功夫電影専科

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GARY OF GOLDEN AGE(03)『ザ・シューター』

2013-10-09 23:41:06 | マーシャルアーツ映画:中(1)
「ザ・シューター」
原題:Hawk's Vengeance
製作:1997年

●イギリス海軍大尉のゲイリー・ダニエルズは、刑事の兄が殺害された事を知り、すぐさまアメリカへと飛んだ。兄の相棒であったジェイン・ハイトマイヤーによると、彼は中国系とネオナチ系マフィアの抗争に関与していたというのだ。
中国系マフィアのジョージ・チェン(『ハイボルテージ』のジョージとは同名異人)と知り合ったゲイリーは、彼とともにネオナチ系マフィアに探りを入れていく。そして捜査の結果、兄殺しの真犯人が裏社会の大物として知られるキャス・マクダだと判明する。
 キャスは裏で臓器密売を行っており、中国系マフィアのメンバーを誘拐しては臓器を摘出。上得意の客に法外な値段で売りさばいていたのだ。ゲイリーはジョージと一緒に敵地へ突入しようとするが、先手を打たれて逆に捕まってしまう。
臓器のドナーにされたジョージに危機が迫る中、ゲイリーは先に捕まっていた者たちと協力して逆襲へと転じる。時を同じくしてジェインも駆けつけ、ここに最後の闘いが始まった!

 主にPMエンターテイメント(以下、PM)で活躍していたゲイリーですが、今回は思い切って古巣から飛び出し、他のプロダクションで主演作を撮っています。そのため、本作にはおなじみのカーチェイスや大規模スタントが無く、全体的に小ぢんまりとした印象を受けました。
例によって粗筋は単純極まりなく(ゲイリーが兄の仇を討つだけ)、警察が動くのも最後の最後だけ。ジョージの存在やマヌケな殺し屋コンビのやり取りなど、人物設計はそこそこ拘っているようですが、作品としてはPM作品の縮小コピーでしかありません。
 しかし格闘アクションの演出は、大味になりすぎているPM作品よりも丁寧さを感じさせるものとなっていました。ゲイリーだけではなく、ジョージやジェインにもアクションの見せ場を配置しており、殺陣の一部にはカンフー系の動きが取り入れられています。
また、PM作品ではラスボスとの一騎打ちが軽視されがちな傾向にありますが、本作ではキャス(暇さえあれば部下を相手にひたすら修行するというナイスなキャラ。実際に彼本人もフィリピン武術の使い手)との最終決戦がしっかり用意されているのです。
残念なのはアクションのテンポがやや遅いこと。絡み役がただの的になる場合が多く、ラストバトルもフィリピン武術ではなくそのへんに転がってる物を使っての殴り合いが中心となっています(苦笑
良くも悪くも典型的なB級アクションとしか言いようの無い作品ですが、やはり格闘映画は最後に一騎打ちがあってナンボだと再認識できました。個人的には『メガロ』よりこっちがギリギリ好みかなぁ…。さて、次回はゲイリーが再びPMに帰還を果たし、著名なスターたちと一筋縄ではいかない作品にチャレンジします!

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