一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

より道 (模擬裁判体験記 おまけ)

2007-12-22 | 裁判員制度

模擬裁判の話はようやく終わりが見えてきました。
シリーズ物は覚悟が必要だ、ということを学びました。

さて、今回はちょっと寄り道。

今朝の「世界のニュース」でイギリスの爆弾テロ事件の裁判でDNA鑑定の証拠能力が否定された、というニュースが流れていました。

DNA test halted after Omagh case
(Friday, 21 December 2007, 18:14 GMT BBC News)

Police have suspended the use of a controversial DNA technique following the Omagh bomb verdict.
Earlier, the Crown Prosecution Service said it would review live prosecutions in England and Wales using Low Copy Number (LCN) DNA testing.

Omah Bombというのは1998年にアイルランドで起きて大量の一般市民が巻き添えになった有名な爆弾事件だそうです。
今回の裁判で犯人特定の決め手になったのは「LCN」という方法で、ごく微量のDNAを複製・増殖させ犯人のDNAを復元する方法のようですが、この増殖・復元の過程に問題があり、もとのDNAと一致しない可能性がある、ということのようです。


これで思ったのは、裁判員制度でこんなのにあたったら大変だろうな、ということでした。

また逆に、専門知識を持った裁判員がいた場合、その人の知識を用いることがいいのでしょうか。
その裁判員の知識が弁護側か検察側の主張・立証の不十分な点を補強するようなものであった場合、証拠の後だし(横だし?)のようなことにならないでしょうか。
また、その裁判員が製薬メーカーなどその技術に利害関係を持つ人である場合、途中で排除することになるのでしょうか(でも黙っていたらわからないですよね)

裁判員制度のコンセプトである「市民の意見の反映」というなかに、市民の専門的知見、というのも含まれるということなのでしょうか。
それとも通常一般人としての判断が期待されているのでしょうか。


実は今回の模擬裁判でも、「殺意の有無」酔って激高したとはいえ包丁まで持ち出すか?という疑問に、元居酒屋経営の女性が、酔っ払いは気が大きくなるもので、すぐに「殺してやる」とか言って包丁を手に持とうとするので喧嘩が始まると必ず包丁は隠していた、という話をされ、なるほどと一同感心したようなこともありました。


各論になるといろいろ課題が出てきそうですね。


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2 コメント

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Unknown (ある経営コンサルタント)
2007-12-23 12:08:11
「DNA鑑定の証拠能力」というのは、よく考えれば、当たり前の話なんですね。

検定する試料が余りにも微量であったり、年月がたって他の物が混入したりしていたときに、その鑑定結果の信頼度については、別途評価が必要だと思えますね。

火葬にされた骨のDNA鑑定をして、ものを言った人がいます。しかし、温度がある一定以上になるとDNAは破壊されるから、なにも出てこないとの話があります。

DNA鑑定という言葉のみで判断を下すことは、危険性がありますね。
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DNAのどこをどう鑑定するのか (go2c)
2007-12-23 13:28:19
ある経営コンサルタントさん

おひさしぶりです。

このような技術は警察側にとっては便利なうえに、開発された時点ではライバル会社以外はあえてその画正確さを検証しようとはしないので、そのまま使われてしまう、と言うことがあるのかもしれません。

確かにDNA鑑定といっても、全体の話なのか、一部の遺伝子の話なのか、それが本人を特定する手段になるのかを冷静に判断しないといけませんね。

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