正月にぜひ。「元旦に初詣」という習慣が、明治期の鉄道の旅客獲得競争に端を発して、民衆に娯楽として定着したものだ、ということを、当時の新聞広告や文献などを元に解き明かした本。明治期には国鉄以外にも民間鉄道会社が多数あり、それらが仁義なき競争を繰り広げていた様子、当時の行楽の距離としては最適だった成田山と川崎大師、旧暦から新暦への変更の際の混乱、地元の檀家・氏子と行楽客の行動の違いと多数派が席巻していった様子など、非常に興味深い。
★4.5
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