など)からどこが見えるか、、、これは結構いつも注意してチェックしています。

北方、はっきりと確認出来るのは、むろん薩摩半島の開聞岳、その西の野間崎、大隅半島の稲尾岳付近の山群。なぜか、桜島(約130㎞)は見えたことがない。南の悪石島(120㎞)は天候条件さえ整っていれば常に見えるので、桜島も見えても良さそうなのですが。噴煙と隣接する鹿児島市の大気が影響しているのでしょうか?(もしかすると200㎞ほど離れた霧島山群がダイレクトに見えるかも?)

南は、悪石島までは確実、右から口之島、中之島、諏訪瀬島、悪石島と並んで見えるのだけれど、その先の宝島は見たことがありません。距離も遠いのですが標高も低いし、見えないのは当然でしょうね。

因みに、平島、臥蛇島、小臥蛇島も、口之島の手前の岩礁群の平瀬も、明確に確認できます。

岩礁といえば、北方の湯瀬も、永田岬から望むと、黒島と硫黄島・竹島の間に、はっきりと目視出来ます(ちなみに、正面の口永良部島の東岸からは、眼前にびっくりするほど近くに屋久島永田岳が迫ってくる)。

問題は、最短直線距離202㎞に位置する奄美大島が、屋久島から見えるかどうか、ということ。僕は見たことがないのですが、屋久島の地元の人で「見た」という人はいました。可能性は充分あると思います(逆パターン、奄美大島北端の笠利崎で冬の朝に粘ればチャンスはあると思う)。

諏訪瀬島の山上からは、屋久島、奄美大島とも、かなりはっきりと見えます

また、奄美大島名瀬港の正面には、右に宝島、左に横当島が、意外にはっきりと望めます。

宝島(小宝島)‐悪石島間も、もちろん見えるので、屋久島-奄美大島間は、ダイレクトでの可否はともかくとして、島々を順繰りに望みながら辿って行くことが出来ます。

奄美大島-沖縄本島間は、屋久島-奄美大島間と距離はさほど変わらず、島数は少なくて、ずっと大きな島々から成ります。徳之島は奄美大島からはむろん、沖縄本島からも見えると思います(ただし僕自身は、与那覇岳の頂上や伊平屋島から沖永良部島は何度も見ていますが、徳之島は確認していない)。

いずれにしろ、九州から沖縄本島(あるいは久米島)までは、島影を見ながら先に進むことが出来るわけです。

日本最西南端の与那国島から台湾(最短直線距離110㎞弱)も、日によっては目視可能であることが、よく知られています(僕自身は両方向ともまだ確認していない、ただし飛行機の上空からは確認)。

さらに話は飛びます(笑)。台湾の緑島、蘭嶼、フィリッピンのバタン~バブヤン諸島の各島を経てルソン、ミンダナオから先も、(詳細は略しますが)パラワン回りやタラウド回りで、最終的にはオーストラリアやインドシナ半島に(目視進行を繰り返しながら)到達することが出来ます。

九州からは、壱岐、対馬を経て朝鮮半島に、北海道からは、サハリンを経てシベリアに可視進行到達も可能です。ベーリング海を渡って、新大陸にも(目視で)向かえる。世界は繋がっているわけです。

昔、フェリーで石垣島から台湾・基隆に向かった時、与那国島の沖から台湾まで数頭のカツオドリが船にずっとついてきたことがあります。

人間にしろ、鳥や各種動物にしろ、「目的地が見える」ということは、大きな意味を持つと思うのです。

目的地が見えなくても、めくらめっぽう(あてずっぽうの方角に向かって)次の陸地を目指せば、どこかに辿り着くことは出来るでしょう。でも、それ自体は可能ではあっても、360度全ての方角に向けてチャレンジしなくてはならない。目的地が見えていれば、その方角だけに絞れば良い訳です。とんでもなく大きな違いです。

世界の陸地間で、(大洋島を除けば)数少ない(ほかはニュージーランド、マダカスカルなど)可視困難な区間が、沖縄本島(または久米島)と宮古島の間です(この区間は距離だけではなく、海深も他の区間を上回ります)。

沖縄本島の南端(あるいは久米島)から宮古島への直線最短距離は、約240㎞(久米島からは約220㎞)。屋久島-奄美大島間や、奄美大島-沖縄本島間より更に遠く離れていて、しかも両諸島間には上述したように幾つもの島があるのと違って、この区間には一つも島がありません。そして、それぞれの島(沖縄本島の場合は南部)は、高い山のない平坦な島です。順繰り目視が出来ないだけでなく、ダイレクト目視の可能性も、限りなく低いのです。

ちなみに、「宮古-石垣-西表-与那国-台湾」と、「沖縄本島から各島経由で九州」は、それぞれ目視しながらの進行が可能です。ということは、それぞれ(宮古島と沖縄本島や久米島をスタート点として)南西方と北東方に向かって、ぐるりと回れば結び付くことが可能ではあるのですが。

いずれにしろ、沖縄本島(中琉球)‐先島諸島(南琉球)間は、ダイレクトには目視進行で辿り着くことが出来ない、世界でも稀な地域、ということになります。

だからどうこう、という気は毛頭ありませんが、一応そのことを頭に入れていても良いのでは、と思うのです。

中国大陸から台湾(本島)。最短150㎞ほどですね。(臨海部に余り高い山がない逆方向はともかく)、大陸側から台湾(標高4000m近い山並みが連なる)は、確実に望めるでしょう。

夜、上海から飛行機で香港に向かったとき、台湾海峡の上空で、左右の窓から台湾側と大陸側の夜景が同時に目に飛び込んできたことがあります。少し感動しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・

台湾の生物地理的位置づけについて。

先に断った通り、(余りに複雑多様な要素を持つので)詳細についての言及は割愛します。

ただ、ひとつ言えることは、「中国大陸とは別の存在である」「しかし切っても切り離せないほどの非常に深い関係にある」。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

小型リンドウの最後は、台湾産の2種で締め括ります。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-46

2021-03-21 08:58:27 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉚ (四川省青城山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉛ (四川省ミニャコンガ) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕
Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉜ (四川省西嶺雪山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



四川省都江堰市青城山。標高800m付近。1990.4.8

便宜上、赤花の種をここに纏めた。上記3地域個体群は、たぶん同一種(Gentiana rubicunda深紅竜胆=柔毛系sect.Pubigerae)だと思うが、一応場所ごとに分割配置しておく。

一般論として言うのだが、例えば蝶の場合、意外にモンシロチョウの所持写真が少なかったりする。むろん僕に関してではあるけれど、たぶん他の(蝶が専門の)カメラマンの多くにも当て嵌るのではないだろうか? 写真を始めた頃には、出会った蝶をひたすら一生懸命に撮影しているから、普通種の写真もそれなりにある。でも、しばらく経つと“この種はもうこれだけあれば大丈夫”と、カメラを向けなくなってしまう。

僕にとって、成都西郊山地の、この赤いリンドウもその例に相当するのかも知れない。1988年からの数年間、毎日のように成都の西の青城山に通っていた。そこで最もポピュラーな花のひとつが、この深紅竜胆Gentiana rubicundaである。無論、どっさり撮影した。他にも当時何度か訪れた、大邑原始森林(西嶺雪山)やミニャコンカ山麓(海螺溝)でも、数多く撮影した。しかし、それらは皆ポジフィルムである。手元にデュ―プ機がない(フィルムそのものも劣化している)ことから、デジタル処理での再現が叶わない。

西嶺雪山や海螺溝には、デジタルカメラを使うようになってからも訪れているのだけれど、以前に数多く撮ってあることが無意識のうちに頭をよぎって、ついスルーしてしまっている。その結果、もしかすると中国のリンドウの中で最も多く出会っていそうなのにも拘わらず、写真は(クオリティの低いものを含み)ほとんど残されていないのである。





四川省甘孜藏族自治州ミニャコンカ海螺溝。標高3200m付近。2009.7.4



四川省大邑県西嶺雪山。標高2700m付近。2009.8.6 (以下11枚同じ)
























Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉝ (四川省二朗山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



四川省雅安市天全県二朗山。標高2700m付近。2010.7.26 (以下7枚同じ)

“深紅竜胆”に比べ、明らかに大きく、イメージもかなり異なる(色もやや淡い)ので、別の種と考えて置く。













撮影場所は、現在はトンネルが貫通する、二朗山の峠上に至る(国道318号線)旧道入口を流れる渓流の脇。



四川省雅安市天全県二朗山。標高2700m付近。2010.8.10
上掲6枚と同じ個体(半月後の撮影)。*設定失敗で色がうまく出ていない。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉞ (四川省雪宝頂) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕







四川省阿坝藏族羌族自治州雪宝頂(松潘~黄龍間)。標高4000m付近。2005.7.4

「中国植物志」によると、Gentiana spathurifolia匙叶龙胆(基準変種)に相当するようである(小竜胆系)。ただし中国語版に添付されている「中国植物図像庫」には、変種「紫紅花龙胆」は数多く出てくるが、基準変種の写真は収容されていない。もっとも、なぜか英語版から入ると基準変種の写真も「中国植物図像庫」に収納されている。

因みに、第40回で紹介した、塔公の「モモイロヒメリンドウ」が、この変種「紫紅花龙胆」に相当する。「中国植物図像庫」収納の写真は全て「ミニャコンカ西側」となっていて、塔公からさほど離れていない。

また、基準変種の「中国植物図像庫」収録写真の地名は「松藩県」となっていて、ここに紹介した「雪宝頂」の峠と、おそらく同一場所と思われる。



薄紫:青城山/緑色:西嶺雪山/青色:ミニャコンガ/黄緑:二朗山/赤色:雪宝頂





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-45

2021-03-20 20:24:23 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日アップした、第44回の写真についての付記。

リンドウの紹介なので、他の(写真に写り込んでいる)花にはごく簡単にしか触れていないのですが、(種29の)ラスト2枚に大きく写り込んでいるピンクの花については、少し述べておいた方がよさそうですね。

シオガマギク属(ハマウツボ科)の「谬氏马先蒿Pedicularis mussotii(var.lophocentra)」、僕は“サカサマシオガマ”と呼んでいます。花冠の各花被弁の位置が、本来の位置関係と大きく異なっている(ほぼ逆に転回)という、不思議な植物の一つです。

なお、第44回で紹介した四川省高標高地産のリンドウ4地域集団は、ロゼット葉は(たぶん)生じず、茎は(たぶん)叢生し、茎葉は開出するが萼裂片は開出せず、花は(小竜胆組としては)中型、花冠の副片が本花被片とほぼ同じ大きさで、先端に糸状付属片を伴わず、花糸は細く短く、雄蕊は待機型、といった共通の特徴を示し、互いにさほど遠くない類縁関係にあると考えられます。

ただし、巴朗山の種29に関しては、花筒の模様が萼片を模す(一見、萼筒が二重なっているように見える)こと、蕾時が黒に近い濃紺色であること、葯が鮮紅色である事などから、他3地域集団とは、かなり隔たった関係に置かれるのではないかと思われます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここ2~3日、仕事を見つけようと、電話したり移動したりしてて、結局門前払いで疲れ果ててしまっただけです(電話代と電車賃がなくなった)。

じたばたするとお金がなくなる。でもじたばたしないとお金が出来ない。無限地獄です。

よって、今日は動きません。ずっとイオンのWi-Fiコーナー(「イートインコーナー」というところだそうです)にいることにします(ここのところ電波が通じます)。コーヒー102円。しかし、相当に恐ろしい場所で、、、。何が恐ろしいのかというと、いろいろとあって*、なんと説明して良いのか、それを集めて一冊の「怪談話」みたいな本が書けそうです。ここに数時間いるためには、よほどの強靭な精神がないと無理だと思います(逆にあらゆる現象に反応しないという人もO.K.かも知れない)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

モニカからは「ミャンマーに深入りすると危ないので気を付けろ」と言ってきました。

三世からも、さっきメール(言い訳)が来た(またジョージの家族?と喧嘩してるみたい)。





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-44

2021-03-20 12:49:48 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花



Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉖ (四川省巴塘-理塘) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



四川省甘孜藏族自治州巴塘県~理塘県。標高4500m付近。2010.6.10(以下同じ)

今回は、四川省の高山草原に生育する、4つの種を取り上げた。

この「リンドウシリーズ」を始めたとき、(何度も言うように「分類群の特定はしない」という前提の上で)仮に種の同定を行うとしたら、真っ先に判明するのが今回紹介する4地域集団だろう、と漠然と思っていた。

ところが、この4つの帰属が、全く見当つかないでいる。鮮やかな色調、「小型リンドウ」としては大きめの花、、、油断していた。葉や茎のチェックを、きちんと行うことを怠っていたのである。

ということで、今回こそは、分類群を特定することも、その候補を挙げることも、一切なし。写真だけを紹介していくことにする。







黄色はキンポウゲ科リュウキンカ属。



なにしろ、この一帯の中心都市・理塘の標高が4000mを越えているわけである。そこからチベットとの省境の町・巴塘に向けて、真っ平な道を50㎞ほど走る。車はほとんど通らないので時速は100㎞近く、峠まで一時間もかかからない。峠の標高は約4700m。まっ平な道だと思っていたのだけれど、いつの間にか700m近い標高差を登っているのである。左手に見える山は格業 6204m、結構な高峰だが、麓との比高が小さいので、さほど高くは感じない。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉗ (四川省理塘-雅江) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



四川省甘孜藏族自治州理塘県-雅江県。標高4700m付近。2010.5.23(以下同じ)

峠頂の草原。黄色いキンポウゲ科の花(Oxygraphis glacialis)の群落中に、リンドウがポツリポツリと咲いていた。









下写真はサクラソウの一種。リンドウと同じような雰囲気。



ガラスの破片のようなものは、人工物ではない?











理塘の町の、西・南・東の隣県との境界は、いずれも標高4700m前後の高原状の峠である。一応「山」と名は付いているが、ほとんど真っ平な草原。しかし、東側の隣町・雅江は、そこから2000m近くの標高差を一気に下った長江(支流・雅砦江)沿いにある。峠から下り始めた時、正面の白い雲の塊の下に、ミニャコンガ7556mが姿を現した。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉘ (四川省夹金山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



四川省阿坝藏族羌族自治州小金县~雅安市宝興県四姑娘夹金山。標高4200m付近。2010.7.19(以下同じ)
フウロソウ(紅と淡ピンク)、シオガマギク(紅)、キンポウゲ(黄)、ナデシコ(白)、リンドウ(青)。





黄はタンポポ属。





白はユキノシタ属。








Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉙ (四川省巴朗山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕



四川省阿坝藏族羌族自治州小金县四姑娘巴朗山。標高4700m付近。2010.7.31(以下同じ)

シオガマギク属(紅)、ゲンゲ属(赤紫)。



黄はタンポポ属とユキノシタ属。



このような四角い特殊岩石からなる地質。













下写真は上写真の8分後。雲が陰ると、一気に花を閉じる(同じ色のムラサキ科の小さな花は開いたまま)。

以上4種、たぶん本気で調べれば分かるのだろうけれど、しんどいので止める。



桃色:巴塘‐理塘/青色:理塘-雅江/緑色:来金山/紫色:巴朗山






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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-43

2021-03-19 20:34:53 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月18日の記事に、いいね!その他ありがとうございます。
青山は、いいね!その他に関して、色々意見を言っていますが、贅沢すぎです。感謝して、ありがとうございます。(あやこ)


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

照ノ富士、再大関まであと4勝。湘南桜、自己連敗記録(89)まであと3敗。2人とも応援しているので、頑張ってください。*3月18日時点

昨日は、病院(東青梅の小林医院のほう)と市役所に行きました。

市民は市民としての義務を果たさねばなりません。しかし受けて然るべき権利は、完全にスルーされてしまいます。具体的には後でまたします。

市役所の隣(ハローワークとの間)がプロテスタントの教会です。そこに昨年秋以来、毎日曜礼、欠かさず礼拝に行っています。

去年の10月ごろだったかな、一週間ほど、首からプラカードを下げ、街角に丸一日たち続けて(警察の許可も貰って)、自分のCDを販売した。累計100時間近くで、売れたのは1枚だけ(2000円)です。自主製作の40作品と、原版写真500枚収納した、“お得版”なのですが、、、。以前(20年近く前)、「ヨドバシカメラ」の書籍コーナーで販売していた僕の(正直ごくつまらない内容の、価値からすれば上記自主製作VDVの1万分の1もないだろう)「日本の高山植物」のDVDは(貰った印税から逆算すれば)結構(少なくても数全部)売れたのだと思います。なんでなのでしょう(もちろん一方は小学館系列の企業からなので、どだい個人販売とは比較できないとしても)。

それが行き詰ってしまい(電車賃とポスターコピー代で数1000円かかった)食べるものもなくなって、せめて乾パンでも分け与えて貰いたいと、市役所や警察署を訪れたのだけれど、完全スルー。

市役所の隣の教会に、恵みを請いました。カレーライスを御馳走してくれた。「一宿一飯の恩義」ということで、その後毎日曜日、一度も欠かさずに礼拝に行っています。

僕は宗教には全く無関心だし、正直のところ牧師さんや信者の方々(ほぼ全員裕福そうなお婆さん)との交流も余りしたくはないのですが、単純に上記「一宿一飯の恩義」と、40年前の最初の彼女がクリスチャンであったこと、クリスマスソングが好きだということ、、、そんなところが理由と言えば理由です。

それに、クリスチャンは世界中にいるわけで、一体、彼らがなぜそのような信仰心を有しているのか、身をもって受け止めようと考えた(考えた、というほどでもないですが)のだと思います。毎日曜日の昼前、ただひたすら牧師さんの説教を聞き、讃美歌(声を出しちゃいけないそう)を暗唱しています。何で律儀に毎週、と自ら呆れてもいるのだけれど、近所でもあることだし、まあ意地みたいなものですかね。「虎児を得らずんば虎穴に入れ」とか、に通じるかも知れない(ちょっと不謹慎ですが)。聖書を読む機会など滅多にないことだし、一応最後まできちんと読んで、それから批判するなりすればいい事です。ということで、ただ聖書を朗読し、口パクで讃美歌を歌い、牧師さんの説教を聞き、一切会話を交わさず、引き上げます。

苦痛は、最後の感謝献金タイム。おばあちゃんたちは、多くて万、通常1000円らしい。1000円といえども、僕にとっては、途方もない大金です。なにしろ1円単位で計算しながらの生活ですから。それで毎回多い時(生保金を得た直後)は、100円、少ない時は1円単位の寄付をしています。毎翌週最後に報告があり、先週の献金は、10万3円。とか発表される。むろん3円が僕であることは皆分かっている。どれだけ肩身の狭いか。礼拝を終えると、無言で真っ先に教会を出ます。

生活保護金は、ここのところ6万2000円前後(正直に収入や支出を報告しているので、その分引かれている、たまにもっと引かれる月もあります)。HDD修復費用の支払いが月3万円ですから、実質的な受け取りは、月2万5000円ほど。

昨日は、昨年の収入分を報告してください、という通達が来ていたので、2つの出版社からの印税12万円余(香港からの22万円は支払い書類が届いていないため示しようがない)の源泉徴取用紙を持って行きました。その分が差し引かれる。きちんと報告を行うのは市民としての義務です。

義務は果たさねばなりません。しかし権利は受けることが出来ないのですね。生保の家賃分は実際の支払い分より月3000円ほど少ないし、更新料も出ません。それで滞納分が生じ、常に立ち退きを迫られているという状況に置かれ続けることが、一番辛い事なのです。

そのプレッシャーから守って貰おうと、一昨年弁護士を付けました。最初は国から「法テラス」での援助を受けることが出来るという話だったので、その前提で手続きを進めました。でも、手続きがほぼ完了した時点で、「法テラス」適用は取り消し。結局スタートはしたのだけれど、弁護士に毎月1万1000円を支払わなくてはならないことになり、半年ほどでやめてしまいました。

昨年末に、年金事務所から、「4月より年金が4000円弱増える」という案内が来ました。月4000円は僕にとって大金です。「受け取る意思があるなら署名をして返信するように」「2月までに返信がないと今年度の追加金は消滅」「返信があれば追って具体的な手順について書類を送る」とのことでした。

偽の案内の恐れもあったので、市役所に電話相談しました。「それは本物です、すぐに返信するように、手続きを終え次第、役所に届け出てください、その中からの一部?を生保金から差し引きます)。

一部(まさか全額ではないでしょうが)減額は不満ではあったのだけれど、すぐに(正月明け)、必要事項を全てきちんと記入して、返信しました。

ただ一か所だけ、「携帯電話番号必須」という項目があったのですが、持っていないので書きようがありません。それで、ギリシャの三世の携帯番号と、中国のモニカの携帯番号、および僕のメールアドレスを書き記し、もし他に問題があれば市役所に問い合わせてください、と付記しておきました。

それっきり、うんともすんとも言ってこない。

役場で、その顛末を話しました。「管轄外なので知らん」の一点張りです。

*今さっき、年金事務所に電話をしました。小一時間ぐらいかかって、結局分からずじまい。ただ「偽の案内」ではないようで、、、月曜日に改めて問い合わせる(電話代がかかるので、市内とはいえ300円以上なくなった、歩いて直接年金事務所に行く)ことになっています。

役場や教会の近くには「ハローワーク」もあります。これが「上から目線」で、どうしようもない。情報元は、あや子さんが調べて送ってくださったものと、たぶん同じ。

まず、携帯電話を所有していない人間は受けつけられない、から始まります。そのことで(他の日本国内におけるどんな関係の手続きもそうですが)ひと悶着が起こる。最終的には、特例として受け付けて貰うことになります。該当依頼があったら、すぐにはがきで知らせてくれる。急を要する時は編集者(U氏)宛に電話、メールで転送して貰う。

もとより、該当する(僕が行うことが可能な、というよりも優先的に僕に回してくれることの出来る)仕事は、滅多に来ない(夜間と背骨の負担を避けた場合は特に)。

そのような依頼は、女性優先、あるいは以前勤めを持っていた人、必須は、携帯電話(クレジットカード)、そしていつも最後にダメ押しで、保証人。

それでも、やっと一つ「可能性がある」というのを見つけてくれました。チラシ配り(郵便受けに個別投函)です。一枚一円で、3000件ぐらい可能ゆえ、一日頑張れば日当3000円程度にはなる、と。ただし、依頼自体が少ないうえ競争率は高いそうで、あなたに依頼できるようなパターンは一年に何度あるかは分からないけれど、有れば連絡する、ということで、懇願しておきました。それが去年の夏です。一向に(何度か催促したのだけれど)貰える気配がない(ちなみに、警備の仕事は、全て保証人の問題で引っかかります)。

「シルバー人材」とか「シニア」とかいうのは、一般の家庭を持った、或いは(これまでの仕事を)リタイアした人たちのことです。僕のような身分の人間は範疇外で、カウントされていないのですね。

ここ暫くは、東青梅~福生間の、幾つかの飲食店など(「マクド」「スタバ」「西友」ほか)で、「アルバイト募集」の貼り紙を頼りに、アプローチをかけています。

普段は、スタバとかマクドとかイオンとかに居座って(時には外の道路でWi-Fi電波を拾って)インターネットで、終日作業しているわけです。膨大な(論文などの)調べものをしたり、写真や資料の整理をしたり、作品の作成準備をしたり、それに加えて、(あや子さんに対しては失礼な表現になってしまうけれど)客観的に考えれば何の意味も為さないのかも知れない「ブログ」などに時間を割いている。

その時間を(たとえ同じ作業をするとしても)「自分の仕事」(コーヒー代319円がなくなる)ではなくて「雇われた仕事」に使ったなら、時給1000円が貰えるわけです。羨ましい限りです。

スタバの店内にも貼り紙がありました(今もある)。
「シルバー人材募集、一緒に働きましょう!」
この数か月、何度もアプローチをかけているのですが、笑ってスルーされるだけで、話を切り出すこと自体、応じて貰えません。「今忙しいので、後でまた」みたいな感じで、体よくあしらわれてしまいます。そのほかの話題だと気持ちよく談笑して貰えるのですが。

スタバに限らず、「求人案内」は、どこも同じです。唯一頼りにしていたマクドナルドにも、その後(雇って欲しい、ただし昼間の仕事で重いものを持たない、という条件を伝えてから)一切無視されています。

西友ストアや近くのコンビニでも(スタッフは親切なのですが)、仕事の話を切り出すと、口を閉ざされてしまいます。

僕に「仕事」(いわゆる単純作業を含む)が、出来ないわけがないはずなのですが。いろんな意味で「(民主主義下の人間社会に生きる)人間としての条件を満たしていない」のだと思われます。まあ、社会の構造上、無視・排除されても仕方がないのでしょうけれど。

三世はじめ、いろんな人たちから言われます。
「青山さんはお金に関わってはいけない」
「仙人のように霞を食って生きるべきだ」
そう言われても(笑)、、、僕は仙人じゃないです。

僕の頼みは誰も聞いてくれません。モニカと三世(極めて気紛れで、ここ10日間ほど連絡とれない)とあや子さん(よくこの支離滅裂なブログの管理を続けてくれているものと、心から感謝&感心しています)以外は。

僕は、全ての方の頼みを受け入れています。

例えば、三世からの頼み事も(ジョージ絡みも含め)、全部こなしていますよ(役場に相談したけれど完全無視された)。

先日は、植物園から、(インターネットのメールで)写真と情報提供の依頼があり、それに応えたところ、非常に感謝されて、厚くお礼を述べられました。しかし規約上、金銭の報酬は発生しないのだそうです。

中国雲南の民族音楽家(上海芸術家村で一緒だった人)からも、日本公演に向けて、いろいろと手伝ってほしいと連絡があり、むろん、快諾しました。しかしこちらも、金銭的報酬は発生しないみたいです。

(社会に於ける)人間としての存在が認めてられないのだと思います。

ブログについて。

スタートして、14年目になるのですね。スタート時、僕はあや子さんに、「読者は僕のスタイル(感性や価値観)には馴染まない」(直観的にそう思った)旨の、危惧を伝えました。あやこさんは「それは杞憂、直接の営業には繋がらなくても、根気よく続けていれば、将来成果を齎すはず」と。

15年近く続けてきたのですが、結局「杞憂」ではなかったような気がします。

三世も、一昨年同じようなブログを作ろうとしました(作った、今もある)。お金に結びつく(仙人になるのが嫌ならやろう!)、と。フェイスブック、インスタグラム、ツイッター、ノート、TV電話のオンライン、、、とか、次から次に作った。僕が、そんなのは無理、と言っても、三世は、いや、うまくいくからやる、と始めてしまう。

やるなら本気でやろうと腰を上げたところで、三世のほうは途中で飽きてしまって?ほったらかし。本気になっても、受け皿がなければどうしようもないです(三世にも事情があることは分かるんですが)。

ヨドバシカメラのスタッフのM君にも、いろいろと感謝しています。「ピクスタ」という写真原版販売の登録手続きも、彼に手伝って貰って、審査に通りそうな(購買需要のありそうな)数十枚の原版写真を選んで送り、無事全て審査に通って、販売の市場に出ました。

ところが、半年以上も経ったのに、一枚も反応がない。その代わり、「ピクスタ」からの広告や会合参加案内のメール
ばかりがどっさり来る(それに応じねば売って貰うことが出来ないのでしょうか?)。

クオリティとか、需要とかとは、なんか別の要因が、「仕事に結びつける」ために必要なのかも知れません(その「空気」の中に入らない限り、たとえ何千・何万枚登録しても、「仕事には結びつかない」のでしょう)。

あや子さんには、いろいろと愚痴ばかり言っています。ブログをこれだけ長い間やってきたのに、10年間余(ほとんど)一度も、コメントや、「いいね」とか、「応援」とか貰えない。他の人のブログを見ると、少ない人でも200とか300とか貰っている。僕は常にゼロです。100欲しいとは望まないけれど、せめて5つとか10とかあっても良いのではないでしょうか? でも10年間ゼロ。幾らなんでも凹んでしまいます。

あや子さん曰く、「“いいね”を貰う為には、それに向けての(いわば政治的な)努力をしなければならない」。

まあ、「いいね」などは、どうでも良いのですが、営業に結びつけるためには、まずは見て貰わねばなりません。

ということでなのかどうか、「ブログ村」というのに登録して頂いたのです。登録カテゴリーは、自然科学。

あや子さん曰く、(そろそろ春だし)他のブログをチェックしたら、「花」「中国」のカテゴリーが人気のようだ、青山さんもそれで行けば、沢山の読者が付くかも知れない。

今までの経験上、たとえ「花」のカテゴリーで行っても、僕のブログでは(人気を得ることは)無理だと思います。

でも、僕はすぐに人の意見に従っちゃいます。

「コロナ」はともかく、「香港デモ」や「阪神」や「貴ノ花」や「アメリカン・ポップス」ばっかしでは、誰も興味を示してくれない。

それで、その翌日から、(たまたま見つけた写真をきっかけに)リンドウの話題を始めて、今に至っているわけです。

「にほんブログ村」に登録してから、「いいね」や「応援」が、2~3回に一つくらい付くようになりました。まあ、ゼロに近いのには変わりないですが、ゼロよりはいいでしょう。

あや子さんは、ブログの冒頭に、毎回一回一回、「いいね」をくださった方に向けて、お礼の言葉を入れてくれている
のです。「いいね」の方にも、あや子さんにも、感謝せねばなりません。

それで、どんな方が「いいね」や「応援」を押してくださっているのか、あや子さんに調べて貰いました。

まあ、いろんな人ですね。それだけでも嬉しい、、、、、のですが、それらの方々のブログには、やっぱり皆200や300の「いいね」や「応援」が付いているわけで、、、。

一つの「いいね」で喜んでいて良いのだろうか?と、やっぱり落ち込んでしまうのです(営業に繋がらないなら「いいね」の数などはどうでもいいのですが、でもそう言う事でもないような気がします)。

僕がこんなことを書くと、せっかくのあや子さんや「いいね」をくださった方々の親切を傷つけてしまうことになるので、一人でも感謝べきでしょうね。

でも、やっぱり理不尽だとの思いはあります。

例えば、、、ある記事を自分のブログで書いた時は、反応は常にゼロ(最近は1~2)。

全く同じ記事を、「現代ビジネス」で書けば、万単位の閲覧があり、数100のコメントが成される(全体からみれば少数としてもエールはそれなりに沢山来る)。

本だって、出版社から刊行すれば1万部(少なくても数千部)売れるのに、自分で自主作成したものは(通販依頼やインターネットほか様々なアプローチをとっても)一冊も売れない。

*以前のブログでアップした中国の植物関係の記事は、どうやら見ている人は見ているようなのです。「読者の方は自主的にカンパして欲しい」と常に注記しているわけですが、ある自然科学分野学会の通信欄に、こんなコメントが載っているのを見つけました。
「(この「青山潤三の世界・あや子版」には)非常に興味深いことが数多く書かれているので、皆チェックしておくべきである、ただし著者の要求には一切応じないこと」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

因みに、昨日は、市役所と、東青梅のK医院に行きました(月に一度の薬を貰う日)。

ここのところ、尋常じゃないほど疲れがひどく、体の各部が猛烈に痛み、かつ(午後になると)ほとんど意識朦朧の状況が続いています。

80歳過ぎのK先生は(福生の女医のF先生同様に)とてもいい方で、いつも本当に感謝しています。でも、辛さを真剣に訴えても、冗談としか受け取って貰えません。

“凄く元気そうじゃないか?(頭部の空洞と背骨が曲がっていること以外には)検査結果には何処にも異常がないし、完璧に健康!”と。

いろんな意味で、本当に辛いです。




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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-42

2021-03-18 20:43:33 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花




リンドウ属は、(今回を含めて)あと18種、やっと数を示せるところまできた。そのあと、ツルリンドウ属、オオツルリンドウ属、シロウマリンドウ属、ハナイカリ属、サンプクリンドウ属、ヒメセンブリ属、センブリ属、、、、。半分以上は来たと思う。もうひと頑張りだ。

このリンドウの続きものの記事は「分類群の同定はしない」という原則で始めた。必ずしも「手抜き」ということではない。(もちろんそれもあるけれど、笑)「やらない」ことに対する積極的な意図を持ってのことである。

しかるに、いつの間にか、意思に反してその(分類群特定の)作業に取り組み始めてしまった。でも、あくまで「ついでに」ぐらいの気持ちで始めたことなので、その旨認識を頂きたい。

今回は、四川省産のうち、おそらくコケリンドウの仲間(卵萼系Ser.orbiculatae)と思われるものを3種、および、それ以外のグループであることは確かだが、外観的にこれと言った特徴がなく、帰属の見当が付かないものを2種、計5種を取り上げる。

ちなみに(忘れないうちに)追記しておく。以前「帰属不明」としていた撮影個体のうちの幾つかの種名が(他を調べている間にたまたま)判明した。第28回で取り上げた「ガクツツリンドウ類」2?種が、コケリンドウ系「卵萼系Ser.orbiculatae」に属することは既に報告済みだと思うが、同じ第28回で紹介した「ナガツツリンドウ」(ヒメアカタテハが吸蜜しているモニカ撮影の個体)は、Gentiana haynaldii钻叶龙胆(ハルカゼリンドウと同じ 线叶系Ser. Linearifoliae)であることが分かった。その一つ前の「サジバリンドウ」に該当する種はまだ見つけられないでいるが、特徴ある大きなロゼット葉を持っているので、そのうち見つかると思う。

やはり所属series未特定の第36回の「ウンナンサファイアリンドウ」や、(便宜上)第29回のフデリンドウのところで紹介した数種、および今回の後半で取り上げる2種などは、見かけ上の印象が「一般的なハルリンドウ~フデリンドウ」を思わせることから、かえって分からないでいる。分かり次第、追記していく。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉑ (四川省四姑娘山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕




四川省阿坝藏族羌族自治州小金县四姑娘山長坪溝。標高3300m付近。2006.9.18
雌蕊の子房柱頭がザラザラで特徴的。萼裂片が反り返り、「中国植物図像庫」に示されているコケリンドウ系の「Gentiana crassuloides 肾叶龙胆」と一致する。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉒ (四川省雪宝頂) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕


四川省阿坝藏族羌族自治州雪宝頂(松潘~黄龍間の峠)。標高4200m付近。1995.8.5

非常に小さな花(花冠直径5㎜以下、ポジフィルムでの撮影のため比較スケールを示した写真を紹介出来ない)。写真には茎葉や萼裂片は示されていないが、コケリンドウの一群ではないかと思われる。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉓ (四川省ミニャコンカ) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕












四川省甘孜藏族自治州ミニャコンカ海螺溝。標高3500m付近。2009.7.4

海螺溝氷河の下部で撮影。これも非常に小さな種で、花冠直径は3~4㎜ほど。写真上3枚と下3枚は、指を近づけてから一分以内に撮影したものである。天候が変わる場合同様に(それについては次回紹介)、非常に素早く反応する(花を閉じる)。





ミニャコンカ7556mは、四川省最高峰で、かつ世界最東端の7000m峰。上の写真撮影時(1989.5.3)には、外国人の入山は制限されていて、観光客の数も少なかったが、現在(写真は2009.7.4)は氷河上にリフトがかかる一大観光地と化している。

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Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉔ (四川省雅江) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕






四川省甘孜藏族自治州雅江県東方。標高3500m付近。2010.6.6

雅砦江沿いの雅江の町から康定側に向かって流れる支流が康定県との分水峠に突き上げる直前の、斜面の林と渓流の間に(崩壊と氾濫の繰り返しで)形成された天然草原。このような「攪乱地」は、「人里植生」のモデルとして想定し得ると思われる。それで、メンバー構成を成す植物で、花が咲いている個体を片っ端から撮影した。「海の向こうの兄妹たち(下巻)」で、その100種余を紹介している。

うちリンドウは2種(ほかの一種は後述するシロウマリンドウ属)。とりあえず属単位で同定できれば良いとの想いで大急ぎで撮影したため、この写真での葉や茎の細部チェックは難しい。茎は分岐、花冠は平開、そのほかの形質についてはよく分からない(ごく一般的な「小型リンドウ」に見え、これまでに紹介してきた雲南省産の分類群の何れかに対応するのかも知れない)。

Gentiana sp. 小型リンドウの一種㉕ (四川省西嶺雪山) 〔Sect. Chondrophylla小龙胆组〕












四川省大邑県西嶺雪山支脈尾根。標高3200m付近。2009.8.6

日本産の「小型リンドウ」は、ハルリンドウ、フデリンドウ、コケリンドウ、及び高山植物のミヤマリンドウである。ハルリンドウが「小龙胆系Ser.Humiles」、フデリンドウが「帚枝系Ser. Fastigiatae」、コケリンドウとミヤマリンドウが「卵萼系Ser.orbiculatae」(日本固有種?のミヤマリンドウは「長白山竜胆Gentiana jamesii」のシノニムとされているようである)。

いずれも(日本では)比較的ポピュラーな植物だが、(日本産の小型リンドウには)もう一つヒナリンドウ水生
龙胆Gentiana aguatica(ハルリンドウと同じ「小龙胆系Ser.Humiles」に所属)がある。日本では超希少種だ。変
種コヒナリンドウを含め、八ヶ岳、南アルプス中部、日光女峰山、および(比較的近年になって発見された)加
賀白山が、その生育地(標高2400~2800m辺り)。僕は上記4つの場所で探索を行ったが、見つけることは出
来なかった。

実は、中国大陸では、上記した日本でポピュラーな各種のほうがむしろ珍しく、日本では超希少種のこちら(近縁種を含む)のほうが主流を成しているようなのである。そのことは、多くの生物に当て嵌まる共通現象と言える。

この西嶺雪山の稜線に数多く生えている未同定種(プライベート・ネームを「アオゾラリンドウ」と呼んでおく)も、ヒナリンドウの近縁種である可能性が高い。



青色:雪宝頂/紫色:西嶺雪山/黄色:ミニャコンカ/空色:雅江






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