功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『クローサー』

2017-09-23 23:29:25 | 倉田保昭
「クローサー」
原題:夕陽天使
英題:So Close
製作:2002年

舒淇(スー・チー)趙薇(ヴィッキー・チャオ)は天涯孤独の姉妹。卓越した武術の腕前と、父が遺した監視システムへの侵入プログラムを駆使し、悪党退治の専門家として活躍していた。
今日も舒淇は趙薇のバックアップを受けつつ、元麻薬王の会社社長・石修を難なく倒していたが、かつての恋人・宋承憲(ソン・スンホン)と再会する。過去の辛い経験から疎遠になっていた2人だが、両者は急速に仲を深めていく。
 一方、石修に代わって社長となった温兆倫(実は社長殺害の依頼主)は、邪魔な重役の暗殺を計画。再び舒淇たちに依頼するが、アメリカ帰りの捜査官・莫文蔚(カレン・モク)が周囲を嗅ぎ回っていると知り、全員まとめて抹殺しようと画策する。
しかし舒淇は宋承憲からプロポーズを受け、仕事に迷いを感じはじめていた。そのため依頼を断ろうとするが、前々から現場に出たいと主張していた趙薇が依頼を強行し、追跡してきた莫文蔚と交戦。重役は暗殺したが、温兆倫の手下からも襲撃を受けてしまう。
 なんとかその場は逃げ出すも、妹を心配して厳く叱咤する舒淇と、姉の役に立ちたいと願う趙薇は激しく衝突。後日、趙薇は不手際から追われる身となり、サポートに入った舒淇は敵の刺客・林國斌(ベン・ラム)に襲われて死亡する。
悲しみに暮れる趙薇は、敵に陥れられて罪を着せられた莫文蔚と手を組み、仇敵・温兆倫との決戦に向かう。立ちはだかるは強固なセキュリティ、林國斌ら大勢の手下たち、そして最強の倉田保昭! 果たして、2人のエンジェルは生き残れるのだろうか!?

 今月は更新履歴のUPも無く、しばらくブログが放置状態となっていましたが、やっとこさ再開の目途が立ったので本日より再始動いたします(汗)。9月は特集を休み、10月は格闘映画関連・11月と12月は香港映画系の特集をお送りする予定です。
さて今日は、女性アクションに定評のある元奎(ユン・ケイ)の監督作を見てみましょう。ここ最近はワールドワイドな作品に関わることの多い元奎ですが、本作のようなスケールが彼には一番しっくりくる気がします。
 この映画は、当時の香港を代表する3人のトップ女優を揃え、泥臭さを抑えたスタイリッシュなアクション映画に仕上がっています。そのスマートな演出は徹底されており、雑然とした香港映画らしい雰囲気はほとんど感じません。
キャラクターの見せ方も三者三様に分けられ、凛々しくも恋に悩む舒淇、カジュアルな可愛さと危うさを見せる趙薇、甄子丹っぽい強直っぷりで攻める莫文蔚(苦笑)…といった具合に、それぞれ工夫に富んでいます。
ただ、趙薇については未熟であるがゆえにヘマをしでかすシーンが多く(特に莫文蔚を煽って自爆するくだりはカッコ悪すぎ)、彼女たちの父が何を思って侵入プログラムを作ったのか等、「これはちょっと…」と思ってしまう箇所も目に付きました。

 しかし、アクションシーンは元奎らしく派手さ全開で、ヒロイン3人は何度となくファイトを展開。壁に張り付き、ガラスを突き破り、ワイヤーで飛びまわったりと、縦横無尽なファイトが堪能できます。
終盤では成家班から殴り込んできた林國斌と莫文蔚が殴り合い、『皇家師姐』のラストバトルを彷彿とさせる激闘(実際、似たような殺陣が一部あります)を見せますが、これはまだ序の口…続く趙薇VS倉田で、本作は事実上のクライマックスを迎えます。
 役柄的に『闇を照らす者』を連想させる倉田さんですが、トップ女優相手にも加減をしない立ち回りを見せ、縦横無尽の大暴れを展開! 途中で莫文蔚が参戦し、よりハードな剣戟ファイトが繰り広げられていました。
細かな粗はあるものの、レディース・アクションとしては二重丸の本作。今も元奎は武術指導家として活躍していますが、監督としては2011年の『トレジャー・オブ・ドラゴン』(王晶との共同監督)が現時点で最後の仕事となっているようです。
実に個人的な願望ですが、私としてはセクシーな女優たちがバリバリ暴れるような監督作を、また彼に撮って欲しいと密かに願っています。

『猛虎下山』

2015-10-10 23:09:14 | 倉田保昭
猛虎下山
英題:Rage of the Wind/Fists of Death/The Ninja Warlord
製作:1973年

▼1972年――香港で鮮烈な銀幕デビューを飾った倉田保昭は、独立プロの雄・呉思遠(ウン・スーユエン)から出演依頼を打診されますが、諸事情により断ってしまいます。
この作品はのちに『蕩寇灘』として完成し、その年のベスト10に入る大ヒットを記録。倉田はチャンスを逃す形となるも、再び呉思遠から熱烈なオファーを受けたため、無事にコラボを果たすことができました。
 こうして監督・呉思遠、悪役・倉田、そして主人公・陳星(チェン・シン)のトリオで製作された『餓虎狂龍』も大ヒットし、当然のように新作の企画が立ち上がります。
それがこの『猛虎下山』であり、武術指導も引き続き梁小龍(ブルース・リャン)が務めていく事になるのですが…。

■第二次大戦下(1932年)の中国では、日本軍との衝突で上海事変が勃発。その影響は小さな港町にも波及し、倉田をボスとした日本人グループが我が物顔で歩き回っていた。
地元民の黄元申・韓國材らはその状況を憂うが、そこにアメリカでボクサーとして活躍していた陳星が、妻の黎愛蓮を伴って帰国してきた。誰も歯が立たなかった日本人に一泡吹かせた陳星は、たちまち町のヒーローとなる。
 その後も何かと悪事を働く倉田たちに対し、陳星は持ち前の度胸と腕っぷしで立ち向かっていく。そんな中、黄元申が日本人グループの1人を仕留めてしまった事で、報復により町人が連れ去られる事件が発生した。
ついには黄元申と黎愛蓮も誘拐され、世話になっていた黄元申の父・[赤β]履仁(『燃えよドラゴン』では李小龍の父親役)も殺されてしまう。激怒した陳星は、最後の戦いを倉田たちに仕掛ける!

▲本作は充実したスタッフとキャストを動員し、見事にヒットを飛ばしたそうです。しかし残念ながら年間興収6位の『蕩寇灘』、同じく8位の『餓虎狂龍』に匹敵する成績は残せませんでした。
理由は『餓虎狂龍』からの大幅なペースダウンにあります。前作は抗日要素を超えた男同士の戦いを描いていましたが、今回は単なる抗日功夫片の枠に留まっており、ストーリーは大幅に簡略化…カタルシスはそれほど得られません。
 また、アクションの密度もやや低下していて、恒例のマラソン・バトルが無い(!)という大きな問題を抱えています。代わりに日本人たち(染野行雄・李家鼎など)との連戦があるものの、マラソン・バトルの迫力には及ばないと言えるでしょう。
とはいえ、最後の陳星VS倉田はやはりクオリティが高く、実力者同士によるファイトシーンは見応え十分! 波打ち際での戦いはザコ戦を経て、殴り合い→棍とヌンチャクの激突→再び殴り合いへと切り替わり、激しい死闘が続きます。
 途中で韓國材が死ぬシーンは明らかに蛇足ですが、マラソン・バトルとは関係のない戦いとして見れば、本作はなかなかのマッチメイクだったのではないでしょうか。
その後、呉思遠はマラソン・バトルの必要性を見直したのか、梁小龍の『必殺ドラゴン 鉄の爪』で再び起用。公開延期というアクシデントに見舞われるも、功夫映画史に残る名勝負を生み出していく事になりますが、それについてはまた別の機会にて。

倉田保昭、ブラウン管に現る(終)『輝 Gold』

2014-11-29 23:57:16 | 倉田保昭
「輝 Gold」
製作:2013年

倉田保昭がレギュラー出演した特撮ドラマ『牙狼-GARO- ~闇を照らす者~』。その中から先日は前半のエピソードを取り上げましたが、今回は最終回一歩手前の第23話「輝 Gold」に着目してみましょう(本作品の詳細については前回をご覧下さい)。
独立国家ボルシティを牛耳る金城一族とホラーの関連を疑う魔戒騎士たち…しかし真の黒幕は協力者と思われた津田寛治であり、倉田は彼の手によって魔導ホラーと化した元・魔戒騎士だと判明。栗山航たち魔戒騎士は必死に戦うものの、惨敗を喫します。
そんな中、封印されていた伝説のホラー・ゼドム(演者は秘密・笑)が復活の兆しを見せ、戦いの中で栗山はゼドムに捕えられていた母・横山めぐみと再会。そして彼らを支えていた魔戒法師・大友康平が、たった1人でゼドムの封印に向かう場面から本作は始まるのです。

■決死の思いでゼドムと対峙した大友は、自らの命と引き換えに鎮まるよう訴えた。しかし敵は彼を一瞬で消滅させ、完全復活のために魔戒騎士の肉体を手に入れようと画策。津田に使役されていた倉田を操り、栗山たちに襲いかかった。
死闘の末に彼らは倉田を撃破し、黄金騎士・ガロは本来の姿を取り戻すことに成功する。その美しい輝きに喜ぶ横山であったが、彼女の体はゼドムの影響でホラー化が進行していた…。
栗山は苦悩しながらも母親を斬るが、その直後にゼドムが倉田の遺体を利用して復活してしまう。大友と横山…2人の死を乗り越えて、栗山・池田純矢・青木玄徳ら3人の魔戒騎士と、魔戒法師の南里美希は最後の戦いに挑む!

▲今回の話は第2回ジャパンアクションアワードにおいて、ベストアクションシーン賞の優秀賞を受賞しているんですが(監督の横山誠もアクションコーディネーター部門で最優秀賞を獲得)、その栄誉にふさわしい激闘が繰り広げられていました。
戦いはストーリーの初っ端から始まり、最初の激突で倉田さんは南里の運転する車の上に落下。栗山も一緒に飛び乗ると車は走りだし、池田と青木も別のワゴンでこれを追いかけます。
 かくして倉田さんと栗山&池田による、走行する車の屋根でのファイトが展開されるのです。さすがに替え身やワイヤーを活用していますが、ここでのアクションはほとんどCGを使っていません。
2台の車には倒壊した足場のパイプが突き刺さり、やがて3人はコンテナの上へと移動します。剣を手にした倉田さんは2人を圧倒するも、加勢した青木と一緒にコンテナごと転落。ここはさすがに2人は別撮りで、落ちるコンテナはCG…ですよね?(汗
 戦いはなおも続き、コンテナにいる倉田さん目がけて池田の運転する車が突っ込み、最後は栗山VS倉田さんのタイマン勝負で雌雄を決します。これら一連のアクションは完全にTV番組の枠を超えており、とてもド派手な戦いだったと思います。
無理に難を挙げるとすれば、車のファイトで倉田さんの替え身率が高かった(アップのシーン以外はほとんど別人)ことぐらい。宿敵に対する栗山の思い、劇的な決着も含めて私は非常に楽しめました。
物語の方も悪くなく、横山との別れは見る者の涙を誘います。ただ、直前の話で栗山と感動的な別れを果たした大友が、本作の開始早々に呆気なく倒されたのにはガッカリ。最終回で彼の遺物が鍵になるとはいえ、もう少し善戦してほしかったなぁ…。

 …というわけで、今月は倉田保昭のTV出演作を振り返ってみました。昔から映画の中で戦ってきた倉田さんですが、TVの世界においても多くの足跡を残しています。
思えば日本人の功夫スターは何人か存在しましたが、今も現役の役者としてスクリーンのみならず多方面で活躍している方は、恐らく倉田さんが唯一無二のはずです。彼はこれからも国境とメディアを問わず、なおも戦い続けることでしょう。
映画、Vシネマ、そしてブラウン管―――次に和製ドラゴンがどの世界に現るのか、秘かに待ち望みながら本稿を終えたいと思います。(特集、終)

倉田保昭、ブラウン管に現る(4)『乱 Sonshi』

2014-11-26 22:42:39 | 倉田保昭
「乱 Sonshi」
製作:2013年

▼ここまで倉田保昭が出演したTVドラマの中から、単発ゲストとして登場した作品をいくつか紹介してきました。しかし今回ピックアップするのは、レギュラー出演していた『牙狼-GARO- ~闇を照らす者~』のエピソードです。
この作品は特撮ドラマ『牙狼-GARO-』シリーズの第3作で、実を言うと今回の特集はCSで本作を視聴した際、その激しいアクションに衝撃を受けて企画したものだったりします(笑
 『牙狼-GARO-』シリーズは、鬼才・雨宮慶太監督による作品ですが、深夜番組だけあって内容は完全に大人向け。グロテスクな描写や性的なシーンが随所に存在し、独特なキャラクター設定も持ち味のひとつです。
そして私が驚いたアクションシーンでは、高クオリティの肉弾戦がこれでもかと炸裂しており、ACC STUNTSを率いる横山誠の手腕が遺憾なく発揮されていました(彼は本作の総監督も兼任)。
 基本的な粗筋は、人知れずホラー(本作における怪人の名称)を狩る魔戒騎士たちが、ボルシティと呼ばれる独立国家で巨大な陰謀に立ち向かう…というもの。倉田さんはホラーより上位の存在、魔導ホラーに扮して大暴れを繰り広げます。
この第9話「乱 Sonshi」は前後編の後編で、前編は主人公・道外流牙(栗山航)が元記者の古山憲太郎と接触。恋人をホラーに殺された彼は真相究明を訴え、栗山に協力を申し出るのですが…。

■何度も「関わるな」と言いつつも、次第に古山を仲間として意識し始める栗山。そんな中、古山は自分なりにホラーと戦う手段として、知人であるボルシティのTVアナウンサー・井村空美とコンタクトを取り、ホラーのことを報じて欲しいと頼んだ。
ホラーはボルシティの支配者・金城一族と繋がりがあるらしく、TV局も彼らの支配下となっているが、井村はホラーについてニュースで伝えると約束する。…が、実際に放送されたのは「栗山は殺人犯である」という捏造報道だった。
 そう、実は井村もホラー側の存在であり、古山の恋人を殺害した張本人だったのだ。栗山は街の治安維持部隊・SG1に追われ、井村に迫った古山も食い殺されてしまう。
追い詰められた栗山は、もう1人の人間の協力者であり金城一族の端くれ・津田寛治に助けられた。しかしそこに倉田が襲いかかり、古山の死を知らされた彼は仲間と共に立ち向かう。果たして戦いの行方は…?

▲かなりダークで救いがなく、前編も一緒に見ておかないと把握が困難なストーリー(というか詳細な設定の把握は必須)ですが、なかなかにインパクトの強い作品でした。
中でも私情に流されたがゆえに犠牲を生み、仲の良かった人々からも恐怖と侮蔑の目で見られ、それでもなお立ち上がろうとするラストの栗山が印象的……と言いたいところですが、後半のアクションで倉田さんが全てをかっさらっています。
 最初に剣をふるう栗山を素手で軽くあしらい、舞台はモノレールの駐機場へ。魔戒騎士の蛇崩猛竜(池田純矢)と楠神哀空吏(青木玄徳)が駆けつけるも、倉田さんの放つ電光石火の拳には苦戦を強いられるばかりです。
そうこうしている間にモノレールが走りだし、狭い車内での戦いへと発展!次々と騎士たちは外に叩き出され、変身して挑みかかるも余裕で技を受け止められてしまいます。念のために言っておきますが、この時点で倉田さんは怪人化すらしていません(爆
 一部のアクロバティックなカットでは替え身が見られるものの、これらのアクションシーンは横山氏の指導とも相まって、非常に迫力のあるバトルに仕上がっていました(ただし特撮パートはCG主体なので、見る人によっては違和感があるかも)。
もちろん栗山・池田・青木の3人も十分動けており、倉田さんの圧倒的な存在感で見過ごされがちですが、体当たりで受け身・スタントを演じています。個人的には池田さんのアクションをもうちょっと堪能したかったけど、こちらは今後のエピソードに期待したいですね。
悲しき宿命を背負い、孤独な戦いを続ける魔戒騎士たち。次回の特集最終回では、あのジャパンアクションアワードも認めた倉田さんと彼らの最終決戦に迫ります!

倉田保昭、ブラウン管に現る(3)『浮世がるたの裏表』

2014-11-16 23:38:36 | 倉田保昭
「浮世がるたの裏表」
製作:1980年

▼『ギターを持った渡り鳥』や『銀座旋風児』シリーズで日活の黄金期を支え、かの石原裕次郎と人気を二分していた大スター・小林旭。この『旅がらす事件帖』は、そんな彼が初めて挑戦した連続TV時代劇です。
物語は正義の味方が正体を隠しつつ、諸国を漫遊しながら悪党を斬るという『水戸黄門』タイプの作品。主人公である“闇の道中奉行”小林が、幕府の指令を受けて仲間(長門裕之・三浦洋一ら)と共に戦う姿を描いています。
倉田保昭が出演したのは第9話「浮世がるたの裏表」で、この他にも悪代官役として玉川伊佐男も登場しており、奇しくも『闘え!ドラゴン』の2人が再会を果たす形となっていました。

■上州・鬼澤で謎の集団による代官所関係者、および関係する施設への襲撃事件が多発した。ところが代官の玉川は密かに事態を収拾しようと企み、この動きを察知した老中は小林に調査を依頼する。
人手が足りない代官所は、腕に覚えのある連中を雇って戦力の補充を謀っており、小林はこれを利用して潜入捜査を試みた。その際、彼は旗本くずれの無法者・倉田とその愛人(赤座美代子)と知り合う。
 実はこの赤座という女、かつて故郷を捨ててまで江戸に出たものの、夢破れて出戻った過去を持っていた。故郷の村からは拒まれ、今では宿場町でしがない飲み屋を営んでいるが、妹の村地弘美だけは彼女を慕っているという。
そんな折、赤座の故郷は鬼澤の代官所から立ち退きを命じられ、村地の婚約者・潮哲也(彼も『闘え!ドラゴン』出演組)が奮起。賛同する村の者たちと協力し、代官所を相手に抵抗活動を展開していた。
 他にも立ち退きされた村があるらしく、小林は仲間たちと調査を開始した。その結果、玉川が幕府中枢へ取り入ろうと大量の美術品を購入し、その費用を捻出しようと立ち退かせた村で阿片の密造(!)を行っていた事が判明する。
一方で倉田は村地を人質にとり、潮をおびき出して抵抗勢力の本拠地を吐かせようとしていた。助けに向かった小林は捕まり、ここに来て痺れを切らした赤座も斬り殺されてしまう…。
この情報を手土産に仕官が叶った倉田と、根回しが効いて昇進が内定した玉川。なんとか窮地から脱出した小林は、人々を苦しめてまで私利私欲に走る2人を倒すため、“闇の道中奉行”として立ち上がる!

▲今回も倉田さんは憎々しげな悪役っぷりを見せていて、代官所ぐるみの阿片密造という突飛な悪事にも目を引かれます。が、それ以外の点は可もなく不可もなしといった感じで、あまり特筆すべきポイントはありません。
また、冒頭の謎の集団による事件が潮による抵抗活動だと明示されない、赤座がなぜ倉田のような男に引っかかったのか語られないなど、描写の甘さも気になります。このへんはもう少し解りやすく描いて欲しかったなぁ…。
 アクション面では小林の貫録ある動きがサマになっていますが、ボリュームは全体的に控えめ。倉田さんの殺陣は細々としたものしかなく、2度にわたる小林との戦いも非常に淡泊でした。
初戦は何度かジャンプしているうちに終わり、終盤の一騎打ちもあっという間に決着がついてしまうので(まともな斬りあいは5秒間だけ)、内容には期待しない方がいいでしょう。
 とはいえ、銀幕の大スターと倉田さんの顔合わせは実に貴重だし、若干ですが前回より倉田さんらしい動きが見れたと思います。これ以外にも氏は『水戸黄門』等に出演しているので、可能であればチェックしてみたいですね。
さて続いては、ジャンルが変わって刑事ドラマの世界に倉田さんが進出!その活躍を拝見したいたいところなのですが…詳細は次回にて!

倉田保昭、ブラウン管に現る(2)『勇次 投げ縄使いと決闘する』

2014-11-11 22:50:44 | 倉田保昭
「勇次 投げ縄使いと決闘する」
製作:1983年

▼今月は和製ドラゴン・倉田保昭が出演したTV作品を追っていますが、今回は『必殺仕事人IV』から第30話「勇次 投げ縄使いと決闘する」を紹介してみましょう。
今さら説明は不要かもしれませんが、この『必殺仕事人IV』は人気時代劇である『必殺』シリーズの一篇で、法で裁けぬ悪を討つ仕事人たちの活躍を描いています。
 単なる正義の味方とは異なるハードな設定、貪欲なまでに時事ネタを取り入れるスタイル、そして奇想天外な暗殺方法の数々…。これらの独特な要素が支持を集め、今もなおシリーズが作られ続けているのです。
そんな由緒あるシリーズに倉田さんが挑むわけですが、果たして我らが和製ドラゴンは闇に生きる仕事人を相手に、どのような戦いを見せてくれるのでしょうか?

■ある日、三味線屋の勇次(中条きよし)は南部鉄瓶を輸送する女の人足たちと、それを先導する奥州の牛飼い・倉田と遭遇する。彼は鍋釜問屋・大黒屋の主人(石浜祐次郎)と結託し、ある裏稼業に手を出していた。
その裏稼業とは、人足として使った身寄りのない女たちに刺青を彫り、競りで売り飛ばすというゲスなものだった。その中には中条と出会った林亜里沙・川田あつ子の姉妹もおり、まず手始めに林がヘビの刺青を彫られてしまう。
 彼女はこの生き地獄から川田を逃がすが、自身は倉田の手にかかって死亡。脱走した川田は中条に助けられ、そのまま彼の自宅に居着いてしまう。これでは彼女にも危険が及びかねないため、中条はわざと悪ぶった振る舞いをして突き離した。
かくして川田は帰郷し、残された彼女のかんざしは仕事人の依頼料となった。死んだ女たちの無念を晴らすべく、いよいよ中村主水(藤田まこと)ら仕事人が動き出す!

▲色々と感慨深かった『闇に潜む牝豹』とは違い、本作はオーソドックスな内容に仕上がっています。ストーリーは悪党に踏みにじられた人々の思いを受け、仕事に向かうという普段通りのパターン…これといって意外性のある話ではありません。
とはいえ、本エピソードの主役である中条は格好良く撮れているし、おなじみの仕置きシーンもバッチリ。気になるのは倉田さんの活躍っぷりですが、今回は鞭使い(タイトルでは投げ縄だがどう見ても鞭)として仕事人に立ちはだかります。
 その悪役っぷりはなかなかのものですが、鞭は何度もピュンピュンと振り回してはいるものの、自慢の体術は1ミリも見せてくれません(涙)。まぁ『必殺』シリーズは暗殺がメインなので、そう簡単に大立ち回りを演じられないのは解りますが…個人的にはちょっと期待外れでした。
ちなみに『必殺』シリーズには香港を舞台にした長編が2本あり、このうち『仕事人アヘン戦争へ行く』には倉田さんの弟子・竜咲隼人が功夫使いとして出演。内容は香港映画に負けないほど無茶苦茶なので、アクション目当てならこちらがオススメです。
さて続いては、あの日活の大スターと倉田さんが時代劇で激突!今度こそアクション的な見せ場があって欲しいところですが…詳細は次回にて!

倉田保昭、ブラウン管に現る(1)『闇に潜む牝豹』

2014-11-05 23:12:07 | 倉田保昭
「闇に潜む牝豹」
製作:1980年

▼かつて鍛え抜いた武道の腕前だけを武器に、香港映画界へ乗り込んだ1人の男がいました。彼の名は倉田保昭…日本人初の功夫スターとして名を馳せ、今なお躍進を続ける大御所中の大御所です。
香港で確固たる地位を築いた倉田は、『帰ってきたドラゴン』の日本公開に合わせて凱旋。その流れで東映のカラテ映画などに出演し、やがて活躍の場をTVドラマにも広げていきました。氏の参加したドラマといえば『Gメン75』『闘え!ドラゴン』が有名ですが、今回の特集では単発ゲストや近年のドラマ出演作に触れたいと思います。
 そんなわけで最初に紹介するのは、『服部半蔵 影の軍団』の第2話「闇に潜む牝豹」です。『影の軍団』は千葉真一主演の時代劇シリーズで、破天荒なアクションとストーリーで人気を博しました。
『服部半蔵~』は第1作だけあってシリアス色が強く、本エピソードでは重要なキャラクターである三林京子が初登場しますが、ドラマ的には倉田との確執がメインとなっています。

■かねてより千葉を警戒していた公儀隠密の甲賀組頭領・菅貫太郎は、くノ一の三林を密偵として送り込んだ。一方、時を同じくして甲賀忍者の連続暗殺事件が発生するが、これは紀州から来た伊賀者・倉田たちの仕業だった。
彼は影で生きる伊賀忍者の現状を憂い、甲賀忍者を倒して公儀隠密の座を奪おうとしている。しかし、そんなことをすれば幕府を敵に回す事となり、各地に落ち延びている伊賀者も根絶やしにされかねない…。
幼馴染でもある倉田の暴挙を止めようとする千葉だったが、その努力もむなしく全面対決に発展してしまう。…今ここに、伊賀者同士の悲しき戦いが始まろうとしていた。

▲『直撃!地獄拳』では顔を合わせることが出来ず、続く『必殺女拳士』でもニアミスに終わった倉田と千葉。そんな2人が初の本格共演を果たしたのが本作ですが、決してそれだけの作品ではありません。
物語は相反する道を辿った男たちの姿を描いており、悲哀に満ちた結末までを一気に見せ切ります。伊賀の未来を託して逝く倉田、無念に満ちた表情を浮かべる千葉の姿はとても印象深く、ドラマに一層の深みを与えていました。
 一方でアクションシーンはそれなりに派手ですが、さすがにシリーズ後期のような荒唐無稽さは発揮されていないため、やや地味な印象を受けます。
注目の倉田VS千葉も割とあっさり終わるので、『マスター・オブ・サンダー』を見た人は物足りなく感じるかもしれません。しかし前述した2人のやり取りは一見の価値があるし、個人的にはこの顔合わせが見れただけでも万々歳でした。
 ところで本作には倉田の手下役として、実際に彼の弟子である中村勇が出演しています。中村は『Gメン75』の香港ロケシリーズ、『懲罰』や『忍者外伝 倭寇掃討作戦』などの香港映画にも出ていました。
本作では単なる手下の1人でしかありませんが、貴重な本人の肉声によるセリフを聞くことができます(他の作品では気合くらいしか聞けません)。…ところでふと思ったのですが、中村氏は現在どうしているのでしょうか?
さて続いては、あの国民的時代劇に和製ドラゴンが参戦!対する相手は裏稼業の仕事人なのですが…詳細は次回にて!

『風雲!格闘王』

2014-09-17 23:12:15 | 倉田保昭
「風雲!格闘王」
原題:安娜與武林
英題:Anna in Kungfu-land/Anna & Wulin
製作:2003年

▼まず最初に結論から言ってしまいますが、本作は非常に“ユルい”作品です。ストーリーやアクションはそこそこレベルだし、尺の大半は軽~いラブコメで占められています。
しかしこの“ユルさ”が本作の持ち味であり、最初から最後まで一貫して和やかなムードが保たれていました。あまり巷の評判は良くないようですが、私はこの作品を好意的に見ています(理由は後述)。

鄭伊健(イーキン・チェン)は広告代理店に勤めるプレイボーイ。社長の娘である何韻詩(デニス・ホー)と付き合っていたが、あるとき栄養ドリンクの宣伝を兼ねた格闘大会の企画が持ち上がる。
出場者を募るべく、まず鄭伊健が訪ねたのは武術の総本山・少林寺。しかし大師の劉家榮(リュー・チャーヨン)は、30年前の武術大会で弟子が駆け落ちするという事件が起きたため、対外試合には消極的であった。
 駆け落ちした弟子との関係改善ができるなら出場もやぶさかではない、と言う劉家榮の主張を了承した鄭伊健は日本へ。そこで件の弟子・倉田保昭と接触し、彼の娘・楊千[女華](ミリアム・ヨン)が出場する運びとなる。
鄭伊健に一目惚れした楊千[女華]は、大会の副賞として女優デビューできるかもしれないと聞き、有頂天で香港にやって来た。が、当の鄭伊健には何韻詩という彼女がいるため、当然のごとく恋愛模様はしっちゃかめっちゃかに…。
 そうこうしているうちに格闘大会が始まり、ひと癖もふた癖もあるファイターたちが凌ぎを削りあっていく。楊千[女華]は順調に勝ち進むが、ふとした拍子から鄭伊健の二股が発覚してしまう。
ショックで戦意喪失した彼女は準決勝で棄権するも、劉家榮の代理として決勝の大舞台に立つこととなる。果たして大会を制するのは誰なのか? そして2人の恋の行方は? 今、決勝戦のゴングは鳴った!

▲『大丈夫日記』を髣髴とさせるムチャなラブコメを軸に、大小さまざまなネタを盛り込んだ香港映画らしい本作。それでいて本作がナイスなのは、ベテランの役者をリスペクトしている点です。
倉田さんや劉家榮はもちろん、意外と出番のある羅莽(ロー・マン)にもアクションと演技の見せ場が用意され、老いてもなお快活な彼らの姿を見ることができます(羅奔はちょっと可哀想なオチでしたが・苦笑)。
 また、先述した“ユルい”雰囲気を徹底するため、絶対的な悪を置かなかったのも好印象でした。敵役としてチャールズ・イングラム(海兵隊出身のスタントマン)が存在しますが、彼自身は試合で反則技を使ったりはしません。
彼が悪役らしい行動をしたのは、最初に生意気な口を叩いた時と劉家榮を闇討ちした時くらいで、CM撮影に手間取る姿には愛嬌さえ感じます。以上の点から、私はこの作品の持つほのぼのとした空気を好ましく思っているのです。
 とはいえ、アクション的にはちょっと物足りなかったのも事実。中途半端にCGで装飾したりせずに、もっと本格的な格闘戦を見て見たかった気持ちはあります。しかし作品の“ユルさ”に合わせるなら、この位のボリュームで良かったのかもしれません。
本作特有の“ユルい”ノリには賛否が分かれるものの、期待しすぎなければ普通に楽しめるはず。ここのところ羅守耀(デニス・ロー)の監督作を立て続けに見ていた私にとっては、とても良い癒しになりました。
 ちなみに日本ロケに倉田プロモーションが関わっているせいか、倉田さんと戦う道場破りに倉田プロ出身の俳優2名が扮しています。誰が出ているかは見てのお楽しみですが、『バトルハッスル』を見れば答えが解るかも…(笑
あと監督の葉偉民(イップ・ワイマン)、劇中にウルトラマンの人形やそれっぽい特撮ドラマを出したところを見るに、ひょっとして日本の特撮マニア?

『となりの凡人組3』

2014-05-27 23:52:06 | 倉田保昭
「となりの凡人組3」
製作:1994年

●表の顔は平凡なマイホームパパ、裏の顔はヤクザのドンである倉田保昭。そんな彼の前へ、20年前に手を付けた兄貴分の女・近藤理枝が姿を現した。
慌てる倉田と顔を引きつらせる妻だが、今度は近藤の娘である春木みさよまで登場する。一気に修羅場に突入か!?と思われたが、この2人は複雑な事情を秘めていた。
 春木は倉田の兄貴分・椎谷建治の娘であり、当の椎谷は娘の出産に反対。この一件がきっかけで近藤は広島に移り住み、内緒で出産した春木とつつましく暮らしていたが、広島連合会のボス・黒部進に目を付けられてしまう。
事情を知った椎谷は黒部のもとに攻め込み、追われる身となったため近藤が倉田に助けを求めたのである。自分の組からも尻尾を切られ、行き場をなくしていた椎谷を保護した倉田は、カタギになって家族と暮らすよう勧めた。
 だが、あくまで黒部を討とうとする椎谷はこれを拒否。やむなく倉田は大親分の助力を乞い、彼を強引に引退させて手出しされないようにするのだった。
この采配に椎谷は憤るが、執念深い黒部は近藤と再会した彼を襲撃し、報復の銃弾を撃ち込んだ。幸い、春木は荒貝組の若頭・菊池健一郎と会っていたおかげで難を逃れ、あとの2人もどうにか一命は取り留めた。
怒りに燃える倉田は、たった1人で大勢の敵が待つ広島連合会の事務所に向かっていく。伝説の”黄金の唐獅子牡丹”を背負って……。

 和製ドラゴン・倉田保昭が主演を務めたVシネシリーズの第3作にして、最終作となる作品です。今回はコメディ描写が前半のみで、椎谷が中心となる後半からはシリアス一色となっています。
どちらのパートも悪くない…と言いたいところですが、椎谷と春木が和解するまでの工程が非常にザックリとしており、ラストの展開がやや唐突に見えてしまいました。
また、前作までのレギュラーだったお隣さんやあき竹城の不在、クライマックスの展開に菊池が絡んでこない点など、スケールダウンしている感も否めません。
 気になる倉田さんのアクションは今回も最後だけで、殺陣のレベルは普通のヤクザVシネ程度。なので立ち回りの派手さは控えめですが、槍使いの用心棒とのラストバトルは上々の出来だったと思います。
ちなみに前作前々作にチラッと登場していた中村浩二ですが…今回もしっかり出ていました!エンドテロップにこそ名前は無いものの、最終決戦で倉田さんが敵の事務所に突入する際、締め上げられて放り出されたのが彼です(一瞬アップになります)。
スーツアクターとして、アクション俳優として日々躍進を続けている中村浩二。その初々しい姿を見たい方は本作をチェック…しなくてもいいかな?(苦笑

『無敵のゴッドファーザー ドラゴン世界を征く』

2013-08-29 23:21:01 | 倉田保昭
「無敵のゴッドファーザー ドラゴン世界を征く」
原題:香港小教父
英題:Little Godfather From Hong Kong/The Godfather Squad
製作:1974年

▼本作は梁小龍(ブルース・リャン)と倉田保昭が対決した2度目の作品として知られていますが、私としてはレンタルビデオ店の悲喜こもごもを初めて味わった、思い出深い映画だったりします。
最初に私が本作と出会ったのは、今から9年ほど前の話。近所のレンタル店で発見し、すぐに会員登録して借りに行ったのですが、次に来た時は店舗整理によって消滅…(号泣)。再会できたのは4年後のことで、県外の店でようやく発掘しました。
ちなみに現在、近所にあった店はまだ営業していますが、ビデオソフトは軒並み撤去。県外の店はクリーニングショップに変わり、当時の面影は完全に無くなってます。あそこは『カンフー風林火山』とかレア作品が置いてあったのになぁ…(遠い目)。

■ある麻薬組織の依頼により、暗殺者集団のカルロ・ファミリーは麻薬捜査官を次々と殺害していた。しかし香港で映画スターの梁小龍に阻止されてしまい、顔に泥を塗られたファミリーは大激怒!標的を梁小龍に定め、映画撮影と称して彼をローマに呼び寄せた。
現地に在住していた梁小龍の兄は「すぐに帰れ」と警告するが、翌朝になって死体となって発見された。怒りに燃える梁小龍は、お供の孟海(マン・ホイ)とともにファミリーへの仇討ちを誓うのだった。
戦いは日に日に激しさを増し、ローマの街は血と銃弾に染まっていく。保険会社社員のシャーリー・コリガンをも巻き込んだ死闘は、最後の刺客・倉田の登場によって最終局面へと移るのだが…。

▲さて、四苦八苦の末にめでたくゲットできた本作ですが、内容に関しては少々イマイチでした。なにしろストーリーは梁小龍が延々と敵の刺客を叩きのめしていくのみで、他に目立ったイベントが起きないからです。
梁小龍&シャーリー&共演女優との三角関係、ファミリーのボスと溺愛する実子の関係など、膨らませば面白くなりそうな要素もあるのですが、どれも顧みられることなく物語の中に埋没しています。
 また、空港で取材が殺到するような大スターが命を狙われ、街中で殺し合いを演じているのに平然と映画撮影が続行されるなど、核となるストーリーもあやふやな印象を受けました。そもそも、兄が死んだその日に普通に観光してる場合じゃないだろっ!(笑
アクションも不発で、倉田以外に梁小龍に太刀打ちできる人間が1人もおらず、迫力に欠けています。その倉田とのラストバトルも、ロケーション効果こそ絶大ですが、殺陣は『帰って来たドラゴン』より乱雑に感じます。
 『帰って来た~』は魅力的なキャラクターや明るい作風、そして出演者たちの体当たりアクションが見事でした。しかし本作はそういった点を受け継ごうとせず、ただただ単調で陰惨な物語に終始してしまったのです。
スケジュールや無許可のロケなど、いくつか障害があったのは解りますが、残念ながら失敗作と言わざるを得ません。呉思遠(ウー・セイエン)作品としてもワーストに近いけど、梁小龍VS倉田の対決だけは一見の価値アリ…かな?