功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ASSASSIN -アサシン-』

2013-03-21 23:38:41 | マーシャルアーツ映画:中(1)
「ASSASSIN -アサシン-」
原題:One in the chamber
製作:2012年(一部サイトなどで1992年製となっているが、これは誤り)

●『エクスペンダブルズ』がヒットして以降、それまで軽視されていた格闘スターたちの共演が盛んに行われるようになってきました。たとえ落ち目の俳優であっても、2人3人と集まれば価値を生むということに製作サイドが気付いてきたのです。
このことは当ブログでも何度か触れていますが、その流れに同調したのは製作サイドだけではありません。『エクス~』に出演した格闘スターたちも次々と行動を起こしており、中でもドルフ・ラングレンとスティーヴ・オースティンの2人は、ここのところ活発な動きを見せています。
スティーヴは『S.W.A.T.』『ザ・ハンティング』など、次々と「解っている」作品を連発。ドルフもヴァンダムやスコット・アドキンスと共演を重ねており、本作ではアカデミー俳優のキューバ・グッティングJrと拳を交えています。

 ストーリーは実に単純明快で、マフィア同士の抗争に2人の殺し屋が参加。やがて殺し屋たちによる代理戦争的な戦いに発展するが、そう簡単に物事は終わらず…というもの。主役はどちらかというとキューバの方で、ドルフは彼に対抗するマフィアが雇った伝説の殺し屋として登場します。
このドルフのキャラクター設定が最高で、あまりパッとしない本作の照明代わりになっていました。アロハシャツを着用し、つねに子犬を連れ回している奇妙な風体。それでいて仕事ぶりは慎重かつ確実という、クレイジーでクレバーな人物像はドルフ自身の雰囲気と見事に合致しています。

 一方、主人公のキューバはクールな暗殺者として登場しますが、ヒロインに対してストーカー行為に及んだりするので、あんまり魅力的なキャラには思えません。狂っているけど格好良いドルフと、格好いいつもりで狂っているキューバ…この対照的な2人は、後半に差し掛かったところで本格的な対決に挑みます。
関節技の応酬からナイフ合戦にまで発展するこのバトルは、一部で吹替えスタントこそ使ってはいるものの、なかなか白熱した激突となっています。格闘戦としての見せ場はこの部分ぐらいですが、その後もド派手な銃撃戦が続くので、アクション的には充実していたと言えるでしょう。
ぶっちゃけドルフ以外に魅力がない作品ですが、そのぶんドルフの個性が際立っていたのも事実。今後も様々なスターとの共演を控えているようなので、これからのドルフ(とスティーヴ)の動向からは目が離せませんね。

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