湮報復/大報復
英題:Bruce Le's Greatest Revenge/Bruce Lee's Fists of Vengeance
製作:1978年
▼以前、『湮報復/大報復』かと思って『Bruce's Fist of Vengeance』というバッタを掴まされた事があったが、このたび正真正銘本物の『湮報復/大報復』を入手しました。
これでようやく本物を見ることが出来るのだが、まぁ呂小龍(ブルース・リ)作品なので期待しないで見ていました。ストーリーはまんまタイトルの通り。要するによくある抗日功夫片なのであるが、『達魔鐵指功』みたいな勝手に作った続編などではなく、ある種のセルフリメイク的な作品となっている。
■親元を離れた呂小龍は、劉鶴年の道場にお世話になる。劉鶴年が道場主という点で既に潰される事が前提となっているのはさておき(笑)、呂小龍は熱心に功夫修行に明け暮れていた。だが、呂小龍たちが住むこの町にも日本人の影は迫りつつあった。銃の密輸で財を成す日本人たちは港の労働者を迫害。周囲にも威張り散らしたりと無法の限りを尽くしていた。
労働者たちは劉鶴年に「日本人を見返したいから功夫を教えてくれ!」と訴えるが、劉鶴年は「功夫とはケンカの道具ではない」と一蹴。揉め事は起こさないようにと弟子たちにも忠告した。日本人側では韓国人?の山怪、白人のアレキサンダー、モンゴル人の楊斯(ヤン・スェ)ら用心棒を呼び寄せ、更なる横暴ぶりを見せていく。
呂小龍は「俺たちは立ち上がるべきなんだ!」と独断で日本人を蹴散らし、遂には日本人のアジトで大暴れを演じた。顔に泥を塗られた日本人たちは劉鶴年をおびき出し、毒の入った酒を飲ませて死に追いやった。悲しみに暮れる一同だったが、今度は葬儀の場に日本人たちが襲いかかってきた。
独断専行で謹慎処分を受けていた呂小龍が韓國材(ハン・クォツァイ)に呼ばれて帰ってきたが、既に李藝民(サイモン・リー)ら多くの弟子が命を落としていた。仲間たちの無念を晴らすべく、呂小龍は再び日本人たちのアジトへと殴り込む!
▲呂小龍にしては珍しくまともな作品だ。ストーリーに破綻はないし、キャラクターもそれなりに立っているし、功夫アクションも悪くは無い。出演者も馴染みの顔が多く出ているし、呂小龍の作品としてはかなり上位に入る出来ではなかろうか?
この作品とほぼ同キャストで作られた作品がある。それが何宗道(ホー・チョンドー)の『截拳鷹爪功』だ。この作品は役柄にも共通点が見られ、監督も同じ杜魯波なのだが、辻褄合わせがメチャクチャになっている変な作品だった。その点、本作はストレートな作りにしたおかげか、『截拳鷹爪功』の二の舞にはなっていない。
なお、武術指導を担当したのは出演もしている李藝民。精彩さに欠けてはいるものの、日本人のリーダー格である方野、頭突きの山怪、フェンシングのアレキサンダー、マッチョマンの楊斯と、きっちりキャラ分けが出来ている殺陣にした点は評価できる。
しかし驚いたのは最後の展開だ。ラストバトルは呂小龍VS谷峰の死闘なのだが、なんと途中で谷峰は逃亡!その谷峰に止めを刺し、あまつさえ最後は主役の呂小龍を差し置いて道場を継いでしまうなんて、彼(見てのお楽しみ・笑)にとってはかなりの儲け役となったことだろう。でもこんなに優遇をされておいて、『截拳鷹爪功』ではあんなヒドい役回りになってしまうなんて…彼と杜魯波との間で何かあったのだろうか?
英題:Bruce Le's Greatest Revenge/Bruce Lee's Fists of Vengeance
製作:1978年
▼以前、『湮報復/大報復』かと思って『Bruce's Fist of Vengeance』というバッタを掴まされた事があったが、このたび正真正銘本物の『湮報復/大報復』を入手しました。
これでようやく本物を見ることが出来るのだが、まぁ呂小龍(ブルース・リ)作品なので期待しないで見ていました。ストーリーはまんまタイトルの通り。要するによくある抗日功夫片なのであるが、『達魔鐵指功』みたいな勝手に作った続編などではなく、ある種のセルフリメイク的な作品となっている。
■親元を離れた呂小龍は、劉鶴年の道場にお世話になる。劉鶴年が道場主という点で既に潰される事が前提となっているのはさておき(笑)、呂小龍は熱心に功夫修行に明け暮れていた。だが、呂小龍たちが住むこの町にも日本人の影は迫りつつあった。銃の密輸で財を成す日本人たちは港の労働者を迫害。周囲にも威張り散らしたりと無法の限りを尽くしていた。
労働者たちは劉鶴年に「日本人を見返したいから功夫を教えてくれ!」と訴えるが、劉鶴年は「功夫とはケンカの道具ではない」と一蹴。揉め事は起こさないようにと弟子たちにも忠告した。日本人側では韓国人?の山怪、白人のアレキサンダー、モンゴル人の楊斯(ヤン・スェ)ら用心棒を呼び寄せ、更なる横暴ぶりを見せていく。
呂小龍は「俺たちは立ち上がるべきなんだ!」と独断で日本人を蹴散らし、遂には日本人のアジトで大暴れを演じた。顔に泥を塗られた日本人たちは劉鶴年をおびき出し、毒の入った酒を飲ませて死に追いやった。悲しみに暮れる一同だったが、今度は葬儀の場に日本人たちが襲いかかってきた。
独断専行で謹慎処分を受けていた呂小龍が韓國材(ハン・クォツァイ)に呼ばれて帰ってきたが、既に李藝民(サイモン・リー)ら多くの弟子が命を落としていた。仲間たちの無念を晴らすべく、呂小龍は再び日本人たちのアジトへと殴り込む!
▲呂小龍にしては珍しくまともな作品だ。ストーリーに破綻はないし、キャラクターもそれなりに立っているし、功夫アクションも悪くは無い。出演者も馴染みの顔が多く出ているし、呂小龍の作品としてはかなり上位に入る出来ではなかろうか?
この作品とほぼ同キャストで作られた作品がある。それが何宗道(ホー・チョンドー)の『截拳鷹爪功』だ。この作品は役柄にも共通点が見られ、監督も同じ杜魯波なのだが、辻褄合わせがメチャクチャになっている変な作品だった。その点、本作はストレートな作りにしたおかげか、『截拳鷹爪功』の二の舞にはなっていない。
なお、武術指導を担当したのは出演もしている李藝民。精彩さに欠けてはいるものの、日本人のリーダー格である方野、頭突きの山怪、フェンシングのアレキサンダー、マッチョマンの楊斯と、きっちりキャラ分けが出来ている殺陣にした点は評価できる。
しかし驚いたのは最後の展開だ。ラストバトルは呂小龍VS谷峰の死闘なのだが、なんと途中で谷峰は逃亡!その谷峰に止めを刺し、あまつさえ最後は主役の呂小龍を差し置いて道場を継いでしまうなんて、彼(見てのお楽しみ・笑)にとってはかなりの儲け役となったことだろう。でもこんなに優遇をされておいて、『截拳鷹爪功』ではあんなヒドい役回りになってしまうなんて…彼と杜魯波との間で何かあったのだろうか?