「カンフー無敵」
原題:功夫無敵
英題:Kung Fu Fighter
制作:2007年
●この作品、結論から言うと『カンフーハッスル』のような抱腹絶倒のコメディアクションではない。確かに『カンフーハッスル』にあやかったキャスティングが成されているし、コミカルな描写もあるにはある。しかし、少なくとも『カンフーハッスル』と同じタイプの作品として見るには難がある作品で、どちらかというと作品的には『馬永貞』…というか、金城武の『暗黒街』に近いテイストの作品なのだ。
怪力の持ち主である呉建豪(ヴァネス・ウー)は、生き別れの父を探して上海へ来ていた。ここでは陳國坤(チェン・クォッククン)と田啓文(ティン・カイマン)の二大勢力がにらみ合っており、同郷のダメ男・林子聰(ラム・ジーチョン)と共に騒動に巻き込まれてしまう。その際に梁小龍(ブルース・リャン)らが経営する食堂を壊してしまった呉建豪と林子聰は、修理費を捻出するためにそこで働く事になる。
物語はここに陳國坤の女である黄伊[シ文]と呉建豪の交流を交えつつ、最終的には田啓文が呉建豪らを討伐するために放った凄腕の刺客・樊少皇(ルイス・ファン)との死闘を迎え、呉建豪の秘密が明らかになっていく…のだが、本作はこのへんで随分と損をしている。この黄伊[シ文]とのサブストーリーが本筋である呉建豪の父親探しに全く絡んでこず、樊少皇の登場も随分と唐突。樊少皇を仕向けた田啓文が健在なまま話が終わっている点など、アラの多い作品になってしまったのは残念だ。
だが、その一方で功夫アクションの方は素晴らしい出来になっているのだから皮肉なものである。
本作の動作設計は樊少皇が担当しており、基本的にあまりCGに頼らない重厚なスタイルのファイトに挑戦している。この樊少皇、樊梅生の息子として知られているが、過去に多くの動作片に出演していた経歴を持ち、日本でも彼の主演作である『力王』がリリースされている。この他には『衝破死亡遊戯』や『力王』系列などがあるのだが、いずれも日本未公開の物ばかり。個人的には『衝破死亡遊戯』が見たくて仕方が無いのだが(爆)、これらの作品群で培ってきた経験ゆえか、本作の功夫アクションは本当に見事なものばかりなのだ。
もちろん呉建豪は十分頑張っていたし、梁小龍に関しても言わずもがな。クライマックスの梁小龍VS樊少皇と呉建豪VS樊少皇の対決は、本作でも1番の見どころだろう。これで物語が簡潔であったならなぁ…。
…というわけで(?)、突然ですがこれが今年最後の更新となりますので、次回以降は来年から更新を再開するつもりです(もしかしたら前の正月の時同様、1月中は更新が停滞するかもしれません・苦笑)。来年もまた当ブログにご愛顧の程を何とぞ宜しくお願いしまして、本項の〆にしたいと思います。それでは、来年もよいお年を!
(管理人:龍争こ門)
原題:功夫無敵
英題:Kung Fu Fighter
制作:2007年
●この作品、結論から言うと『カンフーハッスル』のような抱腹絶倒のコメディアクションではない。確かに『カンフーハッスル』にあやかったキャスティングが成されているし、コミカルな描写もあるにはある。しかし、少なくとも『カンフーハッスル』と同じタイプの作品として見るには難がある作品で、どちらかというと作品的には『馬永貞』…というか、金城武の『暗黒街』に近いテイストの作品なのだ。
怪力の持ち主である呉建豪(ヴァネス・ウー)は、生き別れの父を探して上海へ来ていた。ここでは陳國坤(チェン・クォッククン)と田啓文(ティン・カイマン)の二大勢力がにらみ合っており、同郷のダメ男・林子聰(ラム・ジーチョン)と共に騒動に巻き込まれてしまう。その際に梁小龍(ブルース・リャン)らが経営する食堂を壊してしまった呉建豪と林子聰は、修理費を捻出するためにそこで働く事になる。
物語はここに陳國坤の女である黄伊[シ文]と呉建豪の交流を交えつつ、最終的には田啓文が呉建豪らを討伐するために放った凄腕の刺客・樊少皇(ルイス・ファン)との死闘を迎え、呉建豪の秘密が明らかになっていく…のだが、本作はこのへんで随分と損をしている。この黄伊[シ文]とのサブストーリーが本筋である呉建豪の父親探しに全く絡んでこず、樊少皇の登場も随分と唐突。樊少皇を仕向けた田啓文が健在なまま話が終わっている点など、アラの多い作品になってしまったのは残念だ。
だが、その一方で功夫アクションの方は素晴らしい出来になっているのだから皮肉なものである。
本作の動作設計は樊少皇が担当しており、基本的にあまりCGに頼らない重厚なスタイルのファイトに挑戦している。この樊少皇、樊梅生の息子として知られているが、過去に多くの動作片に出演していた経歴を持ち、日本でも彼の主演作である『力王』がリリースされている。この他には『衝破死亡遊戯』や『力王』系列などがあるのだが、いずれも日本未公開の物ばかり。個人的には『衝破死亡遊戯』が見たくて仕方が無いのだが(爆)、これらの作品群で培ってきた経験ゆえか、本作の功夫アクションは本当に見事なものばかりなのだ。
もちろん呉建豪は十分頑張っていたし、梁小龍に関しても言わずもがな。クライマックスの梁小龍VS樊少皇と呉建豪VS樊少皇の対決は、本作でも1番の見どころだろう。これで物語が簡潔であったならなぁ…。
…というわけで(?)、突然ですがこれが今年最後の更新となりますので、次回以降は来年から更新を再開するつもりです(もしかしたら前の正月の時同様、1月中は更新が停滞するかもしれません・苦笑)。来年もまた当ブログにご愛顧の程を何とぞ宜しくお願いしまして、本項の〆にしたいと思います。それでは、来年もよいお年を!
(管理人:龍争こ門)