「ストリート・クライム」
原題:Street Crimes
製作:1992年
●警察官のマイケル・ワースと相棒のデニス・ファリナ(定年間近)は、あるとき街のチンピラから果し合いを申し込まれ、古惚けたリングの上で雌雄を決した。このことがきっかけで他の警官もチンピラに勝負を挑まれる機会が多くなり、いつしか警官VSチンピラによる格闘イベントのようなものへと発展していった。
これによりチンピラたちに団結心が芽生え始め、なんとなくいい雰囲気になっていく。だが、マイケルの旧友で暗黒街の顔役であるジェームズ・T・モリスは、このイベントによって麻薬の売り上げが落ちている事に渋い顔をしていた。
非情なジェームズは、マイケルたちのイベントにプロ格闘家を送り込んだりと揺さぶりを仕掛け、ついにはマイケルの友人となっていたチンピラたちのリーダーが殺されてしまった。全てを支配しようとするジェームズはマイケルの動きを抑えるべく、彼の恋人(パトリシア・ゼヘントマイル)を誘拐する。
なんとか彼女を助け出したマイケルは、全ての決着をつけようとジェームズに対決を挑むが…。
マーシャルアーツ映画で主人公が警察官だと、アンダーカバー(潜入捜査)的な展開になりやすい傾向があります。ちょっと前にレビューした『ファイア・パワー』しかり、傑作の『アンダー・カバー/炎の復讐』しかり…。
そして本作もロス市警の警官が主人公なんですが、今回は他と違ってドラマ部分が強化されています。同僚との確執、マイケルとパトリシアの恋愛模様、娘であるパトリシアの恋路を見つめるデニス、アングラな事件などが本筋に絡んでくるのです。
こうしたドラマ部分の強化に加え、イベントを通じてワルたちと警官が仲良くなっていくユニークさもあり、本作は凡百のポリスアクションとは趣を異にしていました。また、この手の作品だとヒロインが邪魔だったりしますが、そうしたエピソードも本筋に無理なく融合されています。
こうなると気になるのが格闘描写ですが、カメラワークに難のあった『ハードブロー』(同じマイケルの主演作)に対し、本作では視点を揺らさずアクションをしっかりとキャプチャー。殺陣もなかなか面白く、マイケルの伸びやかな蹴り技は本作でも健在でした。
ただ、立ち回りの感覚が少し間延びしていて、何よりもラスボスのジェームズが格闘映画にありがちな“マッチョなパワーファイターだが動きが遅い”キャラだったのにはガッカリ。とはいえ、全体的な格闘アクションのレベルは悪くなかったと思います。
なお、本作でマイケルは時おり甲高い怪鳥音を発し、李小龍(ブルース・リー)っぽい仕草をしつつ闘っています。それもそのはず、本作では何とジークンドー指導という肩書きでジェリー・ポティート氏が関わっているのです。
彼は李小龍から実際に指導を受けた截拳道のインストラクターで、あの『ドラゴン/ブルース・リー物語』などにも参加しているようです。でも、本作でジークンドーが有機的に機能していたかと言うと…う~ん(苦笑
原題:Street Crimes
製作:1992年
●警察官のマイケル・ワースと相棒のデニス・ファリナ(定年間近)は、あるとき街のチンピラから果し合いを申し込まれ、古惚けたリングの上で雌雄を決した。このことがきっかけで他の警官もチンピラに勝負を挑まれる機会が多くなり、いつしか警官VSチンピラによる格闘イベントのようなものへと発展していった。
これによりチンピラたちに団結心が芽生え始め、なんとなくいい雰囲気になっていく。だが、マイケルの旧友で暗黒街の顔役であるジェームズ・T・モリスは、このイベントによって麻薬の売り上げが落ちている事に渋い顔をしていた。
非情なジェームズは、マイケルたちのイベントにプロ格闘家を送り込んだりと揺さぶりを仕掛け、ついにはマイケルの友人となっていたチンピラたちのリーダーが殺されてしまった。全てを支配しようとするジェームズはマイケルの動きを抑えるべく、彼の恋人(パトリシア・ゼヘントマイル)を誘拐する。
なんとか彼女を助け出したマイケルは、全ての決着をつけようとジェームズに対決を挑むが…。
マーシャルアーツ映画で主人公が警察官だと、アンダーカバー(潜入捜査)的な展開になりやすい傾向があります。ちょっと前にレビューした『ファイア・パワー』しかり、傑作の『アンダー・カバー/炎の復讐』しかり…。
そして本作もロス市警の警官が主人公なんですが、今回は他と違ってドラマ部分が強化されています。同僚との確執、マイケルとパトリシアの恋愛模様、娘であるパトリシアの恋路を見つめるデニス、アングラな事件などが本筋に絡んでくるのです。
こうしたドラマ部分の強化に加え、イベントを通じてワルたちと警官が仲良くなっていくユニークさもあり、本作は凡百のポリスアクションとは趣を異にしていました。また、この手の作品だとヒロインが邪魔だったりしますが、そうしたエピソードも本筋に無理なく融合されています。
こうなると気になるのが格闘描写ですが、カメラワークに難のあった『ハードブロー』(同じマイケルの主演作)に対し、本作では視点を揺らさずアクションをしっかりとキャプチャー。殺陣もなかなか面白く、マイケルの伸びやかな蹴り技は本作でも健在でした。
ただ、立ち回りの感覚が少し間延びしていて、何よりもラスボスのジェームズが格闘映画にありがちな“マッチョなパワーファイターだが動きが遅い”キャラだったのにはガッカリ。とはいえ、全体的な格闘アクションのレベルは悪くなかったと思います。
なお、本作でマイケルは時おり甲高い怪鳥音を発し、李小龍(ブルース・リー)っぽい仕草をしつつ闘っています。それもそのはず、本作では何とジークンドー指導という肩書きでジェリー・ポティート氏が関わっているのです。
彼は李小龍から実際に指導を受けた截拳道のインストラクターで、あの『ドラゴン/ブルース・リー物語』などにも参加しているようです。でも、本作でジークンドーが有機的に機能していたかと言うと…う~ん(苦笑