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「カジノファイター/地獄の拳闘」
原題:DEADLY BET
製作:1992年(91年・93年説あり)
▼以前、B級映画プロダクションのPMエンターテイメントと、格闘俳優のジェフ・ウィンコットが組んだ『刑事ベルモア 共謀者』を紹介しました。内容は凡庸な刑事アクションですが、同じタッグによる格闘映画がもう1本あったことをすっかり忘れていました(苦笑
本作は格闘試合に生きる男たちを描いたもので、全編に渡って大量の格闘シーンが挿入されています。反対にPMエンターテイメント名物のカーチェイスや爆破スタントが一切無く、どれほど本作が格闘シーンを重視していたか(予算がなかったか)が解ります。
さらには、出演者が『ハードブロー』のスティーヴン・ヴィンセント・リーといった猛者揃いなのもポイント。彼らの見せるアクションを見ているだけでも面白い――と言いたいところなのですが…。
■ラスベガスで暮らすジェフは、恋人であるチャーリー・ティルトンとの結婚を目前に控えていた。しかし、ギャンブル好きの彼は無謀にも賭け格闘試合に挑み、スティーヴに大金とチャーリーを奪われてしまう。
身を持ち崩したジェフは、その後もギャンブルから足を洗うことが出来ず、借金は膨れていくばかり。遂には借金取りの片棒まで担ぐはめになるが、一念発起してトレーニングを開始。色々と吹っ切れた彼は、ラスベガスから去ろうとした。
そんな時、スティーヴが主催する格闘トーナメントの話が持ち上がり、いまだ借金のあるジェフはこれに挑戦することになる。全てはスティーヴへのリベンジと、チャーリーを取り戻すため…。今、戦いのゴングは鳴った!
▲まず最初に目玉の格闘アクションですが、これがなかなか良い感じでした。アクション指導はドン・ウィルソン作品でおなじみのエリック・リー&アート・カマチョですが、様々な格闘技と動ける役者を揃えたおかげで、とても充実しています。
また、主軸となるジェフVSスティーヴのバトルも熱いのですが、いきなり序盤に登場するゲイリー・ダニエルズ、珍しくアクションを見せるジェラルド・オカムラなど、多彩な格闘俳優たちの競演も見どころの1つといえるでしょう。
しかし、ストーリーについては散々な出来栄えで、正直言って全然面白くないのです。作り手としては挫折と栄光のドラマを描きたかったのでしょうが、肝心の主人公がギャンブル狂のダメ男では感情移入のしようがありません。
どれくらいダメダメかというと、酒とギャンブルから抜け出せない描写が一時間も続く(!)ほどのダメっぷり。終盤以降もギャンブル癖が抜けておらず、彼女とよりを戻した後も同じ失敗を繰り返すんだろうなぁ…と思ってしまいました(苦笑
対するスティーヴに関しても、悪役らしい行為はほとんど見せておらず(終盤に強盗を使って悪巧みするくらい)、相対的にジェフのダメっぷりが強調される結果を招いています。
そんなわけで、アクションは良好ですがストーリーに難ありという、困った内容の本作。ちなみに監督のリチャード・W・マンチキンは他にも幾つか作品を撮っており、こちらは次回紹介したいと思います。
原題:DEADLY BET
製作:1992年(91年・93年説あり)
▼以前、B級映画プロダクションのPMエンターテイメントと、格闘俳優のジェフ・ウィンコットが組んだ『刑事ベルモア 共謀者』を紹介しました。内容は凡庸な刑事アクションですが、同じタッグによる格闘映画がもう1本あったことをすっかり忘れていました(苦笑
本作は格闘試合に生きる男たちを描いたもので、全編に渡って大量の格闘シーンが挿入されています。反対にPMエンターテイメント名物のカーチェイスや爆破スタントが一切無く、どれほど本作が格闘シーンを重視していたか
さらには、出演者が『ハードブロー』のスティーヴン・ヴィンセント・リーといった猛者揃いなのもポイント。彼らの見せるアクションを見ているだけでも面白い――と言いたいところなのですが…。
■ラスベガスで暮らすジェフは、恋人であるチャーリー・ティルトンとの結婚を目前に控えていた。しかし、ギャンブル好きの彼は無謀にも賭け格闘試合に挑み、スティーヴに大金とチャーリーを奪われてしまう。
身を持ち崩したジェフは、その後もギャンブルから足を洗うことが出来ず、借金は膨れていくばかり。遂には借金取りの片棒まで担ぐはめになるが、一念発起してトレーニングを開始。色々と吹っ切れた彼は、ラスベガスから去ろうとした。
そんな時、スティーヴが主催する格闘トーナメントの話が持ち上がり、いまだ借金のあるジェフはこれに挑戦することになる。全てはスティーヴへのリベンジと、チャーリーを取り戻すため…。今、戦いのゴングは鳴った!
▲まず最初に目玉の格闘アクションですが、これがなかなか良い感じでした。アクション指導はドン・ウィルソン作品でおなじみのエリック・リー&アート・カマチョですが、様々な格闘技と動ける役者を揃えたおかげで、とても充実しています。
また、主軸となるジェフVSスティーヴのバトルも熱いのですが、いきなり序盤に登場するゲイリー・ダニエルズ、珍しくアクションを見せるジェラルド・オカムラなど、多彩な格闘俳優たちの競演も見どころの1つといえるでしょう。
しかし、ストーリーについては散々な出来栄えで、正直言って全然面白くないのです。作り手としては挫折と栄光のドラマを描きたかったのでしょうが、肝心の主人公がギャンブル狂のダメ男では感情移入のしようがありません。
どれくらいダメダメかというと、酒とギャンブルから抜け出せない描写が一時間も続く(!)ほどのダメっぷり。終盤以降もギャンブル癖が抜けておらず、彼女とよりを戻した後も同じ失敗を繰り返すんだろうなぁ…と思ってしまいました(苦笑
対するスティーヴに関しても、悪役らしい行為はほとんど見せておらず(終盤に強盗を使って悪巧みするくらい)、相対的にジェフのダメっぷりが強調される結果を招いています。
そんなわけで、アクションは良好ですがストーリーに難ありという、困った内容の本作。ちなみに監督のリチャード・W・マンチキンは他にも幾つか作品を撮っており、こちらは次回紹介したいと思います。
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