霸道縱構/霸道殺星(殺は旧字)
英題:Fighting Fist/Lady Cop in Fury/Bully
製作:1992年
▼かなり以前、私は『覇拳』という作品を当ブログにて紹介した。この作品は千葉真一がメガホンを取ったVシネ映画だが、"JAC最後のスター"塩谷庄吾を筆頭に松田勝(現:松田優)・胡慧中(シベール・フー)・慮恵光(ケン・ロー)・銭嘉樂(チン・ガーロッ)等が集結。作中では香港ロケも敢行され、当時のVシネとしては破格のキャストで作られた作品だった。
内容や格闘アクションはそれほどでもないのが少々残念だが、JACと香港映画が協力した作品として記憶に残る一本である。ところが、本作の香港版に石橋雅史が出演しているという怪異な噂があるのだ。他にも香港パートには日本版には無い追加カットもあると聞くが、そこで今回は『覇拳』香港版の検証を試みたいと思います(ちなみにあらすじは『覇拳』日本版レビューを参照のこと)。
■(※…ネタバレ有りなので、視聴を予定されている方はご注意下さい)
さて香港版の仕様だが、まずBGMが幾つか変更されてて全体的に台詞が増えており、香港版では塩谷の心の声などが追加。打撃音が香港式にアレンジ(重い音に変更)されて日本版にあった軽さが軽減され、香港版ということで香港キャストの出番が若干増え、編集の違いで前後の流れが変わり、日本版にあったアクションのスロー処理が無くなるなどしている。
最初に塩谷が香港のアバティーンに現れて情報屋と接触する…のだが、この情報屋って王清河だったんですね。王清河はショウブラの名脇役で武侠片などで悪役として活躍、次に塩谷がボスの息子を始末するシーンには、ガードマン役で夏占士と李發源の姿も。話は進んで銭嘉樂が捕まるシーンに続くが、ここで遂に追加カットが登場!日本版ではすぐに捕まって見せ場の無かった銭嘉樂だが、香港版では銃撃戦や軽いスタントを披露し、銭嘉樂の家を襲った後の慮恵光と遭遇する。つまり銭嘉樂VS慮恵光!である。ここで銭嘉樂が負けて捕まる訳だが、まさか銭嘉樂VS慮恵光なんてバトルがあったとは驚きだ。
続いて舞台は日本へと移行。ところどころ日本版に無い場面(逆に香港版で省かれた場面もある)を挟みつつ、団次郎の取引現場襲撃へ。日本版では塩谷の独壇場だったこのシーンも、香港版ではなんと胡慧中の功夫アクションがプラスされている。さすがに香港版主演格の扱いは伊達じゃないぞ(嬉)!このあと塩谷VS慮恵光の第1ラウンドがあるが、こちらは特に追加シーンは無し。次に塩谷が大文字三郎らに接触するが、今度は塩谷の回想という形で修行時代の銭嘉樂がチラッと登場する。
ところで石橋雅史出演疑惑だが、どうもHKMDBの情報から察するに大文字三郎を石橋雅史と間違えているようだ。いろいろと追加カットがあるので期待したが…これはちょいと残念です。そんなこんなで、物語はいよいよ大詰めへ。団次郎の兵隊と塩谷の銃撃戦は無編集…と思いきや、日本版だと慮恵光に殺されていた団次郎が香港版では胡慧中に始末されたぞ?!そして塩谷VS慮恵光のラストバトルだが、こちらも追加シーンはありませんでした(流石に塩谷を起用しての撮り足しは不可能だったか)。
最後は千葉ちゃんと塩谷のハイタッチで終わるのだが、ここで作中で最も衝撃的な驚愕のどんでん返しが待っていました。2人がタッチした瞬間、千葉ちゃんの腕にチラリと香港黒社会の印である花の刺青(取引のシーンで李發源らが見せていたアレ)が!?そして恋人と抱き合う塩谷の向こうには時限爆弾らしきものが!!?
▲最後は結末を見せないで幕を引いていましたが、まさかのバッドエンド(?)にただただ呆然とするばかりです。言語が中国語なので何を言ってるのか解りませんが、もしかしたら台詞で千葉ちゃんが敵のスパイである伏線が語られていたのかも。それにしても、この改変でラストに見せた千葉ちゃんの「この作品は俺が作ったんだぞ」的な自己満足スマイルが、一気にドス黒いものに変わっちゃってました(爆
ということで、ガセだった石橋雅史の出演・驚愕の銭嘉樂VS慮恵光・胡慧中の活躍が増加・そして全てをひっくり返すバッドエンド…これまで見たいと思っていた『覇拳』香港版ですが、まさかここまでの内容だったとは思いもよりませんでした。個人的に構成や完成度なら日本版、功夫アクションなら香港版が良かったかと思います。それにしても、香港版の事を千葉真一自身はご存知なんでしょうかね?
英題:Fighting Fist/Lady Cop in Fury/Bully
製作:1992年
▼かなり以前、私は『覇拳』という作品を当ブログにて紹介した。この作品は千葉真一がメガホンを取ったVシネ映画だが、"JAC最後のスター"塩谷庄吾を筆頭に松田勝(現:松田優)・胡慧中(シベール・フー)・慮恵光(ケン・ロー)・銭嘉樂(チン・ガーロッ)等が集結。作中では香港ロケも敢行され、当時のVシネとしては破格のキャストで作られた作品だった。
内容や格闘アクションはそれほどでもないのが少々残念だが、JACと香港映画が協力した作品として記憶に残る一本である。ところが、本作の香港版に石橋雅史が出演しているという怪異な噂があるのだ。他にも香港パートには日本版には無い追加カットもあると聞くが、そこで今回は『覇拳』香港版の検証を試みたいと思います(ちなみにあらすじは『覇拳』日本版レビューを参照のこと)。
■(※…ネタバレ有りなので、視聴を予定されている方はご注意下さい)
さて香港版の仕様だが、まずBGMが幾つか変更されてて全体的に台詞が増えており、香港版では塩谷の心の声などが追加。打撃音が香港式にアレンジ(重い音に変更)されて日本版にあった軽さが軽減され、香港版ということで香港キャストの出番が若干増え、編集の違いで前後の流れが変わり、日本版にあったアクションのスロー処理が無くなるなどしている。
最初に塩谷が香港のアバティーンに現れて情報屋と接触する…のだが、この情報屋って王清河だったんですね。王清河はショウブラの名脇役で武侠片などで悪役として活躍、次に塩谷がボスの息子を始末するシーンには、ガードマン役で夏占士と李發源の姿も。話は進んで銭嘉樂が捕まるシーンに続くが、ここで遂に追加カットが登場!日本版ではすぐに捕まって見せ場の無かった銭嘉樂だが、香港版では銃撃戦や軽いスタントを披露し、銭嘉樂の家を襲った後の慮恵光と遭遇する。つまり銭嘉樂VS慮恵光!である。ここで銭嘉樂が負けて捕まる訳だが、まさか銭嘉樂VS慮恵光なんてバトルがあったとは驚きだ。
続いて舞台は日本へと移行。ところどころ日本版に無い場面(逆に香港版で省かれた場面もある)を挟みつつ、団次郎の取引現場襲撃へ。日本版では塩谷の独壇場だったこのシーンも、香港版ではなんと胡慧中の功夫アクションがプラスされている。さすがに香港版主演格の扱いは伊達じゃないぞ(嬉)!このあと塩谷VS慮恵光の第1ラウンドがあるが、こちらは特に追加シーンは無し。次に塩谷が大文字三郎らに接触するが、今度は塩谷の回想という形で修行時代の銭嘉樂がチラッと登場する。
ところで石橋雅史出演疑惑だが、どうもHKMDBの情報から察するに大文字三郎を石橋雅史と間違えているようだ。いろいろと追加カットがあるので期待したが…これはちょいと残念です。そんなこんなで、物語はいよいよ大詰めへ。団次郎の兵隊と塩谷の銃撃戦は無編集…と思いきや、日本版だと慮恵光に殺されていた団次郎が香港版では胡慧中に始末されたぞ?!そして塩谷VS慮恵光のラストバトルだが、こちらも追加シーンはありませんでした(流石に塩谷を起用しての撮り足しは不可能だったか)。
最後は千葉ちゃんと塩谷のハイタッチで終わるのだが、ここで作中で最も衝撃的な驚愕のどんでん返しが待っていました。2人がタッチした瞬間、千葉ちゃんの腕にチラリと香港黒社会の印である花の刺青(取引のシーンで李發源らが見せていたアレ)が!?そして恋人と抱き合う塩谷の向こうには時限爆弾らしきものが!!?
▲最後は結末を見せないで幕を引いていましたが、まさかのバッドエンド(?)にただただ呆然とするばかりです。言語が中国語なので何を言ってるのか解りませんが、もしかしたら台詞で千葉ちゃんが敵のスパイである伏線が語られていたのかも。それにしても、この改変でラストに見せた千葉ちゃんの「この作品は俺が作ったんだぞ」的な自己満足スマイルが、一気にドス黒いものに変わっちゃってました(爆
ということで、ガセだった石橋雅史の出演・驚愕の銭嘉樂VS慮恵光・胡慧中の活躍が増加・そして全てをひっくり返すバッドエンド…これまで見たいと思っていた『覇拳』香港版ですが、まさかここまでの内容だったとは思いもよりませんでした。個人的に構成や完成度なら日本版、功夫アクションなら香港版が良かったかと思います。それにしても、香港版の事を千葉真一自身はご存知なんでしょうかね?