ひょんな事から『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』に魅了された私は、徐克(ツイ・ハーク)が手掛けたワンチャイシリーズの制覇に乗り出しました。
しかし、あくまで私が興味を持ったのはワンチャイというシリーズそのものであり、李連杰(リー・リンチェイ)が主演した他の映画には目もくれなかったと記憶しています。
その後、私はワンチャイシリーズの本家を制覇すると、今度は亜流作品にまで手を出し始めました。まず最初に見たのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 アイアン・モンキー』で、こちらは本家と同じ徐克が製作を担当しています。
主演は甄子丹(ドニー・イェン)と干光榮(ユー・ロングァン)で、物語は黄飛鴻の父・黄麒英と義賊・鉄猿が朝廷の悪人と戦う!というもの。ストーリーもさることながら、重力を無視したワイヤーワークも素晴らしく、外伝としては一級品の傑作でした。
続いて視聴した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 鬼脚』は、反対に徐克が関わっていない完全な亜流作品であり、内容はあまり洗練されているとは言えません。
しかし、主演の元彪(ユン・ピョウ)による立ち回りはとても軽快で、加えて任世官(ニン・シークワン)や元華(ユン・ワー)といった実力派スターが投入されており、アクションに関しては本家にも負けない健闘を見せています。
そして最後に見た『ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ/烈火風雲』は、久々となる李連杰の黄飛鴻が楽しめる番外編。こちらは李連杰が自身のプロダクションで製作した作品で、あの王晶(バリー・ウォン)がメガホンを取っています。
おかげで本家よりもコメディ描写が多く、残酷なシーンも無駄に充実していますが、アクションシーンについては上々の出来です。ただ、当時の私は劉家輝(ゴードン・リュウ)や徐忠信(アラン・ツィー)については全く知りませんでした(苦笑
さて、こうして私のワンチャイシリーズに対する情熱は持続していた訳ですが、そんな状況に冷や水を浴びせる事件が起きます。
ひと通りシリーズに目を通した私は、『天地発狂』や『アイアンモンキー・グレート』といった怪しい作品に手を出そうか悩んでいました。するとその時、突如としてレンタルショップに本家スタッフによる新作が続々と入荷されてきたのです。
「まだシリーズは続いていたんだ!」と喜びながらレンタルした私は、その中の1つをワクワクしながら見たんですが…そこに映されていたのはフィルム撮りではない違和感のある画面、淡々と進むストーリー、暗い演出の数々でした。
実はこの作品は、電視劇(TVドラマ)として製作されたものの再編集版。私が見たのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 八大天王』で、監督は『ブラック・マスク』の李仁港(ダニエル・リー)が担当しています。
李仁港といえば凝った映像に拘る監督として有名ですが、この作品ではビデオ撮影&暗い画面でスローを多用したため、アクションの迫力は本家どころか亜流作品にも及んでいません。
また、今まで親しんできた日本語吹き替えのキャストが一新されており(『天地風雲』では池田秀一だけギリギリ残ってくれましたが…)、この状況に大変なショックを受けた私は、ワンチャイシリーズに対する熱意を急速に失っていくことになります。
結局、それ以外の再編集版である『理想年代』や『辛亥革命』は見る気になれず、まだチェックしていない亜流作品に対する興味も無くなってしまいました(特に電視劇の再編集版については未だに手を出していません)。
しかし、このまま香港映画に対する情熱を失うかに見えたその時、私を奮い立たせたのは李連杰の先達である2人のドラゴンでした。彼らと出会ったのはまたしてもBS2の映画番組で、その作品は連続して放送されたのです。
1つは少林寺の名誉を守り、妹の敵を討つために戦う壮絶なアクション大作。もう1つは飄々とした若者が酔いどれ師匠に修行を受け、恐るべき足技の達人と雌雄を決する作品です。
そう、前者は李小龍(ブルース・リー)主演の『燃えよドラゴン』! 後者は成龍(ジャッキー・チェン)主演の『ドランクモンキー 酔拳』! この歴史的傑作と間髪入れずに出会ったことで、再び私の香港映画熱が燃え始めます。
「まだまだ香港映画には凄い作品が沢山ある!」と悟った私は、果てしない香港映画への探求を始め、その途中で日本の空手映画や欧米の格闘映画と遭遇。より深く、より広く知ろうとしました。
そして今、アクション映画への情熱をブログという形で発信するようになり、いつの間にやら10年が経ってしまいました。その情熱は未だに冷めることはなく、新たなアクション映画との出会いを常に求め続けています。
Once Upon a Time...もはや遠い過去の出来事となりましたが、『天地大乱』の出会いとそれにまつわる悲喜交々は、今でも私の心に思い出としてシッカリと刻まれているのです。
香港映画に対する情熱がいつまで続くかは自分でも解りません。ですが、『天地大乱』から受けた衝撃は私の情熱の原動力として、今も…そしてこれからも燃え続けることでしょう。銀幕を力強く駆け抜けた、あの黄飛鴻のように―――(特集、終わり)
しかし、あくまで私が興味を持ったのはワンチャイというシリーズそのものであり、李連杰(リー・リンチェイ)が主演した他の映画には目もくれなかったと記憶しています。
その後、私はワンチャイシリーズの本家を制覇すると、今度は亜流作品にまで手を出し始めました。まず最初に見たのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 アイアン・モンキー』で、こちらは本家と同じ徐克が製作を担当しています。
主演は甄子丹(ドニー・イェン)と干光榮(ユー・ロングァン)で、物語は黄飛鴻の父・黄麒英と義賊・鉄猿が朝廷の悪人と戦う!というもの。ストーリーもさることながら、重力を無視したワイヤーワークも素晴らしく、外伝としては一級品の傑作でした。
続いて視聴した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 鬼脚』は、反対に徐克が関わっていない完全な亜流作品であり、内容はあまり洗練されているとは言えません。
しかし、主演の元彪(ユン・ピョウ)による立ち回りはとても軽快で、加えて任世官(ニン・シークワン)や元華(ユン・ワー)といった実力派スターが投入されており、アクションに関しては本家にも負けない健闘を見せています。
そして最後に見た『ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ/烈火風雲』は、久々となる李連杰の黄飛鴻が楽しめる番外編。こちらは李連杰が自身のプロダクションで製作した作品で、あの王晶(バリー・ウォン)がメガホンを取っています。
おかげで本家よりもコメディ描写が多く、残酷なシーンも無駄に充実していますが、アクションシーンについては上々の出来です。ただ、当時の私は劉家輝(ゴードン・リュウ)や徐忠信(アラン・ツィー)については全く知りませんでした(苦笑
さて、こうして私のワンチャイシリーズに対する情熱は持続していた訳ですが、そんな状況に冷や水を浴びせる事件が起きます。
ひと通りシリーズに目を通した私は、『天地発狂』や『アイアンモンキー・グレート』といった怪しい作品に手を出そうか悩んでいました。するとその時、突如としてレンタルショップに本家スタッフによる新作が続々と入荷されてきたのです。
「まだシリーズは続いていたんだ!」と喜びながらレンタルした私は、その中の1つをワクワクしながら見たんですが…そこに映されていたのはフィルム撮りではない違和感のある画面、淡々と進むストーリー、暗い演出の数々でした。
実はこの作品は、電視劇(TVドラマ)として製作されたものの再編集版。私が見たのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 八大天王』で、監督は『ブラック・マスク』の李仁港(ダニエル・リー)が担当しています。
李仁港といえば凝った映像に拘る監督として有名ですが、この作品ではビデオ撮影&暗い画面でスローを多用したため、アクションの迫力は本家どころか亜流作品にも及んでいません。
また、今まで親しんできた日本語吹き替えのキャストが一新されており(『天地風雲』では池田秀一だけギリギリ残ってくれましたが…)、この状況に大変なショックを受けた私は、ワンチャイシリーズに対する熱意を急速に失っていくことになります。
結局、それ以外の再編集版である『理想年代』や『辛亥革命』は見る気になれず、まだチェックしていない亜流作品に対する興味も無くなってしまいました(特に電視劇の再編集版については未だに手を出していません)。
しかし、このまま香港映画に対する情熱を失うかに見えたその時、私を奮い立たせたのは李連杰の先達である2人のドラゴンでした。彼らと出会ったのはまたしてもBS2の映画番組で、その作品は連続して放送されたのです。
1つは少林寺の名誉を守り、妹の敵を討つために戦う壮絶なアクション大作。もう1つは飄々とした若者が酔いどれ師匠に修行を受け、恐るべき足技の達人と雌雄を決する作品です。
そう、前者は李小龍(ブルース・リー)主演の『燃えよドラゴン』! 後者は成龍(ジャッキー・チェン)主演の『ドランクモンキー 酔拳』! この歴史的傑作と間髪入れずに出会ったことで、再び私の香港映画熱が燃え始めます。
「まだまだ香港映画には凄い作品が沢山ある!」と悟った私は、果てしない香港映画への探求を始め、その途中で日本の空手映画や欧米の格闘映画と遭遇。より深く、より広く知ろうとしました。
そして今、アクション映画への情熱をブログという形で発信するようになり、いつの間にやら10年が経ってしまいました。その情熱は未だに冷めることはなく、新たなアクション映画との出会いを常に求め続けています。
Once Upon a Time...もはや遠い過去の出来事となりましたが、『天地大乱』の出会いとそれにまつわる悲喜交々は、今でも私の心に思い出としてシッカリと刻まれているのです。
香港映画に対する情熱がいつまで続くかは自分でも解りません。ですが、『天地大乱』から受けた衝撃は私の情熱の原動力として、今も…そしてこれからも燃え続けることでしょう。銀幕を力強く駆け抜けた、あの黄飛鴻のように―――(特集、終わり)